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リンパ腫の診断・検査

リンパ腫の診断・検査


リンパ節腫脹

リンパ節腫脹とは、1つまたは複数のリンパ節が、成人では直径1cm以上(鼠径部では1.5〜2cmの場合もある)腫れることを示しています1)

リンパ節腫脹の診断


リンパ節腫脹は、感染症、腫瘍、膠原病、原因不明のキャッスルマン病、フェニトインやメトトレキサートなどの薬剤によって引き起こされます2)
リンパ節腫脹の明確な定義はありませんが、成人では1〜2cm以上の大きさのものを指します。リンパ節の面積が1.0cm²(1.0cm×1.0cm)未満の場合は、非特異的な反応性病変であることが多く見られます。悪性腫瘍や結核などの肉芽腫性炎、その他の特異的な原因による病的なリンパ節腫脹と非特異的なリンパ節を区別する基準は、2.25cm²(1.5cm×1.5cm)とされています。大きさが1〜1.5cm程度でも扁平なものは良性であることが多く、一方で小さくてもリンパ腫などの悪性腫瘍の可能性があります。そのため、単純に大きさだけで病因を判断するのではなく、リンパ節腫脹の部位や臨床症状などを考慮して対応する必要があります2)
問診では、臨床経過(発熱、寝汗、体重減少などの随伴症状)、腫脹部位(発症時期、大きさの変化、痛みの有無)、関節痛や皮膚症状の有無、服薬歴、海外渡航歴、動物との接触歴などを注意深く聴取することと、身体診察が重要です2,3)
身体検査では、リンパ節腫脹の①局在、②可動性、③硬さ、④痛みの有無のチェックも重要なポイントです。
感染症に伴うものは、有痛性で柔らかく可動性があります。これらは感染症の改善とともに消退します。関節リウマチでは、炎症の強い関節の近くのリンパ節が腫れることが多くあります。がんの転移によるリンパ節腫脹は石のように硬く、周囲に癒着していることが多いです。悪性リンパ腫では一般的に無痛性で弾性硬、可動性があります。進行が速い場合は痛みがある場合もあります3)

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リンパ節生検の適応


リンパ節生検は、悪性腫瘍を疑う場合や、他の診断方法で確定診断が得られない場合に実施すべきです。患者さんの病歴や身体所見から、リンパ節腫脹が反応性と考えられる場合は、2〜4週間の間隔で経過観察を行います2)
一般的に、明らかな原因のない3cm以上の成人のリンパ節腫脹は、リンパ腫などの悪性腫瘍の可能性が高いため、リンパ節生検を考慮すべきです。特に、アグレッシブリンパ腫が疑われる場合は、早期にリンパ節生検を実施して診断を確定する必要があります2)

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参考文献
1)神田善伸(著). 血液病レジデントマニュアル. 第4版; 医学書院; 2024. 45-48.
2)飛内賢正、木下朝博、塚崎邦弘(編). 悪性リンパ腫治療マニュアル(改訂第5版). 南江堂; 2020. 11-13.
3)飛内賢正、木下朝博、塚崎邦弘(編). 悪性リンパ腫治療マニュアル(改訂第4版). 南江堂. 2015. 10-11.