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リプレガル点滴静注用3.5㎎ 発売中

アガルシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)
投与方法

投与方法


投与手順の解説

調製方法

 

無菌性保持のために用時希釈し、希釈後は速やかに使用してください。

①患者の体重から必要量を換算してください。

・必要バイアル数の決定
患者の体重及び処方用量に従って希釈するバイアルの数を決定します。
参考:必要バイアル数(本剤は1mg/mLの溶液のため、必要液量は体重1kgあたり0.2mLとなります。)

体重別投与量と必要液量
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投与方法_体重別投与量と必要液量

②必要量を用時にバイアルから採取し、100mLの日局生理食塩液に加えて希釈してください。

注意

  • 希釈液として、日局生理食塩液以外を使用しないこと
  • 他剤と混注しないこと
  • 希釈後に激しく振とうしないこと

③肉眼で不溶性異物や変色の有無を確認してください(認められた場合は使用しないでください)。

④0.2μmのインラインフィルターを通して点滴静注してください。

用意するもの
  • 日局生理食塩液 100mL(点滴バッグ又はボトル)
  • 希釈用シリンジ
  • 注射針(20ゲージより細いもの)
  • タンパク低吸着性0.2μmフィルターの組み込まれた輸液セット又は輸液セット及びタンパク低吸着性0.2μm フィルター付延長チューブ

投与に必要なバイアル数を冷蔵庫から取り出し、室温になるまで放置してください。

希釈操作

あらかじめ、日局生理食塩液100mL(点滴バッグ又はボトル)の容器内の空気を注射用シリンジで抜き取っておきます。

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投与方法_希釈操作
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投与方法_希釈操作

投与操作

タンパク低吸着性0.2μmフィルターの組み込まれた輸液セット又は輸液セット及びタンパク低吸着性0.2μmフィルター付延長チューブを使用して、希釈溶液を40分以上かけて点滴静注します。

  • 本剤は保存剤を含まないため、希釈後は直ちに使用してください。
  • 直ちに使用できない場合は、希釈後2〜8℃で保存し、かつ溶解後24時間以内に投与してください。
  • 他の薬剤と混合して投与しないでください。
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投与方法_投与操作
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投与方法_投与操作

投与時に気をつけること

発現する可能性のある副作用

①Infusion related reaction(投与関連反応)

本剤の投与中又は投与終了後1時間以内にinfusion related reactionがあらわれることがあります。主な症状は発熱、倦怠感、四肢疼痛、胸部不快感、悪寒、顔面潮紅であり、頭痛、呼吸困難、腹痛、嘔気、胸痛、そう痒、浮腫、じん麻疹等のアレルギー反応を伴うこともあります。Infusion related reactionは、通常本剤による治療開始2~4ヵ月で発現しますが、1年以降に発現する例も報告されています。

リプレガル点滴静注用電子添文

初発の投与時関連反応の発現時期(Kaplan-Meier法)

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投与方法_初発の投与時関連反応の発現時期(Kaplan-Meier法)
本文

Sasa H et al; Mol Genet Metab, 2019, 126, 448-459.
本試験はShire社(現Takeda)の資金提供を受けている。

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投与方法_初発の投与時関連反応の発現時期(Kaplan-Meier法)
本文

Sasa H et al; Mol Genet Metab, 2019, 126, 448-459.
本試験はShire社(現Takeda)の資金提供を受けている。

投与時の注意および対処法

注意

  • Infusion related reactionは本剤投与中または投与終了1時間以内に起こることがあります
  • 投与速度が速いと発現しやすいので、投与は40分以上かけて行ってください
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投与方法_投与時の注意および対処法

参考

前投薬などの処置を行ってもinfusion related reactionが軽減しない症例において、前投薬を実施したうえで本剤を1~5分間投与して中断し、約5分後に投与を再開することによりinfusion related reactionが軽減された例があります。

②アガルシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体産生の影響

本剤の投与により、アガルシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体が産生し、効果が減弱した例が報告されています。これらの大部分では、本剤の投与を継続することにより効果が回復したが、回復がみられない例も報告されています。

リプレガル点滴静注用電子添文

発現状況

国内及び外国の臨床試験で、本剤が3回以上投与された患者67例中26例(39%)でアガルシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体の産生が認められましたが、このうち20例(77%)では投与継続中に抗体価の低下あるいは抗体の消失がみられました。抗体産生に起因する特異な副作用は認められませんでした。一方、抗体の産生により効果が減弱する例がみられましたが、投与を継続することにより、ほとんどの例で効果が回復しました。

リプレガル点滴静注用電子添文

投与時の注意および対処法

注意

  • 本剤投与中に、疼痛の悪化など効果の減弱がみられた患者では 他の治療法に切り替えることも考慮してください

アナフィラキシーについて

アナフィラキシーとは、「アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応」と定義されます。「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」を、アナフィラキシーショックといいます。次の3つの項目のうちいずれかに該当すればアナフィラキシーと診断します。

アナフィラキシーの診断基準

① 皮膚症状(全身の発疹、瘙痒または紅斑)、または粘膜症状(口唇・舌・口蓋垂の腫張など)のいずれかが存在し、急速に(数分〜数時間以内)発現する症状で、かつ下記a、bの少なくとも1つを伴う。

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投与方法_アナフィラキシーの診断基準1
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投与方法_アナフィラキシーの診断基準1

② 一般的にアレルゲンとなりうるものへの曝露の後、急速に(数分〜数時間以内)発現する以下の症状のうち、2つ以上を伴う。

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投与方法_アナフィラキシーの診断基準2
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投与方法_アナフィラキシーの診断基準2

③ 当該患者におけるアレルゲンへの曝露後の急速な(数分〜数時間以内)血圧低下。

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投与方法_アナフィラキシーの診断基準3
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投与方法_アナフィラキシーの診断基準3

薬剤性アナフィラキシーは、医薬品(治療用アレルゲンなども含む)により生じるもので、医薬品投与直後〜30分以内に発症することが多いです。

厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル「アナフィラキシー」
平成20年3月(令和元年9月改定)


保険医による在宅投与について

リプレガルは、2021年3月に「保険医※が投与することができる注射薬の対象薬剤」に追加されました。リプレガルを在宅投与する場合には、infusion related reactionに対して十分な知識と経験を持つ医師の指示により実施し、infusion related reactionに対する忍容性を確認したうえで投与してください。また、アナフィラキシーなどの副作用が認められる場合には一旦投与を中止し、適切な処置を行ってください。


※医師又は医師の指示を受けた看護師