基本情報
軽度から高度の腎機能障害患者、および慢性的な透析患者による薬物動態試験において、健康成人と比べ体内動態への影響は少ないことが確認されており1)、腎機能障害患者におけるロゼレムの用量調節は必要ないと考えられます。
1.ロゼレム錠 電子添文
軽度から高度の腎機能障害患者、及び慢性的な透析患者における薬物動態試験において、健康成人と比べ体内動態への影響は少ないことが確認されています1)。
1.ロゼレム錠 電子添文
本剤は主に肝臓で代謝されるため、肝機能障害を有する患者に本剤を投与する場合には、本剤の血中濃度が上昇する可能性があります。1)
◇高度な肝機能障害の場合
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがあるため、「禁忌」に該当します。
◇軽度-中等度の肝機能障害の場合
海外臨床試験で、健康成人と比べて血中濃度が上昇することが認められており、「慎重投与」に該当します。
軽度または中等度の肝機能障害のある患者さんでは、肝機能に応じたロゼレムの用量調節は必要ないと考えられますが、本剤は主として肝臓で代謝されることから、これの患者さんに投与する場合には慎重に投与する必要があります。2)
1.ロゼレム錠 電子添文
2.ロゼレム錠 インタビューフォーム
高齢患者さんでは血中濃度が上昇する可能性があるため、慎重投与となっています。
また、一般に高齢患者さんでは生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすくなる可能性がありますので、高齢患者さんでは、自覚症状、身体所見等の変化に十分注意し、投与してください。
1.ロゼレム錠 電子添文
ロゼレム錠は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者さん及び軽度又は中等度の睡眠時無呼吸症候群患者さんにおいて、呼吸抑制作用を起こさないことが示唆されました1)。
高度の睡眠時無呼吸症候群患者さんにおいては、安全性が確認されていないため、慎重投与となっています2)。
1.ロゼレム錠 電子添文
2.ロゼレム錠 インタビューフォーム
ロゼレム錠を懸濁して投与することは、承認外の用法となります。
粉砕または懸濁してヒトに投与した際の有効性、安全性は確立していませんので、弊社からはお勧めしていません。
参考情報は、インタビューフォームをご参照ください。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
食後どの程度時間をあけて、ロゼレム錠を服用すればよいか検討した成績はありません。
食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがありますので、食事と同時又は食直後の服用は避けてください1)。
なお、ロゼレム錠の国内における用法は「就寝前」経口投与です。
1.ロゼレム錠 電子添文
食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがありますので、食事と同時または食直後の服用は避けてください。
なお、国内における用法は「就寝前」経口投与です。
参考資料)
ロゼレム錠8mg 電子添文
ロゼレム錠の頓服での有効性評価を目的とした臨床試験は実施していません。
ロゼレム錠の用法・用量は「1回8mgを就寝前に経口投与する」1)となっており、ロゼレム錠の頓服での投与は、弊社としてはお勧めしていません。
1.ロゼレム錠 電子添文
ロゼレム錠の用法・用量は就寝前の投与であり、適正使用の観点から、就寝前以外の投与はお勧めしていません。
また、食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがありますので、食事と同時又は食直後の服用は避けてください。
1.ロゼレム錠 電子添文
開発時の臨床試験において、8mgを超える用量で睡眠潜時の短縮効果が増大する傾向はみられず、一方、4mgは安定して有効性を発揮することは難しい用量と考えられたことから、至適用量は8mgとなりました。1)
臨床試験全体を通して、ロゼレムには一貫して用量依存性を示す有害事象は認められませんでした。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
ロゼレム錠は、向精神薬のような30日制限や90日制限のような規制は受けません。
ただし、添付文書の「用法・用量に関連する使用上の注意」1)には「本剤の投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。またその後も定期的に本剤の有効性及び安全性を評価した上で投与継続の要否を検討すること。」1)と記載があることから、ロゼレム錠の効果判定は2週間を目処に行い継続の可否を判断してください。
保険上の取扱いは、請求先の審査機関でご確認ください。
1.ロゼレム錠 電子添文
ベンゾジアゼピン系薬剤等他の不眠症治療薬による前治療歴がある患者さんにおける本剤の有効性、並びに精神疾患(統合失調症、うつ病等)の既往または合併のある患者における本剤の有効性及び安全性は確立していませんので、これらの患者に本剤を投与する際には治療上の有益性と危険性を考慮し、必要性を十分に勘案した上で慎重に行ってください。1)
なお、保険請求の可否は、請求先の審査機関でご相談ください。
1.ロゼレム錠 電子添文
アルコールが中枢神経抑制作用を示すため、ロゼレム錠とアルコールの併用による相加作用が考えられ、アルコール(飲酒)は「併用注意」に設定されています1)。外国健康成人におけるエタノールとロゼレム錠の併用試験において、薬物動態への影響は認められませんでしたが、精神運動機能検査などの薬力学的検査の結果、ロゼレム錠とエタノール併用による中枢神経抑制作用の増強が認められました。ロゼレム錠服用時のアルコール摂取により、注意力・集中力・反射運動能力等がさらに低下する可能性があります。
1.ロゼレム錠 電子添文
ロゼレム錠は「向精神薬」「注意-習慣性あり」に該当しない医薬品として製造販売承認を取得しました。
通常用量である8mgの10~20倍の用量においても薬物嗜好性への影響は認められませんでした。
参考までにインタビューフォームに記載の内容をご紹介いたします。
■薬物嗜好性に及ぼす影響[外国人データ]1)
薬物乱用の既往患者14例(年齢:19~50歳)を対象にロゼレム錠16mg、80mg、160mg又はプラセボを1日1回、週末を除く7日間経口投与し、薬物依存性に関する調査票(DEQ)により薬物嗜好性を検討しました。ロゼレム投与群の薬物嗜好性への影響は、プラセボ投与群と比較して有意差はありませんでした。
*ロゼレムの用法・用量は、「通常、成人にはラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口投与する。」です2)。
(参考資料)
ロゼレム錠 インタビューフォーム
ロゼレム錠 電子添文
ロゼレム錠の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意してください1)。
1.ロゼレム錠 電子添文
■反跳性不眠に及ぼす影響1)
投与終了後の睡眠日誌による自覚的睡眠潜時の平均値は38.23分から47.41分、ベースライン値からの短縮は19.22分から27.70分の範囲であり、ラメルテオン24週間投与による自覚的睡眠潜時の延長は認められなかった。
■退薬症候に及ぼす影響1)
ベンゾジアゼピン退薬症候質問票(Benzodiazepine Withdrawal Symptom Questionnaire;BWSQ)を用いてロゼレムの退薬症候の可能性について評価した結果、ロゼレム投与終了時と比較して後観察期のBWSQスコアの悪化は認められず、退薬症候は認められなかった。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
■成人患者を対象とした慢性不眠症に関する試験(外国人データ)1)
慢性不眠症患者275例(年齢:18-65歳)を対象にプラセボ対照二重盲検群間比較試験により、ラメルテオン8mg、ゾピクロン7.5mgまたはプラセボを就寝30分前に1日1回28日間経口投与し、投与14日目の投与前1.5時間及び投与後1.5-2時間に記憶機能検査(Word List Memory Test)を行った。
ラメルテオン投与群とプラセボ投与群の記憶機能検査には有意差はみられなかった。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
ロゼレム錠とメラトニンサプリメント及びメラトニン受容体作動性入眠改善剤との併用による有効性及び安全性は確立していません。
高齢慢性不眠症患者さんを対象にした海外成績において、ラメルテオン投与群とプラセボ投与群の開眼状態での圧力中心面積に有意差はみられませんでした。
[試験方法]
慢性不眠症患者 275 例(年齢:18 ~ 65 歳)を対象にプラセボ対照二重盲検群間比較試験により、ラメルテオン 8mg、ゾピクロン 7.5mg 又はプラセボを就寝 30 分前に 1 日 1 回 28 日間経口
投与し、投与 14 日目の投与前 1.5 時間及び投与後 1.5 ~ 2 時間に平衡機能*検査を行った。1)
*平衡機能:体のバランスをとって姿勢を維持する機能
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
国内の長期投与試験において、慢性不眠症患者さんを対象にロゼレム錠8mgを24週間投与し、睡眠潜時の短縮の維持が確認されました1)。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
2010年6月11日です。
(参考資料)
ロゼレム錠インタビューフォーム
分包後(単剤での分包、他剤との一包化)の安定性は検討していません。
参考までに、「無包装状態の安定性」1)をご紹介します。
ロゼレム錠 8mg を 温度25℃ /湿度75%、暗所の条件下で保存した場合、6 ヵ月後まで、外観、含量、溶出性などについて特に問題となる変化は認められなかった。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
消化管の広い部位から吸収されると考えられます。1)
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
質量:135mg
直径:7.1mm
厚さ :3.6mm1)
1.ロゼレム錠 電子添文
ラメルテオンは肝臓で主にCYP1A2で代謝され、CYP2Cサブファミリー及びCYP3A4も一部関与することが示唆されました。
M-IIの肝代謝は主にCYP3A4が関与していることが示唆されました。1)
(参考) (in vitro)
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
ロゼレム錠とメラトニンの睡眠に対する作用比較を目的とした臨床試験は実施していません。
主な排泄経路は尿です。1)
(参考 ラット、サル)
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
メラトニンは睡眠覚醒リズムに関与するメラトニン受容体1型(MT1受容体)及びメラトニン受容体2型(MT2受容体)に作用し、睡眠中枢を優位に導くことで睡眠を誘発し、副交感神経を優位に保つことにより自律神経を抑制します1)。
ロゼレム錠は、メラトニンMT1及びMT2受容体に対する高い親和性を有するメラトニン受容体アゴニストです2)。
薬効薬理1)
作用機序
ラメルテオンは、メラトニンMT1及びMT2受容体に対する高い親和性を有するメラトニン受容体アゴニストであり、ヒトメラトニンMT1及びMT2受容体に対する親和性(Ki値)はそれぞれ14.0pmol/L及び112pmol/Lフォルスコリン誘発cAMP生成反応を指標にしたアゴニスト活性のIC50値はそれぞれ21.2pmol/L及び53.4pmol/Lである。
ラメルテオンGABAA受容体をはじめとするGABA、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン及びアセチルコリンなどの神経伝達物質受容体に対して、10μmol/Lの濃度で検出可能な親和性を示さない。
(参考資料)
1)ロゼレム錠8mg インタビューフォーム
2)ロゼレム錠8mg 電子添文
割線がありません。
半錠にした際の含量均一性を担保できないため半分に割ることはお勧めしていません。
なお、「半錠の安定性」1)は検討していません。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
ロゼレム錠を粉砕して服用することは、承認外の用法となります。粉砕したものをヒトに投与した際の有効性、安全性は確立していませんので、弊社からはお勧めしていません。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
健康成人におけるロゼレム錠8mgの単回経口投与後の未変化体の血中半減期は約1時間、主代謝物M-2の血中半減期は約2時間です。1)
1.ロゼレム錠 電子添文
ロゼレム錠の薬効分類番号は、「119(その他の中枢神経系用薬)」です。
ハイリスク薬には該当しません。なお、保険請求の可否は、請求先の審査機関でご確認ください。
1.診療報酬情報提供サービスホームページ
http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/
ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の場合、中止することにより、不眠が誘発(反跳性不眠)されたり、退薬症候*が出る可能性がありますので、急激な切り替えは避けてください。
本剤へ切り替える際には、急に中止するのではなく、患者の状態を観察しながら段階的なベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の減量・中止をお願いいたします。
*退薬症候:常用している睡眠薬を急に中止することにより睡眠薬を使用する前の元の症状だけでなく、今までになかった症状(頭痛、めまい、不安、焦燥など)が出現すること。
ロゼレム錠 電子添文
「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。」1)と電子電文に記載されています。
[ラットによる生殖試験150mg/kg/日以上において、胎児の横隔膜ヘルニア、骨格変異等の催奇形性がみられている。] 1)
1.ロゼレム錠 電子添文
「授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[ラットでは乳汁中への移行が報告されている。]」1)と電子添文に記載されています。
出産後14日目のラットに[14C]ラメルテオン1mg/kgを単回経口投与したときの乳汁及び乳腺中の[14C]濃度は、24時間後を除き血漿中よりも高くなっていました。2)
1.ロゼレム錠 電子添文
2.ロゼレム錠 インタビューフォーム
服用時間の検討を目的とした臨床試験は実施していません。
不眠症における患者指導の例では、「起床時間まで5-6時間以上あるいは深夜0時前」であれば服薬可能と考えます。
それ以降の場合は翌朝、残眠感がでるため今回の服薬は避けてください。1)
また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときには服用は避けてください。2)
1.症例チャートからみる服薬指導ガイド2005-06:日本薬剤師研修センター編2005;56:p68.
2.ロゼレム錠 電子添文
蓄積性については認められていません。
参考までに反復投与した際の血中濃度についてご紹介します。
インタビューフォーム
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移・測定法
1-3 臨床試験で確認された血中濃度)1)
健康成人男子8例(年齢:23-35歳)にラメルテオン8mgを夕食3時間後※に1日1回7日間反復投与したときの未変化体及び代謝物M−Ⅰ、M−Ⅱ及びM−Ⅳの血清中濃度の推移は次のとおりです。
投与7日目の未変化体のCmax及びAUC0− 24は、投与1日目と比較してそれぞれ31%及び16%増加し、投与7日目のM−ⅡのCmax及びAUC0 − 24は、投与1日目と比較してそれぞれ9%増加及び3%減少、未変化体及びM−Ⅱともに血中濃度トラフ値は定量下限未満でした。
※ロゼレム錠の用法は「就寝前に経口投与」です。
反復投与時の薬物動態パラメータ一覧はインタビューフォームをご確認ください。
(参考資料)
ロゼレム錠インタビューフォーム
薬物依存の既往がある健康成人を対象として、本剤を160mgまで単回投与した外国臨床試験において、眠気、倦怠感、めまい、腹痛、頭痛等の症状が認められています。1)
呼吸、脈拍、血圧を十分監視するとともに、全身症状があらわれた場合には、一般的な処置や対症療法を行ってください。
また、必要に応じて胃洗浄、輸液など適切な処置を行ってください。
なお、血液透析は本剤の除去に有用ではないと考えられます。1)
1.ロゼレム錠 電子添文
飲み忘れて就寝し、途中で目が覚めて眠れない場合は、翌朝起きる時間までかなり時間があれば、1回分を飲んでもかまいません。
起きるまでに十分な時間がないと、寝過ごしたり、起床時に眠気が残る、ふらつくなどの薬の作用が残ることがあります。
絶対に2回分を一度に飲まないでください。1)
1.ロゼレム錠 くすりのしおり
ロゼレム錠を経管で投与することは、承認外の用法となります。また、経管投与した際の有効性、安全性は確立していませんので、弊社からはお勧めしていません。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
ロゼレム錠を胃瘻チューブから投与することは、承認外の用法となります。また、胃瘻チューブを介して投与した際の有効性、安全性は確立していませんので、弊社からはお勧めしていません。
1.ロゼレム錠 インタビューフォーム
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