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アルンブリグ投与における肺障害の実際
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脳転移を有する患者さんの治療
軽度、中等度の腎機能障害患者に対して用量調節は不要と考えられます。1)
重度の腎機能障害を有する患者の場合は、電子添文「9.2.1 重度の腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)を有する患者」に対して、「減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。」と記載しております。2)
具体的な用量については弊社で定めたものはございません。ご施設のご判断でお願いいたします。
なお、透析の除去率については該当資料がございません。3)
1. アルンブリグ 審査報告書
2. アルンブリグ 電子添文
3. アルンブリグ インタビューフォーム
軽度、中等度の肝機能障害はアルンブリグ錠のPKに明確な影響を及ぼさないと考えられることから、軽度、中等度の肝機能障害患者さんに対して用量調節は不要と考えられます1)。
重度の肝機能障害を有する患者さんの場合は、電子添文9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)を有する患者さんに対して、「減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。」と記載しております2)。
必要に応じてアルンブリグ錠の減量を考慮してください。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 審査報告書
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 電子添文
国内第Ⅱ相試験において、妊娠可能な女性及び男性に対して、アルンブリグ錠の最終投与4ヵ月後まで避妊を行うことを規定していました1)。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 適正使用の手引き
本剤の服用を忘れた場合は、飲み忘れた分は服用せず、次の日の決められた時間に1回分だけ服用するよう患者さんに指導してください。
服用後に嘔吐した場合は、追加の服用はせず、次の日の決められた時間に1回分だけ服用するよう患者さんに指導してください。
また、2回分を同時に服用することは避けるよう指導してください1)。
電子添文では、「通常、成人にはブリグチニブとして1日1回90mgを7日間経口投与する。その後、1日1回180mgを経口投与する2)。」とされております。
90mgを導入として7日間投与する理由は、ブリグチニブ投与初期に発現しやすい肺障害を抑えるためです。
投与初期に関してはこちらも併せてご注意ください。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 適正使用の手引き
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 電子添文
アルンブリグ錠の用法及び用量の設定根拠については、以下のとおりです。
用法及び用量の設定根拠1)
ALK融合遺伝子陽性NSCLC(非小細胞肺癌)患者等を対象に実施した海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(AP26113-11-101試験)の第Ⅰ相用量漸増パートで180mg 1日1回投与(180mg QD)*が選択されました。しかし、第Ⅱ相パートで投与初期に急性の肺臓炎が認められたことから、投与開始7日間に90mg 1日1回投与(90mg QD)で導入し、その後180mg QDを維持用量(90mg QD→180mg QD)としたところ、投与初期に発現した肺関連事象の発現割合が低下しました。国内第Ⅱ相試験(Brigatinib-2001試験)、海外第Ⅱ相試験(AP26113-13-201試験)及び海外第Ⅲ相試験(AP26113-13-301試験)において、90mg QD→180mg QDの有効性と安全性を評価した結果、臨床的に意義のある抗腫瘍効果及び安全性が認められました。
QD:quaque die(1日1回)
*: 本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはブリグチニブとして、1日1回90mgを7日間経口投与する。その後、1日1回180mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。」です。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 適正使用の手引き
アルンブリグ錠1日1回90mgを超える投与量の投与時において、14日間以上休薬し再開する場合、アルンブリグ錠の投与量は、休薬の理由を問わず7日間は1日1回90mgとしてください。7日間の投与後の投与量は、副作用や患者さんの状態に応じて1日1回120mg又は180mgとすることができます。ただし、投与量の減量を要する副作用により休薬した場合は通常投与量である180mgとすることはできませんのでご留意ください1)。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 適正使用の手引き
日本人でみられた安全性プロファイルは、アルンブリグ錠の過去の海外試験で得られたものと一致しており、新たな安全性上の懸念は特定されませんでした。これまでに海外で実施された試験で特定されたアルンブリグ錠のリスクのうち、クレアチンホスホキナーゼ上昇、高血圧、膵臓関連の有害事象(アミラーゼ、リパーゼの上昇)、間質性肺疾患/肺臓炎、肝毒性、消化器毒性については国内第Ⅱ相試験でも海外試験と同程度に認められました。
間質性肺疾患/肺臓炎の多くはGrade 1又は2であり、ほとんどがアルンブリグ錠の休薬、減量又は中止及びステロイド治療等の対症療法により回復又は軽快しました。クレアチンホスホキナーゼ増加は海外試験と比較して高頻度でみられましたが、Grade 3以上の発現割合は同程度であり、横紋筋融解症は認められませんでした。
また、リパーゼ、アミラーゼの上昇については、休薬・減量により管理可能でした。国内第Ⅱ相試験では有害事象により休薬又は減量に至った症例は多くみられましたが、投与中止に至った症例は少なく、ほとんどの有害事象が休薬・減量及び対症療法により管理可能でした1)。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 適正使用の手引き
アルンブリグ錠の国内第Ⅱ相試験において、光線過敏性反応に対する予防的な対策は規定していませんでした。しかし、光線過敏性反応の副作用が認められていますので、日光への長時間の曝露等を避けること、屋外では、帽子や長袖を着用して日光への曝露を避けること、日焼け止めクリーム(SPF30以上)を使用することを患者さんに指導してください1)。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 適正使用の手引き
国内のガイドラインでは現時点で記載されておりません。
海外では、NCCNとASCOで、いずれもMinimal or(to) Low (<30%)と記載されています。1)2)
1. NCCN Guidelines Version 2.2025 Antiemesis AE-8
https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/pdf/antiemesis.pdf
2. ASCO Guidelines Emetic Risk Charts 2020
https://ascopubs.org/action/downloadSupplement?doi=10.1200%2FJCO.20.01296&file=2020-Emetic-Risk-Charts.pdf(閲覧日:2025年6月10日)
電子添文上他剤からの切り替えについて注意喚起はされておらず投与間隔についても言及されておりません1)。
しかしながら、ブリグチニブ投与初期に肺障害のリスクがあり、他のALK阻害薬から切り替える際にはブリグチニブより前に投与していた薬剤の影響を考慮する必要があります。
投与間隔については医療機関でご判断いただきますようお願いいたします。
参考)
■国内第Ⅱ相試験(J-ALTA試験 or Brigatinib-2001試験)
ALK阻害剤治療後に増悪したALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象とした試験であり、本剤の初回投与前7日以内にアレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ又はロルラチニブの投与を受けたものは除外されました2)。
■海外第Ⅲ相試験(ALTA-1L試験 or AP26113-13-301試験)
ALKチロシンキナーゼ阻害剤による治療歴のないALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象とした試験であり、クリゾチニブとブリグチニブを非盲検で比較した試験です。この試験ではクロスオーバーが許容されており、クリゾチニブ投与からブリグチニブにクロスオーバーする際は、クリゾチニブ投与後最低10日間のウオッシュアウト期間を設けた後にブリグチニブを投与すること、と設定されておりました3)。
■海外第Ⅲ相試験(ALTA試験 or AP26113-13-201試験)
クリゾチニブによる治療下でPDとなった局所進行又は転移を有するALK融合遺伝子陽性非小細胞肺癌患者を対象とした試験であり、クリゾチニブ投与後3日以内の患者は除外されました4)。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 電子添文
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 申請資料概要_9_4 2.7.6.1.1.3 対象及び組み入れ基準 p12.
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 申請資料概要_9_3 2.7.3.1.2.3 301試験 p14.
- アルンブリグ錠 30mg・90mg 申請資料概要_9_3 2.7.3.1.2.2 201試験 p12.
恐れ入りますが、データはございません1)。
(参考資料)
- アルンブリグ錠 30mg・90mg インタビューフォーム
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