リフィル処方箋で変わる診療現場 -1/2-
<p>患者さん・医療機関双方に広がる利点と課題</p>
2025.11.作成
2022年より導入された「リフィル処方箋」は1通で最大3回まで繰り返し使用することができる処方箋で、患者さん・医療機関の双方に加え、医療費削減等の面でもメリットがある制度です。利用回数は着実に増えているもののいっそうの利用促進が求められています1,2)。本記事では制度の概要やメリットに加えて認知・実施状況等を解説し、医師が制度の適切な活用や運用について考える契機を提供します。
リフィル処方箋の概要
制度の概要と対象患者・疾患
「リフィル(refill=詰め替えの意)処方箋」とは、症状の安定している患者さんが医師の処方により薬剤師との適切な連携の下、一定期間内に最大3回まで反復利用できる処方箋のことです1)。
リフィル処方箋の発行にはいくつかの条件があります。まず、対象となるのは「症状が安定している患者さん」のみで、「薬剤師による服薬管理の下、一定期間内に処方箋の反復使用が可能」と医師が判断した場合です。リフィル処方箋が処方される疾病としては、高血圧や糖尿病などの生活習慣病やアレルギー性鼻炎などの慢性疾患で、定期的に通院している患者さんが対象となることが多くなっています※, 3)。
ただし、処方できる薬剤は限定されており、新薬・湿布薬・向精神薬など一部の薬剤は処方ができません。医師の判断によってリフィル処方箋の処方となった場合は、処方箋に設けられた「リフィル可」の欄のチェックボックスにレ点と適用回数が記入されます3)。
※リフィル処方箋の発行は患者さんの病状等を踏まえて医師が判断するため、これらの疾病であれば必ず発行されるものではありません。
薬剤の受取期間の規定
リフィル処方箋の最大3回の利用において、1回目の有効期間は通常の処方箋と同様4日以内です。2回目以降は診察なしで薬局で薬剤を受け取ることができ、薬剤の受け取り期間は「調剤予定日(投薬期間を経過する日)の前後7日間」となっています。それぞれ別の薬局での受取りも可能ですが、継続的に服薬状況を管理するためにも可能な限り同じ薬局を利用することが推奨されています3)。
リフィル処方箋と長期処方の違い
処方箋には長期間分の薬剤を処方する「長期処方」もあります。リフィル処方箋と長期処方、どちらも基本的には症状の安定している患者さんが対象となります。その違いは、前者が最大3回まで繰り返し使用可能な処方箋を発行するのに対し、後者は一度に長期間分の薬剤を処方します。したがって長期処方では期間中に医師の診察も薬局に行くのも1回だけとなり、通常の処方箋よりも体調悪化の予兆に気づきにくくなる可能性があります。一方でリフィル処方箋では医療機関の受診間隔は空くものの、薬局へは毎回行くため健康状態の管理が期待できます3)。
出典(参照2025年11月)
1) 「導入から2年超 使おう!リフィル処方箋」(厚生労働省ホームページ)
2) 「激動の世界を見据えたあるべき財政運営」令和7年5月27日(財務省)
3) 『「リフィル処方箋」を知っていますか?1度の診察で最大3回まで薬の処方を受けられます!』(政府広報オンライン)
本コンテンツは、シュプリンガー ヘルスプラスが公正中立の立場で医療関係者向けに配信する記事コンテンツです。弊社は、医療関係者に有益な情報を提供することを通じて医療に貢献することを目的に本コンテンツの提供を行っており、本コンテンツ作成にかかる費用を負担しています。