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国際ガイドライン

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遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療 - 腫れ・腹痛ナビ-PRO【医療関係者向け】
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国際ガイドライン

監修:広島市立広島市民病院 病院長 秀 道広先生

The international WAO/EAACI guideline for the management of hereditary angioedema-The 2021 revision and update

遺伝性血管性浮腫(HAE)診療のためのWAO/EAACI国際ガイドライン-2021年版の改訂と更新

Maurer M, et al. Allergy. 2022; 77: 1961-1990.
注意:ガイドラインには本邦未承認の内容が含まれています。

遺伝性血管性浮腫(HAE)はまれな身体機能障害性疾患(disabling disease)であり、早期診断と適切な治療が重要である。World Allergy Organization(WAO、世界アレルギー機構)およびThe European Academy of Allergy and Clinical Immunology(EAACI、欧州アレルギー・臨床免疫学会)が共同で作成する本ガイドライン(WAO/EAACI国際ガイドライン)は、HAE管理の最新のガイダンスを提供する。
今回は2017年版1)に続く2回目の改訂であり、国際的な専門家パネルが既存のエビデンスを検討して28※1の推奨文を設定し、オンラインDELPHIプロセスによりコンセンサスを確立した。これらの推奨文による本ガイドラインの目的は、一般的かつ重要な臨床的課題についてのガイダンスを提供することにより、医師と患者が合理的な意思決定を下すのを手助けすることである。また、HAEの管理に関する世界的な基準を確立し、すべての患者に推奨される診断・治療が行われることを奨励・促進することである。
本ガイドラインでは、主にC1 inhibitor(C1-INH)の欠損によるHAE(Ⅰ型)およびC1-INHの機能異常によるHAE(Ⅱ型)の管理に焦点を当てている。C1-INHが正常なHAE(HAE with normal C1 inhibitor;HAE-nC1-INH※2)に関しては、原因となる遺伝子変異がいくつか分かっているものの、原因遺伝子が分からない患者も多いためである。診断においては、臨床的にHAEが疑われる場合にC1-INHの機能、C1-INHタンパク量、およびC4血中濃度を評価し、C1-INHが正常であった場合にHAE-nC1-INHの遺伝子変異※3を評価することが推奨されている。

1)Maurer M, et al. Allergy. 2018; 73: 1575-1596.
※1 新規:7、改訂(既存):13、変更なし(既存):8
※2 Ⅲ型とも呼ばれる
※3 血液凝固第XII因子遺伝子(FXII)、アンギオポイエチン-1遺伝子(ANGPT1)、プラスミノーゲン遺伝子(PLG)に加えて、キニノーゲン1遺伝子(KNG1)、ミオフェリン遺伝子(MYOF)、ヘパラン硫酸塩3-O-スルホトランスフェラーゼ6遺伝子(HS3ST6)

 

要時(オンデマンド)治療には常時治療薬を携帯し、すべての発作はできるだけ早く治療する

Allergy, 2022 Jul;77(7):1961-1990, The international WAO/EAACI guideline for the management of hereditary angioedema—The 2021 revision and update, Maurer M, et al.
© 2022 The Authors. Allergy published by European Academy of Allergy and Clinical Immunology and John Wiley & Sons Ltd. Reproduced with permission of John Wiley and Sons, Inc.

HAEの治療には、オンデマンド治療、短期予防的治療、および長期予防的治療がある。
HAE発作により引き起こされる可能性がある窒息、腹痛、四肢の浮腫とその結果の機能障害は、オンデマンド治療により最小限に抑えることが可能である。したがって、すべての発作に対してオンデマンド治療の実施を検討し、特に上気道に影響を与える可能性があるすべての発作はできる限り早く治療することが推奨されている。発作に対して使用する第一選択薬には、C1-INH、エカランタイド※4、またはイカチバントの使用が推奨されている。また、発作が連続・頻発する可能性を考慮して、すべての患者が常時2回以上の発作の治療に十分量の薬を携帯することが推奨されている。

※4 国内未承認

HAE

 

短期予防的治療は発作を誘発しうる処置の前に検討する

Allergy, 2022 Jul;77(7):1961-1990, The international WAO/EAACI guideline for the management of hereditary angioedema—The 2021 revision and update, Maurer M, et al.
© 2022 The Authors. Allergy published by European Academy of Allergy and Clinical Immunology and John Wiley & Sons Ltd. Reproduced with permission of John Wiley and Sons, Inc.

短期予防は、血管性浮腫発作が誘発される可能性が高い状況において、浮腫によるリスクを最小限に抑えることを目的とした治療である。ガイドラインでは、医療的処置、外科的処置、歯科的処置、およびその他の血管性浮腫の発作を誘発する可能性がある処置の前に短期予防的治療を検討することが推奨されている。短期予防の第一選択薬には、plasma-derived C1-INH(プラズマ由来C1-INH、pdC1-INH)の静脈内投与が推奨されている。

 

長期予防的治療により病気をコントロールして患者の生活を健全化する

参照:AE-QoLビジュアライザー

Allergy, 2022 Jul;77(7):1961-1990, The international WAO/EAACI guideline for the management of hereditary angioedema—The 2021 revision and update, Maurer M, et al. 
© 2022 The Authors. Allergy published by European Academy of Allergy and Clinical Immunology and John Wiley & Sons Ltd. Reproduced with permission of John Wiley and Sons, Inc.

HAEの治療目標は「病気の完全なコントロール達成と患者の生活の健全化」であり、これは定期的な服用により発作を防ぐ長期予防的治療によってのみ達成できると考えられている。 
長期予防は、疾患活動性、患者のQOL、医療資源の利用可能性、および適切なオンデマンド治療によってコントロール不良であることを考慮し、個別に検討する必要がある。そのためガイドラインでは、疾患活動性、疾病負荷、病気のコントロール、および患者の希望を考慮し、受診のたびに長期予防的治療の必要性を評価することが推奨されている。 
長期予防の第一選択薬には、pdC1-INH、ラナデルマブ※5、またはベロトラルスタット※6の使用が推奨されており、Ⅰ型/Ⅱ型HAEの長期予防で従来使用されてきた弱毒化アンドロゲンは第二選択薬として使用することが推奨されている。なお、トラネキサム酸などの抗線維素溶解薬の使用は推奨されていない。 
また、ガイドラインでは、治療薬の投与量および治療効果を最適化するために、長期予防的治療を受けているすべての患者に対して、疾患活動性、病気の影響、および病気のコントロールを定期的にモニターすることが提案されている。HAE治療の目的である、発作がない状態、QOLの健常化、および完全な疾患コントロールの達成には、適切な評価が重要である。

※5 
完全ヒト型抗ヒト血漿カリクレインモノクローナル抗体であり、血漿カリクレインに特異的に結合してその活性を下げる。国内におけるラナデルマブの効能又は効果は「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」。 
※6 
経口の血漿カリクレイン阻害剤であり、血漿カリクレインに結合してそのタンパク分解活性を阻害する。国内におけるベロトラルスタットの効能又は効果は「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」。

 

HAE患者の子供や子孫が検査を受けることを推奨

Allergy, 2022 Jul;77(7):1961-1990, The international WAO/EAACI guideline for the management of hereditary angioedema—The 2021 revision and update, Maurer M, et al.
© 2022 The Authors. Allergy published by European Academy of Allergy and Clinical Immunology and John Wiley & Sons Ltd. Reproduced with permission of John Wiley and Sons, Inc.

Ⅰ/Ⅱ型HAEは、常染色体顕性(優性)遺伝により50%の確率で子孫に遺伝する。したがって、HAE患者の子孫もHAEである可能性を考慮すべきであり、ガイドラインでは、HAE患者家系の子供はできるだけ早く検査を行い、患者の子孫は全員検査を受けることが推奨されている。なお、12歳未満の子供の発作治療には、C1-INHまたはイカチバント※7の使用が推奨されている。

※7
国内におけるイカチバントの小児等への投与は「低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。幼若ラットにイカチバントを連日投与した試験では、雄で包皮分離遅延及び精巣毒性が、イカチバントを投与した雄と交配した非投与の雌で着床前死亡率の高値が認められている。」。

 

HAE管理において、患者やHAEの可能性がある家族が適切なサポートを受けられるべきである

Allergy, 2022 Jul;77(7):1961-1990, The international WAO/EAACI guideline for the management of hereditary angioedema—The 2021 revision and update, Maurer M, et al.
© 2022 The Authors. Allergy published by European Academy of Allergy and Clinical Immunology and John Wiley & Sons Ltd. Reproduced with permission of John Wiley and Sons, Inc.

HAEの専門家による治療

HAEは、まれで複雑、生涯にわたる可能性のある、また、生命にもかかわる深刻な疾患である。そのため、ガイドラインではすべてのHAE患者がHAEの包括的で統合的なケアを受けられることが推奨されている。また、Ⅰ/Ⅱ型HAE患者は、HAEについての専門的知識、関心、技能、および経験がある医療者を見つけ、治療を受けることが推奨されている。

自己投与の指導

ガイドラインでは、自己投与についても言及されている。自己投与は、発作時のオンデマンド治療だけでなく長期予防的治療においても重要であり、すべての患者は自宅での治療と自己投与を検討されるべきである。ガイドラインでは、自己投与が認められているオンデマンド治療を受けているすべての患者は、自己投与の指導を受けることが推奨されている。

発作を引き起こすトリガー(誘因)の教育

HAEの発作には様々な条件や出来事が誘因になることが知られている。そのため、すべての患者は発作を引き起こす誘因について教育を受けることが推奨されている。

家族スクリーニング

Ⅰ/Ⅱ型HAEは常染色体顕性(優性)の遺伝性疾患である。患者の祖父母、両親、兄弟、子供、孫を含む家族は、C1-INH機能、C1-INHタンパク量、およびC4血中濃度についてスクリーニング検査を受けることが推奨されている。


日本におけるガイドライン

わが国では、日本補体学会から「遺伝性血管性浮腫(HAE)診療ガイドライン」が出されています。 遺伝性血管性浮腫(HAE)診療ガイドラン改訂2023年版についての解説はこちらでお読み頂けます。

HAE治療薬情報サイト

患者さん向け情報サイト