メインコンテンツに移動
クロト社 糸瀬 に投稿

遺伝カウンセリングについて

領域別情報・医療情報

血友病

血友病
⾎友病治療の⽬標と現状
血友病の治療目標はQOL改善へ
PKプロファイル可視化の意義
血友病性関節症のメカニズム
頭蓋内出血の観点から
血友病関連動画

ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報

ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報
診断/バイオマーカー-ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報
臨床病型と症状/検査値-ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報
病因と病態-ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報
疫学-ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報
ゴーシェ病と関連疾患(血液疾患等)ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報
遺伝形式と遺伝子変異-ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報
ゴーシェ病治療の選択肢と治療目標-ゴーシェ病 医療関係者向け疾患情報

遺伝性血管性浮腫 腫れ・腹痛ナビPRO

遺伝性血管性浮腫 腫れ・腹痛ナビPRO
HAEの特徴
HAEの分類・原因・疫学
HAEの検査・診断
HAEの治療
HAEの患者指導
ガイドライン
医療費助成制度
AE-QoL(Angioedema Quality of Life Questionnaire)計算
その症状HAE(遺伝性血管性浮腫)によるものかもしれません
遺伝性血管性浮腫(HAE)の可能性はありませんか?
はばたけ、HAEから。

ファブリーツリーPRO

ファブリーツリーPRO
STEP1 特徴的な症状を知る
STEP2 検査・診断について知る
STEP3 治療について知る
検査キットを取り寄せる

フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病)

フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病)
原因不明の過多月経などの出血症状、フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病)かもしれません
フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病)とは
フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病)の症状、病型
フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病)の診断と鑑別
専門医からのメッセージ、専門医への紹介
フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病)治療
日常生活での注意点
医療費助成制度
女性の出血性疾患に関する eラーニングプログラム
von-Willebrand病の診療ガイドライン2021年版
フォン・ヴィレブランド病(VWD)クイズコンテンツ
フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病)の出血症状チェックシートと出血症状を確認する意義

後天性血友病A

後天性血友病A
後天性血友病Aとは?
後天性血友病Aの臨床症状は?
動画で解説~後天性血友病A~
後天性血友病Aが疑われる患者が来院したら?
APTTクロスミキシング試験とは?
動画で解説~後天性血友病Aの検査・診断~
後天性血友病Aの治療は?
止血治療をどのように進めるか?
後天性血友病Aにおける出血及び薬剤の効果判定
動画で解説~後天性血友病Aの治療~

TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)

TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)
TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)とは
TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)の症状
TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)の診断・検査
TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)の治療

CMV感染・感染症

CMV感染・感染症
サイトメガロウイルス(CMV)について
CMV感染・感染症について
造血幹細胞移植(HSCT)におけるCMV感染・感染症
固形臓器移植(SOT)におけるCMV感染・感染症

本態性血小板血症(essential thrombocythemia:ET)

本態性血小板血症(essential thrombocythemia:ET)
ETとは
ETの症状
ETの診断
ETの生命予後
ETの血栓症と出血のリスク
ETの治療アルゴリズム

確定診断に進む前に ー遺伝カウンセリングについてー

 

ファブリー病は、細胞内ライソゾームの酵素α-ガラクトシダーゼA(GLA)の遺伝子(GLA)変異により発症するX連鎖性の先天代謝異常症です。遺伝性疾患であることから、ファブリー病が疑われる患者やその家族(クライエント)に対しては、適切なタイミングでの遺伝カウンセリングが重要となります。その一つが診断のための遺伝学的検査を行う際の遺伝カウンセリングです。日本医学会による「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」では、遺伝カウンセリングは以下のように述べられ(表1)、その実施にあたっては、当該疾患に十分な経験をもつ医師と、遺伝カウンセリングに習熟した者(臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーなど)が協力してチーム医療として行うことが望ましいとされます。

画像
確定診断に進む前に ー遺伝カウンセリングについてー

表1「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」日本医学会

本文

遺伝カウンセリングは、疾患の遺伝学的関与について、その医学的影響、心理学的影響および家族への影響を人々が理解し、それに適応していくことを助けるプロセスである。
このプロセスには

1)疾患の発生および再発の可能性を評価するための家族歴および病歴の解釈
2)遺伝現象、検査、マネージメント、予防、資源および研究についての教育
3)インフォームド・チョイス(十分な情報を得た上での自律的選択)、およびリスクや状況への適応を促進するためのカウンセリング

などが含まれる。

つまり、遺伝カウンセリングでは、家族歴や病歴を情報収集し解釈することにより当該疾患の可能性を評価し、疾患に関連する適切な情報提供を行いクライエントの理解を深め、クライエントの自律的な意思決定や状況への適応のための心理社会的支援を行うことが求められています。
通常、すでにファブリー病を発症している患者の診断を目的とする場合は、主治医による検査意義の説明後、書面により同意を確認し遺伝学的検査を実施しますが、ファブリー病未発症の血縁者の診断を目的とする場合は、遺伝カウンセリングで検査の意義、血縁者への影響などを説明し、クライエントの疑問や不安に丁寧に対応した後、書面により同意を確認し遺伝学的検査を実施する流れとなります。

 

 

遺伝学的検査を行う際に考慮すべき遺伝情報の留意点

 

・遺伝情報は生涯変化しないこと 
・血縁者間で一部共有されること 
・血縁関係にある親族の遺伝子型や表現型が比較的正確な確率で予測できること(男性患者) 
・未発症患者の診断ができること 
・発症前に将来のリスクを予測できる場合があること 
・出生前診断に利用できる場合があること

 

 

遺伝カウンセリングの具体的な要点

 

1. 遺伝形式について

ファブリー病はX連鎖遺伝形式であり、男性患者の母親および娘は原則女性ヘテロ患者となり、息子はファブリー病を発症しない。女性ヘテロ患者の息子は50%の確率で男性患者、娘も50%の確率で女性ヘテロ患者となる。  
家族歴のないde novo 症例が存在するため、男性患者の母親が女性ヘテロ患者でない場合がある。

 

2. 男性患者の診断について

男性患者は、白血球等のGLA活性、およびGLA遺伝子解析によって診断される。  
男性患者の場合、白血球等のGLA活性の低下によりファブリー病と診断できるが、機能的多型の鑑別のためにGLA遺伝子解析を行うことが推奨される。

 

3. 女性ヘテロ患者の診断について

女性ヘテロ患者は、同じGLA遺伝子変異をもつ男性患者に比して症状は軽く、発症および進行は遅いが、ほとんどの例が加齢とともに心肥大等のファブリー病に特異的な症状を発症する。そのため、女性ヘテロ患者を臨床症状から診断することはむずかしく、家族歴から疑われることが多い。  
女性ヘテロ患者は、GLA遺伝子解析で病原性変異を同定することで診断される。一般的な遺伝子解析法(エクソンおよびエクソン近傍のイントロン配列のシークエンス)でGLA遺伝子変異が同定できない例が約5%存在する。GLA遺伝子変異が同定できない場合、女性ヘテロ患者の診断は、家族歴、臨床症状、血中グロボトリアオシルスフィンゴシン(lyso-Gb3)、尿中あるいは病理検体でのグロボトリアオシルセラミド(Gb3)の蓄積の証明などを合わせて総合的に診断する必要がある。

 

4. 治療について

ファブリー病の治療法として、酵素補充療法、薬理学的シャペロン療法がわが国では保険適用とされている。薬理学的シャペロン療法を導入する際は、GLA遺伝子解析を行い、有効性を評価する必要がある。

日本先天代謝異常学会. ファブリー病診療ガイドライン2020. 診断と治療社, 2021,61-62.  
日本医学会. 医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン. 2011, 6-8.  
ファブリー病診断治療ハンドブック編集委員会. ファブリー病診断治療ハンドブック 改訂第3版. イーエヌメディックス, 2018, 31-33.

 

 

 


 

本サイトの資材取り寄せサービス「お届け資料集」よりお届けいたします。

 

画像
検査キットを取り寄せる

ファブリー病について知る