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SBS患者の合併症とその対策

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監修:大阪大学 名誉教授/滋慶医療科学大学大学院 教授 和佐勝史先生


SBS患者の合併症とその対策

長期TPNに伴う主な合併症として、肝障害(腸管不全合併肝障害、IFALD: Intestinal Failure-Associated Liver Disease)、カテーテル関連血流感染症(Catheter Related Blood Stream Infection:CRBSI)、カテーテルの閉塞、が挙げられる。


肝障害:IFALD

静脈栄養(Parenteral Nutrition:PN)に関連した原因

栄養(タンパク質、必須脂肪酸、カルニチン、コリン、ビタミンE、セレン、グルタミン、タウリン)の不足、栄養(ブドウ糖、脂質、アミノ酸)の過剰投与、腸管粘膜萎縮に伴う細菌移行(Bacterial Translocation:BT)などの要因が挙げられる。

 

PNに関連した肝障害の進行上の留意点

血液検査上は目立った肝障害をきたしていないかに見えた腸管不全患者でも、潜在的に肝線維化を伴う肝障害が進行しており、感染などを契機にIFALDから短期間に肝不全に進行することがあるため、細心の注意が必要である。

 

IFALDの進行

肝硬変、肝不全に進行し生命を脅かすこともある。肝硬変および顕性門脈圧亢進の発症は末期肝不全に進行する前兆の可能性があり、不可逆的肝不全に至ると肝ー小腸移植あるいは多臓器移植でしか救命する手段がない。

 

IFALDの治療

  • 経腸栄養(EN)により残存腸管を最大限に利用し、PNへの依存度を軽減させる
  • 腸管のうっ滞に伴う腸内細菌叢の異常と合併するBTを最大限に予防する
     

カテーテル関連血流感染症(CRBSI)

中心静脈栄養(TPN)管理症例において最も重要な合併症のひとつである。基本的な対処法として、中心静脈カテーテル(CVC)の抜去と適切な抗生物質の投与を行う。ただし、CVCの抜去と再挿入の繰り返しは、中心静脈へのアクセス血管の確保が困難となり(図5)、患者のQOLが著しく低下するため留意が必要である。

図5 TPN離脱のための残存小腸の長さ

 
和佐勝史先生ご提供

繰り返すカテーテル感染症により、上大静脈が血栓(矢印)により閉塞している。

消毒

皮膚の消毒には、10%ポピヨンヨード、グルコン酸クロルヘキシジンアルコールが用いられ、ポピヨンヨードゲルは用いない。また、抗生物質軟膏は、耐性菌叢の発育を促進することがあるため使用は避ける。

 

感染率低下のために

カテーテルの無菌操作により、感染を減らすことができる。カテーテル挿入部の発赤や腫脹、分泌物の付着、カテーテルの抜浅などにも注意が必要である。


カテーテルの閉塞

カテーテルの閉塞は、カテーテル内腔に血栓、塩(カルシウム塩、リン酸)、脂肪乳剤などが蓄積することによって起こる。輸液剤の滴下がないか輸液ポンプの閉塞のアラームが鳴ることで閉塞に気付く。予防法として、CVCのエタノールロックなどが試みられている。