「警告・禁忌を含む使用上の注意」等は添付文書をご参照ください。
本試験には、一部国内の承認内容と異なる用法及び用量の情報が含まれていますが、承認時評価資料のため掲載しました。
試験の概要
目的 |
プラチナ製剤を含む一次治療が奏効したステージⅢ又はⅣの卵巣癌患者(卵管癌及び腹膜癌を含む)を対象に、プラセボに対するゼジューラの維持療法としての有効性(優越性)を無増悪生存期間(PFS)の比較により検証する |
試験の種類 |
第Ⅲ相、二重盲検、ランダム化(2:1)、プラセボ対照試験、検証試験 |
対象・例数 |
プラチナ製剤を含む一次治療が奏効〔完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)〕したステージⅢ又はⅣの卵巣癌患者(卵管癌及び腹膜癌を含む)733例(相同組換え修復欠損(HRD)陽性被験者373例を含む)
【主な選択基準】
- 18歳以上の女性患者であり、文書による同意が得られた患者
- 組織学的及び病期基準
組織学的に高悪性度の漿液性若しくは類内膜性が優位を占める卵巣癌、卵管癌又は原発性腹膜癌であり、国際産婦人科連合(FIGO)の進行期分類ステージⅢ又はⅣと診断された患者 注:術前化学療法(NACT)を受けた患者は、治療後のステージが未分類であっても本治験に組入れ可能とする
- 手術基準
手術不可能なステージⅢ又はⅣと診断された患者 手術可能なステージⅣの全ての患者 NACT及びinterval debulking surgery(IDS)を実施したステージⅢ又はⅣの患者 primary debulking surgery(PDS)後に残存病変が認められているステージⅢの患者
- 化学療法基準
腹腔内化学療法を受けた患者 プラチナ製剤を含む化学療法を6~9サイクル受けた患者 IDS後にプラチナ製剤を含む2サイクル以上の術後化学療法を受けた患者 3サイクル以上の化学療法後にCR又はPRを達成した患者 CA-125値が正常範囲内又は一次治療中に90%を超える低下を示し、7日間以上その状態が安定している患者(すなわち、15%を超える上昇がみられない) 等
【主な除外基準】
- 粘液性又は明細胞型の上皮性卵巣癌、癌肉腫、未分化卵巣癌の患者
- ステージⅢの患者で、PDS後、腫瘍細胞が完全に切除された患者(目に見える残存病変がない者)
- 2回を超えるdebulking surgeryを受けた患者 等
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投与方法 |
治験実施計画書初版ではゼジューラ300mg又はプラセボを開始用量とし、28日間を1サイクルとして1日1回連日経口投与した(固定開始用量)。治験実施計画書改訂第2版以降はベースラインの体重及び/又は血小板数に基づき、ゼジューラ300mg又はプラセボ(ベースラインの体重が77kg以上かつベースラインの血小板数が150,000/μL以上)もしくはゼジューラ200mg又はプラセボ(ベースラインの体重が77kg未満又はベースラインの血小板数が150,000/μL未満)を開始用量とし、1日1回連日経口投与した(個別化開始用量)。
【主な休薬基準】
- 血小板数100,000/μL未満 ・ヘモグロビン値8g/dL未満 ・好中球数1,000/μL未満
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評価項目 |
主要評価項目 |
盲検下独立中央判定(BICR)評価による無増悪生存期間(PFS) |
副次評価項目 |
最初の後治療開始までの期間(TFST)、後治療での無増悪生存期間(PFS2)、患者報告アウトカム(PRO)〔Functional Assessment of Cancer Therapy–Ovarian Symptom Index(FOSI)、European Quality of Life Scale, 5-Dimensions(EQ-5D-5L)、European Organisation for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire C30(EORTC-QLQ-C30)、EORTC-QLQ ovarian module(EORTC-QLQ-OV28)〕、安全性及び忍容性、CA-125の経時的変化、治験薬投与後の次治療の結果、全生存期間(OS) |
探索的評価項目 |
ゼジューラ及び主要代謝物のpopulation PK及びestimate PKパラメータ、PARP阻害剤感受性バイオマーカー(DNA修復等)、HRDステータス及びプラチナ製剤感受性 |
解析計画 |
Time-to-event型の有効性の主要評価項目と副次評価項目については、層別割付因子を層とした層別ログランク検定を用いて比較した。
PFS:試験全体の第一種の過誤確率を片側有意水準0.025に制御するために、次のような階層的な検定手順を計画した。主要評価項目のPFSは、HRD陽性被験者において、統計学的に有意差が認められるかどうかを評価し、統計学的に有意な結果が得られた場合、ITT集団を評価した。PFS解析は、層別ログランク検定(両側p値<0.05)を用いて実施した。層別Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)及び95%信頼区間(CI)を算出し、Kaplan-Meierプロットを作成した。
OS(中間解析):PFSの解析時点で統計学的な有意差が示された場合にのみ実施することとし、O'Brien-Fleming法を用いた。OSの検定はITT集団、HRD陽性被験者の順に実施することとした。OS、TFST及びPFS2の解析は、PFS解析と同様の方法を用いて実施した。
PRO(FOSI、EQ-5D-5L、EORTC-QLQ-C30、EORTC-QLQ-OV28):同一被験者内で繰り返し測定されるデータの時点間の相関を考慮し、ベースラインからの差の群間比較を、混合効果モデルを用いて実施した。 主要評価項目のサブグループ解析:PFSについて、年齢、人種、地域及びECOG PS等を含む人口統計学的特性及びベースライン特性ごと、さらに、HRDステータス及びBRCA変異の有無に基づいて実施した。
(データカットオフ日:2019年5月17日) |
ニラパリブ海外第Ⅲ相検証試験PRIMA試験(社内資料、承認審査時評価資料)
González-Martín A et al., N Engl J Med 2019;381:2391-2402
著者にTesaro社社員4名及び同社又は武田薬品から講演料、コンサルタント料等の受領者14名が含まれる。
・国際産婦人科連合(FIGO)進行期分類Ⅲ期又はⅣ期の卵巣癌と診断され、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法で奏効が維持されている患者を対象とすること。
・臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
ゼジューラの用法及び用量
通常、成人にはニラパリブとして1日1回200mgを経口投与する。ただし、本剤初回投与前の体重が77kg以上かつ血小板数が150,000/μL以上の成人にはニラパリブとして1日1回300mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。