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効能・効果、用法・用量、禁忌を含む使用上の注意

Last Update:2016.03

効能・効果

軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

<効能・効果に関連する使用上の注意>

1. アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。

2. 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。

3. アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において、本剤の有効性は確認されていない。

用法・用量

通常、成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する。なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1. 1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として4週間を超えて使用しないこと。

2. 中等度の肝障害患者注)では、4mgを1日1回から開始し少なくとも1週間投与した後、1日8mg(4mgを1日2回)を4週間以上投与し、増量する。ただし、1日16mgを超えないこと。[「薬物動態」の項参照]
注)Child-Pugh分類を肝機能の指標とした中等度(B)の肝障害患者

3. 副作用を軽減するため、食後に投与することが望ましい。

4. 医療従事者、家族等の管理のもとで投与すること。

<OD錠>

本剤は口腔内で速やかに崩壊することから唾液のみ(水なし)でも服用可能である。また、本剤は口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する薬剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むこと。

禁忌を含む使用上の注意

「禁忌を含む使用上の注意」の改訂に十分ご留意ください。 ※2015年10月改訂の添付文書に基づき改訂

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

【使用上の注意】

1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

1)本剤は、コリン作動性作用により以下に示す患者に対して症状を誘発又は増悪する可能性があるため、慎重に投与すること。

(1)洞不全症候群、心房内及び房室接合部伝導障害等の心疾患のある患者[迷走神経刺激作用により徐脈あるいは不整脈を起こす可能性がある。]

(2)消化性潰瘍の既往歴のある患者、非ステロイド性消炎鎮痛剤を投与中の患者、消化管閉塞のある患者又は消化管手術直後の患者[胃酸分泌の促進及び消化管運動の促進により症状が悪化する可能性がある。]

(3)下部尿路閉塞のある患者、又は膀胱手術直後の患者[症状が悪化する可能性がある。]

(4)てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣発作を誘発する可能性がある。また、アルツハイマー型認知症に伴い、痙攣発作がみられることがある。]

(5)気管支喘息又は閉塞性肺疾患の既往歴のある患者[気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状が悪化する可能性がある。]

(6)錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者[線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を誘発又は増悪する可能性がある。]

2)肝障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「薬物動態」の項参照)]

3)腎障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「重要な基本的注意」、「薬物動態」の項参照)]

2. 重要な基本的注意

1)本剤の投与により、徐脈、心ブロック、QT延長等があらわれることがあるので、特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者や電解質異常(低カリウム血症等)のある患者等では、重篤な不整脈に移行しないよう観察を十分に行うこと。

2)他の認知症性疾患との鑑別診断に留意すること。

3)アルツハイマー型認知症患者では運転能力や機械操作能力が徐々に低下し、また、本剤の投与によりめまい、眠気が起こる可能性があるので、本剤投与中の患者(特に投与開始の数週間)には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意するよう指導すること。

4)アルツハイマー型認知症患者では、体重減少が認められることがある。また、本剤を含むコリンエステラーゼ阻害剤において、体重減少が報告されているので、治療中は体重の変化に注意すること。

5)本剤投与で効果が認められない場合、漫然と投与しないこと。

6)重度の肝障害患者(Child-Pugh分類を肝機能の指標とした重度(C)の肝障害患者)では、投与経験がなく、安全性が確立していないため、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。

7)重度の腎障害患者(クレアチニンクリアランス9mL/分未満)では、投与経験がなく、安全性が確立していないため、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。

8)他のアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する同効薬(ドネペジル等)と併用しないこと。

3. 相互作用

本剤は主として薬物代謝酵素CYP2D6及びCYP3A4により代謝される。

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
コリン作動薬
 アセチルコリン
 ベタネコール
 アクラトニウム 等
コリンエステラーゼ阻害剤
 ネオスチグミン 等
コリン刺激作用が増強され、著しい心拍数の低下等がおこる可能性がある。本剤とこれらの薬剤のコリン作動作用が相加的に増強される。
スキサメトニウム麻酔時のスキサメトニウムの筋弛緩作用が増強される可能性がある。本剤が、スキサメトニウムの脱分極性筋弛緩作用を増強する。
ジゴキシン
β遮断剤

 プロプラノロール
 アテノロール
 カルベジロール 等
著しい心拍数の低下等がおこる可能性がある。伝導抑制作用が相加的に増強される。
抗コリン剤
 アトロピン
 ブチルスコポラミン
 トリヘキシフェニジル
 ビペリデン 等
相互に作用が減弱する可能性がある。本剤とこれらの薬剤の作用が、相互に拮抗する。
アミトリプチリン
フルボキサミン
パロキセチン1)
キニジン 等
本剤の血中濃度が上昇し、悪心、嘔吐等がおこる可能性がある。これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
イトラコナゾール
エリスロマイシン2) 等
これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。

4. 副作用

軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象に実施した国内臨床試験における安全性評価対象症例744例中431例(57.9%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、悪心111例(14.9%)、嘔吐92例(12.4%)、食欲不振62例(8.3%)、下痢46例(6.2%)、食欲減退40例(5.4%)、頭痛34例(4.6%)であった。(承認時)

1)重大な副作用

(1)失神(0.1%)、徐脈(1.1%)、心ブロック(1.3%)、QT延長(0.9%):失神、徐脈、心ブロック、QT延長等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(2)急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明注):急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、多数の小膿疱等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

(3)肝炎(頻度不明注):肝炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(4)横紋筋融解症(頻度不明注):横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2)その他の副作用

5%以上 1~5%未満 1%未満 頻度不明注)
感染症および
寄生虫症
  鼻咽頭炎 膀胱炎、尿路感染  
血液および
リンパ系障害
  貧血    
過敏症     発疹、そう痒症、顔面浮腫 薬疹、全身性皮疹、蕁麻疹
代謝および
栄養障害
食欲不振、食欲減退   脱水  
精神障害   不眠症 激越、怒り、攻撃性、不安、譫妄、落ち着きのなさ、幻覚 うつ病、幻視、幻聴
神経系障害   頭痛、浮動性めまい 意識消失、傾眠、痙攣、体位性めまい、振戦、アルツハイマー型認知症の悪化、パーキンソニズム 嗜眠、味覚異常、過眠症、錯感覚、錐体外路障害
眼障害       霧視
耳および
迷路障害
      耳鳴
心臓障害   心室性期外収縮 上室性期外収縮、心房細動、動悸  
血管障害   高血圧 低血圧 潮紅
呼吸器、胸郭
および縦隔障害
    咳嗽  
胃腸障害 悪心(14.9%)、嘔吐(12.4%)、下痢 腹痛、便秘、上腹部痛、胃不快感 胃炎、腹部膨満、消化不良、胃潰瘍、腸炎、萎縮性胃炎、腹部不快感、レッチング  
肝胆道系障害     肝機能異常  
皮膚および
皮下組織障害
    湿疹、皮下出血、多汗症、紅斑  
筋骨格系および
結合組織障害
    背部痛、筋力低下 筋痙縮
腎および尿路障害     頻尿、尿失禁、血尿  
全身障害および
投与局所様態
  倦怠感、異常感 無力症、発熱、胸痛、疲労、歩行障害  
臨床検査   体重減少、肝機能検査値異常、CK(CPK)増加、尿中白血球陽性、血圧上昇、血中ブドウ糖増加 尿中血陽性、血中トリグリセリド増加、尿中赤血球陽性、白血球数増加、血中コレステロール増加、LDH増加、血中カリウム減少、血圧低下、血中尿酸増加、心電図異常、総蛋白減少  
傷害、中毒および処置合併症   転倒・転落    

注)市販後の国内報告あるいは外国で報告された副作用については頻度不明とした。

5. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦への投与に関する安全性は確立していない。]

2)授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせることが望ましい。[ヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、動物実験(ラット)で乳腺への移行が認められている。]

6. 小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

7. 過量投与

徴候、症状:
他のコリン作動薬の過量投与時と同様に、筋力低下又は筋線維束収縮に加え、重度の悪心、嘔吐、消化管痙攣、流涎、流涙、排尿、排便、発汗、徐脈、低血圧、虚脱及び痙攣等の副作用が発現する可能性がある。呼吸筋の弛緩により、死に至る可能性もある。
処置:
一般的な支持療法を行う。症状に応じて、アトロピン等の抗コリン剤の投与を行う。本剤及びその代謝物が、透析(血液透析、腹膜透析又は血液濾過)により除去できるかどうかは不明である。

8.適用上の注意

<錠、OD錠>
薬剤交付時:

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
<OD錠>
服用時:

(1)本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

(2)本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。

<内用液>
投与経路:
内服用にのみ使用させること。
薬剤交付時:分包品においては、包装のまま服用しないように指導すること。


1)Hust, R., et al.: ガランタミンとパロキセチンの相互作用の検討(GAL-BEL-14試験)(社内資料)(J900486)
2)Bortel, LV., et al.: ガランタミンとエリスロマイシンの相互作用の検討(GAL-BEL-15試験)(社内資料)(J900497)

臨床成績に関する事項-国内第Ⅲ相臨床試験(GAL-JPN-3)

禁忌を含む使用上の注意等は「添付文書」をご参照ください。

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