血清中薬物濃度
(1) リュープロレリン3.75mg(4週製剤)単回投与時[国内第Ⅰ相試験]2, 3)(観察項目)
前立腺癌患者4例を対象に、3.75mgを単回投与した時、血清中濃度は投与1~2日後にピークに達し、4週後までほぼ一定の値を維持した。
■単回投与時の血清中薬物濃度の推移
(2) リュープロレリン11.25mg(12週製剤)単回投与時[国内第Ⅱ相試験]8)(主要評価項目)
前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)10例を対象に、SR11.25mgを単回皮下投与した時の血清中濃度(代謝物M-Ⅰを含む)は、約3時間後にピークに達し、その後、投与1週後から12週後までほぼ一定の値を維持した。
■単回投与時の血清中薬物濃度の推移
4週製剤の用法・用量
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。詳細については「用法・用量及び用法・用量に関連する使用上の注意」の項をご参照ください。
(3) リュープロレリン22.5mg(24週製剤)単回投与時[国内第Ⅱ相試験]13, 14)(主要評価項目)
前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)6例を対象にPRO22.5mgを単回皮下投与した時、未変化体の血清中濃度は、投与直後に、急速に上昇した後、投与8日後までに急速に低下した。その後、投与2週後から投与3週後までに再び上昇し、投与3週後から投与24週後までの期間にわたり徐々に低下する2峰性を示した。
■単回投与時の血清中薬物濃度の推移
■薬物動態学的パラメータ
| 例数 | Cmax (ng/mL) | Tmax
(hr) | AUC0-168days (ng・hr/mL) | T1/2 (hr) |
リュープロレリン22.5mg (24週製剤) | 6 | 4.65(0.97) | 1.00(0.92, 1.05) | 799.5(178.8) | 927.2(320.7) |
平均値(標準偏差)、Tmaxは中央値(最小値、最大値)
リュープロレリン3.75mg(4週製剤)単回投与時(国内第Ⅰ相試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)に対しリュープリン1.88mg、3.75mg、7.5mg、15mgを1回皮下投与した。 |
副作用 | 臨床検査値の異常変動を含む副作用の発現は、1.88mgの1/3例、3.75mg群の1/4例、7.5mg群の2/5例、15mg群の1/3例に認められた。 |
リュープロレリン11.25mg(12週製剤)単回投与時(国内第Ⅱ相試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)に対し、SR11.25mgを原則として単回、皮下に投与した。本試験の主要評価項目、副次評価項目、解析計画等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | 安全性評価対象となった10例中6例、23件の有害事象が認められた。詳細はこちらをご参照ください。 |
リュープロレリン22.5mg(24週製剤)単回投与時(国内第Ⅱ相試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)に対し、PRO22.5mgを原則として単回、皮下に投与した。本試験の主要評価項目、副次評価項目、解析計画等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | Grade 2以上の副作用が100.0%(6/6例)に認められた。詳細はこちらをご参照ください。 |
(4) リュープロレリン3.75mg(4週製剤)反復投与時
(4週毎3回皮下投与)[国内第Ⅰ/Ⅱ相試験併合解析]2, 3)(評価項目)
前立腺癌患者17例を対象に、3.75mgを4週毎に3回投与した時、血清中濃度は、投与1週後から4週にかけて持続ないしわずかに低下するパターンを繰り返した。
■反復投与時の血清中薬物濃度の推移
(5) リュープロレリン3.75mg(4週製剤)からリュープロレリン11.25mg(12週製剤)に
切り替え時[国内第Ⅱ相非劣性検証試験] 12)(主要評価項目)
3.75mgが投与され、投与前の血清PSA濃度が「前立腺癌の非観血的治療効果判定基準」によるCR又はPRを12週間以上持続している前立腺癌患者101例を対象に、SR11.25mgを12週毎2回又は3.75mgを4週毎6回皮下投与した時の血清中濃度(代謝物M-Ⅰを含む)の平均値は、投与期間中約0.2~0.3ng/mLで推移し、両製剤間で大きな差は認められず、また蓄積性もないと推定された。
■反復投与時の血清中薬物濃度の推移
(6) リュープロレリン11.25mg(12週製剤)からリュープロレリン22.5mg(24週製剤)への
切り替え時[国内第Ⅲ相非劣性検証試験] 13, 14)(副次評価項目)
SR11.25mgが投与され、効果が安定している前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)160例を対象にPRO22.5mgの未変化体の血清中濃度は、投与4週後に最大値を示した後、投与24週後までの期間にわたり徐々に低下した。2回目投与(投与24週)後の血清中濃度の推移は、初回投与後とほぼ同様であった。また、SR11.25mgの推移は以下のとおりであった。
■反復投与時の血清中薬物濃度の推移
リュープロレリン3.75mg(4週製剤)反復投与時(国内第Ⅰ/Ⅱ相試験併合解析)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)に対し、3.75mgもしくは7.5mgを4週間毎に3回皮下に反復投与した。本試験の評価項目等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | 副作用発現率はリュープリンとの因果関係が関連不明(判定保留)のものも含め、26.0%(13/50例)、7.5mg群34.1%(15/44例)であった。詳細はこちらをご参照ください。 |
リュープロレリン11.25mg(12週製剤)反復投与時(国内第Ⅱ相非劣性検証試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)に対し、原則としてSR11.25mgを12週間隔で2回、もしくは3.75mgを4週間隔で6回皮下に反復投与した。本試験の主要評価項目、副次評価項目、解析計画等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | 自他覚的副作用の発現頻度はSR11.25mg群23.5%(12/51例)、3.75mg群18.0%(9/50例)であった。また、臨床検査値の異常変動はSR11.25mg群13.7%(7/51例)、3.75mg群20.0%(10/50例)であった。詳細はこちらをご参照ください。 |
リュープロレリン22.5mg(24週製剤)反復投与時(国内第Ⅲ相非劣性検証試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)に対し、原則としてPRO22.5mgを24週間隔で2回、もしくはSR11.25mgを12週間隔で4回皮下に反復投与した。本試験の主要評価項目、副次評価項目、解析計画等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | 副作用の発現頻度は、PRO22.5mg群55.6%(45/81例)、SR11.25mg群45.6%(36/79例)であった。詳細はこちらをご参照ください。 |
4週製剤の用法・用量
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。詳細については「用法・用量及び用法・用量に関連する使用上の注意」の項をご参照ください。
2)新島端夫,他:泌尿器科紀要. 1990;36(11):1343 [HB91H190]
3)リュープロレリン3.75mgの前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相試験
(社内資料、承認審査時評価資料)
8)リュープロレリン11.25mg製剤の前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)を対象とした国内第Ⅱ相試験
(社内資料、承認審査時評価資料)
12)リュープロレリン11.25mgの前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)を対象とした国内第Ⅱ相試験
(社内資料、承認審査時評価資料)
13)リュープロレリン22.5mgの前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)を対象とした国内第Ⅲ相非劣性試験
14)Suzuki K, et al. : Jpn J Clin Oncol.2015; 45(12):1168