1) ホルモン療法未治療前立腺癌
■リュープロレリン11.25mg(12週製剤)単回投与時 [国内第Ⅱ相試験] 8)(副次評価項目)
前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)10例を対象に、SR11.25mgを単回皮下投与した時の血清PSA濃度は、投与2週後から減少をはじめ、投与12週後には、投与前値が定量上限値(100.0ng/mL)以上と高値であった1例(投与前100.0ng/mL以上→投与12週後21.0ng/mL)を除き、9例が正常値(4.0ng/mL以下)となった。
■血清PSA濃度の推移
■リュープロレリン22.5mg(24週製剤)単回投与時 [国内第Ⅱ相試験] 10, 11)(副次評価項目)
前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)6例を対象に、PRO22.5mgを単回皮下投与した時、投与開始前の血清PSA濃度(平均値±標準偏差)115.04±225.75ng/mLは、投与8週後では6.42±5.27ng/mL、投与24週後では3.67±3.64ng/mLへと低下し、投与8週後以降は投与24週後まで同様の低値で推移した。
■血清PSA濃度の推移
リュープロレリン11.25mg(12週製剤)単回投与時(国内第Ⅱ相試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)に対し、SR11.25mgを原則として単回、皮下に投与した。本試験の主要評価項目、副次評価項目、解析計画等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | 安全性評価対象となった10例中6例、23件の有害事象を認めた。詳細はこちらをご参照ください。 |
リュープロレリン22.5mg(24週製剤)単回投与時(国内第Ⅱ相試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)に対し、PRO22.5mgを原則として単回、皮下に投与した。本試験の主要評価項目、副次評価項目、解析計画等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | Grade 2以上の副作用が100.0%(6/6例)に認められた。詳細はこちらをご参照ください。 |
2)ホルモン療法既治療前立腺癌
■リュープロレリン11.25mg(12週製剤)反復投与時 [国内第Ⅱ相非劣性検証試験] 12)(副次評価項目)
3.75mgが投与され、投与前の血清PSA濃度が「前立腺癌の非観血的治療効果判定基準」によるCR又はPRを12週間以上持続している前立腺癌患者101例を対象に、SR11.25mgを12週毎に2回又は3.75mgを4週毎に6回皮下投与して、血清PSA濃度に対する効果を比較検討した結果は下記のとおりであった。
■血清PSA濃度に対する効果
薬剤群 |
CR |
PR |
NC |
PD |
維持率(%) (NC以上/全症例) |
リュープロレリン11.25mg (12週製剤) |
0 |
0 |
46 |
5 |
46/51 (90.2) |
リュープロレリン3.75mg (4週製剤) |
3 |
1 |
44 |
2 |
48/50 (96.0) |
数字は例数
リュープロレリン11.25mg(12週製剤)反復投与時(国内第Ⅱ相非劣性試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)に対し、原則としてSR11.25mgを12週間隔で2回、もしくは3.75mgを4週間隔で6回皮下に反復投与した。本試験の主要評価項目、副次評価項目、解析計画等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | 自他覚的副作用の発現頻度は、SR11.25mg群23.5%(12/51例)、3.75mg群18.0%(9/50例)であった。また、臨床検査値の異常変動はSR11.25mg群13.7%(7/51例)、3.75mg群20.0%(10/50例)であった。詳細はこちらをご参照ください。 |
リュープロレリン22.5mg(24週製剤)反復投与時(国内第Ⅲ相非劣性試験)
対象・方法 | 前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)に対し、原則としてPRO22.5mgを24週間隔で2回、もしくはSR11.25mgを12週間隔で4回皮下に反復投与した。本試験の主要評価項目、副次評価項目、解析計画等、試験概要の詳細は「試験概要」をご参照ください。 |
副作用 | 副作用の発現頻度は、PRO22.5mg群55.6%(45/81例)、SR11.25mg群45.6%(36/79例)であった。詳細はこちらをご参照ください。 |
■リュープロレリン22.5mg(24週製剤)反復投与時
[国内第Ⅲ相非劣性検証試験] 13, 14)(副次評価項目)
SR11.25mgが投与され、効果が安定している前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)160例※を対象に、PRO22.5mgを24週毎に2回又はSR11.25mg製剤を12週毎に4回皮下投与して、血清PSA濃度に対する効果を比較検討した。結果は下記のとおりであった。
※投与開始予定時点でSR11.25mg、3.75mgの投与期間の合計が24週間以上96週間以内の者
■血清PSA 濃度でみた病勢進行の有無
病勢進行 | リュープロレリン22.5mg(24週製剤) | リュープロレリン11.25mg(12週製剤) |
有 | 6例/80例(7.5%) | 5例/77例(6.5%) |
無 | 74例/80例(92.5%) | 72例/77例(93.5%) |
注)投与4週後以降のデータがない場合は欠測とした。
病勢進行有:投与4週後以降で血清PSA濃度の最低値の時点を基点とし、基点の血清PSA濃度に対する基点以降の血清PSA濃度の変化率
及び変化量を算出し、変化率が25%以上の増加かつ変化量が2ng/mL以上の増加が共に認められる時点が存在する場合
病勢進行無:投与4週後以降のデータが存在し、病勢進行ありの条件が認められなかった場合
■PSA抑制における最大変化率
薬剤群 | 例数 | 中央値 |
Min |
第1四分位 |
第3四分位 |
Max |
リュープロレリン22.5mg (24週製剤) |
54 | -86.23 |
-100.00 |
-100.00 |
-18.28 |
108.73 |
リュープロレリン11.25mg (12週製剤) |
55 | -67.03 |
-100.00 |
-100.00 |
-20.26 |
75.76 |
単位は%
■血清PSA濃度の推移
8)リュープロレリン11.25mgの前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)を対象とした国内第Ⅱ相試験
(社内資料、承認審査時評価資料)
10)河村恵美子, 他:癌と化学療法. 2014;41:587 [HB14F313]
本論文の著者の内4 名は武田薬品工業株式会社の社員である。
11)リュープロレリン22.5mg の前立腺癌患者(ホルモン療法未治療例)を対象とした国内第Ⅱ相試験
(社内資料、承認審査時評価資料)
12)リュープロレリン11.25mgの前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)を対象とした国内第Ⅱ相試験
(社内資料、承認審査時評価資料)
13)リュープロレリン22.5mg の前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)を対象とした国内第Ⅲ相非劣性試験
(社内資料、承認審査時評価資料)
14)Suzuki K, et al. : Jpn J Clin Oncol. 2015 ; 45(12) : 1168
本試験は武田薬品工業株式会社が実施した。
本論文の著者の内3名は武田薬品工業株式会社の社員である。
また、武田薬品工業株式会社より講演料を受領した者が含まれている。