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会員限定 リュープリン注射用 前立腺癌編 臨床成績
2. 前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)に対する抗腫瘍効果

Last Update:2019年8月

リュープロレリン22.5mg(24週製剤)投与時の抗腫瘍効果
[国内第Ⅲ相非劣性検証試験] 13, 14)

試験概要

試験の種類国内第Ⅲ相非劣性検証試験、多施設共同、非盲検、無作為割付、並行群間比較試験
目的 前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)を対象として、PRO22.5mgによる血清テストステロン濃度の抑制効果について、SR11.25mgと比較して臨床的に劣らないことを検証する(投与開始から48週後までの期間)
対象・方法前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)に対し、原則としてPRO22.5mgを24週間隔で2回、もしくはSR11.25mgを12週間隔で4回皮下に反復投与する
投与期間/例数 48週間/PRO22.5mg群:81例
    SR11.25mg群:79例
選択基準(1) 治験の内容を理解し、それを遵守する能力があると治験責任医師又は治験分担医師が判断した者
(2) 治験手順が行われる前に、同意・説明文書に、症例による署名及び日付記入ができる者
(3) 日本人で、病理組織学的に前立腺癌と診断が確立された者
(4) 診断時の臨床診断がTNM分類でT1b~T4、N不問、M不問である者
(5) スクリーニング検査時のECOGによるPSが0~2である者

(6) スクリーニング検査時を含め検査前12週前の範囲で、測定間隔を4週間以上あけて測定した血清PSA濃度が、その期間の最低値から25%以上かつ2ng/mL以上の悪化を示していない者

(7) 同意取得時の年齢が20歳以上85歳以下である者

(8) スクリーニング検査時に市販薬3ヵ月製剤(リュープリンSR注射用キット11.25)を投与中である者

(9) 治験薬投与開始予定日の時点で、市販薬3ヵ月製剤(リュープリンSR注射用キット11.25)、市販薬1ヵ月製剤(リュープリン注射用3.75及びキット3.75)の投与期間の合計が24週間以上96週間以内の者
但し、前立腺摘除術及び/又は放射線療法に対するネオアジュバント内分泌療法として投与した期間は上記期間に含めない

(10) 非ステロイド性抗アンドロゲン剤を併用している場合は、治験薬投与開始予定日の時点で非ステロイド性抗アンドロゲン剤を12週間以上継続して使用している者

(11) スクリーニング時の検査値で、血清テストステロン濃度が100ng/dL未満の者

(12) スクリーニング時の検査値で、以下の基準を満たしている者
i)腎機能:血清クレアチニン値が基準値上限の1.5倍以下
ii)骨髄機能:白血球数≧3,500/mm3、血小板数≧100,000/μL、ヘモグロビン≧10.0g/dL
iii)肝機能:AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP及び総ビリルビンが基準値上限の2.5倍以下

(13) スクリーニング検査時の診断所見及び12誘導心電図所見から臨床的に問題がないと判断された者
(14) 同意取得時に24ヵ月以上の生存が見込める者
除外基準 (1) 活動性の重複癌(同時性重複癌及び無病期間が5年以内の異時性重複癌)を合併している者
(2) 外科的去勢術を施行された者

(3) 過去に市販薬3ヵ月製剤(リュープリンSR注射用キット11.25)、市販薬1ヵ月製剤(リュープリン注射用3.75及びキット3.75)以外のLH-RHアゴニストの投与歴のある者

(4) 過去にLH-RHアンタゴニストの投与歴のある者
(5) 過去に前立腺癌に対する女性ホルモン製剤、副腎皮質ホルモン剤の投与歴のある者
(6) 過去に前立腺癌に対して化学療法の治療歴のある者

(7) 前立腺摘除術及び/又は放射線療法後の補助療法(アジュバント療法)として市販薬3ヵ月製剤(リュープリンSR注射用キット11.25)、市販薬1ヵ月製剤(リュープリン注射用3.75及びキット3.75)を投与中、又は投与したことがある者

(8) 間歇的内分泌療法として市販薬3ヵ月製剤(リュープリンSR注射用キット11.25)を投与中、又は投与したことがある者

(9) 治験薬投与開始前24週間(168日)以内に以下の薬剤の投与歴のある者
ステロイド性抗アンドロゲン剤、5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬

(10) 治験薬投与開始前16週間(112日)以内に以下のいずれかの治療を実施した者

i)放射線療法。但し、125Iによる密封小線源永久挿入療法については治験薬投与開始前35週間以内とする

ii)前立腺癌摘除術
iii)実験的治療(高密度焦点式超音波療法(HIFU)、免疫療法、遺伝子治療等)

(11) 治験薬投与開始前4週間(28日)以内に以下の薬剤又はサプリメントを使用した者
男性ホルモン製剤、ケトコナゾール(外用剤は除く)、スピロノラクトン、副腎皮質ホルモン剤(但し吸入剤、及び外用剤は除く)、ノコギリヤシを含むサプリメント及び漢方薬

(12) スクリーニング時の12誘導心電図検査においてQTcF間隔が460msecを超える者
(13) 治験薬の成分又は合成LH-RH及びLH-RH誘導体に対して、過敏症又はアレルギーの既往のある者
(14) 治療を要する又は症候性の中枢神経系転移のある者

(15) 脊髄圧迫又は尿管閉塞による腎障害の既往又は合併のある者、あるいは新たに発生するおそれのある者

(16) 過去に重篤な薬物アレルギー反応又は過敏症の既往のある者
(17) 心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症又は心不全の既往又は合併のある者

(18) 生存見込みに影響する可能性のある重篤な疾患又は治験実施計画書に従って適切に管理し追跡することが困難と考えられる既往又は合併のある者(重篤な臓器障害、精神疾患、薬物濫用、アルコール依存症等)

(19) 治験薬投与時点に、他の治験又は製造販売後臨床試験で治験薬又は製造販売後臨床試験薬の投薬終了後12週未満の者、又は最終観察が終了していない者

(20) その他、治験責任医師又は治験分担医師が症例として不適当と判断した者
主要評価項目投与開始から48週後における血清テストステロン濃度の去勢レベル(100ng/dL以下)維持率
副次評価項目前立腺癌取扱い規約第4版「治療効果判定基準」に従った評価(PSAでみた効果判定、軟部組織、骨病変)、血清テストステロン濃度、血清PSA濃度、血清中薬物濃度、血清黄体形成ホルモン(LH)濃度、血清卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度、有害事象、バイタルサイン、体重、臨床検査成績、12誘導心電図
解析計画主要評価項目は、両群の血清テストステロン濃度の去勢レベルの頻度ならびに群間差の点推定値及び両側95%信頼区間(95%CI)を算出し、群間差の下側信頼限界が-10%を上回った場合、SR11.25mgに対するPRO22.5mgの非劣性が検証されたとした。なお、群間差の点推定値及び95%CIはNewcombeのmethod 10の方法に従って算出した。

患者背景

項目 区分 PRO22.5mg
82例
SR11.25mg
80例
合計
162例
年齢(歳) 64以下
65~74
75以上
9(11.0)
30(36.6)
43(52.4)
10(12.5)
37(46.3)
33(41.3)
19(11.7)
67(41.4)
76(46.9)
平均値±標準偏差 73.3±6.32 72.6±6.49 73.0±6.39
身長(cm) 平均値±標準偏差 164.5±6.46 164.6±5.76 164.5±6.11
体重(kg) 平均値±標準偏差 64.03±8.689 65.83±8.098 64.92±8.424
BMI(kg/m2 25.0未満
25.0以上
55(67.9)
26(32.1)
47(59.5)
32(40.5)
102(63.8)
58(36.3)
平均値±標準偏差 23.61±2.731 24.32±2.769 23.96±2.764
喫煙歴 喫煙経験なし
現在喫煙している
過去に喫煙していたが
現在は喫煙していない
14(17.1)
12(14.6)
56(68.3)

14(17.5)
13(16.3)
53(66.3)

28(17.3)
25(15.4)
109(67.3)

Gleason
分類
(Primary
Pattern)
1
2
3
4
5
0
2(2.4)
28(34.1)
43(52.4)
9(11.0)
0
1(1.3)
24(30.0)
53(66.3)
2(2.5)
0
3(1.9)
52(32.1)
96(59.3)
11(6.8)
Gleason
分類
(Secondary
Pattern)
1
2
3
4
5
0
0
26(31.7)
38(46.3)
18(22.0)
0
1(1.3)
26(32.5)
29(36.3)
24(30.0)
0
1(0.6)
52(32.1)
67(41.4)
42(25.9)
Gleason
Score
5
6
7
8
9
10
2(2.4)
8(9.8)
35(42.7)
14(17.1)
20(24.4)
3(3.7)
2(2.5)
7(8.8)
29(36.3)
21(26.3)
21(26.3)
0
4(2.5)
15(9.3)
64(39.5)
35(21.6)
41(25.3)
3(1.9)
組織型 腺癌 82(100.0) 80(100.0) 162(100.0)
診断時の
TNM分類
T T1
T2
T3
T4
17(20.7)
32(39.0)
29(35.4)
4(4.9)
16(20.3)
24(30.4)
33(41.8)
6(7.6)
33(20.5)
56(34.8)
62(38.5)
10(6.2)
N N0
N1
69(84.1)
13(15.9)
62(78.5)
17(21.5)
131(81.4)
30(18.6)
M M0
M1
63(76.8)
19(23.2)
62(78.5)
17(21.5)
125(77.6)
36(22.4)
前立腺癌治療歴
(手術又は放射線)

57(69.5)
25(30.5)
56(70.0)
24(30.0)
113(69.8)
49(30.2)
非ステロイド性
抗アンドロゲン
剤の併用の有無

20(24.4)
62(75.6)
20(25.0)
60(75.0)
40(24.7)
122(75.3)
初回診断日
から同意取
得日までの
期間(年)
1年未満
1年以上2年未満
2年以上3年未満
3年以上
41(50.0)
25(30.5)
5(6.1)
11(13.4)
32(40.0)
33(41.3)
4(5.0)
11(13.8)
73(45.1)
58(35.8)
9(5.6)
22(13.6)
平均値±標準偏差 1.653±2.0866 1.748±2.0410 1.700±2.0583

リュープロレリン酢酸
塩(市販薬)の投与開始
日から治験薬投与開始
日までの期間(週)
48週未満
48週以上
51(63.0)
30(37.0)
42(53.2)
37(46.8)
93(58.1)
67(41.9)
平均値±標準偏差 46.328±20.0833 46.595±20.8584 46.460±20.4056
ECOG
Performance
Status
0
1
2
73(90.1)
7(8.6)
1(1.2)
71(89.9)
7(8.9)
1(1.3)
144(90.0)
14(8.8)
2(1.3)

数字は例数、( )内は%

(1) 抗腫瘍効果(投与48週時点:副次評価項目)

1)抗腫瘍効果(軟部組織)

■ RECISTに従った最良総合効果及び効果維持率

薬剤群 例数 評価判定 効果維持率
CR PR SD PD NE
リュープロレリン
22.5mg(24週製剤)
79 0(0.0) 0(0.0) 11(13.9) 0(0.0) 68(86.1) 100.0
(11/11例)
リュープロレリン
11.25mg(12週製剤)
76 0(0.0) 0(0.0) 9(11.8) 2(2.6) 65(85.5) 81.8
(9/11例)

数字は例数、( )内は%
注)固形癌の治療効果判定基準(「RECIST(v1.1)」)に準拠して評価した

効果判定基準:CR(Complete Response)、PR(Partial Response)、SD(Stable Disease)、
       PD(Progressive Disease)、NE(Not Evaluable)
効果維持率 :NEを除外した評価症例中のCR+PR+SDの症例率を%表記した

2)抗腫瘍効果(骨病変)

両群の投与24週後又は投与48週後の骨病変の病勢進行は、下記のとおりであった。

■ 骨病変の有無

薬剤群 評価時点 例数 新規病変2ヵ所以上 新規病変1ヵ所以下
リュープロレリン
22.5mg(24週製剤)
24週790(0.0)79(100.0)
48週781(1.3)77(98.7)
リュープロレリン
11.25mg(12週製剤)
24週 76 1(1.3) 75(98.7)
48週 75 1(1.3) 74(98.7)

数字は例数、( )内は%
注)前立腺癌取扱い規約第4版「治療効果判定基準」に従った評価(一部改変)

(2) 副作用(副次評価項目)

副作用の発現頻度は、PRO22.5mg群55.6%(45/81例)、SR11.25mg群45.6%(36/79例)であった。主な副作用は、PRO22.5mg群及びSR11.25mg群の順にそれぞれ、注射部位硬結17.3%(14/81例)、12.7%(10/79例)、注射部位紅斑13.6%(11/81例)、7.6%(6/79例)、注射部位疼痛6.2%(5/81例)、6.3%(5/79例)、糖尿病6.2%(5/81例)、1.3%(1/79例)、ほてり6.2%(5/81例)、6.3%(5/79例)等であった。なお、両群とも治験期間中に副作用による死亡例は認めなかった。重篤な副作用発現例及び副作用による投与中止例は以下のとおりであった。
[重篤な副作用]
PRO22.5mg群:肺梗塞1例、脳梗塞1例
SR11.25mg群:末梢動脈閉塞性疾患1例
[投与中止に至った副作用]
PRO22.5mg群:ほてり1例
SR11.25mg群:注射部位紅斑及び注射部位硬結1例、注射部位潰瘍1例

13)リュープロレリン22.5mgの前立腺癌患者(ホルモン療法既治療例)を対象とした国内第Ⅲ相非劣性試験
(社内資料、承認審査時評価資料)

14)Suzuki K, et al. : Jpn J Clin Oncol. 2015 ; 45(12) : 1168
本試験は武田薬品工業株式会社が実施した。
本論文の著者の内3名は武田薬品工業株式会社の社員である。
また、武田薬品工業株式会社より講演料を受領した者が含まれている。

前立腺癌編  臨床成績 3. ホルモン療法未治療例に対する血清テストステロン濃度に及ぼす影響

禁忌を含む使用上の注意等は「添付文書」をご参照ください。