効能・効果及び効能・効果に関連する使用上の注意
前立腺癌
効能・効果に関連する使用上の注意
- 24週製剤(PRO22.5mg)
- 患者の治療歴等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
(前立腺癌以外の効能・効果については最新の添付文書をご覧ください。)
用法・用量及び用法・用量に関連する使用上の注意
4週製剤(3.75mg)
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。
バイアル品の投与に際しては、1バイアル当たり、添付の懸濁用液1mLで泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
キット品の投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させ、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
キット品は投与量の調節が不可能なため、1回当たり全量投与が必要な患者にのみ使用すること。
12週製剤(SR11.25mg)
通常、成人には12週に1回リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを皮下に投与する。
投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させて、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
24週製剤(PRO22.5mg)
通常、成人には24週に1回リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを皮下に投与する。
投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させて、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
用法・用量に関連する使用上の注意
- 4週製剤(3.75mg)
本剤は4週間持続の徐放性製剤であり、4週を超える間隔で投与すると下垂体−性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、4週に1回の用法を遵守すること。
- 12週製剤(SR11.25mg)
本剤は12週間持続の徐放性製剤であり、12週を超える間隔で投与すると下垂体−性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、12週に1回の用法を遵守すること。
- 24週製剤(PRO22.5mg)
本剤は24週間持続の徐放性製剤であり、24週を超える間隔で投与すると下垂体-性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、24週に1回の用法を遵守すること。
(前立腺癌以外の効能・効果に対する用法・用量については最新の添付文書をご覧ください。)
リュープリン注射用キット3.75mg、SR注射用キット11.25mg及びPRO注射用キット22.5mgの使用法
リュープリン注射用キット3.75mgには25ゲージ、リュープリンSR注射用キット11.25mg及びリュープリンPRO注射用キット22.5mgには23ゲージの注射針が装着されている。
使用上の注意
(前立腺癌以外の効能・効果に対する使用上の注意等については最新の添付文書をご覧ください。)
1.慎重投与 :次の患者には慎重に投与すること
全製剤共通
脊髄圧迫又は尿路閉塞による腎障害を既に呈している患者又は新たに発生するおそれのある患者[初回投与初期の血清テストステロン濃度の上昇に伴い、原疾患の症状が悪化する可能性がある。]
2.重要な基本的注意
全製剤共通
(1) 本剤は内分泌療法剤であり、前立腺癌に対し使用する場合には、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
(2) 初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体−性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。また、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられるおそれがあるので慎重に投与し、投与開始1ヵ月間は十分観察を行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
12週製剤(SR11.25mg)
本剤は12週間持続性の製剤であり、徐放性の薬剤が注射部位に長くとどまり、硬結等の注射部位反応が発現することがあるので、注射部位を毎回変更し、注射部位をもまないように患者に説明するなど十分注意して投与すること。(「副作用」、「適用上の注意」の項参照)
24週製剤(PRO22.5mg)
本剤は24 週間持続性の製剤であり、徐放性の薬剤が注射部位に長くとどまり、硬結等の注射部位反応が発現することがあるので、注射部位を毎回変更し、注射部位をもまないように患者に説明するなど十分注意して投与すること。(「副作用」、「適用上の注意」の項参照)
3.副作用
全製剤共通
本剤は徐放性製剤であるので、最終投与後も薬効持続期間中は患者の状態を観察すること。
4週製剤(3.75mg)
前立腺癌での承認時までの調査では158症例中75例(47.5%)に、製造販売後の使用成績調査(再審査終了時点)では1,232症例中127例(10.3%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。
12週製剤(SR11.25mg)
国内臨床試験において安全性が評価された61症例中17例(27.9%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告された。主たる副作用は、発汗・多汗3例、ほてり2例、皮膚障害(発疹1例、湿疹1例、皮疹1例、皮膚炎1例)、注射部位障害(注射部位硬結1例、注射部疼痛性硬結1例)、赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット値減少2例、AL-P上昇3例、LDH上昇2例等であった。
海外臨床試験において安全性が評価された218症例中144例(66.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告された。主たる副作用は、ほてり85例、多汗61例、性欲減退36例、勃起障害33例、体重増加33例等であった。
製造販売後調査(再審査終了時点)では、11,003例中の1,877例(17.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告された。主たる副作用は、注射部位障害(注射部位硬結852例、注射部位紅斑259例、注射部位腫脹202例、注射部位疼痛172例)、ほてり237例、AST(GOT)上昇142例、ALT(GPT)上昇126例等であった。
以下の副作用は上記の臨床試験・調査又は自発報告等、あるいは4週間持続の徐放性製剤での臨床試験・調査又は自発報告等で認められたものである。
24週製剤(PRO22.5mg)
国内臨床試験において、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgが投与された81例中45例(55.6%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、注射部位硬結17.3%(14/81例)、注射部位紅斑13.6%(11/81例)、注射部位疼痛6.2%(5/81例)、糖尿病6.2%(5/81例)、ほてり6.2%(5/81例)等であった。
以下の副作用は上記の臨床試験、あるいは4週間又は12週間持続の徐放性製剤での臨床試験・調査又は自発報告等で認められたものである。
全製剤共通
(1) 重大な副作用
1)発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
2)アナフィラキシー(0.1%未満)があらわれることがあるので、問診を十分に行い、投与後は十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
3)AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
4)糖尿病の発症又は増悪(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
5)下垂体卒中(頻度不明)が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力・視野障害等があらわれた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行うこと。
6)心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7)うつ状態(0.1%未満)があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察すること。
8)下垂体−性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫(5%以上)がみられることがあるので、このような場合には対症療法等適切な処置を行うこと。
9)心不全(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(2) その他の副作用(前立腺癌の場合)
以下の副作用は前述した調査あるいは自発報告等で認められたものである。
| 5%以上 | 0.1~5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 * |
1)肝 臓 注3) | LDH上昇 | 黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)、 γ-GTP、AL-Pの上昇 | | |
2)内分泌系 | ほてり、熱感 | 頭痛、不眠、顔面潮紅、めまい、発汗、性欲減退、勃起障害、女性化乳房、睾丸萎縮、会陰部不快感 | | |
3)筋・骨格系 | | 関節痛、骨疼痛、肩・腰・四肢等の疼痛、歩行困難、手指等のこわばり | 筋肉痛、骨塩量の低下 | |
4)皮 膚 | | 皮膚炎、頭部発毛 | | |
5)泌尿器系 | | 頻尿、血尿、BUNの上昇 | | |
6)循環器 | | 心電図異常、心胸比増大 | | |
7)血 液 | | 貧血、血小板減少 | | |
8)消化器 | | 悪心、嘔吐、食欲不振、便秘 | 下痢 | |
9)過敏症 | | 発疹、瘙痒 | | |
10)投与部位 注3) | 硬結
(SR11.25mg、PRO22.5mg) | 疼痛、硬結(3.75mg)、発赤 | | 膿瘍、腫脹、潰瘍、瘙痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応 |
11)その他 | | 浮腫、胸部圧迫感、悪寒、倦怠感、口唇・四肢のしびれ、体重増加、知覚異常、難聴、耳鳴、発熱、総コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、尿酸上昇、高カリウム血症、血糖値上昇 | 脱力感 | 痙攣 |
4.適用上の注意
4週製剤(3.75mg)
(1) 投与経路
皮下注射のみに使用すること。[静脈注射により血栓症を誘発するおそれがある。]
(2) 投与法
1)注射針は25ゲージ又はそれよりも太いものを用いること(キット品には25ゲージの注射針が装着されている)。
2)皮下注射にあたっては下記の点に注意すること。
①注射部位は上腕部、腹部、臀部の皮下とすること。
②注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこと。
③注射針が血管内に入っていないことを確認すること。
④注射部位をもまないように患者に指示すること。
(3) 調製法
1)用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
2)バイアル品の懸濁液の粒子が沈降している場合は、泡立てない程度に揺り動かして粒子をよく再懸濁させて使用すること。
12週製剤(SR11.25mg)、24週製剤(PRO22.5mg)共通
(1) 投与経路
皮下注射のみに使用すること。[静脈注射により血栓症を誘発するおそれがある。]
(2) 投与法:皮下注射にあたっては下記の点に注意すること。
1)注射部位は上腕部、腹部、臀部の皮下とすること。
2)注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこと。
3)注射針が血管内に入っていないことを確認すること。
4)注射部位をもまないように患者に指示すること。
(3) 調製法:用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
5.その他の注意
全製剤共通
ラットにリュープロレリン酢酸塩として4週間持続の徐放性製剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある。1)
本総合製品情報概要に記載されている「製品情報(ドラッグインフォメーション)」は
以下の添付文書に基づいて作成されています。
リュープリン注射用3.75mg:2018年7月改訂(第23版)
リュープリン注射用キット3.75mg:2018年7月改訂(第23版)
リュープリンSR注射用キット11.25mg:2018年7月改訂(第13版)
リュープリンPRO注射用キット22.5mg:2018年7月改訂(第4版)
1)茶谷文雄,他:薬理と治療. 1990;18(S3):575 [HB91H160]