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3.安全性
Q4ベクティビックス点滴静注100mg・400mgの投与による爪囲炎に対する対処方法について教えてください。
ベクティビックス点滴静注100mg・400mgの投与による爪囲炎の治療法・処置法は、テーピングを行ったうえで、外用ステロイド剤や内服抗菌剤による治療の他、ガター法、液体窒素による凍結法、部分爪甲除去術、人工爪形成術などの処置法があります。
爪から周囲皮膚、肉芽に加わる刺激や圧力を緩和するために、爪切りや、テーピングを用います。重症例では医師によるガター法(皮膚に食い込んでいる爪の下に、細いチューブを挿入する方法)、液体窒素による凍結法、部分爪甲除去術、人工爪形成術(つけ爪)等を行います。
爪囲炎の症状 | 治療法・処置法 |
滲出液が見られる | 洗浄・消毒のうえ、ガーゼ保護やテーピング |
腫脹 | 外用ステロイド剤(ベタメタゾン吉草酸エステル)とクーリング注)で対応 |
肉芽形成 | 外用ステロイド剤(strongクラス以上) |
感染症の合併 | 内服抗菌剤(テトラサイクリン系抗菌剤)の短期使用 |
重症例(外科的・専門的処置) | ガター法、液体窒素による凍結法、部分爪甲除去術、人工爪形成術 |
注)氷や保冷剤によるクーリングは温度が低すぎる上、「点」でしか冷やせないため、手・足にビニール袋をかぶせ、水やゲル状の保冷剤などに浸けるなどして、「面」で冷やせる方法を用いる。
参考)
<テーピング>
① 爪と爪の周りを清潔にするため、テーピング前に、泡立てた洗浄剤をたっぷり爪の上に乗せ、しばらくおいて泡に汚れを吸着させてから、よく洗い流す。
② 伸縮性の少ないテープ(キノソフト®、フィクソムル®ストレッチなど)を幅1.0~1.5cm、長さ約5~6cmに切る(テープの長さは指の太さや長さに応じて調節する。)
③ 爪と皮膚の境目にテープを少し貼り付ける。テープを引っ張り、爪と皮膚の間に隙間を作るようにする。
④ 残りのテープは関節にかかるように、斜めにらせん状に巻いていく。
※絆創膏は貼らないようにする
爪囲炎の発現部位に貼ると、爪と肉芽を寄せてしまい、また患部が蒸れるため、絆創膏を貼るのは避けるほうがよいです。保護目的で絆創膏をどうしても貼りたい場合は、横からの圧迫を避けるためにも、横向きではなく、縦向きに貼るようにします。
<爪の切り方>
① 爪を切る前に、泡をつけて洗います。
② 爪切りやはさみを使って、爪を四角く切ります。
③ 切った部分をやすりで整えます。
※爪の食い込みは切らないようにします
爪の食い込みを切ると、症状が改善することがありますが、悪化することもあります。患者さんの判断で爪の食い込みを切らず、医師の指示に従って切るように指導してください。
- (参考資料)
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- ベクティビックス点滴静注100mg・400mg 副作用アーカイブ 皮膚障害