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3.安全性
Q1下痢発現時における薬物療法などの対処方法について教えてください。
Q1
下痢発現時における薬物療法などの対処方法について教えてください。下痢の症状評価のCTCAE v4.0-JCOG*に従って重症度ごとで対応します1)。
症状によって止瀉薬としてロペラミド等で対処します。
* CTCAE v4.0-JCOG:有害事象共通用語規準 v4.0 日本語訳 JCOG版
参考)1)
■Grade 1・2の場合
(1)ラクトースを含む食事、アルコール、高浸透圧の食事を中止
(2)大量の飲水を促す(1日ペットボトル500mL×3本(1,500mL)以上)
■下痢が48時間以上持続する場合
(2)大量の飲水を促す(1日ペットボトル500mL×3本(1,500mL)以上)
(3)ロペラミド※1の投与(開始量4mgその後4時間ごとに2mg追加)
・下痢が12時間以上止まるまで継続
・下痢が24時間以上持続する場合、2時間ごとに2mg追加、経口抗菌薬を開始
ロペラミド※1を中止し、オクトレオチドを開始します
オクトレオチド※2は開始量100〜150μg皮下注1日3回、または持続静注(25〜50μg/時)、下痢が止まらなければ500μgまで増量
■Grade 3・4の場合
オクトレオチド※2は開始量100〜150μg皮下注1日3回、または持続静注(25〜50μg/時)、下痢が止まらなければ500μgまで増量
下痢が止まっても24時間は以下の治療を継続します
(1)十分な補液(電解質補正を含む)
(2)オクトレオチド※2の投与
(4)ロペラミド※1の投与(1〜2mg/回、1日1〜4回)
(1)十分な補液(電解質補正を含む)
(2)オクトレオチド※2の投与
・高度の脱水症例に対し使用
・開始量100〜150μg皮下注1日3回、又は持続静注(25〜50μg/時)、下痢が止まらなければ500μgまで増量
(3)抗菌薬(キノロン系など)(4)ロペラミド※1の投与(1〜2mg/回、1日1〜4回)
※1:ロペラミド塩酸塩カプセルの本邦における用法・用量は、通常、成人に1日1〜2mgを1〜2回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
※2:オクトレオチド酢酸塩注射液の本邦における用法・用量は、1. 消化管ホルモン産生腫瘍、先端巨大症・下垂体性巨人症の場合は通常、成人にはオクトレオチドとして1日量100又は150μgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は1日量300μgまで漸増し、2~3回に分けて皮下投与する。なお、症状により適宜増減する。
2. 進行・再発癌患者さんの緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状の場合通常、成人にはオクトレオチドとして1日量300μgを24時間持続皮下投与する。なお、症状により適宜増減する。
<臨床試験時の下痢止めの使用状況>2, 3)
国際共同第Ⅲ相試験(C16019試験:TOURMALINE-MM3)、国際共同第Ⅲ相試験(C16021試験:TOURMALINE-MM4)においては、下痢に対して対処療法は医師の裁量とされておりましたが予防投与はしないこととなっておりました。
- (参考資料)
-
- ニンラーロカプセル2.3mg・3mg・4mg 副作用アーカイブ胃腸障害 第3版 p.5
- 国際共同第Ⅲ相試験(C16019試験:TOURMALINE-MM3)ClinicalTrials.gov, NCT02181413, Study Protocol.
Dimopoulos MA, et al.: Lancet. 2019; 393: 253-264.
本試験はMillennium社(Takeda Oncology Company)の資金提供により実施され、著者にMillennium社の社員7名が含まれる。
筆頭著者Dimopoulos MA以下12名が武田薬品工業株式会社から謝礼等を受領している。 - Dimopoulos MA, et al.: J Clin Oncol. 2020; 38(34): 4030-4041.
本試験はMillennium社(Takeda Oncology Company)の資金提供により実施され、著者にMillennium社の社員4名、武田薬品工業株式会社の社員2名が含まれる。
筆頭著者Dimopoulos MA以下12名が武田薬品工業株式会社から謝礼金などを受領している。