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会員限定エンタイビオ 薬効薬理

Last Update:2018.08

1.作用機序

α4β7インテグリンはメモリーTリンパ球表面に発現する。α4β7 インテグリンは、消化管粘膜の血管内皮細胞表面に発現する粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)に接着することによって消化管粘膜及び腸管関連リンパ系組織へのリンパ球浸潤を媒介する。ベドリズマブはα4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7 インテグリンと主に消化管に発現するMAdCAM-1との結合を阻害する一方で、中枢神経、皮膚等多くの臓器に発現する血管細胞接着分子-1(VCAM-1)との結合は阻害しなかった11)。(in vitro

潰瘍性大腸炎の病態

潰瘍性大腸炎の病態

エンタイビオの作用機序

エンタイビオの作用機序
監修:滋賀医科大学 内科学講座(消化器内科) 教授 安藤 朗

2.臨床薬理試験

  • (1)α4β7 インテグリンとMAdCAM-1-Fc 結合阻害

    • 1)

      α4β7 インテグリン飽和度(MAdCAM-1-Fc結合阻害率)12)

      潰瘍性大腸炎患者(成人:6例)にベドリズマブ300mgを3回(1、15及び43日目に各1回)静脈内点滴投与したとき、本剤の初回投与(1日目)直後からほぼ完全なα4β7インテグリン飽和を示し、155日目までこの最大レベルの飽和が維持された。

      α4β7 インテグリン飽和度

      α4β7インテグリン飽和度
      [試験方法]
      潰瘍性大腸炎患者(6例)にベドリズマブ300mg を3回(1、15 及び43日目に各1回)静脈内点滴投与した。
    • 2)

      MAdCAM-1-Fc 結合阻害率(海外データ)13)

      健康成人(39例)にベドリズマブを0.2 ~ 10.0mg/kg の用量で単回静脈内点滴投与したとき、いずれの投与群でもα4β7インテグリンに対するMAdCAM-1-Fcの結合を99.2 ~ 100%阻害し、Emaxは初回測定時点(本剤投与2時間後)でみられた。また、血清中ベドリズマブ濃度が低下し検出下限を下回るとMAdCAM-1-Fc結合率はほぼベースラインに戻った。MAdCAM-1-Fc 結合阻害に関するベドリズマブのEmaxについて、投与量又は血清中ベドリズマブ濃度との間に比例関係はみられなかった。また、本剤投与後のMAdCAM-1-Fc 結合阻害率のAUECは、投与量に依存して増加し、血清中ベドリズマブが検出下限を下回るまでの時間の長さとの相関がみられた。

  • (2)脳脊髄液中のリンパ球数への影響(海外データ)14、15)

    健康成人(13例)にベドリズマブ450mgを単回静脈内点滴投与したとき、ベースライン及び5週目における脳脊髄液中CD4/CD8比の平均値はそれぞれ3.592及び3.605であり、これらの平均値の差(両側90%CI)は0.01(-0.337, 0.363)であった。
    脳脊髄液中の各評価時点での脳脊髄液中CD4及びCD8リンパ球数の分布は以下のとおりであった。

    脳脊髄液中のCD4/CD8

    脳脊髄液中のCD4+/CD8+比

    脳脊髄液中のCD4及びCD8T細胞数

    脳脊髄液中のCD4+及びCD8+T細胞数
    [試験方法]
    健康成人(13例)にベドリズマブ450mg を単回静脈内点滴投与した。
  • (3)免疫応答への影響(海外データ)16、17)

    健康成人にベドリズマブ750mgを単回静脈内点滴投与したときの(プラセボ対照群63例を含む127例)、経口での抗原投与(コレラワクチン)に対する腸管での適応免疫応答による74日目のセロコンバージョン率は、プラセボ群及びベドリズマブ群でそれぞれ96.8% 及び82.5%であり、ベドリズマブ群はプラセボ群より低かった〔群間差(95%CI):-14.2(-24.6, -3.9)〕。一方、非経口による抗原投与(B 型肝炎ワクチン)に対する全身の適応免疫応答には影響を及ぼさなかった。
    また、血清中の抗HBs抗体価及び抗コレラトキシン抗体価の推移は以下のとおりであった。

    B型肝炎ワクチン及び経口コレラワクチンに対するセロコンバージョン率(74日目)

    B 型肝炎ワクチン及び経口コレラワクチンに対するセロコンバージョン率(74日目)

    血清中の抗HBs 抗体価及び抗コレラトキシン抗体価の推移

    血清中の抗HBs 抗体価及び抗コレラトキシン抗体価の推移
    [試験方法]
    健康成人(127例)をプラセボ群又はベドリズマブ750mg群に1:1の割合で無作為割付後、治験薬を二重盲検下で単回静脈内点滴投与した。
    注意
    【用法・用量】(抜粋)
    通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注する。
  • (4)ベドリズマブに対する抗体産生

    • 1)

      国内第Ⅲ相臨床試験1)

      中等症から重症の日本人潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験で、本剤300mgを継続的に投与された患者のうち、いずれかの時点で抗体産生が認められた患者の割合は3.0%(5例/167例中)であった。

    抗ベドリズマブ抗体発現状況

    抗ベドリズマブ抗体発現状況
    [試験方法]
    副腎皮質ステロイド、免疫調節薬又は抗TNFα抗体のうち、少なくとも1剤について治療失敗歴を有する中等症又は重症の潰瘍性大腸炎患者292例を対象とし、導入期、維持期及び非盲検コホートに分けてベドリズマブ300mgを静脈内点滴投与した。
    • 2)

      海外第Ⅲ相臨床試験(海外データ)2)

      中等症から重症の外国人潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験で、本剤300mgを継続的に投与された患者のうち、いずれかの時点で抗体産生が認められた患者の割合は6.3%(39例/620例中)であった。

    抗ベドリズマブ抗体発現状況

    抗ベドリズマブ抗体発現状況
    [試験方法]
    副腎皮質ステロイド、免疫調節薬又は抗TNFα抗体のうち、少なくとも1剤について治療失敗歴を有する中等症又は重症の潰瘍性大腸炎患者895例を対象とし、導入期及び維持期に分けてベドリズマブ300mgを静脈内点滴投与した。

3.非臨床試験

  • (1)大腸炎自然発症サルの消化管粘膜に対する作用(サル)18、19)

    Act-1(α4β7インテグリンに対するマウスモノクローナル抗体でベドリズマブの相同抗体)は、ワタボウシタマリン(慢性大腸炎を自然発症するタマリン類のサル)において下痢の寛解をもたらし、最終投与から12日間作用が持続した。さらに、投与前の粘膜生検と比較すると、Act-1は、炎症活性(腸粘膜固有層の白血球浸潤)を低減させ、5日目までに認められた病理的な退行性変化と関連していた。

    慢性大腸炎発症ワタボウシタマリンの便の状態

    慢性大腸炎発症ワタボウシタマリンの便の状態

    大腸粘膜の組織学的変化

    大腸粘膜の組織学的変化
    [試験方法]
    慢性大腸炎発症ワタボウシタマリンにAct-1(n=4)又は非特異性マウスモノクローナル抗体(対照IgG1、n=4)2.0mg/kgを8日間連続投与(初回のみ静脈内投与、2回目以降は筋肉内投与)し、便の状態をスコア化して20日後までフォローアップした。また、投与前と投与5日目の大腸粘膜生検を比較した。
  • (2)消化管へのリンパ球浸潤の選択的抑制作用(サル)20)

    ベドリズマブはカニクイザル末梢血において消化管ホーミング性T細胞を増加させた。

    末梢血中の腸管ホーミングメモリーヘルパーT 細胞の割合

    末梢血中の腸管ホーミングメモリーヘルパーT 細胞の割合
    [試験方法]
    カニクイザルにベドリズマブ10、30、100mg/kg 又は溶媒(n=8-12/ 群)を隔週で26 週間静脈内投与し、末梢血中の腸管ホーミング(α4β7)メモリー(CD45RA)ヘルパー(CD4)T細胞の割合を評価した。
  • (3)ベドリズマブの結合特異性及び選択的阻害(in vitro11、21)

    ベドリズマブは、正常ヒト組織38種類のうち多く(25種類)の組織に結合しなかった。ベドリズマブの結合が認められた13種類の組織のうち、最も強く結合したのは消化管の組織であった。また、ベドリズマブの結合が認められた白血球のうち、最も結合レベルが高かったのはメモリーCD4T 細胞であった。
    末梢血中の多くのヒトCD4T 細胞でインテグリンのα4 鎖及びβ1 鎖の発現が認められるが、ベドリズマブはα4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β1 及びαEβ7のインテグリンに対しては結合しなかった。
    一方、ベドリズマブはα4β7 発現細胞とMAdCAM-1との接着は選択的に阻害したが、VCAM-1との接着は阻害しなかった。

    正常ヒト組織におけるベドリズマブの結合特異性

    組織 部位 ベドリズマブ
    20μg/mL 2μg/mL
    血球 単核細胞 1.0 1.0
    結腸 単核細胞 3.0 3.0
    子宮頸部 単核細胞 0.5 0.5
    食道 単核細胞 2.0 1.0
    リンパ節 単核細胞 1.8 2.2
    前立腺 単核細胞 2.0 2.0
    唾液腺 単核細胞 2.2 1.7
    小腸 単核細胞 2.7 2.7
    脾臓 単核細胞 2.5 2.5
    単核細胞 2.7 2.7
    胸腺 単核細胞 2.2 2.2
    扁桃腺 単核細胞 2.2 2.2
    膀胱 単核細胞 1.7 1.7

    データは異なる3例のドナーより得た3検体の平均値:
    0.0 ~ 0.3= 不明確
    0.3 ~ 1.0= 弱い
    1.3 ~ 2.0= 中程度
    2.3 ~ 3.0= 強い
    3.3 ~ 4.0= 非常に強い

    [試験方法]
    正常ヒト組織38種類(組織毎に3例のドナーから検体を得た)におけるベドリズマブの結合特異性を免疫組織化学染色法を用いて評価した。染色の強度は認定解剖病理学者が半定量的に評価した。

    *副腎、血球、血管内皮、骨髄、大脳、小脳、乳房、結腸、子宮頸部、食道、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、乳腺、卵巣、卵管、膵臓、副甲状腺、末梢神経、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、皮膚、小腸、脊髄、脾臓、胃、骨格筋、精巣、胸腺、甲状腺、扁桃腺、膀胱、子宮

    各種ヒト白血球へのベドリズマブの結合

    各種ヒト白血球へのベドリズマブの結合
    [試験方法]
    血縁関係のない健康なドナー5例より末梢血を採取し、ベドリズマブ及び白血球サブセット(ナイーブ/メモリーCD4/CD8T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、好塩基球、単球、好酸球、好中球)のマーカーで染色し、フローサイトメトリーで分析した。

    α4β1、α4β7、αEβ7 インテグリンに対する結合特異性

    α4β1、α4β7、αEβ7インテグリンに対する結合特異性
    [試験方法]
    RPMI8866 細胞(α4β7インテグリンのみ発現)、RAMOS細胞(α4β1インテグリンのみ発現)、L1.2細胞トランスフェクタント(αEβ7インテグリンのみ発現)に対するベドリズマブの結合をフローサイトメトリーで分析した(独立して実施した少なくとも3つの実験に基づく)。

    MAdCAM-1、VCAM-1に対する結合特異性

    MAdCAM-1、VCAM-1に対する結合特異性
    [試験方法]
    MAdCAM-1 又はVCAM-1を固相化したプレートにMn2+の添加でインテグリンを活性化(高親和性)したRPMI8866細胞(α4β7インテグリンのみ発現)を各種抗体〔ベドリズマブ、抗α4モノクローナル抗体、ヒト化モノクローナル抗体(陰性対照)又はマウスIgGアイソタイプ(陰性対照)〕存在下で培養し各種抗体の拮抗作用を評価した。
  • (4)中枢神経系免疫監視機構への影響(サル)22、23)

    EAE(実験的自己免疫性脳脊髄炎)を誘導したサルにおいて、ベドリズマブはEAEの発症、脳の病変量、炎症の程度のいずれにも影響を及ぼさなかった。

    EAE の臨床徴候発現までの期間

    EAE の臨床徴候発現までの期間

    脳の病変形成阻止を介したEAE 発現阻害

    脳の病変形成阻止を介したEAE 発現阻害
    注意
    【効能・効果】(抜粋)
    中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

    脳脊髄液中の白血球数

    脳脊髄液中の白血球数
    [試験方法]
    アカゲザルにプラセボ(n=8)、ナタリズマブ30mg/kg(n=7)又はベドリズマブ30mg/kg(n=7)を0、7、14、21日目に静脈内投与した。また、0日目に遺伝子組換えヒトミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白を皮下投与してEAEを誘導し、EAEの臨床徴候発現なしの割合を評価した。死後、ホルマリン固定脳半球にMRIを施行し、白質病変(T2病変量)をスコア化した。さらに、H&E染色を行い脳の炎症をスコア化した。また、投与前、1週目、2週目、剖検時にそれぞれ脳脊髄液を採取し、脳脊髄液中の白血球数を評価した。
    ※本邦におけるナタリズマブの効能・効果:多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制
  • (5)末梢血リンパ球への影響(in vitro24)

    ヒト末梢血において、ベドリズマブは補体依存性細胞傷害作用(CDC)及び抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)のいずれも誘導しなかった。
    また、ベドリズマブがα4β7インテグリンに結合すると、ベドリズマブ/α4β7インテグリン複合体は細胞内に内在化され、その後ベドリズマブの除去によりMAdCAM-1との結合能を有するα4β7インテグリンが再発現した。

    CDC 及び ADCCへの影響

    CDC 及びADCCへの影響
    [試験方法]
    ヒト末梢血単核球(PBMC)をウサギの補体存在下でベドリズマブ、OKT3(抗CD3抗体)又はヒトIgG1 0-10μg/mLを添加して培養し、補体依存性細胞傷害作用(CDC)を評価した。また、RPMI8866 細胞(CD20α4β7インテグリン)及びPBMCをベドリズマブ、リツキシマブ(抗CD20 抗体)又はACT-1 0-10μg/mLを添加して培養し、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を評価した。

    α4β7 インテグリンの内在化、再発現、機能回復への影響

    α4β7インテグリンの内在化、再発現、機能回復への影響
    [試験方法]
    全血に蛍光標識したベドリズマブを添加して培養し、acid washあり/なしの条件下でフローサイトメトリーを行い、ベドリズマブ/α4β7 インテグリン複合体の内在化を評価した。さらに、ベドリズマブの添加なしで培養を続け、0、1、4日目にフローサイトメトリーで解析し、α4β7 インテグリンの再発現を評価した。また、α4β7 インテグリンを再発現した全血を、可溶性MAdCAM-1-mFc及びベドリズマブを添加して培養し、再発現したα4β7 インテグリンのMAdCAM-1-mFc への結合能を評価した。

警告・禁忌を含む使用上の注意等は「添付文書」をご参照ください。