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「警告・禁忌を含む使用上の注意」の改訂には十分ご留意ください。

Last Update:2019.05

警告・禁忌

【警告】

<効能共通>

  • 1.肺炎、敗血症、結核等の重篤な感染症が報告されていること及び本剤は疾病を完治させる薬剤でないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用があらわれることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。

<潰瘍性大腸炎>

  • 2.本剤の治療を行う前に、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること。

<クローン病>

  • 3.本剤の治療を行う前に、栄養療法、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とクローン病治療の経験をもつ医師が使用すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

有効成分
(1バイアル中)
ベドリズマブ
(遺伝子組換え)注2)
331.2mg注3)
添加物
(1バイアル中)
L-ヒスチジン
L-ヒスチジン塩酸塩水和物
L-アルギニン塩酸塩
精製白糖
ポリソルベート80
25.33mg
23.63mg
145.34mg
552mg
3.31mg
性状 白色からほとんど白色の塊又は粉末(凍結乾燥製剤)
pH 6.3注4)
浸透圧比 約1注4)
(生理食塩液に対する比)
  • 注2)本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。製造工程でトリプシン(ブタ膵臓由来)、カゼイン水解物(ウシ乳由来)を使用している。
  • 注3)注射液吸引時の損失を考慮し、1バイアルから300mgを注射するに足る量を確保するために過量充填されており、注射用水4.8mLで溶解した薬液全量のうち、5mLに含まれる量は300mgとなる。
  • 注4)注射用水4.8mLで溶解後、生理食塩液100mLで希釈したとき。

有効成分に関する理化学的知見

一 般 名:
ベドリズマブ(遺伝子組換え)(Vedolizumab [Genetical Recombination])〔JAN〕
本   質:
ベドリズマブは、遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒトα4β7インテグリン抗体の相補性決定部、並びにヒトIgG1のフレームワーク及び定常部からなり、H鎖の239及び241番目のアミノ酸残基がAlaに置換されている。ベドリズマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ベドリズマブは、451個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び219個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量: 約150,000)である。

効能・効果及び効能・効果に関連する使用上の注意

中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

中等症から重症の活動期クローン病の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

<効能・効果に関連する使用上の注意>
<潰瘍性大腸炎>
過去の治療において、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残り、本剤の投与が適切と判断した場合に投与すること。(【臨床成績】の項参照)
<クローン病>
過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残り、本剤の投与が適切と判断した場合に投与すること。(【臨床成績】の項参照)(【臨床成績】の項参照)

用法・用量及び用法・用量に関連する使用上の注意

通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>
  • (1)本剤を3回投与しても治療反応が得られない場合、治療法を再考すること。(【臨床成績】の項参照)
  • (2)本剤は、凍結乾燥製剤(注射剤)であり、投与前に日局注射用水を用いて溶解した後、日局生理食塩液で希釈する。調製後の希釈液を30分以上かけて点滴静脈内投与すること。(「適用上の注意」の項参照)

使用上の注意

  • 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

    • (1)感染症の患者又は感染症が疑われる患者[本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性があるので、十分に観察すること。](【警告】、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
    • (2)結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)[結核を活動化させるおそれがある。](【警告】、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
  • 2. 重要な基本的注意

    • (1)本剤はα4β7インテグリンに結合しリンパ球の遊走を阻害するため、感染症に対する免疫能に影響を及ぼす可能性がある。結核、敗血症、サイトメガロウイルス感染、リステリア症及び日和見感染等の重度の感染症患者については、感染症がコントロールされるまで本剤の投与を開始しないこと。本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に注意すること。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合には、速やかに適切な処置を行い、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに医師に相談するよう指導すること。(【警告】、「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照)
    • (2)

      本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること。

      • 1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
      • 2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
      • 3)インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
      • 4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者
        また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに医師に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合には本剤を投与しないこと。
    • (3)本剤投与中及び本剤投与終了後2時間以内に発現するアナフィラキシーやInfusion reaction(呼吸困難、気管支痙攣、蕁麻疹、潮紅、発疹、血圧変動、心拍数増加等)に十分注意すること。本剤の投与はアナフィラキシーや重度のInfusion reactionの発現に備えて緊急時に十分な対応ができる準備を行ったうえで開始し、投与終了後もバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)、臨床検査値及び自他覚症状等、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、直ちに投与を中断し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者を十分に観察すること。また、投与を再開する場合には、必要に応じて投与速度を減じて慎重に投与すること。(【禁忌】及び「重大な副作用」の項参照)
    • (4)他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブにおいて進行性多巣性白質脳症(PML)の発現が報告されているため、ナタリズマブを過去に投与された患者に本剤を投与する際はPMLの発現に十分注意すること。また、ナタリズマブを投与されている患者では、本剤との併用を避けること。
    • (5)本剤と他の免疫抑制作用を有する生物製剤の併用について臨床試験は実施していないため、本剤との併用を避けること。
  • 3. 相互作用
    併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
    生ワクチン 接種した生ワクチンの病原に基づく症状が発現した場合には、適切な処置を行うこと。 生ワクチンによる感染症発現の可能性が否定できない。
  • 4. 副作用

    承認時までの国内臨床試験において本剤300mgを投与された437例中109例(24.9%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められており、主な副作用はウイルス性上気道感染9例(2.1%)、発熱8例(1.8%)及び潰瘍性大腸炎、悪心、倦怠感、関節痛、発疹各7例(1.6%)であった。
    また、海外臨床試験において本剤300mgを投与された1,922例中642例(33.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められており、主な副作用は頭痛89例(4.6%)、悪心66例(3.4%)及び上気道感染44例(2.3%)であった。

    • (1)

      重大な副作用

      • 1)

        Infusion reaction(3.6%注5)

        アナフィラキシーやInfusion reaction(呼吸困難、気管支痙攣、蕁麻疹、潮紅、発疹、血圧変動、心拍数増加等)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察するとともに、アナフィラキシーや重度のInfusion reactionが認められた場合には、投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うこと。(【禁忌】及び「重要な基本的注意」の項参照))

      • 2)

        重篤な感染症(1.4%注5)

        肺炎、敗血症、結核、リステリア症、サイトメガロウイルス感染、日和見感染等の重篤な感染症があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与中止等の適切な処置を行うこと。(【警告】、「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)

      • 3)

        進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)

        PMLの発現が報告されているので、観察を十分に行い、片麻痺、四肢麻痺、認知機能障害、失語症、視覚障害等のPMLが疑われる症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)

    • (2) その他の副作用

      以下のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

        0.1~5%注5) 0.1%未満注5)
      1) 精神神経系 頭痛
      2) 消化器 悪心
      3) 呼吸器 口腔咽頭痛、咳嗽
      4) 皮膚 発疹、そう痒症
      5) 筋・骨格系 関節痛、背部痛、四肢痛
      6) その他 発熱、気管支炎、上気道感染、インフルエンザ、副鼻腔炎、疲労 鼻咽頭炎

      注5)本剤の国内外臨床試験における頻度

  • 5. 高齢者への投与

    一般に高齢者では生理機能(免疫機能等)が低下しているので、感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。

  • 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与

    • (1)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の妊婦に対する有益性が胎児への危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物試験(サル)で妊娠期間中に本剤を投与した母動物の分娩後に乳仔の血清中から本剤が検出された。妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
    • (2)授乳中の女性には、治療上の母親への有益性と哺乳中の児への潜在的な危険性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。[ヒトで乳汁中への本剤の移行が報告されている。本剤の哺乳中の児への影響は不明である。]
  • 7. 小児等への投与

    低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

  • 8. 適用上の注意

    本剤の調製は、無菌的操作で行うこと。

    • (1)

      溶解

      • 1)バイアルからフリップオフキャップを取り外し、ゴム栓部をアルコール綿で拭き取る。ゴム栓の中心を通してバイアル内に18 ~ 25ゲージ針付きのシリンジを挿入し、気泡が生じないように日局注射用水4.8mL をバイアルの壁面に伝って流れるように注入する。
      • 2)バイアルを15秒以上ゆっくりと回転させ、凍結乾燥製剤を溶解する。その際にバイアルを振盪させたり上下に反転させないこと。気泡を消散させるために、バイアルを約20分間静置する。20分後に溶解が不十分であった場合には、更に回転させた後に10分間静置する。
      • 3)溶解した薬液は澄明又は乳白光があり、無色から帯褐黄色であることを確認する。変色や粒子が認められた場合には使用しないこと。
      • 4)溶解後は速やかに希釈すること。やむを得ず溶解後速やかに希釈しない場合には、2 ~ 8℃で保存し、溶解後8時間以内に希釈すること。
    • (2)

      希釈

      • 1)溶解した薬液を抜き取る前にバイアルを静かに3回上下反転させ、確実に混合する。溶解した薬液5mLをバイアルから18 ~ 25ゲージ針付きのシリンジで抜き取り、日局生理食塩液100mLで希釈する。バッグを数回上下に反転させ、確実に混合すること。他剤と混和してはならない。
      • 2)本剤は保存剤を含有していないため、希釈後は速やかに使用すること。やむを得ず希釈後速やかに投与開始しない場合には、常温保存では凍結乾燥製剤の溶解後12時間以内、又は2 ~ 8℃(凍結させない)での保存では凍結乾燥製剤の溶解後24時間以内に投与すること。未使用分は廃棄すること。
    • (3)

      投与時

      • 1)本剤は30分以上かけて点滴静脈内投与し、急速投与は行わないこと。
      • 2)投与終了時には、ラインを生理食塩液30mLでフラッシュすること。
  • 9. その他の注意

    • (1)国内外臨床試験において、患者数は限られているが本剤に対する抗体の産生が報告されている。(【臨床成績】の項参照)
    • (2)外国人健康成人を対象とした海外臨床試験において、本剤を投与した被験者では、経口不活化コレラ毒素ワクチンに対する適応免疫応答の減弱が報告されている。22)

2019年5月改訂(第3版)添付文書に基づき作成

警告・禁忌を含む使用上の注意等は「添付文書」をご参照ください。