会員限定
コパキソン皮下注20mgシリンジ
ご使用いただくに際して
ご使用いただくに際して
「禁忌を含む使用上の注意」等は「添付文書」をご参照ください。
●禁忌:次の患者さんには投与しないでください
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
●効能・効果
多発性硬化症の再発予防
<効能・効果に関連する使用上の注意>
進行型多発性硬化症に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
●慎重投与:次の患者さんには慎重に投与してください
心機能障害のある患者[本剤投与による注射直後反応として、胸痛等の胸部症状があらわれることがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
●併用注意:併用に注意してください
副腎皮質ホルモン:本剤との併用時において本剤投与による注射部位反応の発現が増加したとの報告がある。(機序は不明である。)
本剤を視神経脊髄炎(NMO:Neuromyelitis Optica)患者に投与されないよう、お願いいたします。
NMOは、MSと臨床像は類似している点もありますが、異なる病態であり、本剤の有効性、安全性の検討はなされていないため、本剤をNMOに対して投与されないようにお願いいたします。
【参考】 NMOの診断基準[Wingerchuk(2006)基準]
- ①視神経炎
- ②急性脊髄炎
及び
- ③以下の3項目のうち2項目以上を満たす
- ●3椎体以上の連続性の脊髄病変
- ●Patyの脳MRI基準(4個以上の病変、あるいは3個の病変があり、そのうち1個は脳室周囲にある)を満たさない
- ●NMO-IgG(抗AQP4抗体)陽性
●機能障害の進行抑制に対する本剤の明確な有効性は
確立していません。
■評価時点ごとのベースラインからのEDSSスコアの変化量

- 試 験:
- 国際共同多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照及び非盲検継続投与試験(9003試験)
- 対 象:
- RRMS患者239例(プラセボ群120例、グラチラマー酢酸塩群119例)
- 方 法:
- プラセボあるいはグラチラマー酢酸塩20mgを1日1回自己注射により、二重盲検期9ヵ月間、その後続けて非盲検期9ヵ月間皮下投与し、T1Gd増強病巣の総数、再発回数、EDSSスコア等を評価した(主要評価項目:二重盲検期におけるT1Gd増強病巣の総数)。
- 安全性:
- <二重盲検期>副作用の発現頻度は、グラチラマー酢酸塩群及びプラセボ群でそれぞれ87.6%(101/119例)及び43.3%(52/120例)であった。
<非盲検期を含めた全投与期間>有害事象の発現頻度は、グラチラマー酢酸塩群及びプラセボ群でそれぞれ95.0%(113/119例)及び80.5%(91/113例)であった。また、非盲検期において、重篤な有害事象は3例報告された。いずれも治験薬との因果関係は否定された。
EDSS(Expanded Disability Status Scale of Kurtzke):臨床的な治療効果の判定基準のひとつとして障害度の評価に用いられることが多いスケールであり、主に歩行等の運動機能を評価する。
●進行型多発性硬化症に対する本剤の有効性及び安全性は
確立していません。
一次進行型多発性硬化症患者対象の9008試験3)及び二次進行型多発性硬化症患者対象のBR-2試験4)において、機能障害の進行抑制に関連する評価項目は、いずれもグラチラマー酢酸塩群とプラセボ群の比較で統計学的な有意差は認められませんでした。また再発予防効果については体系的な評価が行われていません。
●疾患活動性の高い症例及び急性再発期に対する本剤の有効性
及び安全性は確立していません。
- ①国内第Ⅱ相試験において、スクリーニング時(−8、−4週)及びベースライン時(0週)のT1Gd増強病巣数の総数が27個であった症例では、投与12週後にT1Gd増強病巣数が48個になったため、投与を中止しています。
- ②海外第Ⅲ相試験(9003試験)において、ベースライン時のT1Gd増強病巣数が10個以下と10個超の群におけるT1Gd増強病巣数の推移について検討しています。
- ③本剤投与中に症状の悪化が認められた場合は、投与継続の要否について慎重に検討してください。
●多発性硬化症の再発時には、神経症状に対する適切な治療が
必要となります。