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会員限定 アディノベイト静注用キット 臨床成績 〜第Ⅲ相海外臨床試験(小児試験、海外データ)〜

Last Update:2023.02

第Ⅲ相海外臨床試験(小児試験、海外データ)3、4)

3) 社内資料(第Ⅲ相小児試験・承認時評価資料)
4) Mullins ES, et al.: Haemophilia. 2017; 23(2) : 238-246.
利益相反:著者にシャイアー・ジャパン社(現武田薬品)より利益受領している者および社員が含まれる

試験概要

【試験デザイン】
海外多施設共同非対照単一群非盲検試験
【目的】
治療歴のある重症型血友病Aの小児患者を対象とし、本剤を定期補充療法として週2回投与した際の第Ⅷ因子インヒビターの発現率を評価する。また、薬物動態(PK)、本剤の有効性及び免疫原性を含む安全性、HRQoLを評価する。
【対象】
治療歴のある重症型血友病Aの小児患者:73例(6歳未満:36例/6~12歳未満:37例)
【主な選択基準】
  • 12歳未満
  • 重症型血友病A(第Ⅷ因子活性1%未満)
  • 血漿由来第Ⅷ因子製剤又は遺伝子組換え第Ⅷ因子製剤による治療歴が150ED以上
    (6~12歳未満の被験者)/50ED以上(6歳未満の被験者)
【主な除外基準】
  • 第Ⅷ因子インヒビターの発現歴がある、またはスクリーニング時点で発現が認められる(ナイメゲン変法で力価0.6BU以上またはベセスダ法で0.6BU以上)
  • マウスまたはハムスター由来タンパク質、PEG、もしくはTween 80に対して既知の過敏症がある
  • 血友病A以外の後天性または先天性の血液凝固障害がある
  • 他のPEG化製剤を現在使用中である、または最近(30日未満)使用した
【投与方法】
定期補充療法として、50ED以上または6ヵ月間のいずれか長いほうの期間、本剤50±10IU/kgを週2回静脈内投与した。
【主要評価項目】
第Ⅷ因子に対するインヒビター(ベセスダ法のナイメゲン変法で0.6BU/mL以上)の発現率の評価
【副次評価項目】

薬物動態

  • 有効性 
    1. 1. 年間出血回数(ABR)
    2. 2. 本剤の投与量:1ヵ月及び1年あたりの投与回数及び体重換算投与量
    3. 3. 出血1回あたりの本剤の投与回数及び出血症状消失時の総合的な止血効果判定
    4. 4. 出血1回あたりの本剤の体重換算投与量

安全性

【解析計画】
  • 安全性
    1. :第Ⅷ因子に対するインヒビターの発現、結合抗体(FⅧ/本剤/PEG/CHOに対する)の発現、重度のアレルギー反応(例:アナフィラキシー反応)及び血栓性事象の発現について発現頻度及びその割合を算出した。
  • 薬物動態
    1. :非線形混合効果モデル法を用いてポピュレーションPK解析を行い、経験的ベイズ推定法により各被験者のPKパラメータを推定した。
  • 有効性
    1. :年間出血回数は負の二項分布を想定した一般化線形モデルを用いて推定した。このモデルではリンク関数に対数リンク関数を用い、共変量として標的関節の有無及びスクリーニング時の年齢(6歳未満/6~12歳未満)をモデルに組入れ、観察期間(年)をオフセット項とした。また、止血を目的とした出血時の治療における本剤の有効性を評価した。
  • サブ
    グループ
    解析
    1. :年齢別で副次評価項目である年間出血回数、試験期間中の出血回数がゼロの割合、本剤の投与量:1ヵ月及び1年あたりの投与回数及び体重換算投与量、出血1回あたりの本剤の投与回数及び体重換算投与量、出血症状消失時の総合的な止血効果判定を評価した。

本試験には73例の小児患者が登録された。最大の解析対象集団(FAS)は66例であり、年齢コホート別では、6歳未満が32例、6~12歳未満が34例であった。また、プロトコール適合集団(PPAS)は65例であった。

症例構成

【主要評価項目】第Ⅷ因子に対するインヒビターの発現率(海外データ)

本試験では、来院時に第Ⅷ因子に対するインヒビターをベセスダ法のナイメゲン変法で測定しました。試験期間を通して、実投与日数50日以上の本剤投与被験者57例において第Ⅷ因子に対するインヒビター(0.6BU/mL以上)を発現した被験者は認められませんでした。

6歳未満のコホートでは、1例の被験者でスクリーニング時(本剤初回投与の56日前)に0.6BU/mL以上の第Ⅷ因子インヒビターが認められましたが、再検査では確認されませんでした。

被験者7例(6歳未満のコホートの3例及び6~12歳未満のコホートの4例)で第Ⅷ因子インヒビターの抗体価を測定することができませんでした。医師の判断により早期に中止となった1例では検体が採取されませんでしたが、6例では治験終了/中止来院時の第Ⅷ因子及びPEG-第Ⅷ因子に対する結合抗体の結果が陰性であったことから、第Ⅷ因子に対するインヒビターの存在は否定されました。

*アディノベイト®電子添文

8. 重要な基本的注意

8.2 患者の⾎中に⾎液凝固第Ⅷ因⼦に対するインヒビターが発⽣するおそれがある。特に、⾎液凝固第Ⅷ因⼦製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の⽐較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビターが発⽣しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した⽌⾎効果が得られない場合には、インヒビターの発⽣を疑い、回収率やインヒビターの検査を⾏うなど注意深く対応し、適切な処置を⾏うこと。

【副次評価項⽬:サブグループ解析】年間出血回数(ABR)(海外データ)

ABRの平均値は全体で3.04回(95% CI:2.208~4.186)、6歳未満では2.37回(95%CI:1.486~3.778)、6~12歳未満では3.75回(95% CI:2.429~5.781)でした。

年間出血回数(平均値)

ABRの中央値は全体で2.00回(範囲:0~49.8)、6歳未満では1.95回(0~18.4)、6~12歳未満では2.00回(範囲:0~49.8)でした。

年間出血回数(中央値)

【副次評価項⽬:サブグループ解析】試験期間中の出血回数が0回だった被験者の割合(海外データ)

試験期間中、出血回数が0回だった患者は全体で37.9%(25/66例)、6歳未満で40.6%(13/32例)、6~12歳未満35.3%(12/34例)でした。

試験期間中、関節内出血が0回だった患者は全体で72.7%(48/66例)、6歳未満で78.1%(25/32例)、6~12歳未満で67.6%(23/34例)でした。

試験期間中、自然出血が0回だった患者は全体で66.7%(44/66例)、6歳未満で65.6%(21/32例)、6~12歳未満で67.6%(23/34例)でした。

試験期間中の出血回数が0回だった被験者の割合

【副次評価項⽬:サブグループ解析】本剤の投与量:1ヵ月及び1年あたりの投与回数(海外データ)

1ヵ月あたりの平均投与回数(SD)は全体で7.89回(0.736)、6歳未満で8.07回(0.245)、6~12歳未満で7.72回(0.974)でした。

1年あたりの平均投与回数(SD)は全体で94.65回(8.834)、6歳未満で96.82回(2.942)、6~12歳未満で92.61回(11.693)でした。

【副次評価項⽬:サブグループ解析】本剤の投与量:1ヵ月及び1年あたりの体重換算投与量

1ヵ月あたりの平均投与量(SD)は全体で457.35 IU/kg(62.919)、6歳未満で458.93IU/kg(46.161)、6~12歳未満で455.86 IU/kg(76.101)でした。

1年あたりの平均投与量(SD)は全体で5488.20 IU/kg(755.033)、6歳未満で5507.20IU/kg(553.931)、6~12歳未満で5470.32 IU/kg(913.210)でした。

【副次評価項⽬:サブグループ解析】出血1回あたりの投与回数(海外データ)

出血1回あたりの治療に必要となった平均投与回数(SD)は全体で1.30回(0.551)、6歳未満で1.17回(0.362)、6~12歳未満で1.40回(0.655)でした。

被験者66例で認められた合計70件の出血に対して本剤が投与された結果、82.9%(58件)が1回の投与で止血効果が得られました。

止血に必要とされた投与回数

【副次評価項⽬:サブグループ解析】出血1回あたりの体重換算投与量(海外データ)

出血1回あたりの治療に必要となった平均投与量(SD)は全体で57.85 IU/Kg(31.041)、6歳未満で52.21 IU/kg(16.681)、6~12歳未満で62.31 IU/kg(38.764)でした。

【副次評価項⽬:サブグループ解析】出血症状消失時の総合的な止血効果判定(海外データ)

被験者34例で認められた合計70件の出血に対する止血効果(有効以上)は90%(63/70件)でした。6歳未満では96%(24/25件)、6~12歳未満では86.6%(39/45件)でした。

出血症状消失時の総合的な止血効果判定

出血治療の有効性評価尺度

著効 1回の投与で疼痛が十分に緩和し、出血の客観的徴候〔例えば、腫脹、圧痛、可動域の減少(筋骨格系出血の場合)〕が消失する。出血治療のために追加投与をする必要がない。止血効果を維持するために追加投与を行っても、この評価は影響されない。
有効 1回の投与で疼痛が明らかに緩和され、出血の徴候が改善する。完全な止血を得るために1回以上の投与を必要とすることがある。
やや有効 1回の投与で疼痛がわずかに緩和され、出血の徴候がわずかに改善する。完全な消失を得るため、1回以上の投与を必要とする。
無効 改善が認められない、あるいは状態が悪化する。

【副次評価項⽬:サブグループ解析】有害事象の発現(海外データ)

本剤による治療を1回以上受けた被験者66例(安全性解析対象集団)において、有害事象は65.2%(43/66例)、副作用は1.5%(1/66例)に認められ、副作用の内訳は蕁麻疹が1例でした。

重篤な有害事象は4.5%(3/66例)に4件認められ、その内訳は腹痛、発熱性好中球減少症、急性胃炎、汎血球減少症が各1例でした。なお、いずれも本剤との関連は否定されました。

試験中止に至った有害事象は認められず、死亡した被験者はいませんでした。

本試験では過敏症反応と判断された事象はなく、血栓性事象は報告されませんでした。

【副次評価項⽬:サブグループ解析】結合抗体(FⅧ/本剤/PEG/CHOに対する)の発現(海外データ)

CHOたん白質(潜在的な不純物)に対する免疫グロブリン結合抗体(IgM,IgG,IgA)、並びに第Ⅷ因子、PEG及びPEG-第Ⅷ因子に対するIgG抗体及びIgM抗体を、妥当性が証明されたELISA法を用いて分析しました。

45例の被験者で、結合抗体検査の結果はすべての時点で陰性でした。

16例は本剤投与前の時点で第Ⅷ因子、PEG-第Ⅷ因子又はPEGに対する抗体が陽性であり、5例は本剤投与後に陽性となりました。2例における抗体反応は一過性のものでした。別の2例では治験終了時に結合抗体が発現し、1例では5週、12週及び治験終了時に結合抗体が陽性でした。治験終了時に結合抗体を発現した被験者2例と治験終了時を含む複数の時点で抗体が認められた被験者1例に関して、これらの抗体が一過性のものか、持続性があるものかについて結論することはできませんが、これらの被験者で本剤の安全性及び止血効果に対する明白な影響は認められませんでした。

CHOたん白質に対する抗体を発現した被験者は認められませんでした。

  • 3) 社内資料(第Ⅲ相小児試験・承認時評価資料)
  • 4) Mullins ES, et al.: Haemophilia. 2017; 23(2) : 238-246.

使用上の注意等は「電子添文」をご参照ください。

臨床成績
~第Ⅲ相海外臨床試験(手術試験、海外データ)~