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Last Update:2022年3月
初発PTCL*患者さんの
予後改善を目指した治療
【監修】近藤 英生 先生
(川崎医科大学 血液内科学 教授)
* PTCL:末梢性T細胞リンパ腫
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)は、成熟T細胞由来のリンパ腫の総称で、複数の病型を含んでいます。成人リンパ腫のうち本邦では約20%、欧米では約10%を占める希少な疾患群です。
世界保健機関(WHO)分類改訂第4版1)によると、PTCLは成熟T/NK細胞腫瘍の中に含まれています。
代表的な病型1)とは、末梢性T細胞リンパ腫・非特定型(PTCL-NOS)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)です。本邦における後方視的解析で報告された病型の分布を示します(図1)2)。PTCLの病型別におけるアントラサイクリン系薬剤を含む治療の有効性を検討したInternational PTCL Projectでは、5年全生存率(5年OS率)は、PTCL-NOS 32%、AITL 14%、ALK陽性ALCL 70%、ALK陰性ALCL 49%とALK陽性ALCL以外の予後は不良でした(図2)3)。その為、日本血液学会・造血器腫瘍診療ガイドライン(2018年版補訂版)では、ALK陽性ALCL以外では標準治療レジメンは確定していないとされています。
ALCLの診断は、形態およびCD30抗原の発現によって診断されます。
CD30抗原がALCL以外のリンパ腫、特にT細胞リンパ腫でも発現することが示されました4)。
また、T細胞リンパ腫各病型におけるCD30抗原発現強度と陽性率が異なることが報告されています5)。
T細胞リンパ腫各病型におけるCD30陽性率の分布を示します。陽性率はカットオフ値によって大きく変わることが示唆されます。
PTCL-NOSでは13%がCD30陽性割合76%~100%と高い発現を示しますが、42%はCD30陽性割合0%~4%とほとんど発現していません。AITL、節外性NK/T細胞リンパ腫, 鼻型(ENKL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、腸症関連T細胞リンパ腫(EATL)、肝脾T細胞リンパ腫(HSTL)においては図3のとおりです。ALCLは、Ki-1(CD30)発現が病型確立のきっかけとなったことから分かるとおり、ほぼ全例で高いCD30発現がみられます(図3)5)。
■ CD30発現状況とブレンツキシマブ ベドチンの有効性
再発又は難治性のCD30陽性*のT細胞リンパ腫患者を対象としたブレンツキシマブ ベドチンの有効性と安全性を評価した海外第Ⅱ相非盲検試験(SGN35-012試験)において、CD30に関連する知見が確認されました。
主要評価項⽬である治験責任医師判定に基づく全奏効率(ORR ; CR+PR) は41%(95% 信頼区間:24.6, 59.3) であり、95% 信頼区間の下限である24.6%が事前に設定した閾値である10%を超えました(p<0.001、Clopper-Pearson 検定)。サブグループ解析では、CD30の発現割合と抗腫瘍効果の相関を検討したところ、CD30の発現割合と全奏効率やCRの間に統計学的に有意な相関は認められませんでした(表1)6)。
[海外データ]
n(%) | <1% (n=5) | ≥1% (n=28) | <5% (n=8) | ≥5% (n=25) | <10% (n=11) | ≥10% (n=22) | <20% (n=19) | ≥20% (n=14) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最良臨床効果† | ||||||||
完全寛解(CR) | 2 | 6(21) | 3 | 5(20) | 4(36) | 4(18) | 7(37) | 1(7) |
部分寛解(PR) | 0 | 6(21) | 0 | 6(24) | 0 | 6(27) | 2(11) | 4(29) |
安定(SD) | 0 | 5(18) | 1 | 4(16) | 1(9) | 4(18) | 2(11) | 3(21) |
全奏効率(CR+PR) | 2 | 12(43) | 3 | 11(44) | 4(36) | 10(45) | 9(47) | 5(36) |
95% CI | ー | 24.5, 62.8 | ー | 24.4, 65.1 | 10.9, 69.2 | 24.4, 67.8 | 24.4, 71.1 | 12.8, 64.9 |
病勢コントロール率‡ | 2 | 17(61) | 4 | 15(60) | 5(45) | 14(64) | 11(58) | 8(57) |
95% CI | ー | 40.6, 78.5 | ー | 38.7, 78.9 | 16.7, 76.6 | 40.7, 82.8 | 33.5, 79.7 | 28.9, 82.3 |
CR率の95% CI | ー | 8.3, 41 | ー | 6.8, 40.7 | 10.9, 69.2 | 5.2, 40.3 | 16.3, 61.6 | 0.2, 33.9 |
PR率の95% CI | ー | 8.3, 41 | ー | 9.4, 45.1 | ー | 10.7, 50.2 | 1.3, 33.1 | 8.4, 58.1 |
* 本試験でのCD30陽性の確認は免疫組織化学染色法で実施され、CD30陽性の腫瘍細胞が確認されれば陽性と判断されている。未治療のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫を対象に実施した国際共同第Ⅲ相ランダム化二重盲検試験(ECHELON-2試験)におけるCD30陽性の基準は腫瘍細胞の10%以上であった。
承認審査時評価資料/Horwitz SM, et al.: Blood. 2014; 123(20): 3095-3100.
ECHELON-2試験の詳細はこちらをご参照ください。
ブレンツキシマブ ベドチンの海外臨床試験成績③(社内資料)
Horwitz SM, et al.: Blood. 2014; 123(20): 3095-3100.
本試験は、Seattle Genetics社(現・Seagen社)の資金提供により実施された。本論文の著者のうち1名は同社の社員で、試験計画、解析、執筆等の支援を受けている。著者に同社より研究資金、謝礼金等を受領している者が含まれる。
目的 | 再発又は難治性のCD30陽性*の非ホジキンリンパ腫患者に対して、ブレンツキシマブ ベドチンを単独投与(1.8mg/kgを3週間に1回静脈内投与)したときの抗腫瘍効果を全奏効率(ORR)に基づき評価する。 | |
対象 | 再発又は難治性のCD30陽性の非ホジキンリンパ腫患者;T細胞リンパ腫 35例 | |
試験デザイン | 海外第Ⅱ相非盲検試験 | |
投与方法 |
・3週間を1サイクルとし、1サイクルに1回1.8mg/kg(静脈内) ・安定(SD)以上を達成した被験者は、病勢進行、許容できない毒性又は試験終了までブレンツキシマブ ベドチン投与を継続可能 |
|
主要評価項目 | ORR(治験責任医師判定) | |
副次評価項目 | CR率、奏効期間、病勢コントロール率、CR期間、PFS、CD30発現と抗腫瘍効果の相関、有害事象、臨床検査値など | |
解析 計画 |
ORR |
・仮説検定を実施(ORRの閾値を10%以下、期待値を10%超える) ・EE set†において治験治療終了後にRevised Response Criteria for Malignant Lymphoma7)に従って治験責任医師がCR又は部分寛解(PR)と判定した被験者の割合を算出 ・Clopper-Pearsonの方法8)を用いて正確な両側95% 信頼区間とP値を算出 |
CD30発現と 抗腫瘍効果の相関 |
Loessを使用して評価 | |
安全性 |
・有害事象は、MedDRA Ver.18.0を使用して器官別大分類及び基本語で分類 ・GradeはCTCAE Ver.4.03に従って評価 |
|
試験期間 | 2011年8月19日~2015年6月1日(最終症例の最終来院日) |
† EE set(有効性評価可能解析対象集団)は、ブレンツキシマブ ベドチンを1回以上投与され、かつ試験終了又は新たな抗腫瘍治療を開始するまでにベースラインの腫瘍評価及び1時点以上の投与後腫瘍評価を有する被験者を含む。
* CD30陽性の基準は免疫組織化学染色法で実施されCD30陽性の腫瘍細胞が確認されれば陽性と判断された。
副作用発現頻度は、35例中28例(80%)でした。主な副作用(15%以上)は、末梢性感覚ニューロパチー13例(37%)及び疲労7例(20%)でした。重篤な有害事象は15例に認められ、主な重篤な有害事象(2例以上)は、急性腎不全、錯乱状態、脱水、肺炎、発熱〔以上、各2例〕でした。投与中止に至った有害事象は6例でした。有害事象の内訳は、末梢性感覚ニューロパチー3例、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎、発熱、敗血症〔以上、各1例〕でした。本剤の最終投与後30日以内の死亡例は、AITL被験者2例及びPTCL-NOS被験者1例でした。AITL被験者の1例は原疾患に起因する死亡でしたが、もう1例は原疾患との関連が不明であり、その死因は急性呼吸窮迫症候群でした。PTCL-NOS被験者の1例は原疾患に起因する死亡でした。
ブレンツキシマブ ベドチンの国際共同第Ⅲ相試験成績②(社内資料)
Horwitz S, et al.: Lancet. 2019; 393(10168): 229-240.
本試験は、Seattle Genetics社(現・Seagen社)とMillennium Pharmaceuticals社(現・武田薬品工業株式会社)の資金提供により実施された。本論文の著者のうちそれぞれ4名、2名は同社の社員で、試験計画、解析、執筆等の支援を受けている。著者に同社より研究支援、謝礼金等を受領している者が含まれる。
目的 | 未治療のCD30陽性*の末梢性T細胞リンパ腫のフロントライン治療において、ブレンツキシマブ ベドチン+シクロホスファミド水和物+ドキソルビシン塩酸塩+プレドニゾン(国内未承認)併用療法とシクロホスファミド水和物+ドキソルビシン塩酸塩+ビンクリスチン硫酸塩+プレドニゾン(国内未承認)併用療法で得られた無増悪生存期間(PFS)〔中央判定委員会(IRF)判定〕を比較検証する。 | |
対象 | 未治療のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫患者452例(日本人43例を含む) | |
試験デザイン | 国際共同第Ⅲ相ランダム化二重盲検試験(検証試験) | |
投与方法 | 以下のいずれかの治験治療を6~8サイクル実施するグループに被験者を1:1の割合でランダム化した〔サイクル数は治験責任(分担)医師の判断に従うこととした〕。治験治療は6~8サイクルの多剤併用化学療法として行った。治療期間は最大8サイクル(約6ヵ月間)とした。 【被験薬治療群:BV+CHP群】 ・21日サイクルの1日目に、シクロホスファミド水和物750mg/m2、ドキソルビシン塩酸塩50mg/m2及び盲検化したブレンツキシマブ ベドチン1.8mg/kgを静脈内投与した。 ・21日サイクルの1日目に、ビンクリスチン硫酸塩のプラセボも盲検下で静脈内投与した。 ・21日サイクルの1~5日目に、プレドニゾン(国内未承認)100mgを1日1回経口投与した。 【標準治療群:CHOP群】・21日サイクルの1日目に、シクロホスファミド水和物750mg/m2、ドキソルビシン塩酸塩50mg/m2及び盲検化したビンクリスチン硫酸塩1.4mg/m2(用量の上限2mg)を静脈内投与した。 ・21日サイクルの1日目に、ブレンツキシマブ ベドチンのプラセボも盲検下で静脈内投与した。 ・21日サイクルの1~5日目に、プレドニゾン(国内未承認)100mgを1日1回経口投与した。 |
|
評価項目 | 主要評価項目 | PFS†(IRF判定) |
副次評価項目 | 全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)被験者のPFS(IRF判定)、治験治療終了後の完全寛解(CR)率(IRF判定)、OS、治験治療終了後の全奏効率(ORR)(IRF判定)、有害事象、臨床検査値 | |
解析計画 | PFS |
・ITT解析対象集団においてKaplan-Meier法によりPFSを推定 ・共変量による調整を行わずに層別ログランク検定を用いて、治療群間を比較〔両側有意水準‡:0.05、ランダム化層別因子:未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性sALCL又は他のすべての病型及びIPIスコア0-1/2-3/4-5〕 ・PFS中央値及び3ヵ月後からフォローアップ期間終了までのPFS率も3ヵ月ごとに報告し、補正された二重対数変換法9)を用いて中央値及び3ヵ月ごとの値の両側95% 信頼区間を算出 ・層別Cox回帰モデルを用いて、BV+CHP群のCHOP群に対するPFSのハザード比を算出 |
OS |
・ITT解析対象集団においてKaplan-Meier法によりOSを推定 ・共変量による調整を行わずに層別ログランク検定を用いて、治療群間を比較 ・補正された二重対数変換法9)を用いて中央値とその両側95% 信頼区間を算出 ・層別Cox回帰モデルを用いて、BV+CHP群のCHOP群に対するOSのハザード比を算出 |
|
安全性 |
・有害事象は、MedDRA Ver.21.0を使用して器官別大分類及び基本語で分類 ・GradeはNCI-CTCAE Ver.4.03に従って評価 |
|
OSの サブグループ 解析 |
・サブグループは、年齢、性別、人種、地理的地域、体重、皮膚ALCL既往の有無、ECOG performance status、病型、ALKの有無(sALCLの場合)、病期、IPIスコア、ランダム化層別因子、皮膚病変の有無、骨髄浸潤の有無、中央測定機関により確認された病型、中央測定機関により確認されたCD30発現レベル、地固め療法としての自家造血幹細胞移植又は同種造血幹細胞移植の有無、投与サイクル数等に基づき設定 ・層別Cox回帰モデルを用いて、BV+CHP群のCHOP群に対するOSのハザード比とその95% 信頼区間を算出(ランダム化層別因子:ALK陽性sALCLの有無及びIPIスコア0-1/2-3/4-5) |
|
試験期間 | 2013年1月24日~2018年8月15日(最終症例の最終来院日) 2018年9月24日(データベースロック時点) |
† PFSは、ランダム化日から次のいずれかの事象が最初に発現した日までの期間と定義した。
1.最初に病勢進行(PD)と判定された日。2.死亡日(死因は問わない)。3.残存腫瘍又はPDにより次の抗がん化学療法を実施した日(地固め治療としての自家移植、放射線治療は除く)。
‡ 統計解析計画書では片側検定を計画していたが、治験総括報告書では両側検定でp値を算出し、p<0.05の場合に、片側有意水準0.025と同等の有意差があるとした。
* CD30陽性の基準は腫瘍細胞の10%以上であった。
主要評価項目であるPFS(IRF判定)はBV+CHP群ではCHOP群と比較して統計学的に有意な延長が検証されました(p=0.0110、層別ログランク検定)。PFSのハザード比は0.71(95% 信頼区間:0.54, 0.93、層別Cox回帰モデル)で、BV+CHP群ではCHOP群と比べてPFSイベント(PD、死亡又は新たな治療の開始)のリスクが29%軽減しました。PFSの中央値はBV+CHP群48.20ヵ月(95% 信頼区間:35.15, - )、CHOP群20.80ヵ月(95% 信頼区間:12.68, 47.57)でした。
有害事象発現頻度は、BV+CHP群で223例(日本人20例含む)中221例(99%)及びCHOP群で226例(日本人23例含む)中221例(98%)でした。主な有害事象(20%以上)は、BV+CHP群では悪心103例(46%)、末梢性感覚ニューロパチー100例(45%)、下痢、好中球減少症〔以上、各85例(38%)〕、便秘64例(29%)、脱毛症、発熱〔以上、各58例(26%)〕、嘔吐57例(26%)、疲労54例(24%)及び貧血46例(21%)であり、CHOP群では末梢性感覚ニューロパチー92例(41%)、悪心87例(38%)、好中球減少症85例(38%)、便秘67例(30%)、脱毛症56例(25%)、下痢、疲労〔以上、各46例(20%)〕でした。
BV+CHP群 | CHOP群 | |
---|---|---|
調査例数 | 223 | 226 |
有害事象発現症例数 | 221 | 221 |
有害事象発現頻度(%) | 99 | 98 |
有害事象 | BV+CHP群(n=223) | CHOP群(n=226) | ||
---|---|---|---|---|
全て 例数(%) |
Grade 3以上 例数(%) |
全て 例数(%) |
Grade 3以上 例数(%) |
|
胃腸障害 | 175(78) | 156(69) | ||
悪心 | 103(46) | 5(2) | 87(38) | 4(2) |
下痢 | 85(38) | 13(6) | 46(20) | 2(1) |
便秘 | 64(29) | 2(1) | 67(30) | 3(1) |
嘔吐 | 57(26) | 2(1) | 39(17) | 4(2) |
口内炎 | 27(12) | 3(1) | 27(12) | 3(1) |
神経系障害 | 144(65) | 145(64) | ||
末梢性感覚 ニューロパチー | 100(45) | 8(4) | 92(41) | 6(3) |
頭痛 | 31(14) | 1(0) | 31(14) | 1(0) |
浮動性めまい | 28(13) | 0 | 20(9) | 2(1) |
一般・全身障害および 投与部位の状態 | 135(61) | 127(56) | ||
発熱 | 58(26) | 4(2) | 42(19) | 0 |
疲労 | 54(24) | 2(1) | 46(20) | 4(2) |
無力症 | 26(12) | 2(1) | 16(7) | 0 |
末梢性浮腫 | 24(11) | 0 | 18(8) | 2(1) |
血液およびリンパ系障害 | 132(59) | 123(54) | ||
好中球減少症 | 85(38) | 77(35) | 85(38) | 76(34) |
貧血 | 46(21) | 30(13) | 36(16) | 23(10) |
発熱性好中球減少症 | 41(18) | 41(18) | 33(15) | 33(15) |
感染症および 寄生虫症 | 116(52) | 102(45) | ||
皮膚および 皮下組織障害 | 111(50) | 101(45) | ||
脱毛症 | 58(26) | 0 | 56(25) | 3(1) |
発疹 | 22(10) | 2(1) | 15(7) | 1(0) |
呼吸器、胸郭 および縦隔障害 | 86(39) | 87(38) | ||
呼吸困難 | 32(14) | 4(2) | 24(11) | 4(2) |
咳嗽 | 27(12) | 2(1) | 22(10) | 0 |
筋骨格系および 結合組織障害 | 83(37) | 75(33) | ||
筋肉痛 | 24(11) | 0 | 19(8) | 0 |
背部痛 | 16(7) | 1(0) | 22(10) | 1(0) |
代謝および栄養障害 | 73(33) | 58(26) | ||
食欲減退 | 39(17) | 3(1) | 27(12) | 3(1) |
低カリウム血症 | 27(12) | 8(4) | 18(8) | 3(1) |
臨床検査 | 52(23) | 26(12) | ||
体重減少 | 26(12) | 1(0) | 17(8) | 1(0) |
精神障害 | 37(17) | 49(22) | ||
不眠症 | 25(11) | 0 | 31(14) | 0 |
血管障害 | 36(16) | 49(22) | ||
腎および尿路障害 | 28(13) | 23(10) | ||
心臓障害 | 23(10) | 17(8) | ||
眼障害 | 21(9) | 21(9) | ||
傷害、中毒および 処置合併症 | 18(8) | 15(7) | ||
生殖系および乳房障害 | 11(5) | 13(6) | ||
肝胆道系障害 | 5(2) | 1(0) | ||
免疫系障害 | 5(2) | 1(0) | ||
内分泌障害 | 4(2) | 5(2) | ||
良性、悪性および 詳細不明の新生物 (嚢胞および ポリープを含む) | 4(2) | 20(9) | ||
耳および迷路障害 | 3(1) | 12(5) | ||
先天性、家族性 および遺伝性障害 | 2(1) | 1(0) | ||
製品の問題 | 2(1) | 1(0) |
MedDRA Ver.21.0、NCI-CTCAE Ver.4.03により集計。国際共同第Ⅲ相試験(SGN35-014試験)。
重篤な有害事象はBV+CHP群で87例に認められ、主な重篤な有害事象(4例以上)は、発熱性好中球減少症31例、肺炎11例、発熱9例、好中球減少症8例、肺臓炎5例、敗血症5例及び下痢4例でした。投与中止に至った有害事象はBV+CHP群で14例でした。有害事象の内訳は、末梢性感覚ニューロパチー2例、心停止、成長障害、腸管穿孔、末梢性T細胞性リンパ腫, 組織型不明、肺炎、誤嚥性肺炎、肺臓炎、肺空洞形成、発疹、呼吸不全、敗血症、心室細動〔以上、各1例〕でした。治験期間中の死亡例(治験治療薬の最終投与後30日以内に認められた死亡)はBV+CHP群で8例でした。治験期間中の死因の内訳は、急性腎障害、心停止、末梢性T細胞性リンパ腫, 組織型不明、肺炎、誤嚥性肺炎、肺空洞形成、敗血症、心室細動〔以上、各1例〕でした。
データカットオフ時点で、124例が死亡しており、内訳はBV+CHP群51例(23%)、CHOP群73例(32%)でした。OSはBV+CHP群ではCHOP群と比較して統計学的に有意に延長しました(p=0.0244、層別ログランク検定)。OSのハザード比は0.66(95% 信頼区間:0.46, 0.95、層別Cox回帰モデル)で、BV+CHP群ではCHOP群と比べて死亡リスクが34%軽減しました。観察期間の中央値である42.12ヵ月(95% 信頼区間:40.41, 43.79)の時点で、両治療群ともOSの中央値に未到達でした。
ECHELON-2試験のOS(サブグループ解析)は、ALK陽性およびALK陰性のsALCL、AITL、PTCL-NOSにおいてBV+CHP群のハザード比の点推定値はそれぞれ、0.38、0.58、0.87、0.83でした。また、すべての病型の信頼区間はITT解析対象集団全体の信頼区間と重なっていました。
Dr コメント
ECHELON-2はPTCLに対して臨床的に実施されているCHOP療法とBV+CHP療法を比較してPFSおよびOSの有意な改善を示した前向き試験です。予後不良のALK陰性sALCL、PTCL-NOS、AITLを含む未治療のCD30陽性PTCL425例を対象に、BV+CHP群はCHOP群と比較して、PFSイベントリスクを29%低減し、死亡リスクを34%低減しています。データカットオフ日時点での死亡は、BV+CHP群51例に対し、CHOP群73例でした。これらのPFSおよびOSの改善が認められたことから、私はCD30陽性未治療PTCLの治療では、BV+CHP療法を選択しています。
<文献>
禁忌を含む使用上の注意等は「添付文書」をご参照ください。