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Last Update:2022年3月
再発・難治性ホジキンリンパ腫
における自家移植
~今後の展望~
AETHERA試験を考える
ホジキンリンパ腫(以下HL)は、欧米の臨床研究に基づく新しい治療により、予後良好の限局期では約80%以上、進行期のハイリスク群においても約60%以上に治癒が期待できるようになりました。
一方、再発・難治性HL患者の標準治療である自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(以下ASCT)では、約50%の症例は治癒を目指せますが、予後不良因子を有する症例の多くはASCT後、再発します。そこでASCT後の再発リスクの高いHL症例を対象にブレンツキシマブ ベドチンを地固め療法として投与したAETHERA試験(臨床第Ⅲ相試験)が実施され、その結果が公表されました。HLにおけるASCTをめぐる治療の今後について、AETHERA試験から何が見えてくるのでしょうか。
監修:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院
血液腫瘍科 科長 伊豆津宏二
再発・難治性ホジキンリンパ腫における自家移植~今後の展望~
再発・難治性HLでは、救援化学療法に対して感受性が認められた場合、ASCTが推奨されています。GHSG(German Hodgkin Study Group)とEBMT(European Group for Blood and Marrow Transplantation)の共同の無作為化対照試験では、再発・難治性HLを対象として通常量救援化学療法継続群と通常量救援化学療法に引き続きASCTを行う群とが比較され、3年治療成功率(freedom from treatment failure)は34% vs 55%とASCT群の方が有意にすぐれていました(p=0.019; log-rank検定)(図1)1)。そして、複数の大規模試験において、約50%の患者がASCTによって治癒を達成できることが示されてきており、再発・難治性HLでは、救援化学療法に続いて、ASCTを実施することが標準的な治療となっています。
方法・対象:16~60歳の再発HL患者161例を、Dexa-BEAM群又はBEAM-HSCT群に無作為に割り付けた。両群2サイクルのDexa-BEAM療法後、CR及びPR患者のみが、さらに2サイクルのDexa-BEAM療法、又は、BEAM-HSCT療法を受けた。Kaplan-Meier法における両群の比較は、log-rank検定による。
どのような症例が、ASCTによるベネフィットを得られるかを探索すべく、いくつかの研究により、予後予測因子の検討が行われました。
Moskowitzらの研究で、予後不良因子として「節外病変の存在」「初回治療抵抗性もしくは完全寛解(CR)持続期間1年未満」「再発時のB症状」が抽出されており、予後不良因子数0~1の患者における5年時点の無イベント生存割合(Event-free-survival)と全生存割合(Overall survival)は83%と90%でした。一方、すべての予後不良因子が認められる患者では10%と25%に低下しました(図2)2)。なお、ASCT前の救援化学療法への治療感受性が低いことや、大量化学療法時にCTもしくはPETにて残存病変が確認されていることも、予後不良因子と報告されています。
方法・対象:65例の再発/治療抵抗性移植適用患者を対象に2サイクルのICE療法を施行後(57例が化学療法感受性)、IFRT(41例)及びHDT/ASCT(56例)を実施して、予後不良因子の影響を検討した。フォローアップの中央値である43ヵ月において、予後因子についてCox回帰分析を行った。
ブレンツキシマブ ベドチン(以下BV)登場前のASCT後再発のHL756例の予後を多施設でレトロスペクティブに検討したAraiらの研究結果では、ASCT後の再発までの期間「0-3ヵ月」「3-6ヵ月」「6-12ヵ月」「>12ヵ月」ごとの増悪後の生存期間の中央値が、0.55年、1.60年、1.68年、2.26年(p<0.0001)と、再発までの期間が短いほど、再発した患者の予後は極めて不良となっています(図3)3)。
海外でのHLに対するBVの承認の根拠となったpivotal試験(外国第Ⅱ相試験)は、ASCT後再発の患者を対象に奏効率(CR+PR)は75%であり、34%の症例でCRが得られました。
全例におけるPFS(Progression-free survival)期間の中央値は5.6ヵ月であり、CRが得られた症例の奏効期間の中央値は20.5ヵ月4)という成績が示されています。ただ、これにより治癒が得られるということではなく、ASCT後再発を減らす努力は相変わらず重要であるといえます。
方法・対象:756例のASCT療法後に再発したHL患者を対象にしたレトロスペクティブな多施設共同研究。Kaplan-Meier法によって、増悪後の生存期間を、ASCT後再発までの期間別に示す。
Limitation:本研究の限界は、後ろ向き研究であったこと、並びに追跡調査の方法及び頻度が本国際共同研究全体において標準化されていなかったことが、結果に影響する因子となり得ることである。
~ ASCT後の地固め療法AETHERA試験の意義~
ASCT後の治療成績を改善するため、様々な取り組みが行われてきました。ASCT前のPET評価、前処置のレジメンの強化、ASCT前後の放射線療法、タンデム移植などです。
一方、ASCT後の維持療法もしくは地固め療法を検討した無作為化試験は、今まで実施されてきておらず、移植後に維持療法もしくは地固め療法として用いられる薬剤もありませんでした。
AETHERA試験は、ASCT後の再発リスクの高い古典的HL症例において、BVを用いた地固め療法がプラセボ投与群と比較して、有意にPFSを改善するかどうか評価した第Ⅲ相臨床試験です。
18歳以上で下記リスク因子を一つ以上持つASCT後の再発・難治性古典的HL329例が登録されました(図4)5)。
【リスク因子】
「初回治療抵抗性」
「初回治療から12ヵ月未満の再発」
「節外病変あり」
BV療法は3週間を1サイクルとし、1サイクルの1日目に1回1.8mg/kg(静脈内), 最大16サイクルまで投与されました。主要評価項目は中央判定委員会(以下IRF)判定によるPFSです。
BVによるASCT後の地固め療法は、独立評価機関判定と各施設の治験責任医師によるPFS評価において共にプラセボ対照群と比較して有意に改善を示しました(図5)5)。
・PFS中央値 BV群: 42.9ヵ月(95% CI:30.4ヵ月, 42.9ヵ月)、プラセボ対照群:24.1ヵ月(95% CI:11.5ヵ月, ー)
・2-year PFSの推定率 BV群:63%、プラセボ対照群:51%,
・ハザード比:0.57,95% CI:0.40-0.81,p=0.0013(層別log-rank検定)
BV群で発現率が高い有害事象は末梢神経障害であり、BV群では67%、プラセボ対照群では19%でした。BVの忍容性は、全般的に良好であり、過去の試験における安全性プロファイルと一致しました。そして約半数の症例で16サイクルを完了しました。
これらAETHERA試験の結果を受けて、NCCNガイドライン(ホジキンリンパ腫Version 2.2015)より、初回難治性もしくは初回治療後12ヵ月未満の再発症例において、ASCT後BVを維持療法として1年間投与することが明記されました6)。
AETHERA試験 Clinical Question
現行の再発・難治性HL患者さんに対するASCT後の地固め療法についてお伺いできますでしょうか。
AETHERA試験の患者背景やプラセボ対照群のPFS等、本邦の治療成績に外挿できるものでしょうか。
HLの再発・難治例についての日本での大規模な臨床研究は報告されていませんので、外挿できるかどうかは判断できません。しかし、AETHERA試験の年齢中央値(BV治療群33歳、プラセボ対照群32歳)や、主に使われている初回治療がABVD療法である点は、本邦における現状と共通していると思います。
ABVD療法: ドキソルビシン塩酸塩・ブレオマイシン塩酸塩・ビンブラスチン硫酸塩・ダカルバジン
今回の成績では主要評価項目であるPFSはBV群で有意に延長しましたが、OSについては差が認められていません(図6)。このことについてどのように考えればよろしいでしょうか。また、この結果から患者さんにどのような意義がもたらされると考えられますか。
この試験ではクロスオーバー、すなわち、プラセボ対照群で再発・再燃がみられた場合、BV治療が許容されていました。実際、プラセボ対照群で再発・再燃となった患者のうち85%でBV治療が行われています5)。これがOSに差がみられていない原因の一つと考えられます。
再発が必発という疾患や場面では、PFSの延長効果のみという場合、いずれおきる再発の時期を引き延ばしているだけという印象があります。しかし、再発・難治性HLに対するASCTは、治癒を目指した治療という位置づけです。PFSが延長するということは、ASCT後、そのまま無再発が維持できる患者の割合が多いことが示唆されます。ASCTなどの大変な治療を乗り越えて、仕事や家庭生活に復帰しようとする患者さんでは、ASCT後の再発は、復帰の妨げになったり、大きな心の負担になります。ASCT後再発を避けるために行う計画的な地固め療法は一つの選択肢と考えられます。
一般的に地固め療法を実施すると考えた場合、どのような患者さんが対象となると思われますか。
AETHERA試験では、高リスクの再発・難治性古典的HLの患者さんが対象となっていました。
この試験での高リスクの定義は初回治療後、CR未到達の患者(初回治療抵抗性)、12ヵ月未満に再発した患者、もしくは節外病変陽性の場合でした。主要評価項目の層別解析の結果からは、これらのいずれにおいてもBVによる地固め療法の意義があると考えられます。ただし、ASCT前PET陰性が達成されている患者では、必ずしもBV地固め療法によるPFS改善効果はみられていないようです(図7)。
一方、再発・難治性HLの予後因子は、他にも複数報告されています。ドイツHL研究グループ(GHSG)による再発HLの予後スコア(初回治療終了後12ヵ月以内の再発、再発時ステージⅢ又はⅣ、再発時貧血あり)7)や、米国スローンケタリング癌研究所の後方視的研究における予後不良因子(サルベージ療法開始前のB症状、1年以内の再発・再燃、再発時節外病変あり)等が予後因子として知られています。この他、サルベージ療法終了時、ASCT前のPET陽性例ではASCT後の再発が多く、予後不良であることが知られています8)。
再発・難治性HLのうち、これらの予後因子を参考にして、従来のサルベージ化学療法、ASCTという一連の治療での予後不良が予測される患者において地固め療法を考慮しても良いと考えます。
本試験を背景に、NCCNガイドラインの難治性CHLの治療アルゴリズムにBVによる維持療法があらたに記載されました(図8)。アルゴリズムに記載されたことによって、本邦においても今後の治療に影響が出るでしょうか。
NCCNガイドラインの難治性CHLの治療アルゴリズムが、日本での臨床に必ずしも即している訳ではありません。ただ、実際の治療に取り入れられていく可能性はあると思います。
再発・難治性HLでは、サルベージ化学療法に対し部分寛解(PR)以上得られた場合、ASCTの適応規準とされることが多いです。一方で、サルベージ化学療法の効果がCT規準で安定(SD)にとどまった場合や、腫瘍が縮小し、FDG集積は減弱するものの病変が残存した場合のASCTの是非が問題となります。ASCTを行わず、同種移植(allo-HSCT)を行った方がよいという報告もありますが、HLに対するallo-HSCTは、治療関連死亡率も高く9)、厳しい治療選択肢であることも分かっています。また、このような場合でもまずASCTを行った方がよいという考え方もあります。いずれも明確なコンセンサスはありません。サルベージ化学療法に対してSDにとどまる場合では、患者さんによってASCTを行うことが治療選択肢の一つになるかもしれません。
CHL:古典的ホジキンリンパ腫
FDG:フルオロデオキシグルコース
長期にBVを投与するにあたり、有害事象をうまくコントロールしながら継続していくことも大切かと思われます。安全性の面において、投与中に(もしくは投与前から)留意すべき点や、対処のポイントがあればお教えください。
まず、問題となるのが末梢神経障害です。BV投与前に、前治療の影響で高度の(Grade 2以上の)末梢神経障害が無いことを確認することが必要です。また、BV投与中は末梢神経障害の有無を定期的に確認して、添付文書に記載されたように減量・中止を行うことが必要です(表1)10)。AETHERA試験では中央値13.7週(0.1~47.4週)で末梢神経障害が発症していました5)。また、末梢神経障害のため23%の患者で投与中止*、31%の患者で減量・投与延期が行われましたが、減量・投与延期が行われた患者の57%は16サイクルの完遂が可能でした5)。
*AETHERA試験ではGrade 3以上の末梢神経障害が発症した場合、BVの投与を中止すると規定されています。
Grade注5) | 処置 |
---|---|
Grade 1(機能障害はなく、知覚障害、反射消失のみ) | 同一用法・用量で、投与を継続する。 |
Grade 2(機能障害はあるが、日常生活に支障はない) | ベースライン又はGrade 1以下に回復するまで休薬する。 回復した場合は、1.2mg/kgに減量して投与を再開する。 |
Grade 3(日常生活に支障がある) | |
Grade 4(障害をきたす感覚ニューロパチー、生命を脅かす又は麻痺をきたす運動ニューロパチー) | 投与中止する。 |
注5)GradeはNCI-CTCAEに基づく。
AETHERA試験でも末梢神経障害に次いで、骨髄抑制、感染症といった事象の発現頻度が高い傾向でした。日本での現状ともよく似た傾向と考えられますが、これらについても留意すべき点や、対処のポイントがあればお教えください。
AETHERA試験では自家移植後30~45日にBVを開始すると規定されていましたが、一部の患者さんでは自家移植後の血球減少症が遷延することがあります。この場合、血球減少症からの回復を待ってBVを開始することが望ましいです。また、BV治療中に好中球減少症などがみられた場合、投与延期など適切な対応が必要です(表2)10)。BV治療中の患者が発熱を来した場合、一般的な化学療法と同様に発熱性好中球減少症の可能性を考えて、受診を勧めた上で、適切な検査・治療を行うことが望ましいでしょう。
好中球数 | 処置 |
---|---|
1,000/mm3以上 | 同一用法・用量で、投与を継続する。 |
1,000/mm3未満 | ベースライン又は1,000/mm3以上に回復するまで休薬する。 |
1)Schmitz N, et al.: Lancet 2002; 359: 2065-2071.
2)Moskowitz CH, et al.: Blood 2001; 97(3): 616-623.
3)Arai S, et al.: Leuk Lymphoma 2013; 54(11): 2531–2533.
4)Younes A, et al.: J Clin Oncol 2012; 30: 2183-2189.
5)Moskowitz CH, et al.: Lancet 2015; 385: 1853–1862.
6)National Comprehensive Cancer Network, NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology Hodgkin Lymphoma Version 2. 2015.
7)Josting A. et al.: J Clin Oncol 2002; 20(1): 221-230.
8)Moskowitz AJ. et al.: Blood 2010; 116(23): 4934-4937.
9)Milpied N, et al.: J Clin Oncol 1996; 14(4): 1291-1296.
10)アドセトリス国内添付文書2019年12月改訂第1版Moskowitz CH, et al. : Lancet. 2015; 385(9980): 1853-1862.
本試験は、Seattle Genetics社とTakeda Pharmaceuticals International社の資金提供により実施された。
本論文の著者のうちそれぞれ3名、2名は同社の社員で、試験計画、解析、執筆等の支援を受けている。
著者に同社より研究支援、謝礼金等を受領している者が含まれる。
目的 | 自家造血幹細胞移植後の再発又は進行リスクのある古典的ホジキンリンパ腫に対して、ブレンツキシマブ ベドチンを用いた早期地固め療法が、無増悪生存期間を改善するかどうか評価する。 | |
対象 | 18歳以上で下記リスク因子を1つ以上持つ自家造血幹細胞移植後の再発又は進行リスクのある古典的ホジキンリンパ腫患者 <リスク因子> ・一次治療後、CR未到達の患者 ・一次治療後、12ヵ月未満に再発した患者 ・一次治療後、節外病変を持つ患者 |
|
例数 | 329例(ブレンツキシマブ ベドチン群:165例、プラセボ対照群:164例) | |
試験デザイン | 多施設共同第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照試験 | |
投与方法 | 3週間を1サイクルとし、1サイクルの1日目に1回ブレンツキシマブ ベドチン1.8mg/kg(静脈内)、又はプラセボ投与した。 中止基準に該当しない限り最大16サイクルまで投与した。 |
|
評価項目 | 主要評価項目 | 中央判定委員会(以下IRF)判定による無増悪生存期間 |
副次評価項目 | 全生存期間、安全性 | |
その他の評価項目 | 治験責任医師判定による無増悪生存期間 | |
解析計画 | 最良臨床反応 | Revised Response Criteria for Malignant Lymphoma*に従って評価 |
無増悪生存期間 全生存期間 |
Kaplan-Meier法により推定し、p値は無作為化層別因子で層別log-rank検定で算出、ハザード比は層別Cox回帰モデルで算出 | |
安全性 | MedDRA Ver.17.1、有害事象のGradeは、NCI-CTCAE Ver.4.0に従って評価 |
CR: 完全寛解
*Cheson BD, et al. : J Clin Oncol. 2007; 25(5) : 579-586.
ブレンツキシマブ ベドチン群(n=165) | プラセボ対照群(n=164) | |
---|---|---|
年齢, 歳, 中央値(範囲) | 33(18-71) | 32(18-76) |
性別 | ||
男性, n(%) |
76(46) | 97(59) |
女性, n(%) |
89(54) | 67(41) |
人種 | ||
アジア系, n(%) |
2(1) | 3(2) |
黒人またはアフリカ系 |
10(6) | 2(1) |
白人, n(%) |
153(93) | 156(95) |
その他, n(%) |
0 | 3(2) |
ECOG PS | ||
0, n(%) |
87(53) | 97(59) |
1, n(%) |
77(47) | 67(41) |
2, n(%) |
1(1) | 0 |
IRFによって確定された ホジキンリンパ腫,n(%) |
159(96) | 156(95) |
全身救援療法歴 | ||
1回,n(%) |
94(57) | 86(52) |
≥2回 ,n(%) |
71(43) | 78(48) |
ASCT実施>1回,n(%) | 5(3) | 10(6) |
ASCT後から初回投与 までの期間(日) |
41(28-49) | 41(30-51) |
一次治療 | ||
ABVD,n(%) |
119(72) | 129(79) |
BEACOPP,n(%) |
26(16) | 20(12) |
その他,n(%) |
20(12) | 15(9) |
幹細胞移植前処置 | ||
BEAM,n(%) |
106(64) | 96(59) |
CBV,n(%) |
13(8) | 22(13) |
その他,n(%) |
46(28) | 46(28) |
放射線治療,n(%) |
11(7) | 10(6) |
一次治療後のHLの状態 | ||
抵抗性,n(%) |
99(60) | 97(59) |
再発 <12ヵ月,n(%) |
53(32) | 54(33) |
再発 ≥12ヵ月,n(%) |
13(8) | 13(8) |
救援療法によるASCT前の最良奏効 | ||
完全寛解(CR),n(%) |
61(37) | 62(38) |
部分寛解(PR),n(%) |
57(35) | 56(34) |
安定(SD),n(%) |
47(28) | 46(28) |
ASCT前 PET検査 | ||
FDG陽性,n(%) |
64(39) | 51(31) |
FDG陰性,n(%) |
56(34) | 57(35) |
不明,n(%) |
45(27) | 56(34) |
ASCT前の節外病変の再発,n(%) | 54(33) | 53(32) |
一次治療後のB症状,n(%) | 47(28) | 40(24) |
ECOG PS:米国東海岸がん臨床試験グループのパフォーマンスステータス。 ASCT:自家造血幹細胞移植。 ABVD:ドキソルビシン塩酸塩、ブレオマイシン塩酸塩、ビンブラスチン硫酸塩、ダカルバジン。 BEACOPP:ブレオマイシン塩酸塩、エトポシド、ドキソルビシン塩酸塩、シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩、プロカルバジン塩酸塩、プレドニゾン(国内未承認)。 BEAM:カルムスチン*、エトポシド、シタラビン、メルファラン。 CBV:シクロホスファミド水和物、カルムスチン、エトポシド。 FDG:フルオロデオキシグルコース。 PET:陽電子断層撮影。
*カルムスチンの本邦の効能・効果は、悪性神経膠腫です。
観察期間中央値30ヵ月(範囲:0~50ヵ月)における中央判定委員会(以下IRF)判定結果に基づく無増悪生存期間は、ブレンツキシマブ ベドチン群では、プラセボ対照群と比べて有意に改善し、ハザード比は0.57(95% 信頼区間:0.40,0.81; p=0.0013)であった(層別Cox回帰モデル及び層別log-rank検定による)。
また、ブレンツキシマブ ベドチン群の無増悪生存期間の中央値は、42.9ヵ月(95% 信頼区間:30.4ヵ月,42.9ヵ月)、プラセボ対照群は、24.1ヵ月(95% 信頼区間:11.5ヵ月,ー)であった(Kaplan-Meier法による)。
治験責任医師判定結果に基づく無増悪生存期間は、ブレンツキシマブ ベドチン群では、プラセボ対照群と比べて改善し、ハザード比は0.50(95% 信頼区間:0.36,0.70)であった(層別Cox回帰モデルによる)。
全生存期間の中間解析では、ブレンツキシマブ ベドチン群とプラセボ対照群の間に有意な差は認められなかった(層別log-rank検定による)。
有害事象発現頻度は、ブレンツキシマブ ベドチン群で167例中163例(98%)及びプラセボ対照群で160例中142例(89%)であった。
主な有害事象(20%以上)は、ブレンツキシマブ ベドチン群では、末梢性感覚ニューロパチー94例(56%)、好中球減少症58例(35%)、上気道感染44例(26%)、疲労40例(24%)、末梢性運動ニューロパチー38例(23%)、悪心36例(22%)、咳嗽35例(21%)及び下痢33例(20%)であった。プラセボ対照群では、上気道感染37例(23%)であった。
重篤な有害事象はブレンツキシマブ ベドチン群で41例に認められ、主な重篤な有害事象(2例以上)は、肺炎7例、発熱6例、嘔吐5例、悪心4例、肝毒性3例、末梢性感覚ニューロパチー3例、急性呼吸窮迫症候群、便秘、頭痛、帯状疱疹、肺臓炎〔以上、各2例〕であった。
投与中止に至った有害事象はブレンツキシマブ ベドチン群で末梢神経障害38例、本剤を減量、延期したが末梢神経障害で投与中止に至った例が13例、計51例*であった。
分析時点での死亡例は、ブレンツキシマブ ベドチン群で28例であった。死因の内訳は、原疾患に起因する死亡は18例、原疾患に関連しない死亡は9例であり、その死因は急性呼吸窮迫症候群2例、膀胱癌、心停止、肺感染、骨髄異形成症候群、心筋梗塞、膵癌、敗血症〔以上、各1例〕であった。原疾患との関連が不明な死亡は1例であった。
*投与中止に至った有害事象の総数及び末梢神経障害以外の内訳は不明である。
ブレンツキシマブ ベドチン群(n=167) | プラセボ対照群(n=160) | |||
---|---|---|---|---|
Any Grade | ≥Grade 3* | Any Grade | ≥Grade 3 | |
発現症例数(%) | 発現症例数(%) | 発現症例数(%) | 発現症例数(%) | |
全ての有害事象 | 163(98) | 93(56) | 142(89) | 51(32) |
末梢性感覚ニューロパチー | 94(56) | 17(10) | 25(16) | 2(1) |
好中球減少症 | 58(35) | 49(29) | 19(12) | 16(10) |
上気道感染 | 44(26) | 0 | 37(23) | 2(1) |
疲労 | 40(24) | 3(2) | 29(18) | 4(3) |
末梢性運動ニューロパチー | 38(23) | 10(6) | 3(2) | 1(1) |
悪心 | 36(22) | 5(3) | 12(8) | 0 |
咳嗽 | 35(21) | 0 | 26(16) | 0 |
下痢 | 33(20) | 3(2) | 16(10) | 1(1) |
発熱 | 31(19) | 3(2) | 25(16) | 0 |
体重減少 | 32(19) | 1(1) | 9(6) | 0 |
関節痛 | 30(18) | 1(1) | 15(9) | 0 |
嘔吐 | 27(16) | 4(2) | 11(7) | 0 |
腹痛 | 23(14) | 3(2) | 5(3) | 0 |
便秘 | 21(13) | 4(2) | 5(3) | 0 |
呼吸困難 | 21(13) | 0 | 10(6) | 1(1) |
食欲減退 | 20(12) | 1(1) | 9(6) | 0 |
そう痒症 | 20(12) | 1(1) | 12(8) | 0 |
頭痛 | 19(11) | 3(2) | 13(8) | 1(1) |
筋痙縮 | 18(11) | 0 | 9(6) | 0 |
筋肉痛 | 18(11) | 1(1) | 6(4) | 0 |
悪寒 | 17(10) | 0 | 8(5) | 0 |
錯感覚 | 16(10) | 3(2) | 2(1) | 0 |
*ブレンツキシマブ ベドチン群で5%以上発現した、重症度がGrade 3以上の有害事象を含む。
MedDRA Ver.17.1、NCI-CTCAE Ver.4.0により集計。
安全性につきましては、最新の添付文書をご参照ください。
禁忌を含む使用上の注意等は「添付文書」をご参照ください。