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会員限定薬剤師の「今」─在宅医療編─

第16回 2018年を振り返る(後編)

Interview

狭間研至先生写真

激変する医療と薬剤師業界の未来を見据え、各分野のエキスパートへのインタビューを通じて「今」必要な情報を発信する連載企画「薬剤師の今」。2018年は在宅医療にフォーカスし、教育やコミュニケーションといった6テーマを取り上げました。総監修の狭間研至先生に、1年間を振り返る総括と今後の医療・薬剤師の業界における展望をお伺いします。

一般社団法人日本在宅薬学会理事長
ファルメディコ株式会社 代表取締役

狭間 研至先生(医師)

薬剤師の本質的業務は何か?

本企画で2018年にとりあげた6テーマ、12回の連載を通じて感じたのは、対人業務と対物業務の考え方についてです。
第6回・7回に登場された赤羽根先生の言葉を借りれば、大体の職業は対物・対人に分けられます。医師は完全に対人業務ですね。薬剤師は「対物込みの対人業務」という分類に入るそうです。ただ、従来は対物中心で対人はほとんどなく、服用後にどうなったかは医師に任せているような状態でした。

戦場に例えると弾込め部隊です。実際に弾を撃つのは別の人で、弾が切れないように準備します、正しい弾を込めますと。ただ戦況については、頑張って戦っている人がいるようですが勝敗や被害は知りませんと。
在宅医療の業務も、薬を運んで残薬を整理し、説明して「お大事に」といって終わりの「お届け在宅」が大多数を占めているのではないでしょうか?

しかし、連載に登場した先生方は旧弊を乗り越え、薬剤師としての知識と技能をフルに発揮していました。訪問したら「そこに置いといて」と。家に上がろうとすると、「何で上がろうとするの?」と聞かれる‟お届け在宅“から脱却し、本来の医療者としての対人業務を実施されています。

従来の調剤報酬は「モノを渡すまで」に対して支払われる対価でした。
連載の先生方のような調剤後に薬の効果・副作用を確認する薬剤師はまだ少数派ですが、今後の社会における医療においては必ず評価されていきます。

対人業務の最重要ツール「バイタルサイン」

対人業務に薬学知識を活用するために必要なのは「物差し」です。患者さんの困り事を評価し、多職種と連携して解決するためにさまざまな物差しがあり、活用されています。
「患者さん宅にご様子を診に行ったら、何かご様子が変なんです」と報告されてもわかりません。JCSという物差しを使った「JCS三桁です」という報告とは雲泥の差です。
「お熱出てます」「CRP上がっています」も同じこと。物差しと数値が必要です。

薬剤師は、これまで客観的な物差しを使ってきませんでしたが対人業務には必須。中でもバイタルサインは生命徴候をみるもっとも重要なツールです。
調剤報酬改定や法改正によって、例えば降圧薬の調剤後には血圧を確認する必要が出てきます。そうするとバイタルサインのもつ意味が一気に腑に落ちると思います。
何のためにバイタルサインを取るのか? 医薬品適正使用の観点から効果について正しく評価し、判断するために必要なんですね。

イノベーションは「手放すこと」から始まる

薬剤師が対人業務にシフトするには対物業務を整理する必要があります。
例えば、ピッキングは薬剤師の仕事ですがピックアップはどうか。調剤とはどのような業務か。以前は、薬袋への記入も薬剤師の業務であるように言われていましたが、最終確認しているはずなんです。「対物業務の責任」は負うけど、対物業務すべてをやるわけではないと。

狭間研至先生インタビュー風景奈良先生が紹介されていた薬剤師業務の補助的な「パートナー」という職種のように、薬剤師はタスクシフトにおいて、人に任せる勇気が必要です。非薬剤師の人材を使いながら、増大する医療ニーズに対応するため専門性にシフトしていくべきです。
薬局・薬剤師のイノベーションは「手離すこと」から始まります。薬剤師として何が重要かというキャリアアンカーを原動力に、本質的業務を追究してほしいと願っています。