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会員限定薬剤師の「今」─在宅医療編─

第15回 2018年を振り返る(前編)

Interview

狭間研至先生写真

激変する医療と薬剤師業界の未来を見据え、各分野のエキスパートへのインタビューを通じて「今」必要な情報を発信する連載企画「薬剤師の今」。2018年は在宅医療にフォーカスし、教育やコミュニケーションといった6テーマを取り上げました。総監修の狭間研至先生に、1年間を振り返る総括と今後の医療・薬剤師の業界における展望をお伺いします。

一般社団法人日本在宅薬学会理事長
ファルメディコ株式会社 代表取締役

狭間 研至先生(医師)

ピンチであり、同時にチャンスでもある薬剤師の「今」

2018年は調剤報酬改定、医薬品医療機器等法(薬機法)改正に向けた議論などさまざまな動きがありました。
薬局・薬剤師の業界は医薬分業への批判を基調とした厳しい世評に相対していますが、一方で今こそ「ピンチはチャンス」であることをお伝えしたいと思います。

医療業界は今、地域包括ケアシステムの構築をはじめとする大きな変動の時期を迎え、既存の固定概念をゼロベースとまではいわないまでも再構築する過渡期にあります。
高齢化が進展する日本は、患者が増える一方で医療者の数はそれほど増えません。
急増する医療ニーズに急増しない医療人が応えるという社会問題を解決するため、医療関連職の中では今、職種ごとのあり方を考え直そうという「タスクシフト(業務移管)」の議論が起きています。

社会全体の問題を解決するための薬剤師のあり方はどうか。どのような役割を担うべきか?――この問いに対し、現状をベストだと思う薬剤師はそれほど多くないでしょう。

薬剤師業務に対する他者からの要望は医薬分業への批判という形で現れ、調剤報酬の改定にも従来業務に対する評価を下げる方向性が反映されつつありますが、これらを薬局の儲け主義に対する罰則といったミクロな視点で捉えることには疑問があります。
増加する医療ニーズに対応するため医療資源をどう活用していくのか、ひいては社会保障制度全体において、薬局や薬剤師という資源をどう使っていくかと考えることが重要です。

薬機法改正が促すパラダイムシフト

2018年、国会に上程予定と報じられている薬機法改正案には、3つのメッセージがあります。

  • ① 薬剤師が服薬後の状態をフォローすることの義務化
  • ② 服薬による患者状態のアセスメントを医師にフィードバックすることの努力義務化
  • ③ 薬局開設者は自社の薬剤師がこうした業務にあたる仕組みを作ることを義務化

つまり、外来調剤で薬を早く正しくわかりやすく患者さんに渡すことをゴールにした薬剤師のあり方は、法的要件を満たさなくなるといえます。
調剤報酬などによる政策誘導より法改正が先行する動きは、個人的に大きな驚きでした。離職している看護師をいかに職場に戻すかといった、医療資源を有効活用するプロジェクトはいくつか進んでいますが、政策ではなく先に法による措置が取られるまでに薬剤師という社会資源を有効に活用しようというプロジェクトは、ある意味では期待されているのかもしれません。

狭間研至先生インタビュー風景医薬分業に対する批判も含め、現在のこうした状況の責任の一端は薬剤師にもあります。医薬分業はスモン・サリドマイド事件などのいわゆる薬害問題や薬漬け医療といった社会問題の解決のため導入された制度ですが、多剤併用や薬剤性有害事象などは依然残っています。薬剤師の業務が変わり、これらを解消できるなら、薬剤師は医療者として社会問題に対応する資源として役割を果たしているといえるでしょう。

かかりつけ薬剤師もまだまだ「渡すまで」?

薬剤師業務のパラダイムシフトは、具体的には薬という物を正しく早く渡すだけで終わるのではなく、渡した後に患者さんがどうなったかまでの責任を持つ「対物業務から対人業務への移行」が求められています。
例えば制度化されたかかりつけ薬剤師も、患者さんが「(かかりつけに関する書類の)何かにサインした気がする」といった感覚のまま、薬を渡すまでで業務が終わり、後日「困ったり心配があればいつでも電話をかけてきて」といったメッセージが伝わっていない場面が多々あります。

現場が「渡すまで」の業務にとどまっていたところに制度が始まったので、「渡すまで」の部分でできるだけ「かかりつけ薬剤師」でいようとした結果、実情が薬歴の一元管理でとどまってしまうんですね。

薬剤師法25条の2に指導義務がありますが、薬の受け渡しの時に服薬指導する旨が記載されているだけで、その後については明記されていません。ただ、医師法では23条に指導義務を規定しています。私は、本来それは診察後も続くと考えています。14日処方を出したらその期間は責任を持って診る範疇です。薬剤師もすでに同様の義務を負っている状態ではあったと思うのですが、今回の薬機法の改正はそこをきちんと明文化することになるのではないでしょうか。