ログイン・会員登録

会員の方

ID・パスワードをお持ちの方は、
こちらからログインください。

パスワードをお忘れの方はこちら

認証キーの承認をされる方はこちら

2016年1月より会員IDがメールアドレスに統一されました。

会員登録されていない方

会員限定コンテンツのご利用には、会員登録が必要です。

新規会員登録

サイトマップお問合わせ

  • 新規会員登録
  • ログイン

会員限定薬剤師の「今」─在宅医療編─

第1回 薬剤師に「今」必要な対人業務における在宅医療について

総監修コメント

狭間 研至 先生写真

企画のスタートにあたり、総監修の狭間研至先生のコメントをご紹介します。

一般社団法人日本在宅薬学会理事長
ファルメディコ株式会社 代表取締役

狭間 研至先生(医師)

諸外国に例を見ない高齢化が進展する「高齢化先進国」である日本。
65歳以上人口は2042年に約3900万人でピークを迎え、その後も75歳以上が人口に占める割合は増加が続くと予想されています。特に、約800万人の「団塊の世代」が75歳以上となる2025年からは、医療・介護の需要がさらに増加することが見込まれます。

このため2025年を目途に厚生労働省が推進しているのが地域包括ケアシステムの構築です。目的は、可能なかぎり住み慣れた場所で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けられる包括的な支援体制の実現。
このシステムの要となる「在宅医療」において、これからの薬剤師に必須とされる業務を、現場のエキスパートの声を通して紹介します。

在宅医療はシチュエーションのひとつ

在宅医療に関する本企画のスタートにあたり、大前提として読者の皆さんにお伝えしたいメッセージがあります。
それは「在宅医療はシチュエーションのひとつ」ということです。
現在、在宅医療を門前薬局に対するアンチテーゼのように取り上げるシーンも見受けますが、僕はそれは違うと思います。在宅医療という言葉を盾に門前薬局との差別化を図ろうとする思考は本末転倒です。門前薬局が悪いとも思いません。
門前薬局との比較はさほど重要ではなく、「とどのつまり何をしているか?」が重要なのです。

では、薬剤師が何をしているか(今後、するべきか)。
対人業務というキーワードがありますが、例えばフィジカルアセスメント。「在宅医療に出たから血圧を測れました」という言説を耳にしたりもしますが、これも本末転倒になっていると思います。訪問服薬指導にしても、薬の説明をするだけなら電話で十分。残薬管理も必要ですが、集めて数えて整理して、が薬剤師の本来の職能かというと疑問符が残ります。

「出す前」から「出した後」へ

薬剤師の対人業務において重要なのは、在宅医療において「お薬を届けました」という「配達」でも「◎◎万円分残薬を発見しました」という「整理」でもありません。
製剤学や薬理学、薬物動態学といった薬剤師独自の職能を生かすことが大切です。

具体的にはどういうことか?
一言でいうと「出す前」でなく「出した後」に責任をもってかかわっていく業務です。
これまでの薬剤師は「薬を出す」時点でその業務が終わったとみなされていました。
しかし、患者さんにとってのゴールは「薬をもらった/飲んだ」ところでしょうか?
患者さんが求めているのは薬ですか?
ある患者さんにとっては健康でしょう。またある患者さんにとっては健やかな毎日であり、別の方にとっては孫の顔を見に旅行することでしょう。

医療者として患者さんが求めることに応えるため、「薬を出した後」に薬剤師がやるべきは職能を活かした服用薬の効果に対するアセスメントと評価です。
「飲まれた後に顔がほてるんですか?(カルシウム拮抗薬やもんなあ)」といった症状のヒアリング。その症状を受け、処方された薬の特徴の説明や、今後どうするかの相談までサポートできることが最重要の業務です。

在宅医療におけるこれからの薬剤師業務

今後求められるこうした薬剤師像において、今回テーマとなる在宅医療はどのようなシーンでしょうか。
一言でいうと、「パラダイムシフトが起きやすい場」と言えます。医師も含め「みんながまだ不慣れな領域」で、薬剤師の役割に固定概念が少ない場です。

薬局カウンターの外来業務には、これまで積み上げられ、構築されてきたシステムや概念がどうしてもあります。
医師も患者さんも固定概念があり、薬剤師の業務として重視されがちなのはやはり、「早く正確に渡す」ことです。
薬剤師とは「薬を出すまで」の業務という従来のイメージにとらわれがちとなります。

在宅医療には、薬剤師が多職種との関係性を変え、共に患者さんのための医療をつくり上げることができる環境があります。「出す前」から「出した後」への業務のパラダイムシフトが起こしやすいともいえます。

在宅医療における「出した後」の業務ができる薬剤師の方は、カウンターの外来業務もそうではない薬剤師の方とはまったく内容が異なります。

※  ※  ※

薬剤師の方に向けて発信する企画の中で、空気を読まない言いかたをするようですが、「単に薬を出す人」とは、今後の医療現場において、一人の医師として一緒に医療チームを組むことは難しいと思います。
患者さんをめぐる、医師をはじめとする多職種との関係がこれまでと同じであれば、薬剤師の業務は極めて限定的なままです。
患者さんが何を求めているか?どうなりたいかを共有し、職能を活かして次回処方を共につくってくれる薬剤師を今後の現場は求めています。