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会員限定薬剤師の「今」─法制度編─

[法制度編 第12回]
患者の負担を軽減する指定難病の医療費助成

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[法制度編 第12回]
患者の負担を軽減する指定難病の医療費助成

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「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)は、対象患者が少ない難病の治療法開発を支援し、患者への医療費助成などを定めた法律です。難病は対象患者が少ないことからマーケットが小さく、さらに原因不明のために治療薬の開発が難しいという事情があります。そこで、難病の研究開発を後押しし、患者の負担軽減を図る目的でこの法律が制定されました。

難病法ができるまで、難病の研究や医療費の助成は、国による研究事業の一環として行われてきました。研究事業がスタートした当初は、対象となる病気もスモン、ベーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデスなどごく一部の病気に限定されていたのです。
しかし、時代が進むとともに対象となる疾病は急速に拡大。数百の病気について治療法の開発などが進められるようになりました。これに伴って医療費助成の対象となる患者も増え、2011年度末時点で78万人に上るなど、医療費助成にも莫大な予算が必要になりました。同時に、難病に悩む患者や家族からは、医療費助成の対象疾患の拡大や見直しに関する要望も強くなっていきました。

こうした課題を解決するために2015年にスタートしたのが難病法です。難病法では財源として消費税増収分を活用することが決められるなど、安定的な医療費助成の制度が確立しました。難病法の下では、難病の定義に加えて新たに「指定難病」というカテゴリーが設けられ、医療費助成を受けられるのは指定難病に限られることになりました。

難病法における難病の定義

難病
  • 1)発病の機構が明らかでない
  • 2)治療方法が確立していない
  • 3)希少な疾病である
  • 4)長期の療養を必要とする
指定難病

指定難病には以下の2つの条件が加わりました。

  • 5)患者数が本邦において一定の人数(人口の0.1%程度)に達しない
  • 6)客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が確立している

つまり、指定難病は難病の中でも患者数が一定数を超えず、客観的な診断基準があるものに限られます。さらに、疾病ごとに重症度分類が定められていて、この分類で一定程度以上であることが医療費助成の条件となっています。この要件に基づいて2021年10月現在、指定難病は333疾病を数えます。

「希少疾病」との違い

また、難病と似た用語として「希少疾病」があります。希少疾病とは、対象患者が国内で5万人未満の極めて少ない病気のことです。昨今、ゲノム医療の進展に伴う個別化医療の流れの中で、希少疾病治療薬(オーファンドラッグ)の開発も進められています。一方で、せっかく治療薬が開発されても、対象者の少ないオーファンドラッグは薬価が高額になる傾向があり、患者の経済的負担が大きいという課題がありました。

希少疾病は世界では数千あると考えられていて、すべてが指定難病になっているわけではありません。しかし指定難病となる疾患は拡大していて、もともと110疾病からスタートしたものが、現在では300疾病を超えるようになりました。こうした中で、希少疾病についても指定難病の対象となり、医療費助成の対象となる患者が増えてきました。

指定難病患者への医療費助成

難病法に基づく医療費助成を受けるには、都道府県から認定を受けた「難病指定医」による診断書を自治体へ提出することが必要です。具体的には、以下のような手続きの流れになります。

医療費助成の手続きの流れ
  • 1)難病指定医に臨床調査個人表(診断書)を記入してもらう
  • 2)申請に必要な書類を揃えて都道府県・指定都市に申請
  • 3)都道府県・指定都市による審査
  • 4)認定された場合は医療受給者証の交付
  • 5)指定医療機関を受診した際に、医療受給者証を提示すれば助成を受けられる

助成対象と認定された場合は、医療費の自己負担額がもとの3割から2割負担になります。もともと自己負担が1割または2割の人は、そのまま変更はありません。
また、所得状況に応じて月ごとの自己負担上限額が設定されて、同月内の医療費(複数の医療機関、薬局の費用も合算)について、上限額を超えた自己負担額は全額助成されます。

表1 自己負担の上限額

「高額かつ長期」とは、1ヶ月の医療費総額が50,000円(自己負担2割なら10,000円)を超える月が年間に6回以上ある人をさします。

出典:厚生労働省

このほか、重症度分類では症状の程度が軽い軽症者でも、一定の要件を満たせば医療費助成を受けることが可能です。一定の要件とは「高額な医療を継続することが必要な人」であること。この場合の「高額な医療を継続することが必要」とは、医療費総額が33,330円(自己負担3割ならおよそ10,000円)を超える月が、支給認定申請月以前の12ヶ月以内に3回以上ある場合をさします。

難病患者は長期にわたる療養生活が必要になり、それに伴って医療費の負担も大きくなってしまいます。対象となる患者がしっかりと医療費助成制度を活用できるよう、薬剤師を始めとする医療従事者が制度をしっかり理解しておくことが大切です。医療費助成を含む難病に関する相談・情報収集には、都道府県や指定都市にある難病相談支援センターや公益財団法人難病医学研究財団が運営する難病情報センターが役立ちます。いざというときにはこうした窓口を紹介できるようにしておくと安心です。