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会員限定薬剤師の「今」─法制度編─

[法制度編 第5回]
薬機法改正で変わる薬局
薬局の機能に関する認定制度の創設

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[法制度編 第5回]
薬機法改正で変わる薬局
薬局の機能に関する認定制度の創設

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2019年12月に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」が改正・公布されました。薬局のあり方に関する条文についても改正されており、薬剤使用期間中のフォローアップの義務化や、一定条件下でのオンライン服薬指導の解禁、薬局機能認定制度などが示されました。今回は、その中から薬局機能認定制度について紹介します。

本制度は、国民が自身にとって適切に薬局を選択できるよう都道府県が機能別に認定するものです。

  • 1.入退院時や在宅医療に他医療提供施設と連携して対応する「地域連携薬局」
  • 2.がんなどの専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応する「専門医療機関連携薬局」

上記2つのタイプの薬局が、都道府県知事により認定されることになりました(図1)。これらの名称は、一定の要件を満たし、各機能を有していると認められた薬局が使用することができます。紛らわしい名称も含め、認定された薬局以外での使用は禁じられています。

認定薬局では、薬局内の見やすい場所や外側の見やすい場所に掲示し、「薬局機能情報提供制度」に則って、各自治体のウェブサイトに設けられた医療情報検索ページでその機能を持つ旨を公表できます。

図1 改正薬機法における薬局機能制度の概要

出典:厚生労働省資料

2つの認定のうち、「地域連携薬局」は地域の医療機関や介護関連施設などと連携し、在宅医療にも対応し、さまざまな相談にも応じる、「街のかかりつけ薬局」のイメージといえるでしょう。

一方の「専門医療機関連携薬局」は、がんなどの薬物治療について専門性を有した薬剤師が在籍し、病院と薬局が連携して高度な専門医療をサポートできる薬局です。こちらは、厚生労働省が 2015年に出した「患者のための薬局ビジョン」に示された「高度薬学管理機能」を有する薬局に該当するといえます。

表1 薬局機能に関する改正薬機法の条文

(地域連携薬局)

第六条の二
薬局であつて、その機能が、医師若しくは歯科医師又は薬剤師が診療又は調剤に従事する他の医療提供施設と連携し、地域における薬剤及び医薬品の適正な使用の推進及び効率的な提供に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能に関する次に掲げる要件に該当するものは、その所在地の都道府県知事の認定を受けて地域連携薬局と称することができる。

  • 構造設備が、薬剤及び医薬品について情報の提供又は薬学的知見に基づく指導を受ける者(次号及び次条第一項において「利用者」という。)の心身の状況に配慮する観点から必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 利用者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 地域の患者に対し安定的に薬剤を供給するための調剤及び調剤された薬剤の販売又は授与の業務を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 居宅等(薬剤師法(昭和三十五年法律第百四十六号)第二十二条に規定する居宅等をいう。以下同じ。)における調剤並びに情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 2前項の認定を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した申請書をその薬局の所在地の都道府県知事に提出しなければならない。
  • 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  • その薬局の名称及び所在地
  • 前項各号に掲げる事項の概要
  • その他厚生労働省令で定める事項
  • 3地域連携薬局でないものは、これに地域連携薬局又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
  • 4第一項の認定は、一年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

(専門医療機関連携薬局)

第六条の三
薬局であつて、その機能が、医師若しくは歯科医師又は薬剤師が診療又は調剤に従事する他の医療提供施設と連携し、薬剤の適正な使用の確保のために専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能に関する次に掲げる要件に該当するものは、厚生労働省令で定めるがんその他の傷病の区分ごとに、その所在地の都道府県知事の認定を受けて専門医療機関連携薬局と称することができる。

  • 構造設備が、利用者の心身の状況に配慮する観点から必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 利用者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
  • 2前項の認定を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した申請書をその薬局の所在地の都道府県知事に提出しなければならない。
  • 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  • その薬局において専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行うために必要なものとして厚生労働省令で定める要件を満たす薬剤師の氏名
  • その薬局の名称及び所在地
  • 前項各号に掲げる事項の概要五その他厚生労働省令で定める事項3第一項の認定を受けた者は、専門医療機関連携薬局と称するに当たつては、厚生労働省令で定めるところにより、同項に規定する傷病の区分を明示しなければならない。
  • 4専門医療機関連携薬局でないものは、これに専門医療機関連携薬局又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
  • 5第一項の認定は、一年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う

出典:厚生労働省資料

薬局機能認定制度がスタートするのは2021年8月1日で、それ以降、薬局は

  • (1) 認定を持たない薬局
  • (2) 地域連携薬局の認定を受けた薬局
  • (3) 専門医療機関連携薬局の認定を受けた薬局
  • (4) 地域連携と専門医療機関連携の両方の認定を受けた薬局

の4種類に分類されるといえます。
将来的には、調剤報酬上でこれらの認定の有無が要件に盛り込まれるなど、調剤報酬に影響を与える可能性もあります。

それぞれの認定要件については厚生省令によって定められますが、2021年1月末現在、まだ公布されていません。
2020年10月に、「改正薬機法に係る地域連携薬局と専門医療機関連携薬局の基準についての厚生省令に関するパブリックコメント」が募集され、その際示された基準案が参考になります。

基準案では「地域連携薬局」は他の医療提供施設と連携し、地域における薬剤などの適正使用の推進や効率的な提供に必要な機能を有する薬局であることが求められています。
主な認定要件はプライバシーに配慮した相談しやすい構造設備や、地域の医療提供施設と情報を共有する体制などを有していること、地域ケア会議などへの出席や医療機関への情報提供、在宅医療の実績などが挙げられています(表2)

表2 改正薬機法にかかる地域連携薬局と専門医療機関連携薬局の基準案
(2020年10月厚生労働省資料より一部要約)

◆ 地域連携薬局の基準等

プライバシーに配慮した相談しやすい構造設備

利用者が座って服薬指導等を受けることができる、間仕切り等で区切られた相談窓口などや、相談の内容が漏えいしないよう配慮した設備の設置高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造

地域の医療提供施設(病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局など)と情報を共有する体制
  • 地域包括ケアシステムの構築に資する会議への定期的な参加
  • 地域の医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、利用者の薬剤等の使用情報について随時報告・連絡できる体制の整備
  • 地域の医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、利用者の薬剤等の使用情報について報告・連絡を行った実績(一定程度の実績)
  • 地域の他の薬局に対し、利用者の薬剤等の使用情報について報告・連絡できる体制の整備
地域の他の医療提供施設と連携しつつ利用者に安定的に薬剤等を提供する体制
  • 開店時間外の相談応需体制の整備
  • 休日及び夜間の調剤応需体制の整備
  • 地域の他の薬局への医薬品提供体制の整備
  • 麻薬の調剤応需体制の整備
  • 無菌製剤処理を実施できる体制の整備(他の薬局の無菌調剤室を利用して無菌製剤処理を実施する体制を含む。)
  • 医療安全対策の実施
  • 継続して1年以上勤務している常勤薬剤師の一定数以上の配置
  • 地域包括ケアシステムに関する研修を修了した常勤薬剤師の一定数以上の配置
  • 薬事に関する実務に従事する全ての薬剤師に対する、地域包括ケアシステムに関する研修
  • 又はこれに準ずる研修の計画的な実施
  • 地域の他の医療提供施設に対する医薬品の適正使用に関する情報の提供実績
在宅医療に必要な対応ができる体制
  • 在宅医療に関する取組の実績(一定程度の実績)
  • 高度管理医療機器等の販売業等の許可の取得並びに必要な医療機器及び衛生材料の提供体制

専門医療機関連携薬局の基準等

傷病の区分は、がんとすること
利用者のプライバシーに配慮した相談しやすい構造設備
  • 利用者が座って服薬指導等を受ける個室等の設備の設置
  • 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造
利用者に専門的な薬学的知見に基づく指導を行うために、専門的な医療の提供等を行う地域の他の医療提供施設と情報を共有する体制
  • 専門的な医療の提供等を行う医療機関との会議への定期的な参加
  • 専門的な医療の提供等を行う医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、がん患者の薬剤等の使用情報について随時報告・連絡できる体制の整備
  • 専門的な医療の提供等を行う医療機関に勤務する薬剤師その他の医療関係者に対し、がん患者の薬剤等の使用情報について報告・連絡を行った実績(一定程度の実績)
  • 地域の他の薬局に対し、がん患者の薬剤等の使用情報について報告・連絡できる体制の整備
がんに係る専門的な調剤や指導に関して、地域の他の医療提供施設との連携を行いつつ、適切に実施できる体制
  • 開店時間外の相談応需体制の整備
  • 休日及び夜間の調剤応需体制の整備
  • 地域の他の薬局へのがんに係る医薬品提供体制の整備
  • 麻薬の調剤応需体制の整備
  • 医療安全対策の実施
  • 継続して1年以上勤務している常勤薬剤師の一定数以上の配置
  • がんに係る専門性を有する常勤薬剤師の配置
  • 薬事に関する実務に従事する全ての薬剤師に対するがんに係る専門的な研修の計画的な実施
  • 地域の他の薬局に対するがんに関する研修の定期的な実施
  • 地域の他の医療提供施設に対するがんに係る医薬品の適正使用に関する情報の提供実績

出典:厚生労働省資料

「専門医療機関連携薬局」は、医療機関と連携し、専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局とされています。「学会認定等の専門性が高い薬剤師の配置」が求められ、専門医療機関との治療方針などの共有や、患者が利用する地域連携薬局などとの情報共有などが認定要件として示されています。

認定は「傷病区分」ごとになされ、まずがんの薬物療法に対応する「専門医療機関連携薬局」が誕生することになっています。改正薬機法では、傷病区分が「がん等」と説明されており、今後、がん以外の傷病についても「専門医療機関連携薬局」が設置される可能性が示唆されています。

「専門医療機関連携薬局」の認定取得を目指すのは、がん症例を多く扱う大学病院やがん専門病院の近隣の薬局が多いと考えられ、すでに病院等と連携体制ができている薬局もあるでしょう。
こうした薬局が認定を取得する上で重要となるのは、要件の「学会認定等の専門性が高い薬剤師」の配置とも考えられます。この要件を満たす薬剤師は、2020年に創設された日本医療薬学会による「地域薬学ケア専門薬剤師(がん)」などが考えられ、認定取得を目指す薬局にとっては、同専門薬剤師などの育成が喫緊の課題といえそうです。