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会員限定薬剤師の「今」─法制度編─

[法制度編 第3回]
薬機法改正で変わる薬局業務
継続的な服薬フォロー(2) フォロー&連携で薬物治療の質向上につなげる

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[法制度編 第3回]
薬機法改正で変わる薬局業務
継続的な服薬フォロー(2) フォロー&連携で薬物治療の質向上につなげる

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改正薬機法によって、薬局・薬剤師による薬剤使用期間中の継続的な情報提供・指導が義務化され、全国の薬局で必要に応じたフォローアップの取組みが始まっています。今回は、薬局・薬剤師による服薬フォローアップについて、医療全体における意義について考えてみましょう。

患者が安心して薬が使える環境を整備するために

まず、薬機法改正の趣旨を紐解いてみましょう。今改正の趣旨には、(1)医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供する、(2)地域で患者が安心して医薬品を使うことができる環境を整備する――の2点が掲げられています。

表1 薬機法改正の趣旨(厚生労働省資料より抜粋)
医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するとともに、住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができる環境を整備するため、制度の見直しを行う

このうち、「医薬品・医療機器等の安全・迅速・効率的な提供」に関しては、医薬品の開発から市販後までの制度に関する改正がなされました。
一方の「患者が地域で安心して医薬品を使える環境を整備する」については、主に薬局・薬剤師のあり方の見直しが行われ、薬剤使用期間中の継続的な情報提供・指導の義務化はその1つといえます。つまり、薬局・薬剤師によるフォローアップは、少子高齢化がますます進む中、人々が住み慣れた地域で安心して医薬品を使えるような社会を実現するために有用な手段だと、認識されているといえます。

わが国は、世界一の平均寿命を誇っています。そのこと自体は素晴らしいことですが、同時に疾患を有して薬物療法を受けながら生活する人たちも増えているといえます。多疾患併存状態(マルチモビディティ)で多くの薬を服用する患者も少なくありません。

一方で、医療の進展とともに、抗癌剤をはじめ副作用リスクの高い薬を使用した治療が外来でも可能になるなど、自宅で日々の生活を送りながら、高度な治療を受けられる時代になっています。入院によって生活が中断されないというメリットがある一方で、患者にとっては医療者がいない自宅で有害事象を経験する機会が増えるという一面もあります。

そのような環境下では、これまで以上に患者自身や家族が自分自身で体調チェックを行うなど、主体的に治療を受けることが必要となります。そうした自宅で治療を受ける患者や家族をサポートする医療者の存在が必要であり、その担い手として薬局・薬剤師は期待されているといえます。

なお、今回、薬剤師法の第25条の2についても改正されており、薬局の薬剤師のみならずすべての薬剤師に、服薬期間中の継続的な情報提供・指導が義務づけられたといえます(表2)。

表2 改正薬剤師法 第25条の2
第二十五条の二

薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たつているものに対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。

  • 2.薬剤師は、前項に定める場合のほか、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。

連携によってより有効性と安全性の高い薬物治療を

今回の改定では、努力義務ではありますが、医療関係者の責務として、患者の医薬品の使用に関する情報を他の医療機関の医師や薬剤師に提供し、薬物治療に関する医療提供施設相互連携を推進するよう示されました(表3)。

表3 改正薬機法 第1条の5

(医薬関係者の責務)

第1条の5
  • <略>
  • 2.薬局において調剤又は調剤された薬剤若しくは医薬品の販売若しくは授与の業務に従事する薬剤師は、薬剤又は医薬品の適切かつ効率的な提供に資するため、医療を受ける者の薬剤又は医薬品の使用に関する情報を他の医療提供施設(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の二第二項に規定する医療提供施設をいう。以下同じ。)において診療又は調剤に従事する医師若しくは⻭科医師⼜は薬剤師に提供することにより、医療提供施設相互間の業務の連携の推進に努めなければならない。
  • 3.薬局開設者は、医療を受ける者に必要な薬剤及び医薬品の安定的な供給を図るとともに、当該薬局において薬剤師による前項の情報の提供が円滑になされるよう配慮しなければならない。

例えば、抗癌剤治療では副作用の発現の有無や程度によって、薬の減量や他剤への変更など治療方針の変更が必要となる場面があります。副作用の評価が重要な鍵となるわけですが、次回受診までの間に薬剤師が患者に連絡し、的確なアドバイスをしたり、副作用の発現の有無や服薬アドヒアランス、体調などを確認し、医療機関の医師や薬剤師とその情報を共有することで、治療継続率を高めることにも貢献できる可能性があります。

医療機関の医師や薬剤師が知り得ない日々の生活の影響を薬局薬剤師が把握し、関わる医療者と共有することで、薬物治療の質の向上に貢献することにつながります。

求められるフォローアップと連携

薬局・薬剤師によるフォローアップや医療機関との連携に関しては、必要性が以前からいわれており、調剤報酬においても、それらを要件に盛り込んだ点数が増える傾向にあります。

例えば、2020年度調剤報酬改定で新設された「調剤後薬剤管理指導加算」では、インスリン製剤やスルフォニル尿素系製剤(SU剤)を使用している糖尿病患者について、それらの薬剤の処方変更があった場合などで、電話などによって使用状況、副作用の有無などを確認するなど、必要な薬学的管理指導を実施し、医療機関に文書で情報提供した際に30点(月1回まで)が算定できます。

また、「特定薬剤管理指導加算2(100点、月1回まで)」では、連携充実加算を届け出ている医療機関で抗癌注射剤による治療を受けており、経口抗癌剤や制吐剤などの支持療法薬が処方されている患者に対して、レジメンなどを確認した上で、電話などにより服薬状況や副作用の有無などを確認し、その結果を踏まえ医療機関に必要な情報を文書で提供した場合に算定できます。

調剤報酬上も、次回受診までのフォローアップによって副作用を早期に発見したり、服薬アドヒアランスの向上を図ったり、さらに医療機関と連携していくことが、ますます求められていくといえるでしょう。

なお、改正薬機法・薬剤師法では、すべての薬局と薬剤師が個々の患者について薬学的な見地から必要性を検討し、フォローアップすることを義務づけています。これらの点数の算定対象となっていない患者についても、当然、フォローアップが必要であることは留意する点といえます。