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厚労省のデータヘルス改革に関する工程表が更新
2025年度までの各年度でのICT関係の取り組みが明確に 2021.08.02医療のICT化

厚生労働省(厚労省)は2021年6月4日、第8回データヘルス改革推進本部(本部長=厚生労働大臣)を持ち回りで開き、データヘルス改革に関する工程表の了承を得た。オンライン資格確認の本格展開が予定より半年遅れ、同年10月開始となる見込みであることなども踏まえて、従前の工程表を更新した。政府は、同年6月18日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針2021)において、データヘルス改革に関する工程表に則り、改革を着実に推進する、としている。

ポイント

  • 特定健診、薬剤情報が2021年10月からマイナポータルで閲覧可能に
  • 医療機関等で患者情報が閲覧できる仕組みは2021年10月以降に
  • 電子カルテなどの情報がマイナポータルで閲覧可能となるのは2024年度以降に

2021年6月4日開催の第8回データヘルス改革推進本部で工程表を更新

厚労省では2017年1月、第1回データヘルス改革推進本部を開き、世界で初めてとなる大規模な健康・医療・介護の分野を有機的に連結したICTインフラを2020年度から本格稼働させるとした。以後、同本部は年に2回程度開催されている。

2019年9月に開催した第6回データヘルス改革推進本部では、今後のデータヘルス改革の進め方について検討し、従前の工程表について2025年度まで拡大・延長するとともに、内容を更新した。また、2020年7月の第7回では、新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえて、新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プランとして、①全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大、②電子処方箋の仕組みの構築、③自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大――という3つのACTION(アクション)に絞ったうえで、2020年度から2022年度までの期間の工程表をまとめた。

2021年6月4日に開いた第8回データヘルス改革推進本部では、昨今の情勢、主要なプラットフォームとなるオンライン資格確認等システムの進捗状況などを踏まえて、第6回および第7回で取りまとめた工程表を更新した(以下、新工程表)。新工程表により、2025年度までのデータヘルス改革のスケジュールが明確になった。

新工程表の概要・要点は下表のとおりである。

データヘルス改革に関する工程表(2020年度~2025年度)の概要・要点

20年度 21年度 22年度
1.自身の保健医療情報を閲覧できる仕組みの整備
健診・健診情報
乳幼児健診・妊婦健診
特定健診
事業主健診(40 歳未満)
自治体検診(がん検診、骨粗鬆症検診、歯周疾患検診、肝炎ウイルス検診)
学校健診(私立等含む小中高大)
予防接種(定期接種)
安全・安心な民間PHR サービスの利活用の促進に向けた環境整備
より利便性の高い閲覧環境の在り方の検討
レセプト・処方箋情報
薬剤情報(レセプトに基づく過去の処方・調剤情報)
電子処方箋情報(リアルタイムの処方・調剤情報)
医療機関名等、手術・透析情報等、医学管理等情報
医療的ケア児等の医療情報
電子カルテ・介護情報等
検査結果情報
アレルギー情報
告知済傷病名
画像情報
介護情報
その他の情報
2.医療・介護分野での情報利活用の推進
医療機関等で患者情報が閲覧できる仕組み
医療機関間における情報共有を可能にするための電子カルテ情報等の標準化
介護事業所間における介護情報の共有並びに介護・医療間の情報共有を可能にするための標準化
自立支援・重度化防止等につながる科学的介護の推進
公衆衛生と地域医療の有機的連携体制の構築等
その他
3.ゲノム医療の推進
「全ゲノム解析等実行計画」
4.基盤の整備
審査支払機関改革(支払基金・国保連共通)
  1. 注:●は、2020年度または2021年度初めに開始されたもの。〇は、2021年度・2022年度に開始されるもの
    2023年度~2025年度は略
  2. 資料:厚生労働省「データヘルス改革に関する工程表について」(令和3年6月4日公表)

オンライン資格確認等システムは2021年10月までに本格運用の見込み

データヘルス改革の基盤となるのがオンライン資格確認等システムだが、同システムについては、これまでのデータヘルス改革の工程表(新工程表含む)において項目としては挙げられていない。その理由は、オンライン資格確認等システムは重要な情報基盤となるため、令和元年の通常国会で成立した「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」に基づいて構築されていて、いわば“別扱い”となっているためである。

オンライン資格確認等システムは、当初の予定では2021年の3月末から本格運用されることになっていた。しかし、それに必要な顔認証付きカードリーダーの普及の遅れ、保険者が登録した個人番号(マイナンバー)に誤りがあることなど、準備不足であることが判明し、急きょ、その本格運用は半年ほど延期されることとなった。同年6月現在ではプレ運用という形で、オンライン資格確認等システムが試行的に稼働している。

2021年6月25日に開催された第143回社会保障審議会医療保険部会で、厚労省が、オンライン資格確認等システムの現状について説明した。それによると、同年6月20日現在で、オンライン資格確認に必要な顔認証付きカードリーダーについては、約13万機関(全体約22.8万機関の57.1%)が申し込んでいる。うち、病院は約6,400(病院全体の77.6%)、薬局は約4.9万(薬局全体の81.6%)である。厚労省は当初、本格運用を始める時点での顔認証付きカードリーダーの申込率を60%と想定していたが、すでに薬局や病院はそれを大きく上回っている。

オンライン資格確認等システムのプレ運用は開始から約3カ月が経過し、2021年6月21日時点で、732施設(47都道府県)が参加している。内訳は、病院85、医科診療所225、歯科診療所211、薬局211である。その導入のメリットとして、初診の患者の資格の入力の手間が大幅に減った、即時に資格の有効性が確認できるので医療事務にとって手放せない機能になった、といった声が厚労省に寄せられている。また、保険者が登録した個人番号の誤りについては、すでに修正が行われているという。

すでにプレ運用を実施している732施設(前述)については、そのまま本格運用に移行することになっている。このように、オンライン資格確認等システムが令和3年10月までに本格運用が始まるのは、ほぼ間違いない。

自身の保健医療情報を閲覧できる仕組みは2021年10月から

新工程表の柱となっているのは、①自身の保健医療情報を閲覧できる仕組みの整備、②医療・介護分野での情報利活用の推進、③ゲノム医療の推進、④基盤の整備(審査支払機関改革)である。

 1番目の柱である「自身の保健医療情報を閲覧できる仕組みの整備」の項目は、「健診・検診情報」、「レセプト・処方箋情報」、「医療的ケア児等の医療情報」、「電子カルテ・介護情報等」に、大きく分かれる。また、それらにおいては、自身の情報を閲覧するためのポータルサイトとして、政府が運営するオンラインサービスであるマイナポータルを活用する。すでに、健診・検診情報のうちの乳幼児健診・妊婦健診、予防接種については、2020年度の段階でマイナポータルで閲覧ができるようになっている。オンライン資格確認等システムの本格運用が始まっていることが前提になるが、2021年10月からは、特定健診、薬剤情報(レセプトに基づく過去の情報)がマイナポータルで閲覧できるようになる。電子処方箋情報(リアルタイムの処方・調剤情報)、医療機関名、手術・透析、医学管理などの情報については、2022年の夏以降に、マイナポータルで閲覧ができるようになる。

また、電子カルテ・介護情報等についてはシステム要件の整備などが必要であり、マイナポータルで閲覧が可能となるのは2024年度以降になる。ただし、2021年度介護報酬改定に基づき、科学的介護情報システム(LIFE)への介護情報の収集とフィードバックに向けての取り組みが、始まっている。

「骨太の方針2021」でも、データヘルス改革の推進を明記

2番目の柱である「医療・介護分野での情報利活用の推進」の項目の一つに「医療機関等で患者情報が閲覧できる仕組み」がある。ここの「患者情報」とは、基本的に、患者本人がマイナポータルで閲覧可能な情報となる。つまり、患者本人の同意のうえで、医療機関等が、その情報を見せてもらうという仕組みである。そのため、仕組みとして機能するのは、2021年10月以降となる。

また、患者の意識がない緊急時・救急医療などにおいて、必要に応じて、その仕組みを活用して患者の医療情報を得ることなども、検討されている。

「自立支援・重度化防止等につながる科学的介護の推進」についても、前述のように2021年度からLIFEを用いた取組が始まっている。

3番目の柱である「ゲノム医療の推進」については、具体的には2019年12月20日に厚労省が策定した全ゲノム解析等実行計画(第1版)を着実に推進する内容である。ただし、同計画(第1版)の対象は、がん領域と難病領域に限られている。

4番目の柱である「基盤の整備」は、主として、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)と国民健康保険団体連合会(国保連)の改革を目的としたもので、2020年度から始まっている。それは、「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」(前述)により、審査支払機関の機能の強化のために改正された社会保険診療報酬支払基金法、国民健康保険法が、根拠となっている。その法改正で、支払基金と国保連の業務に、医療保険情報に係るデータ分析などが追加された。また、オンライン資格確認等システムの運営主体は支払基金と国民健康保険中央会(国保連の中央組織)であり、それらの組織はデータヘルス改革において極めて重要な役割を担っている。

なお、2021年6月18日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針2021)では、感染症を機に進める新たな仕組みの構築として、新工程表の主要な項目を挙げたうえで、「データヘルス改革に関する工程表に則り、改革を着実に推進する」としている。