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中医協が令和4年10月からの診療報酬改定について答申 看護職員等の処遇改善、マイナ保険証の普及およびオンライン資格確認等システムをさらに推進 2022.10.04健康・医療医療のICT化

中央社会保険医療協議会(中医協)は令和4年8月10日、同年10月1日からの診療報酬改定の具体的な内容について答申を行った。これは、コロナ対応の病院の看護職の給与を引き上げるため看護職員処遇改善評価料の新設、問題点が指摘されていた電子的保健医療情報活用加算を廃止し、医療情報・システム基盤整備体制充実加算を新設する、という内容である。また、厚生労働省(厚労省)は9月5日、それについての告示などを行うとともに、いわゆるQ&Aも公表した。

ポイント

  • 救急搬送件数が年間で200件以上などの病院で看護職員処遇改善評価料を算定
  • 電子的保健医療情報活用加算は廃止、医療情報・システム基盤整備体制充実加算を新設
  • マイナ保険証を使うほうが、それを使わないより負担は少なくなる
  • 令和5年4月からオンライン資格確認等システムの導入を原則として義務づける。紙レセプトでの請求が認められている保険医療機関・保険薬局は例外

地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関の看護職員等の処遇を改善

令和4年10月の診療報酬改定は、①地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員の処遇改善、②医療DXを推進し、医療機関等において診療情報を取得・活用し質の高い医療を実施する体制の評価――を目的に実施された。それらのうち①の実施については、すでに同3年12月の予算編成過程で決められていた。

一方、②については、令和4年8月の段階で実施が決まった。その経緯として、まず、令和4年度診療報酬改定で電子的保健医療情報活用加算が新設された。これは、例えば医科・歯科では、オンライン資格確認等システムを導入している医療機関において、保険証としてマイナンバーカード(以下、マイナ保険証)を利用する場合は初診7点・再診4点、利用しない場合は初診3点、という評価になっている。同システムを導入していない医療機関では、同加算はない。つまり、マイナ保険証を普及させなければならない状況において、それを使う患者の負担が最も大きくなる、という仕組となっている。そのような問題点があることがマスコミ等で取り上げられ、政府は同年6月7日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太方針2022)で、電子的保健医療情報活用加算の取扱いについては中医協において検討する、とした。ただし、この段階では、見直しの方向性については定まっていない。

医療機関の実情に応じてコメディカルも対象とした処遇改善も可能に

まず、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員の処遇改善については、すでに、政府が同3年11月19日に閣議決定した「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づき、厚労省の看護職員等処遇改善事業として同4年2月から、収入を1%程度引き上げるための措置が実施されてきた。その補助の対象となるのは、救急医療管理加算を算定していて救急搬送件数200件/年以上の医療機関、および三次救急を担う医療機関(救命救急センター)である。また、その補助による収入については、看護職員だけでなく看護補助者、理学療法士・作業療法士などのコメディカルの処遇改善に充てることができるよう、柔軟な運用が認められている。ただし、同事業は同4年9月で終了し、その後は診療報酬を財源として看護職員の処遇改善を行うことになっている。

そこで、令和4年10月からの中医協の基本的考え方は、すでに看護職員等処遇改善事業の対象となっている医療機関は同年10月からも、それに相当する新たな診療報酬が得られるようにする、というものとなった。

こうして、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、令和4年10月以降の収入を3%程度(月額平均12,000円相当)引き上げるため、看護職員処遇改善評価料1~165(1点~340点、1日につき)を新設した。加算の対象は、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術等基本料(日帰りの短期滞在手術等基本料1を除く)を算定している患者である。

施設基準は、①救急医療管理加算の届出を行っており、救急搬送件数が年間で200件以上、②救命救急センター、高度救命救急センター、小児救命救急センターを設置している――の、いずれかに該当することである。

看護職員処遇改善評価料を算定する医療機関では、その算定額に相当する賃金の引き上げを行わなければならない。また、従前の看護職員等処遇改善事業と同様に、その賃金の改善措置の対象については医療機関側の実情に応じて、看護補助者、理学療法士、作業療法士ほかコメディカルである職員も加えることができるなど、柔軟な運用が可能である。ただし、そのコメディカルには、例えば社会福祉士や公認心理師など医療・福祉関係の主要な国家資格に基づくものが含まれているが、薬剤師や一般の事務職員は対象外である。

看護職員等の賃上げ必要額に応じて看護職員処遇改善評価料は165区分に

 看護職員処遇改善評価料は、実際に看護職員等の賃上げに必要な額に対応し、165区分となっている診療報酬である。具体的には、次のように算出した数【A】に基づき、算定する(そこでの1.165という数字は社会保険負担率である)。

【A】=看護職員等の賃上げ必要額(当該保険医療機関の看護職員等の数×12,000円×1.165)÷(当該保険医療機関の延べ入院患者数×10円)

その【A】に基づき、下表において該当する区分を届け出たうえで、その区分に応じた看護職員処遇改善評価料を算定する。

看護職員処遇改善評価料の区分

【A】 看護職員処遇改善評価料の区分 点数
1.5未満 看護職員処遇改善評価料1 1点
1.5以上2.5未満 看護職員処遇改善評価料2 2点
2.5以上3.5未満 看護職員処遇改善評価料3 3点
3.5以上4.5未満 看護職員処遇改善評価料4 4点
4.5以上5.5未満 看護職員処遇改善評価料5 5点
5.5以上6.5未満 看護職員処遇改善評価料6 6点
144.5以上147.5未満 看護職員処遇改善評価料145 145点
147.5以上155.0未満 看護職員処遇改善評価料146 150点
155.0以上165.0未満 看護職員処遇改善評価料147 160点
335.0以上 看護職員処遇改善評価料165 340点
  1. 出典:令和4年度診療報酬改定の概要-看護における処遇改善

看護職員処遇改善評価料を算定する医療機関では、毎年3、6、9、12月に、その前の3カ月を期間とする「看護職員等の数」、「延べ入院患者数」に基づき、新たに上記算定式により【A】の算出を行う。また、区分に変化のある場合は届け出る。ただし、前回届け出た時点と比較して、対象となる3カ月の「看護職員等の数」、「延べ入院患者数」および【A】のいずれの変化も1割以内である場合は、区分の変更は行わない。

また、医療機関側では、毎年4月に「賃金改善計画書」を作成、毎年7月に前年度の取組状況を評価するための「賃金改善実績報告書」を作成し、それぞれ地方厚生局長等に提出・報告しなければならない。

薬局/調剤では別体系の医療情報・システム基盤整備体制充実加算を新設

令和4年10月からのもう1つの診療報酬改定は、医療DXを推進するため、医療機関等において診療情報を取得・活用し質の高い医療を実施する体制の評価として、初診料において医療情報・システム基盤整備体制充実加算1・2を新設することである。これにより、従前の電子的保健医療情報活用加算は廃止する。

新設された加算1・2の施設基準は以下の通り。

医療機関・薬局に求められること

  1. 【施設基準】
  1. 〇医療機関・薬局の見やすい場所およびホームページなどに、①および②を掲示していること
  2. ①オンライン資格確認を行う体制を有していること
  3. ②患者に対して薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して診療等を行うこと
  1. 【算定要件】
  1. 〇上記の体制を有していることについて、掲示するとともに、必要に応じて患者に対して説明すること

[新]医療情報・システム基盤整備体制充実加算

  1. 1 マイナ保険証を使わない患者に対して、施設基準を満たす医療機関で初診を行った場合、
    初診料に加算、4点(月1回限り)
    薬局(調剤)の場合は、3点(6カ月に1回限り) 
  1. 2 マイナ保険証を使用する患者に対して、オンライン資格確認等によりその診療情報などを取得した場合、
    初診料に加算、2点 (月1回限り)
    薬局(調剤)の場合は、1点(6カ月に1回限り)

医療情報・システム基盤整備体制充実加算1・2の新設により、マイナ保険証を使う患者の方がそれを使わない患者より自己負担が増えるといった問題点は、解消された。

また、今後、閲覧可能な情報が増えること等によって正確な情報をより効率的に取得・活用可能となり、さらなる医療の質の向上が期待される。

診療情報を取得・活用する効果(例)

  1. 医療機関
  1. ✓ 薬剤情報により、重複投薬を適切に避けられるほか、投薬内容から患者の病態を把握できる。
  2. ✓ 特定健診結果を診療上の判断や薬の選択等に生かすことができる。
  1. 薬局
  1. ✓ 薬剤情報により、重複投薬や相互作用の確認が可能になる。
  2. ✓ 特定検診の検査値を踏まえた処方内容の確認や服薬指導が可能になる。

令和5年4月からオンライン資格確認等システムの導入を原則として義務づける

中医協は令和4年8月10日、診療報酬改定と併せて、令和5年4月からオンライン資格確認等システムの導入を原則として義務づけるため、保険医療機関及び保険医療養担当規則(以下、療養担当規則)などの改正についても答申した。現在において紙レセプトでの請求が認められている保険医療機関・保険薬局(約1万機関、全体の4%程度)以外については、療養担当規則などに基づき、オンライン資格確認等システムの導入が義務化されることになる。

医療情報・システム基盤整備体制充実加算が新設されても、オンライン資格確認等システムを導入していない医療機関を受診した場合、患者にとっては最も負担が少なくてすむ、という状況は従前と変わらない。しかし、令和5年4月から、オンライン資格確認等システムの導入が原則として義務づけられるので、そのような状況も解消されることになる。

なお、令和5年4月1日から療養担当規則などを改正・施行するため、保険医療機関及び保険医療養担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部を改正する省令(厚生労働省令第124号)が令和4年9月5日に公布されている。