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薬局薬剤師に関するワーキンググループの「とりまとめ」を公表
対人業務の充実、対物業務の効率化、DX、地域での薬剤師の役割などで対策を示す 2022.09.13健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和4年7月11日、「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」の「とりまとめ」を公表した。「とりまとめ」のサブタイトルは「薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン」で、①対人業務の充実、②対物業務の効率化、③薬局薬剤師DX、④地域における薬剤師の役割について、具体的な対応の方向性(アクションプラン)を示している。

ポイント

  • 対人業務では、薬剤レビューの推進に向けた方策の検討を
  • 調剤業務の一部外部委託は「一包化」から始める
  • 薬局以外の場所で薬剤師によるオンライン服薬指導が可能となるように対応方針を示す

薬剤師が地域で活躍するための「アクションプラン」をとりまとめ

厚労省では令和2年7月、薬剤師に求められる役割が変化していることを踏まえて、「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」を設置し、薬剤師の需給、薬剤師の資質向上、今後の薬剤師のあり方などについて検討を開始した。同検討会では同3年6月、それらの課題について「とりまとめ」を行い、薬局薬剤師に関する課題が明らかになった。それらの課題について検討を加えるため、同4年2月に、下部組織として「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」(以下、ワーキンググループ)を設置した。

ワーキンググループでは7回の会合を開き、令和4年7月11日に「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ とりまとめ」(以下、「とりまとめ」)を公表した。そのサブタイトルは「薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン」で、―構成(目次)は下表のとおりである。

ワーキンググループ「とりまとめ」の構成/目次

  1. 第1 はじめに
  2. 第2 薬剤師や薬局をめぐる状況と課題
  3. 1.現状
  4. 2.患者のための薬局ビジョンへの対応状況
  5. 3.薬局薬剤師DX
  6. 第3 基本的な考え方
  7. 1.対人業務の更なる充実
  8. 2.ICT化への対応
  9. 3.地域における役割
  10. 第4 具体的な対策
  11. 1.対人業務の充実
  12. (1)推進すべき対人業務
  13. (2)対人業務に必要なスキル習得
  14. (3)均てん化に向けた取組
  15. 2.対物業務の効率化
  16. (1)調剤業務の一部外部委託
  17. (2)処方箋の40枚規制(薬剤師員数の基準)
  18. (3)その他業務の効率化
  19. 3.薬局薬剤師DX
  20. (1)デジタルに係る知識・技術の習得
  21. (2)薬局薬剤師DXに向けた活用事例の共有
  22. (3)オンライン服薬指導
  23. (4)調剤後のフォローアップ
  24. (5)データ連携基盤
  25. (6)薬歴の活用等
  26. (7)薬局内・薬局間情報連携のための標準的データ交換形式
  27. (8)その他
  28. 4.地域における薬剤師の役割
  29. (1)他職種及び病院薬剤師との連携
  30. (2)健康サポート機能の推進
  31. (3)地域の実情に応じた薬剤師サービス等の提供体制の検討
  32. (4)その他
  33. 第5 その他
  34. 1.地域の薬剤師会の活動
  35. 2.診療報酬に関連する対応
  36. 第6 おわりに

「患者のための薬局ビジョン」での目標を達成しているとは言い難い状況

「とりまとめ」では、まず、薬剤師や薬局の現状と課題について、次のように分析している。

国内には現在、約6.1万の薬局があり、約19万人の薬剤師が従事している。また、病院は約5.6万人、診療所には約0.6万人の薬剤師が、それぞれ従事している。

現在の薬局は、店舗当たりの薬剤師数が1~2人程度の小規模な薬局が多い。立地で見ると、いわゆる門前薬局が多い。また、多店舗を経営する薬局が増える傾向にある。

厚労省が平成27年に作成した「患者のための薬局ビジョン(以下、薬局ビジョン)」では「かかりつけ薬剤師・薬局」を普及させることで、対人業務の強化、医療機関等との地域連携を実現する、としている。また、「薬局ビジョン」では「2025年までに、すべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指す」という目標を掲げている。しかし、受診する医療機関に応じて異なる薬局を利用する患者が一定程度存在すること、および薬剤師の対人業務としての医師への情報提供や在宅業務が十分になされていないなど、薬局全体としては「薬局ビジョン」での目標を達成しているとは言い難い状況にある。

薬局薬剤師DXに関しては、国が主導する形で電子処方箋システムをはじめとする医療情報基盤が整いつつある。患者の日常的な医療情報については今後、従来の情報に加えて、ウェアラブル端末等から得られる情報が増加することが予想される。特に、令和5年1月に導入が予定されている電子処方箋の制度は、リアルタイムで処方・調剤の情報が閲覧できるようになるため、薬局薬剤師の役割を大きく変えるものと考えられている。また、オンライン診療、オンライン服薬指導などの普及が進む中で、薬局薬剤師においてもデジタル技術への対応は必須となる。さらに、デジタル技術を生かして、患者・国民へのサービスの質の向上、利便性の向上を図る取組も求められている。

そのような現状と課題を踏まえて、「とりまとめ」では、①対人業務の充実、②対物業務の効率化、③薬局薬剤師DX(デジタル・トランスフォーメーション)、④地域における薬剤師の役割――について、具体的な対応の内容を示した。

「対人業務の充実」:調剤後のフォローアップの強化、薬剤レビューほか

推進すべき対人業務として、①調剤後のフォローアップの強化、②医療計画における5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)患者への対応、③薬剤レビューの推進、④リフィル処方箋への対応、などを挙げている。

それらのうち、薬剤レビューについて「とりまとめ」では、患者固有の情報を収集し(ASK)、薬物治療に関連する問題を分析および特定し(ASSESS)、医師や患者等に情報を伝達する(ADVISE)、体系的なプロセス、と説明している。これは、患者にとって必要な医薬品を検討し、それらの有効性・安全性を最大限に高め、患者の健康状態を改善することにつながる。そのため、厚労省および日本薬剤師会等は薬剤レビューの推進に向けた方策を積極的に検討すべきである、としている。

「対物業務の効率化」:調剤業務の一部外部委託は同一の三次医療圏内の薬局に

「対物業務の効率化」の具体的な対策として中心をなすのは、調剤業務の一部外部委託である。これは、政府が令和4年6月7日に閣議決定した規制改革実施計画での提案に基づいて、ワーキンググループが具体的に検討したもので、次のような対応方針を示した。

調剤業務の一部外部委託の対象となる業務の範囲は当面の間、一包化(直ちに必要とするものを除く)とする。ただし、委託元の薬局で最終監査を行うことが困難である散剤の一包化は対象外とする。

委託先は薬局とし、同一法人内に限定しない。また、一定の距離制限を設けつつ、各地域で外部委託が利用できるようにするという観点から、委託先は当面の間、同一の三次医療圏内(都府県を単位とする区域、北海道は6区域)とする。

安全性の確保等の基準では、①委託元および委託先が手順書の整備や教育訓練を行うこと、②適切な情報連携体制を構築・維持できること、③委託元の指示や委託先での作業が確認できる記録を残すこと、④最終監査は委託元の薬局が実施すること、などを考慮する。

「とりまとめ」では、厚労省はそれらの考え方等を踏まえ、具体的な内容について引き続き検討を進めるべきである、としている。

「薬局薬剤師DX」:オンライン服薬指導など進める

薬局薬剤師DXの実現に向けて、デジタルに係る知識・技術の習得、活用事例の共有、オンライン服薬指導、調剤後のフォローアップ、薬歴の活用などの取り組みを進める。

それらのうち、オンライン服薬指導に関しては、規制改革実施計画(前述)において、「厚生労働省は、薬剤師の働き方改革等の観点を踏まえ、薬局に所属する薬剤師による薬局以外の場所(薬剤師の自宅等)におけるオンライン服薬指導について、実施可能な薬剤師や患者及び対象薬剤等を限定せず、薬剤師自身が実施可能と判断する場合には実施できることとする」と、方向性が示された。

それを踏まえて、ワーキンググループでは、薬局以外の場所で薬剤師がオンライン服薬指導を行う場合の対応方針について、次のようにまとめた。

  1. ①薬剤師は、薬局内にいる場合と同等程度に、患者の心身の状態に関する情報を得られる体制を確保する。患者のプライバシー確保の観点から公衆の場で行うべきでない。騒音や劣悪なネットワーク環境など、適切な判断を害する場所で行うべきではない。
  2. ②オンライン診療と同様に、セキュリティおよび患者のプライバシーを確保する観点から、厚労省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守すべき旨も明示する。
  3. ③オンライン服薬指導を薬局以外の場所で行う薬剤師は、調剤が行われる薬局に所属し労務を提供している薬剤師とする。

「とりまとめ」では、関連通知の改正においては上記①②③を盛り込む、としている。

併せて、対面の服薬指導を優先すべき場合も例示した。例えば、急性期かつ重症度が高い疾患、副作用が強い薬剤、吸入薬やインスリン自己注射等のデバイスの説明が必要な場合などが、それにあたる。

「地域における薬剤師の役割」:薬局間連携を推進するためには「まとめ役」となる薬局が必要

「地域における薬剤師の役割」としては、①他職種および病院薬剤師との連携、②健康サポート機能の推進、③地域の実情に応じた薬剤師サービス等の提供体制などについて、具体的な対策を示した。

それらのうち、地域の実情に応じた薬剤師サービス等の提供体制に関して、地域における薬局間連携を推進するためには「まとめ役となる薬局の存在が必要である」と指摘。それについて、新たな薬局の区分の創設は避けることを前提としたうえで、薬機法で規定する地域連携薬局の役割に、他の薬局に対して利用者の薬剤等の使用情報を報告・連携できる体制など「薬局間の連携」が含まれていることに着目した。

また、地域のまとめ役として地域連携薬局を活用する場合について、「とりまとめ」では、地域連携薬局の要件の拡充または地域連携薬局の発展型(機能強化型)として検討を進める方向とする、としている。

なお、厚労省は令和4年7月13日、今回の「とりまとめ」を親会議である「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」に報告した。