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難病と小児慢性特定疾病で委員会を合同開催
令和3年7月の「意見書」を踏まえた見直し案を基本的に了承 2022.09.13健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和4年7月27日、第69回難病対策委員会・第51回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会を合同で開催し、その両委員会が令和3年7月にまとめた「難病・小慢対策の見直しに関する意見書」を踏まえた見直し案を提出し、円滑に医療費助成が受けられる仕組みなどが基本的に了承された。指定難病や小児慢性特定疾病の医療費は、現行制度では申請日からが助成の対象となるが、それを前倒しして重症化時点からとする。

ポイント

  • 円滑に医療費助成が受けられる仕組みを導入、医療費支給を重症化時点に前倒し
  • 医療費支給の前倒しの期間の上限は最大3カ月
  • 医療費助成の申請をしない患者の登録の仕組みを導入

難病・小慢合同委員会が令和3年7月に「意見書」

小児慢性特定疾病から指定難病への患者(患児)のスムーズな移行が求められていることなどを踏まえて、厚労省は近年、厚生科学審議会疾病対策部会の難病対策委員会・社会保障審議会児童部会合同で「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」を開催している(以下、難病・小慢合同委員会)。難病・小慢合同委員会では令和3年7月、「難病・小慢対策の見直しに関する意見書」をとりまとめた。そこでの意見の中心となっているのが、円滑に医療費助成が受けられる仕組みの導入である。同意見書では、それについて次のような趣旨の提案をしている。

助成対象となるすべての患者について、助成対象となる状態になった時点で、速やかに助成が受けられるよう、前倒し期間に上限を設けつつも、助成開始の時期を申請時点から重症化時点に前倒しすることが適当である。具体的には、申請日から1カ月前までを限度とすることが考えられるが、病状や指定医の状況によっては難しい場合があり得ることも踏まえて設定されるべきである。

指定難病の軽症高額該当も医療費支給の前倒しの対象に

厚労省は令和4年7月27日に開催した難病・小慢合同委員会で、円滑に医療費助成が受けられる仕組みについて、次のような基本的な考え方と見直し案を示した。

  1. ①前倒しの対象は、軽症高額該当も含め、医療費助成の対象となるすべての患者とする。その軽症高額該当とは、指定難病における特定医療費(助成する医療費)の支給認定の要件である重症度分類等を満たさないものの、月ごとの医療費総額が33,330円を超える月が年間3月以上ある患者については支給認定を行う、という制度である。
  2. ②医療費助成の開始は、現行制度では「申請日」とされているが、それを前倒しして、重症化時点(認定基準を満たすとして指定医が診断した日)からとする。この前倒しの上限は、原則1カ月とする。これは、99%の医師がおおむね1カ月で臨床調査個人票および医療意見書(以下、臨個票等)の作成を完了していることを踏まえてのものである。ただし、患者の病状などによっては、医療機関から臨個票等を交付されてもすぐに申請できない場合もあることが考えられるため、前倒しの期間の上限は最大3カ月とする。

また、厚労省は、その医療費助成の見直しについて、下図のようなイメージを示した。

医療費助成の見直しのイメージ

  1.  出典:難病・小慢合同委員会(令和4年7月27日開催)資料1(一部改変)

前倒しの部分は償還払いとなるので一定の上限を設ける

厚労省によるそれらの提案について、患者の立場の委員から、医師が臨個票等を1カ月で書き上げても、それが医療機関から患者の手に渡るのに2~3カ月かかるので、「原則1カ月」というのは無理がある、という趣旨の意見が出た。

それに対して、厚労省側が「個別の事情がある場合は3カ月を上限とするなど、円滑な対応を考えたい」と答弁。ただし、前倒しの部分は償還払いとなるので、一定の上限を設けるなど、自治体側の事務作業にも配慮したい、と考えを示した。

その答弁に対して、自治体の立場の委員から「上限を3カ月とするのは、どのような人なのか。事務を担う者がわかるように、事例を示していただきたい」と、要望が出た。

それらの意見・要望を踏まえて、厚労省側が「Q&Aを作るなど、工夫したい」と答えた。

また、難病・小慢合同委員会の委員長からは「制度改正の周知・徹底が必要である」との指摘も出た。

登録者証(仮称)を発行、各種支援を円滑に利用できるように

「難病・小慢対策の見直しに関する意見書」では、医療費助成の申請をしない患者についてもデータを登録できる仕組みを設ける、としている。これについて、厚労省が次のような趣旨の提案をした。

  1. ①登録項目は、将来的に医療費助成を申請する可能性を考慮し、データの経年比較等の観点から、医療費助成を受ける患者と同様とする。
  2. ②登録者証(仮称)を発行する。この目的は、治療研究の推進、地域における各種支援を円滑に利用できるようにするための環境整備等である。
  3. ③登録の対象は、難病の場合は医療費助成を受けている者(登録者証の有効期限は原則1年)、重症度分類に関して医療費助成の不支給決定を受けた者(同有効期限なし)、軽症のため医療費助成の申請に至らない者(同有効期限なし)。また、小児慢性特定疾病の場合は医療費助成を受けている者(登録者証の有効期限は原則1年)とする。

この提案について、患者の立場の委員から「小児慢性特定疾病から指定難病に移行する際、病名が変わる場合がある。慣れ親しんだ小児慢性特定疾病の病名を登録者証に書くことはできないか」との要望が出た。

また、別の委員からは「登録したデータが利活用され、患者に還元されることが重要である」との発言があった。

そのデータを利用するルールについて、厚労省は、すでに利活用されているNDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)並みを考えている、と説明した。

今後は難病法の改正の準備へ

厚労省が今回提案した見直し案、円滑に医療費助成が受けられる仕組みなどについて、難病・小慢合同委員会では基本的に了承し、修正などは委員長に一任した。

また、同委員長は、厚労省に対して「所要の法的な手当をお願いしたい」と、指示をした。

それらを踏まえて、同合同委員会の閉会に当たり、厚労省の担当者が「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)は来年(令和5年)1月で施行から8年になるので、今後は法改正に向けて努力したい」と述べた。