ログイン・会員登録

会員の方

ID・パスワードをお持ちの方は、
こちらからログインください。

パスワードをお忘れの方はこちら

認証キーの承認をされる方はこちら

2016年1月より会員IDがメールアドレスに統一されました。

会員登録されていない方

会員限定コンテンツのご利用には、会員登録が必要です。

新規会員登録

50秒でわかる
Takeda Medical site

サイトマップお問合わせ

  • 新規会員登録
  • ログイン

令和3年社会医療診療行為別統計の概況を公表
入院・外来・薬局でコロナ下の2年目の動向が異なる 2022.08.01健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和4年6月22日、令和3年社会医療診療行為別統計の概況を公表した。それによると、令和3年6月におけるレセプト件数は前年同月比で16.5%増加となったが、令和2年6月は新型コロナウイルス感染症の影響で前年比約19%減となっており、同感染症の流行前の令和元年の水準には戻っていない。また、レセプト点数においても、同様の傾向がみられている。

ポイント

  • レセプトの件数は16.5%増だが、新型コロナ流行前の水準には戻らず
  • DPC対象病院1日当たり点数は包括評価部分が56%、手術等が27%
  • レセプト1件での使用薬剤は、院内処方で3.27種類、院外処方で3.69種類

令和3年6月審査分のレセプトを集計・分析

  1. 〇社会医療診療行為別統計の目的
    医療保険制度における診療行為の内容、傷病の状況、調剤行為の内容、薬剤の使用状況などを明らかにし、医療保険行政に必要な基礎資料を得ること
  2. 〇令和3年同統計の対象と概要
    全国の保険医療機関および保険薬局から提出され同年6月審査分として審査決定された診療報酬明細書と調剤報酬明細書(以下、レセプト)のうち、「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(通称「NDB」)に蓄積されているものすべてを集計し、診療行為・調剤行為の状況、薬剤の使用状況などについてまとめたものである。医科診療については、①一般医療・後期医療・年齢階級別にみた診療行為の状況、②病院-診療所別にみた診療行為の状況、③DPC/PDPSでの診療行為について、詳しいデータが出ている。また、新型コロナウイルス感染症の流行の1年目である令和2年の同統計と比較することで、同感染症による影響の変化を把握することができる。令和3年度は診療報酬(本体)改定はないものの、薬価の「毎年改定」(いわゆる中間年改定)として、乖離率5.0%を超える品目を対象として薬価の引き下げが行われており、薬剤料などはその影響を受けることになる。

コロナ下2年目で外来の診療密度に変化なし

令和3年6月分(以下、令和3年)として実際に集計したレセプトの件数は、医科79,149,849件、歯科18,109,591件、保険薬局50,966,149件となっている。この総件数は令和2年6月分(以下、令和2年)と比較して16.5%増えているが、この令和2年の前年比は19.3%減である。したがって、レセプトの件数でみた場合、令和3年は、新型コロナウイルス感染症が流行する前の令和元年の水準までには戻っていない。

医科に限ってみると、令和3年の入院については、レセプト1件当たり点数は58,233.9点(前年比2.0%増)、1日当たり点数(いわゆる患者単価)は 3,710.2点(同 7.6%増)と一定程度増加している。それらから、コロナ下の2年目において、入院においては重症例の割合が増えていることが推測できる。

一方、入院外(外来・在宅)については、1件当たり点数は 1,455.0点(前年比0.7%増)、1日当たり点数(いわゆる患者単価)は987.8点(同 0.9%増)と、わずかの増加にとどまっている。コロナ下の2年目において外来の診療密度に大きな変化はなかった、とみることができる。(下表)

社会医療診療行為別統計の集計対象のレセプト件数等の推移(対前年増減率)
(単位:%、各年6月審査分)

件数
総数 医科 歯科 薬局調剤
入院 入院外
平成29年 (2017) 3.8 3.2 3.2 4.4 4.4
30 (' 18) 0.6 0.1 0.2 1.7 1.0
令和元年 (' 19) △0.1 △0.9 △0.7 2.7 △0.1
2(' 20) △19.3 △16.2 △20.0 △23.6 △17.0
3(' 21) 16.5 7.9 16.3 28.2 13.5
点数
総数 医科 歯科 薬局調剤
入院 入院外
平成29年 (2017) 5.4 5.3 4.9 4.9 6.6
30 (' 18) 0.9 2.2 1.5 2.0 △3.4
令和元年 (' 19) 0.8 1.3 0.6 △1.3 1.1
2(' 20) △13.1 △11.8 △16.1 △15.5 △8.9
3(' 21) 12.6 10.1 17.1 22.9 5.7
1件当たり点数
総数 医科 歯科 薬局調剤
入院 入院外
平成29年 (2017) 1.6 2.0 1.7 0.6 2.1
30 (' 18) 0.2 2.1 1.3 0.3 △4.3
令和元年 (' 19) 1.0 2.2 1.3 △3.9 1.3
2(' 20) 7.8 5.3 4.9 10.7 9.7
3(' 21) △3.4 2.0 0.7 △4.2 △6.8
1日当たり点数(薬局調剤は受付1回当たり点数)
総数 医科 歯科 薬局調剤
入院 入院外
平成29年 (2017) 1.4 3.7 1.1 0.7 1.3
30 (' 18) 1.4 2.7 2.5 2.2 △3.5
令和元年 (' 19) 3.7 1.1 4.5 0.9 3.8
2(' 20) 7.6 △2.3 7.0 7.3 12.0
3(' 21) △1.0 7.6 0.9 2.7 △6.8
  1. 出典:厚生労働省「令和3(2021)年社会医療診療行為別統計」

外来への通院頻度は新型コロナ流行前の水準に戻っていない

医科の入院の診療行為の状況について、診療行為別で1日当たり点数(いわゆる患者単価)をみると、最も高いのは「入院料等」で1,372.1点(構成割合37.0%)。以下、DPC制度での包括部分に相当する「診断群分類による包括評価等」1,093.4点(同 29.5%)、「手術」641.0点(同 17.3%)などとなっている。

また、医科の入院外における1日当たり点数(いわゆる患者単価)をみると、「検査」が最も高く186.9点(構成割合18.9%)。以下、「初・再診」132.4点(同13.4%)、「投薬」130.0 点(同13.2%)などとなっている。1件当たり日数は1.47日で、前年(1.48日)と比べてわずかに減少していて、前年(令和2年)ではその前年(令和元年)と比べて 0.03日減少している。したがって、令和3年の外来への通院の頻度は新型コロナウイルス感染症流行前の水準には戻っていない、とみることができる。

DPC対象病院、非DPC対象病院それぞれで在院日数が減少傾向

医科の入院における1件当たり点数は、DPC/PDPSに係る明細書(DPC対象病院)が67,190.9点(前年比0.8%増)、DPC/PDPSに係る明細書以外(DPC対象病院以外)が50,830.6点(同1.9%増)となっている。また、1日当たり点数(いわゆる患者単価)は、DPC/PDPSに係る明細書6,640.7点(同6.4%増)、DPC/PDPSに係る明細書以外2,503.3点(同5.2%増)。このように、DPC対象病院、DPC対象外の病院それぞれにおいて、令和3年は診療密度が高くなっている。

DPC対象病院の診療行為別1日当たり点数の構成割合をみると、「診断群分類による包括評価等」が56.4%で過半数を占め、以下、手術等27.2%、入院料等5.1%、麻酔3.4%、リハビリテーション3.1%などとなっている。DPC対象病院以外では「入院料等」が71.8%と大半を占め、以下、リハビリテーション8.5%、手術6.5%と続く。

また、1件当たり日数は、DPC対象病院が10.12日(前年比0.56日減)、DPC対象病院以外が20.31日(同0.65日減)となっている。コロナ下の1年目は患者の入院日数が増加傾向を示したが、それがコロナ下の2年目では減少傾向を示している。

薬局調剤の1件当たり点数は前年比6.8%減に

薬局調剤の1件当たり点数は1,099.5点(前年比6.8%減)、受付1回当たり点数は928.9 点(同 6.8%減)となっている。それらについては、医科では増加傾向を示しているが(前述)、薬局では減少した。

受付1回当たり点数は928.9点(前年比6.8%減)で、これを調剤行為別にみると、「薬剤料」が676.4点(構成割合72.8%)で最も高い。次いで、「調剤技術料」200.8点(同21.6%)、「薬学管理料」49.8点(同5.4%)となっている。厚労省が策定している「患者のための薬局ビジョン」では「対物業務から対人業務へ」という方向性が打ち出されているが、その点数でみる限り、対物業務にほぼ相当する「調剤技術料」は、対人業務にほぼ相当する「薬学管理料」の約4倍になっている。

使用薬剤「7種類以上」の割合は、院内処方で10.5%、院外処方で14.0%

薬剤の使用に関して薬剤点数の状況をみると、医科(入院外)および調剤のレセプト1件における薬剤点数は「500点未満」が最も多く、院内処方(入院外・投薬)で71.7%、院外処方(調剤薬局)で64.1%を占めている。

レセプト1件における使用薬剤の種類数をみると、院内処方は3.27種類で、院外処方は3.69種類。また、いわゆるポリファーマシーの目安となる「7種類以上」の割合は、院内処方で10.5%、院外処方で14.0%となっている。

薬効分類別で使用薬剤の薬剤点数について、入院、入院外、院外処方別でみると、入院では腫瘍用薬が最も多く28.1%、次いで中枢神経系用薬13.6%、生物学的製剤11.5%となっている。院内処方では腫瘍用薬が22.8%で最も多く、次いで「その他の代謝性医薬品16.0%、循環器官用薬9.0%。また、院外処方では「その他の代謝性医薬品」が16.8%で最も多く、次いで循環器官用薬14.2%、中枢神経系用薬12.8%となっている。

なお、後発医薬品の使用状況として、薬剤種類数に占める後発医薬品の種類数をみると、院内処方(入院外・投薬)では 67.0%(前年比1.5ポイント増)、院外処方(薬局調剤)では 80.4%(同 2.2ポイント増)と増加の傾向を示しているが、特にそれ以降は後発医薬品の供給不足が指摘されるようになっており、今後の推移が注目される。