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新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償について通知
罹患後症状についても労災として扱うことを明記 2022.07.01健康・医療

厚生労働省(厚労省)労働基準局補償課長は令和4年5月12日、都道府県労働基準局に対して、「新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について」の通知を発出した。同通知では、新型コロナウイルス感染症に係る罹患後症状(いわゆる後遺症)についても労災として扱うとしたうえで、具体的な対応などについて説明している。

ポイント

  • 代表的な罹患後症状として、疲労感・倦怠感、咳、記憶障害、嗅覚障害ほか
  • 厚労省『罹患後症状のマネジメント』に記載の症状の療養は療養補償給付の対象に
  • 休業の必要性を医師が認めれば休業補償給付の対象に

新型コロナは労災としての死亡者・死傷者増加の大きな要因に

新型コロナウイルス感染症の流行が始まったことを踏まえて、厚労省は令和2年4月28日、都道府県労働基準局に対して、同ウイルスに感染し、それが業務に起因して感染したものと認められる場合には労災補償(労災保険給付)の対象となることを、通知している。患者の診療・看護の業務に従事する医師や看護師、介護の業務等に従事する者が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかな場合を除いて、原則として労災保険給付の対象となる。

厚労省によると、令和3年の労働災害(労災)による死亡者数は867人(前年比8.1%増)で、4年ぶりの増加。また、休業4日以上の死傷者数は14万9,918人(前年比14.3%増)で、平成10年以降で最多となった。それらのうち、新型コロナウイルス感染症の罹患による死亡者数は89人(前年比394.4%増)、死傷者数は1万9,332人(前年比220.0%増)で、それぞれ前年に比べ大幅に増加している。新型コロナウイルス感染症は、労災としての死亡者数、死傷者数を押し上げる大きな要因となっているわけである。

『罹患後症状のマネジメント(第1版)』を踏まえて通知

これまでも厚労省では、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状についても労災保険給付の対象となるとしてきたが、その基準については必ずしも明確でなかった。しかし令和4年4月、厚生労働行政推進調査事業費補助金「一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応に関する研究」として、『新型コロナウイルス感染症診療の手引き』の別冊として『罹患後症状のマネジメント(第1版)』が取りまとめられた。また同省は6月17日、それについて小規模の改訂を行った第1.1版を公表し、同日時点で公表されているのは同第1.1版だけとなっている(以下、同第1版・第1.1版を総称して『罹患後症状のマネジメント』)。

『罹患後症状のマネジメント』の構成は下表のとおりである。

『罹患後症状のマネジメント(第1.1版)』の構成

  1. はじめに
  2. ・本手引きの目的と限界
  3. ・本手引きの対象
  4. ・COVID-19後の症状の定義
  5. ・略語
  6. 1 罹患後症状
  7. 2 罹患後症状を訴える患者へのアプローチ
  8. 3 呼吸器症状へのアプローチ
  9. 4 循環器症状へのアプローチ
  10. 5 嗅覚・味覚症状へのアプローチ
  11. 6 神経症状へのアプローチ
  12. 7 精神症状へのアプローチ
  13. 8 “ 痛み ” へのアプローチ
  14. 9 皮膚症状 へのアプローチ
  15. 10 小児へのアプローチ
  16. 11 罹患後症状に対するリハビリテーション
  17. 12 罹患後症状と産業医学的アプローチ

『罹患後症状のマネジメント』で「罹患後症状」を例示

新型コロナウイルス感染症では感染性が消失した後であっても、呼吸器、循環器、神経、精神などに係る症状が見られる場合がある。それらについてWHOの定義を踏まえて『罹患後症状のマネジメント』では「罹患後症状」と表現している。

また、『罹患後症状のマネジメント』では、〇疲労感・倦怠感 〇関節痛 〇筋肉痛 〇咳 〇喀痰 〇息切れ 〇胸痛 〇脱毛 〇記憶障害 〇集中力低下 〇不眠 〇頭痛 〇抑うつ 〇嗅覚障害 〇味覚障害 〇動悸 〇下痢 〇腹痛 〇睡眠障害 〇筋力低下、を代表的な罹患後症状として例示している。

症状固定で後遺障害が残存する場合は障害補償給付の対象に

『罹患後症状のマネジメント』が取りまとめられたことを踏まえて、厚労省労働基準局補償課長が同年5月12日、都道府県労働基準局に対して「新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について」の通知(以下、通知)を発出。新型コロナウイルス感染症に係る罹患後症状の労災補償における取扱いを具体的に示した。

通知では基本的な考え方として、罹患後症状については、業務により新型コロナウイルスに感染した後の症状で療養等が必要と認められる場合は労災保険給付の対象となる、と明記した。労災保険給付の種類としては療養補償給付、休業補償給付、傷病(補償)年金、障害補償給付ほかがあるが、ここでは主として療養補償給付が想定される。

その具体的な取り扱いとして、医師により療養が必要と認められる、次の3つの場合については新型コロナウイルス感染症の罹患後症状として療養補償給付の対象となる、とした。

  1. ①『罹患後症状のマネジメント』に記載されている症状に対する療養(感染後ある程度期間を経過してから出現した症状も含む)
  2. ②上記①の症状以外で新型コロナウイルス感染症により新たに発症した傷病(精神障害も含む)に対する療養
  3. ③新型コロナウイルス感染症の合併症と認められる傷病に対する療養

また、罹患後症状により休業の必要性が医師により認められる場合は、休業補償給付の対象となる。

なお、通知では、罹患後症状に対して十分な治療を行っても症状の改善の見込みがなく、症状固定と判断され後遺障害が残存する場合は、療養補償給付等は終了し、障害補償給付の対象となる、としている。