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「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン」、「医療機関の医師の労働時間短縮の取組に関するガイドライン(評価項目と評価基準)」を公表
令和6年4月から勤務医の時間外労働の規制が始まることに対応 2022.06.01健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和4年4月1日、労働基準法に基づいて令和6年4月から勤務医の時間外労働の規制が始まることを踏まえて、「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン 第1版」(以下、計画作成ガイドライン)、「医療機関の医師の労働時間短縮の取組の評価に関するガイドライン(評価項目と評価基準)第1版」(以下、評価ガイドライン)を策定、公表した。医師の働き方改革、労働時間の短縮を計画的に進めていくうえでは、まず医師労働時間短縮計画(以下、時短計画)を作成することが重要であり、計画作成ガイドラインは、時短計画での記載事項や作成の流れなどについてまとめたもの。また、評価ガイドラインについては、医療法に基づく医療機関勤務環境評価センター(以下、評価センター)が医療機関での労働時間短縮の取組の評価をする際に必要な視点と実施内容についてまとめたものである。

ポイント

  • 医師を含む各職種が参加する合議体で議論して医師労働時間短縮計画を作成
  • 医師労働時間短縮計画の記載は共通と任意の事項がある
  • 評価ガイドラインは労働時間短縮に向けての体制・取組・結果について評価

B水準・連携B水準・C水準の指定を受ける医療機関は評価センター受審が必須

医師の働き方改革として令和6年4月1日から始まる時間外労働の規制の大枠は、次のようなものである。

医師の時間外・休日労働の上限について、いわゆる36協定上の上限、36協定によっても超えられない上限は、原則年960時間(A水準)・月100時間未満(例外あり)とする。そのうえで、地域の医療提供体制を確保するために暫定的に認められる水準(B水準・連携B水準)、研修医あるいは専攻医などに集中的に技能を向上させるために必要な水準(C水準)として、上限時間数を年1,860時間・月100時間未満(例外あり)とする。また、B水準・連携B水準については令和17年度末までに廃止し、A水準にまで持っていくという方向で、取り組む

計画作成ガイドラインでは「はじめに」において、医師の労働時間の短縮を計画的に進めていく上では、まずは時短計画を作成し、それに沿って医療機関の管理者のリーダーシップのもと、医療機関全体として医師の働き方改革を進めていくことが重要である、としている。その時短計画には、①労働時間の短縮に関する目標、②実績、③労働時間短縮に向けた取組状況を記載。それらに基づいてPDCAサイクルを回し、毎年自己評価を行うようにする。

令和6年3月末までの間で実際に時短計画(案)を作成する必要があるのは、B水準・連携B水準・C水準の指定を受ける予定の医療機関である。これらの医療機関は評価センターによる第三者評価を受ける必要があり、それを踏まえて都道府県がB水準・連携B水準・C水準の指定を行う。そのため、第三者評価を受ける前に、令和6年度以降の時短計画(案)を作成しておかなければならない。また、B水準・連携B水準・C水準の指定を受ける予定がない医療機関であっても、年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える医師が勤務する医療機関については、令和5年度末までの時短計画を作成することが努力義務とされている。

令和6年度以降の時短計画の計画期間は最長5年

時間外労働規制が始まる前の令和6年3月末までの時短計画の計画期間は、開始時期(計画始期)は任意の日、終了する時期(計画終期)は令和6年3月末日とする。ただし、労働時間短縮にできる限り早く着手する必要があり、計画始期についてもできる限り早くする。

時間外労働規制が始まる令和6年度以降の時短計画の計画期間については、計画始期が令和6年4月1日、計画終期が始期から5年を超えない範囲内での任意の日、とする。

時短計画の作成単位は医療機関(全体)を原則とし、対象職種は医師のみとする。また、長時間労働が恒常的となっている診療科に限定し、診療科単位で時短計画を作成することも可能、としている。

その時短計画を作るための計画作成ガイドラインの構成は、下表のとおりである。

医師労働時間短縮計画作成ガイドライン(第1版)の構成

  1. 1 概要
  2. 2 作成対象医療機関
  3. 3 計画期間
  4. 4 計画の対象医師
  5. 5 作成の流れ
  6. (1) PDCAサイクル
  7. (2) 都道府県との関係について
  8. (3) 公表について
  9. (4) 計画の見直しについて
  10. 6 記載事項
  11. 6-1 労働時間と組織管理(共通記載事項)
  12. (1) 労働時間数
  13. (2) 労務管理・健康管理
  14. (3) 意識改革・啓発
  15. (4) 作成プロセス
  16. 6-2 労働時間短縮に向けた取組(項目ごとに任意の取組を記載)
  17. (1) タスク・シフト/シェア
  18. (2) 医師の業務の見直し
  19. (3) その他の勤務環境改善
  20. (4) 副業・兼業を行う医師の労働時間の管理
  21. (5) C-1水準を適用する臨床研修医及び専攻医の研修の効率化
  22. 7 評価センターによる評価との関係
  23. 8 計画のひな型/作成例について

時短計画の作成にはさまざまな職種・年代のスタッフを参加させる

医療機関は、平成26年10月に施行された改正医療法(第30条の19)に基づいて「医療勤務環境改善マネジメントシステム」を導入することが努力義務となっている。これは、PDCAサイクルを活用して計画的に医療従事者の勤務環境の改善に取り組むシステムである。それに対応し、すべての都道府県は、医療従事者の勤務環境の改善を促進するための拠点としての機能を持つ医療勤務環境改善支援センターを同29年3月までに設置している。

時短計画を作成する際も、「医療勤務環境改善マネジメントシステム」のPDCAサイクルを活用し、各医療機関において、医師を含む各職種が参加する合議体で議論、意見交換する。ここでは、さまざまな職種・年代のスタッフを参加させるようにする。

また、時短計画の作成に当たっては、必要に応じて医療勤務環境改善支援センターに相談し、アドバイスを受けるようにする。

労働時間短縮に向けた任意の取組はタスク・シフト/シェアほか

時短計画の記載事項は、各医療機関に共通して記載が求められる事項(共通記載事項)、医療機関の多様性を踏まえた労働時間短縮に向けた独自の取組についての記載(項目ごとに任意の取組を記載)に大きく分かれる。

その共通記載事項は、労働時間数、労務管理・健康管理、意識改革・啓発、作成プロセス、である。この「作成プロセス」においては、各職種が参加する委員会などで計画を検討・作成したか、記載する。

労働時間短縮に向けた任意の取組としては、①タスク・シフト/シェア、②医師の業務の見直し、③その他の勤務環境改善、④副業・兼業を行う医師の労働時間の管理、⑤C-1水準を適用する臨床研修医および専攻医の研修の効率化――が、挙げられている。それらは任意の取組ではあるが、①~⑤それぞれにおいて最低1つの取組について、計画作成時点での取組実績、計画期間中の目標を記載する。ただし、④⑤について対象となる医師がいない場合は、記載は不要である。

また、タスク・シフト/シェアの対象となる職種としては、看護師、助産師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、医師事務作業補助者などが想定されている。

評価センターによる評価結果を踏まえて都道府県が指定

B水準・連携B水準・C水準の指定を都道府県から受ける予定の医療機関は、事前に、医療法第107条第1項の規定に基づいて、評価センターによる第三者評価を受ける必要がある。それに関して、厚労省は令和4年4月1日、「医療法第百七条第一項の指定をした旨を公示する件」の告示(厚生労働省告示146号)を行い、評価センターに公益社団法人日本医師会を指定した。

評価センターは、医療機関における勤務環境の改善を促進するために客観的な評価基準をもとに、訪問調査などにより確認した事項も踏まえて評価を行う。その結果に応じて時短計画を見直し、取組の改善を図ることが何よりも重要である。

都道府県は、評価センターによる評価結果を踏まえて医療機関における改善状況をみたうえで、医療機関についてB水準・連携B水準・C水準についての指定を行う。

評価センターが医療機関の評価を行う際のガイドライン

厚労省は、評価センターが医療機関の評価を行う際の評価項目と評価基準に関するガイドラインとして、評価ガイドラインを作成した。これは、令和3年度に評価センターの設置準備事業において模擬的な評価を行ったうえで、評価ガイドラインの第1版としてまとめたものである。

評価ガイドラインの全体の構成は下表のとおりで、医師の労働時間短縮に向けた体制の評価(いわゆるストラクチャー評価)、取組についての評価(いわゆるプロセス評価)、取組の結果についての評価(いわゆるアウトカム評価)に大きく分かれているのが特徴である。

医師の労働時間短縮の取組状況評価項目と評価基準(評価の視点/評価の要素)

  1. 1 医師の労働時間短縮に向けた労務管理体制の構築(ストラクチャー)
  2. 1.1 医師の労働時間短縮に求められる基本的労務管理体制
  3. 1.1.1 適切な労務管理体制の構築
  4. 1.1.2 人事・労務管理の仕組みと各種規程の整備・届出・周知
  5. 1.1.3 適切な36協定の締結・届出
  6. 1.1.4 医師労働時間短縮計画の作成と周知
  7. 1.2 医師の勤務環境の適切な把握と管理に求められる労務管理体制
  8. 1.2.1 医師の労務管理における適切な労働時間の把握・管理体制
  9. 1.2.2 医師の面接指導及び就業上の措置の実施体制
  10. 1.2.3 月の時間外・休日労働が155時間を超えた場合の措置の実施体制
  11. 1.3 産業保健の仕組みと活用
  12. 1.3.1 衛生委員会の状況
  13. 1.3.2 健康診断の実施状況
  14. 2 医師の労働時間短縮に向けた取組(プロセス)
  15. 2.1 医師の労働時間短縮に向けた取組の実施
  16. 2.1.1 医師の適切な勤務計画の作成
  17. 2.1.2 医師の労働時間短縮に向けた研修・周知の実施
  18. 2.1.3 タスク・シフト/シェアの実施
  19. 2.1.4 医師の業務の見直しの実施
  20. 2.1.5 医師の勤務環境改善への取組の実施
  21. 2.1.6 患者・地域への周知・理解促進への取組の実施
  22. 3 労務管理体制の構築と労働時間短縮の取組の実施後の評価(アウトカム)
  23. 3.1 労務管理体制の構築と労働時間短縮に向けた取組の実施後の結果
  24. 3.1.1 医療機関全体の状況
  25. 3.1.2 医師の状況
  26. 3.1.3 患者の状況

なお、厚労省では、令和4年度から評価センターによる評価が始まり、評価ガイドラインが運用されていくなかで必要が生じた場合は、同省の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」などで検討の上、同ガイドラインの改版を行う、としている。