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厚労省が電子処方箋の概要とスケジュールなどを報告
オンライン資格確認等システムを拡張し、電子処方箋に応用 2022.03.01健康・医療医療のICT化

厚生労働省(厚労省)は令和4年1月27日に開催した社会保障審議会医療保険部会、同月31日に開催した同医療部会において、令和5年1月から運用を始める予定の電子処方箋の仕組み、導入の意義、令和4年度厚労省予算(案)における関連事業と補助金などについて説明した。その導入により、医療機関、薬局、患者の3者間で薬剤・処方に関する情報の共有ができ、例えば重複投与の抑制ができるなど、質の高い医療が提供でき、業務の効率化も実現できる、としている。

ポイント

  • 電子処方箋の運用は令和5年1月からの予定、当分の間は紙の処方箋と併用に
  • 病院・診療所と薬局の間で電子処方箋を介して円滑なコミュニケーションが期待される
  • 重複投与の抑制ができるなど、質の高い医療の提供が期待される

支払基金・国保中央会の「電子処方箋管理サービス」を介して電子処方箋を発行

電子処方箋は、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)と国民健康保険中央会(国保中央会)によるオンライン資格確認等システムを拡張し、現在の「紙」の処方箋を電子的に運用するものである。電子処方箋の全体的な仕組みは下図のようになっている。

まず、前提として、令和5年1月から電子処方箋の運用が始まっても、紙の処方箋が廃止されるわけではなく、あくまでも電子処方箋に同意した患者に対して、支払基金・国保中央会のシステム(電子処方箋管理サービス)に処方箋を登録する形で、電子処方箋を発行する。また当然、患者の要望があれば紙の処方箋を交付することになり、当分の間、それらの併用が続くことになる。

患者は、その発行された処方箋の内容を、マイナポータルあるいは電子お薬手帳を介して、閲覧できる。

薬局側は、電子処方箋管理サービスから処方箋の情報を取得し、調剤を行うとともに、その内容を登録する。

電子処方箋の仕組み

  1. 出典:社会保障審議会医療保険部会(令和4年1月27日開催)資料を一部改変

患者、病院・診療所、薬局それぞれに電子処方箋の導入意義が

厚労省は、患者、病院・診療所、薬局それぞれにおける電子処方箋の導入の意義について、説明している。

まず、患者側から見た導入の意義は下図のとおりで、複数の医療機関・薬局の間で情報共有が進むことで、適切な薬学管理ができるようになり、重複投与の防止、さらには健康増進につながる。患者自らがマイナポータルあるいは電子版お薬手帳で薬剤情報を一元的に確認・管理でき、必要に応じて医療機関や薬局から各種のサービスを受けられることも、意義の1つである。

被保険者(患者)から見た電子処方箋の導入意義

  1. 出典:社会保障審議会医療保険部会(令和4年1月27日開催)資料

また、それらは医療機関・薬局側から見ても導入の意義となる。

病院・診療所と薬局の間では電子処方箋を介して情報共有ができることで、より円滑なコミュニケーションが期待される。また、医療機関側は、発行した電子処方箋に対して薬局が後発医薬品への変更も含めて、どのような調剤を行ったか、電子処方箋管理サービスから情報が得られる。

薬局においては、業務の効率化につながることの意義も大きい。例えば、電子処方箋としてデータで受け取ることができるので、薬局でのシステムへの入力の作業が削減される。併せて、紙の処方箋が減るので、その分の保管スペースが削減できる。

令和4年度の通常国会で電子処方箋に対応するために法整備

電子処方箋の仕組みを導入するに当たっては関連の法改正、規定の整備も必要となり、これらについては令和4年の通常国会で行う。

まず、医師法第22条では「医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない」と規定し、歯科医師法でも同様の規定がある。しかし、電子処方箋については患者に対して直接交付するのではなく、支払基金・国保中央会に電子処方箋を提供(登録)する形をとることになる。そこで、医師法等において、医師等が電子処方箋をそこに登録すれば患者等に交付したものとみなす、という趣旨の規定になるようにする。

また法律において、支払基金等の新たな業務として、電子処方箋管理を位置づける。

電子処方箋に含まれる個人情報の第三者提供など、個人情報保護法の規定との関係も整理する。

そのほか、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」において、医療機関および薬局その他関係者は電子処方箋により調剤を実施する体制の整備に務めるとともに、相互に連携を図りながら協力するものとする、という趣旨の規定を設ける。

医療情報化支援基金を積み増しして医療機関・薬局のシステム改修を支援

厚労省は、電子処方箋の普及に向けて、令和4年度予算で施策を打ち出している。

その1つが、医療情報化支援基金に383億円の積み増しをして、電子処方箋システムの導入を促進することである。これまで医療情報化支援基金の使途は、①オンライン資格確認の導入に向けた医療機関・薬局のシステム整備の支援、②医療機関の電子カルテシステム等の導入の支援――の2つとされてきた。令和4年度からは①を拡大し、電子処方箋導入に向けての医療機関・薬局のシステム改修を支援する。

また、「電子処方箋の安全かつ正確な運用に向けた環境整備」(令和4年度予算額9.6億円)として、電子処方箋の運用開始前に、試験運用と検証などを行い、その環境を整備する。

運用・保守費用の当面の負担については今後も検討

令和4年1月27日に開催された社会保障審議会医療部会では、厚労省が、令和5年度以降の電子処方箋の運用・保守費用は9.1億円(年)となる、という試算を報告した。また、同省は、それをすべて被保険者が負担するとした場合、加入者1人当たりの負担は約0.61円/月となるが、電子処方箋システムによる利益は被保険者全体が受けるものであり、すべての被保険者が公平に費用を負担する仕組みとしてはどうか、と提案した。

それに対して、保険者を代表する委員からは「体制が整備されるまでは、国の方も負担していただきたい」、「医療費削減など、一定の効果が出るまでは、国が負担していただきたい」と、厚生労働省の提案には反対する意見が相次いだ。その費用負担については、今後も検討が続けられる。

また、同医療保険部会では、委員から「この電子処方箋システムにOTC(一般用医薬品)の登録・閲覧ができるとよいが、厚労省はどのように考えているのか」との質問が出た。それに対して、同省では「まずは、処方箋の情報から始める。OTCの情報については、今後の課題として認識している」と答弁した。

令和4年1月31日に開催された社会保障審議会医療部会では、令和4年度診療報酬改定において、医師と薬剤師の連携のもと、症状が安定している患者を対象に一定期間内に処方箋を3回まで反復利用できるリフィル処方箋の仕組みが導入されることを踏まえて、委員から、電子処方箋システムにおいて「リフィル(反復利用)の情報も必ず診療側に戻るようにしていただきたい」との要望が出た。それに対して、厚労省は「中央社会保険医療協議会(中医協)の議論を踏まえて検討したい」と答弁した。

なお、令和4年度から、処方箋様式が改められ、「リフィル可 □( 回)」といった欄が設けられ、医師がそこにレ点を記入した場合にはリフィル処方箋として扱われる。