ログイン・会員登録

会員の方

ID・パスワードをお持ちの方は、
こちらからログインください。

パスワードをお忘れの方はこちら

認証キーの承認をされる方はこちら

2016年1月より会員IDがメールアドレスに統一されました。

会員登録されていない方

会員限定コンテンツのご利用には、会員登録が必要です。

新規会員登録

50秒でわかる
Takeda Medical site

サイトマップお問合わせ

  • 新規会員登録
  • ログイン

厚労省が「外来機能報告等に関するワーキンググループ」報告書を公表
令和4年4月からの外来機能報告等の施行に向けて制度の細部が決まる 2022.02.01健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和3年12月21日、「外来機能報告等に関するワーキンググループ」の報告書(以下、報告書)を公表した。改正された医療法に基づき、外来機能報告等(通称「外来機能報告制度」)が同4年4月から施行されることから、報告書は、その具体的な仕組みについて取りまとめたものである。外来機能報告制度は地域の医療機関の外来機能の明確化・連携を大きな目的として、まず医療機関の情報を集め、それを基に地域で協議することを通して「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」を決定し、地域での外来を含めた医療連携を推進していく。

ポイント

  • 地域の医療機関の外来機能の明確化・連携が大きな目的
  • 対象となりそうな医療機関を厚労省が抽出、医療機関側の報告は令和4年10月頃に
  • 「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」は“手挙げ方式”が前提で、都道府県が令和5年3月頃までに公表

地域住民にとってわかりやすいように呼称は「紹介受診重点医療機関」

令和3年5月28日に公布された「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」により改正された医療法(以下、改正医療法)に基づき、同4年4月から、外来機能報告制度が始まる。同制度を創設することとした改正医療法では、地域での外来に焦点を当てたうえで、次のような医療連携を想定している。

患者は、まず、地域の「かかりつけ医機能を担う医療機関」を受診する。また、必要に応じて紹介を受け、紹介を基本とする外来(医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関)を受診する。患者の状態が落ち着いたら、同医療機関から逆紹介を受けて地域に戻る。

その「医療資源を重点的に活用する外来」(以下、重点外来)を地域で基幹的に担う医療機関を明確にするには、まず、外来に関する情報を広く集める必要がある。そのため、外来機能報告制度がスタートする。同制度の対象は一般病床あるいは療養病床を有する病院または有床診療所で、無床診療所については任意となる。また、実際に報告の対象となるのは、厚労省がNDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)により一定の基準で抽出した医療機関(以下、対象医療機関)である。同省では令和4年9月頃、対象医療機関に対して外来機能報告を依頼する。

今回の報告書では、重点外来について定義し、同外来で実際に患者を診ている水準を示すとともに、重点外来に相当するような外来を有する医療機関に対して報告を求める事項などについてまとめている。その事項の1つとして、重点外来を地域で基幹的に担う医療機関となる意向の有無についても報告することになっており、データ上、重点外来に相当する外来を有する医療機関であっても、医療機関側の意向が優先される。

また、報告書では、重点外来を地域で基幹的に担う医療機関の呼称について、地域住民にとってわかりやすいように、「紹介受診重点医療機関」(病院・診療所)とする、としている。

以下、重点外来の詳細について説明する。

重点外来には3つの類型

 報告書では、重点外来について、①医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来、②高額等の医療機器・設備を必要とする外来、③特定の領域に特化した機能を有する外来(紹介患者に対する外来等)、のいずれかの機能を有する外来、と定義している。その3つの類型は、客観的な指標として下表のように診療報酬に基づいている。

医療資源を重点的に活用する外来

  1. 以下の類型①~③のいずれかの機能を有する外来を「医療資源を重点的に活用する外来」とする。
  2. ① 医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来
  3. 次のいずれかに該当した入院を「医療資源を重点的に活用する入院」とし、その前後30 日間の外来の受診を、類型①に該当する「医療資源を重点的に活用する外来」を受診したものとする。(例:がんの手術のために入院する患者が術前の説明・検査や術後のフォローアップを外来で受けた等)
  4. ・Kコード(手術)を算定
  5. ・Jコード(処置)のうちDPC入院で出来高算定できるもの(※1)を算定
      ※1:6000 cm2 以上の熱傷処置、慢性維持透析、体幹ギプス固定等、1000 点以上
  6. ・Lコード(麻酔)を算定
  7. ・DPC算定病床の入院料区分
  8. ・短期滞在手術等基本料2、3を算定
  9. ② 高額等の医療機器・設備を必要とする外来
  10. 次のいずれかに該当した外来の受診を、類型②に該当する「医療資源を重点的に活用する外来」を受診したものとする。
  11. ・外来化学療法加算を算定
  12. ・外来放射線治療加算を算定
  13. ・短期滞在手術等基本料1を算定
  14. ・Dコード(検査)、Eコード(画像診断)、Jコード(処置)のうち地域包括診療料において包括範囲外とされているもの(※2)を算定
      ※2: 脳誘発電位検査、CT 撮影等、550 点以上
  15. ・Kコード(手術)を算定
  16. ・Nコード(病理)を算定
  17. ③ 特定の領域に特化した機能を有する外来(紹介患者に対する外来等)
  18. 次の外来の受診を、類型③に該当する「医療資源を重点的に活用する外来」を受診したものとする。
  19. ・診療情報提供料Ⅰを算定した30 日以内に別の医療機関を受診した場合、当該「別の医療機関」の外来
  1. 出典:外来機能報告等に関するワーキンググループ「外来機能報告等に関する報告書」

上記の定義に合致する重点外来であるとしても、実際にどの程度、患者が受診しているかが重要である。報告書では、その基準について、地域医療支援病院の状況を踏まえて、初診の外来件数のうち重点外来の件数の占める割合が40%以上、かつ、再診の外来件数のうち重点外来の件数の占める割合が再診25%以上と設定する(以下、「初診40%以上かつ再診25%以上」)、としている。

厚労省がNDBを用いて作成した資料によると、初診の外来に占める重点外来の割合が40%以上である医療機関は、病院(精神科病院除く)の25%、それを地域医療支援病院に限ると93%、特定機能病院では100%となっている。また、再診の外来に占める重点外来の割合が25%以上である医療機関は、病院(同)の26%、それを地域医療支援病院に限ると88%、特定機能病院では81%となっている。

「紹介率50%かつ逆紹介率40%以上」という水準も重要な指標に

併せて、報告書では、地域医療支援病院の承認要件なども勘案し、地域の協議の場で参考にする特に重要な指標として、「紹介率50%かつ逆紹介率40%以上」という水準を示している。これは、その紹介率や逆紹介率は地域医療支援病院での定義を用いる。例えば、紹介率については次のように算出する。

紹介率=(紹介患者の数)/(初診患者の数)×100

また、その詳細な定義は下表のとおりである。

地域医療支援病院における紹介率・逆紹介率の定義
(平成10年5月19日付け厚生省健康政策局長通知)

紹介率 紹介患者の数/初診患者の数
逆紹介率 逆紹介患者の数/初診患者の数
基準 紹介率80%以上、紹介率65%以上かつ逆紹介率40%以上、紹介率50%以上かつ逆紹介率70%以上
紹介患者の数 開設者と直接関係のない他の病院又は診療所から紹介状により紹介された者の数(初診の患者に限る。また、紹介元である他の病院又は診療所の医師から電話情報により地域医療支援病院の医師が紹介状に転記する場合及び他の病院又は診療所等における検診の結果、精密検診を必要とされた患者の精密検診のための受診で、紹介状又は検査票等に、紹介目的、検査結果等についてその記載がなされている場合を含む。)
逆紹介患者の数 地域医療支援病院から他の病院又は診療所に紹介した者の数。診療に基づき他の機関での診療の必要性等を認め、患者に説明し、その同意を得て当該機関に対して、診療状況を示す文書を添えて紹介を行った患者(開設者と直接関係のある他の機関に紹介した患者を除く。)
初診患者の数 患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった患者の数(地方公共団体又は医療機関に所属する救急自動車により搬入された患者、当該地域医療支援病院が医療計画において位置付けられた救急医療事業を行う場合にあっては、当該救急医療事業において休日又は夜間に受診した患者及び自他覚的症状がなく健康診断を目的とする当該病院の受診により疾患が発見された患者について、特に治療の必要性を認めて治療を開始した患者を除く。)
  1. 出典:外来機能報告等に関するワーキンググループ資料(令和3年11月29日)一部改変

病床機能報告制度と一体的に運用

厚労省では令和4年9月頃に、対象医療機関に対して、NDBのデータを提供するとともに、下表のようなことを報告してもらう。それらの項目の中には病床機能報告制度と共通したものもあり、同制度において報告する場合は、省略できる。このように、外来機能報告制度は病床機能報告制度と一体的に運用することになっていて、対象医療機関の負担軽減も考慮している。

報告項目

  1. (1) 医療資源を重点的に活用する外来の実施状況
  2. ① 医療資源を重点的に活用する外来の実施状況の概況(NDBで把握できる項目)
  3. ・医療資源を重点的に活用する外来の類型ごとの実施状況を報告
  4. ② 医療資源を重点的に活用する外来の実施状況の詳細〔NDBで把握できる項目〕
  5. ・医療資源を重点的に活用する外来のうち、主な項目の実施状況
  6. (2) 「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」となる意向の有無
  7. (3) 地域の外来機能の明確化・連携の推進のために必要なその他の事項
  8. ①その他の外来・在宅医療・地域連携の実施状況〔NDBで把握できる項目〕
  9. ・地域の外来機能の明確化・連携の推進のために必要な外来・在宅医療・地域連携の実施状況
  10. ②救急医療の実施状況〔病床機能報告で把握できる項目〕
  11. ・休日に受診した患者延べ数、夜間・時間外に受診した患者延べ数、救急車の受入件数を報告
  12. ③紹介・逆紹介の状況(紹介率・逆紹介率)
  13. ・紹介率・逆紹介率を報告(初診患者数、紹介患者数、逆紹介患者数)
  14. ④外来における人材の配置状況〔専門看護師・認定看護師・特定行為研修修了看護師を除き、病床機能報告で把握できる項目〕
  15. ・医師について、施設全体の職員数
  16. ・看護師、専門看護師・認定看護師・特定行為研修修了看護師、准看護師、看護補助者、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、臨床工学技士、管理栄養士について、外来部門の職員数
  17. ⑤ 高額等の医療機器・設備の保有状況〔病床機能報告で把握できる項目〕
  18. ・マルチスライスCT、その他のCT、MRI、血管連続撮影装置(DSA法を行う装置)、SPECT、PET、PETCT、PETMRI、ガンマナイフ、サイバーナイフ、強度変調放射線治療器、遠隔操作式密封小線源治療装置、内視鏡手術用支援機器(ダヴィンチ)の台数

ただし、重要な指標となる紹介率と逆紹介率についてはNDBでは把握できないので、医療機関の報告が必須となる。また、紹介受診重点医療機関となる意向の有無についての報告も、対象医療機関側の意思表示として重要である。

紹介受診重点医療機関は診療報酬上の評価も予定

対象医療機関は、令和4年10月末までに厚労省に上記の項目について報告をする。厚労省は同年12月頃に、その外来機能報告を集計、取りまとめ、都道府県に情報提供をする。令和5年1~3月頃、その情報を踏まえて、地域の協議の場で協議を始める。そこでの結論に基づいて、都道府県が、紹介受診重点医療機関を公表する。

紹介受診重点医療機関については、既存の医療保険制度に基づいて、紹介状がない患者等の外来受診時の定額負担の対象となる(一般病床200床以上の病院)。ただし、その徴収を求めないことができる患者についての規定もあり、これに関しても地域の協議の場で検討することになる。

また、中央社会保険医療協議会(中医協)が令和4年1月14日に取りまとめた「令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」では、紹介受診重点医療機関において、入院機能の強化や勤務医の外来負担の軽減等が推進され、入院医療の質が向上することを踏まえ、当該入院医療について新たな評価を行う、としている。

なお、紹介受診重点医療機関であることも広告できるようになる見込みであるなど、診療報酬も含めて、そのインセンティブについても検討が進んでいる。