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厚労省が審議会に協力医療機関の実態調査の結果を報告
令和4年4月からHPVワクチンの個別勧奨を順次実施へ 2022.01.07健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和3年11月26日、都道府県などに対して、HPVワクチンの積極的な勧奨を差し控えるとする平成25年6月の通知を廃止し、令和4年4月から同ワクチンの個別勧奨を順次実施する、とした。それを決定するにあたり、厚労省は同年11月12日、第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同審議会)を合同で開催し、HPVワクチン接種後に生じた症状の診療に関する協力医療機関の実態調査の概要を報告するとともに、協力医療機関などを強化するためのポイントを説明。その審議会において、HPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当である、という結論を得た。

ポイント

  • 厚労省が協力医療機関を整備、47都道府県において84医療機関
  • 大半の協力医療機関では過去2年半、HPVワクチン接種後に生じた症状で受診した患者はゼロ
  • 協力医療機関向けの研修会を充実させ、関係機関の連携も強化

協力医療機関が担うワクチン接種後に生じた症状に対する診療の中核的な役割

子宮頸がんのほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因とされる。わが国では平成25年4月から、予防接種法に基づき、HPVワクチンの定期接種を始めた。対象は小学校6年~高校1年相当の女性だが、同ワクチンの接種を受けた人たちから疼痛や運動障害など多様な症状が報告され、それがマスコミでも大きく報道された。そのため厚労省健康局長は同年6月14日、審議会の意見を踏まえて、同ワクチンの積極的勧奨を差し控えることとする通知(以下、平成25年通知)を発出した。それにより、同ワクチンの定期接種を受ける方の割合は1%程度にまで激減した。

厚労省では、HPVワクチンの積極的勧奨をやめて以降、同ワクチンに関する疫学調査を実施するなど、国内外のエビデンスを収集・分析してきた。また、HPVワクチン接種後に多様な症状が出た人たちに対応するため、厚労省では協力医療機関を整備してきた。この協力医療機関の役割は、同ワクチン接種後に生じた症状に対する診療において地域の中核的な役割を担うとともに、必要に応じて、専門性の高い医療機関を紹介することである。令和3年4月1日現在、協力医療機関は47都道府県において合計84ある。

必要な診療を提供するための体制が一定程度維持されている

厚労省は令和3年11月12日に開催した合同審議会で、HPVワクチン接種後に生じた症状の診療について協力医療機関の実態調査(以下、実態調査)の結果を公表した。

実態調査の対象は全84の協力医療機関で、令和3年10月から11月にかけてアンケート調査の形で実施し、61医療機関(73%)が回答した。

まず、診療体制については、厚労省では、必要な診療を提供するための体制が一定程度維持されていることが確認された、としている。また、患者の受診状況については、大半の医療機関では、過去2年半の間、HPVワクチン接種後に生じた症状で受診する患者がいない、という状態が続いていることが判明した。診療体制と患者の受診状況については下表のとおり。

  1. 出典:第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年11月12日)資料1「HPVワクチンについて」

体制強化を図る余地があると考えられる

協力医療機関と都道府県等との連携については、約4割の医療機関が都道府県等からの患者の紹介を受ける体制がある一方で、都道府県・市町村職員に対する研修や意見交換などについては、今後、体制強化を図る余地があると考えられた。(下表)

協力医療機関における診療を充実していくために必要なこととしては、4割以上の医療機関が「説明・情報提供するための資材」、「協力医療機関向け研修会の実施」、「他の協力医療機関や専門医療機関との連携」を挙げている。

また、厚労省では、協力医療機関向けの研修会、情報提供資材に関する具体的な希望(自由記載)についても紹介した。その研修会に関する希望として「不登校への対応」もあり、同省では「学校などの教育部局との連携に関して一定のニーズがあることが明らかになった」と説明した。

HPVワクチン接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関の実態調査(抜粋)
都道府県等との連携に関する取組(全61医療機関)

HPVワクチン接種後に症状が生じた患者さんの紹介を受ける 27
HPVワクチン接種後に症状が生じた患者さんに関する情報共有 12
都道府県・市町村職員に対する研修や意見交換会の実施 6
HPVワクチンの接種を実施している医療機関職員に対する研修の実施 2
その他 2

診療充実のためのニーズ(全61医療機関)

説明・情報提供するための資材 28
協力医療機関向け研修会の実施 27
他の協力医療機関や専門医療機関との連携 26
その他 7

協力医療機関向け研修会と情報提供資材に関して具体的に希望する内容(自由記載)の主な回答

  1. ●協力医療機関向け研修会
  2. ・多くの患者に対応している協力医療機関における具体例の共有
  3. ・「多様な症状」の病態、初期対応、他科との連携方法、不登校への対応
  4. ・関係する医療機関の役割分担について 等
  5. ●情報提供資材
  6. ・有害事象の一覧、頻度、転機についての情報
  7. ・HPVワクチン接種後に限らず起こる可能性がある症状であることの説明
  8. ・「多様な症状」についての説明 等
  1. 出典:第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年11月12日)資料1「HPVワクチンについて」

定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当と結論

厚労省は、実態調査の結果を踏まえて、合同審議会で、協力医療機関などを強化するために、研修会、連携、調査に関して、それぞれ次のような提案をした。

  1. ①これまで定期的に実施してきた協力医療機関向けの研修会については、引き続き実施するとともに、そのニーズを踏まえ内容を充実させる。
  2. ②関係機関の連携については、協力医療機関同士が互いに相談できる体制の構築、協力医療機関と都道府県などが必要な情報の共有、意見交換、職員研修などができるよう、連携を強化する。
  3. ③協力医療機関の診療実態を把握するための調査を継続的に実施する。

併せて、厚労省では、HPVワクチンの安全性・有効性に関する最新のエビデンスにおいてその安全性に特段の懸念は認められなかったことを説明。また、同ワクチン接種後に生じた多様な症状に苦しんでいる人たちに対する支援、同ワクチンに関する本人・保護者向けのリーフレットの内容の更新などについて説明した。同省では、これまでも同リーフレットの改訂を行い、情報提供に取り組んできた結果、同ワクチンの定期接種を受ける者の割合も1%から約10%に上昇してきた、という。

それらの報告と提案を受け、合同審議会では、平成25年通知により定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当である、と結論を出した。

これまで接種を受けていない令和4年度に14歳から16歳になる女子に配慮を

合同審議会の結論を踏まえて、厚労省健康局長は令和3年11月26日、都道府県などに対して、「ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の今後の対応について」の通知(健発1126第1号)を発出した。同通知において、平成25年通知を廃止し、HPVワクチンの「個別の勧奨」(以下、個別勧奨)を行うとしたうえで、その留意点などを示した。

同通知でいう個別勧奨とは、ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種について、予防接種法第8条(予防接種の勧奨)の規定に基づき、対象者または保護者に対し、予診票の個別送付を行うことなどにより、同接種を個別に勧奨する。その周知については、原則として個別通知により、確実な周知に努める。また、市町村長は接種体制の整備を進め、基本的に令和4年4月から順次実施するが、準備が整っているのであれば前倒しで実施することも可能である。

HPVワクチンの個別勧奨および接種を進めるに当たっての留意点として、その対象とする年齢についても明記した。具体的には次のとおりである。

個別勧奨を行うのは、標準的な接種期間に当たる中学1年生女子(13歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にある女子)に加えて、これまで個別勧奨を受けていない令和4年度に14歳から16歳になる女子についても配慮すること。例えば、令和4年度以降、標準的な接種期間に当たる者に加えて、これまで定期接種の対象者であって個別勧奨を受けていない年齢の高い者から順に、早期に個別勧奨を進める。具体的には、令和4年度は同年度に13歳になる女子と16歳になる女子、令和5年度は同年度に13歳になる女子と16歳になる女子、令和6年度は同年度に13歳になる女子と16歳になる女子、というようにする。

また、HPVワクチンの接種を進めるに当たっては、対象者などに対して、ワクチン接種について検討・判断するために必要な情報を提供するようにする。その接種後に体調の変化を感じた際には、地域において適切に相談や診療などの対応が行われるよう、医療機関や医師会等の連携のもと、十分な相談支援体制や医療体制を確保しておく。