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厚労省が令和2(2020)年受療行動調査(概数)の概況を公表
令和2年10月の特定の1日において病院の患者を調査 2021.11.01健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和3年9月13日、令和2(2020)年受療行動調査(概数)の概況を公表した。同調査は3年ごとに実施しているもので、調査の項目は従前とほぼ同じであるため、3年単位での経時的な変化もわかるようになっている。それによると、病院を選んだ理由としては外来、入院ともに「医師による紹介」の割合が増えており、地域における医療の機能分化と連携が進んでいることがうかがえる。また、医療機関にかかるときの情報の入手先として、医療機関などが発信するインターネットの情報が増えているのも、近年での特徴である。

ポイント

  • 医療機関にかかる時の情報の入手先としてインターネットが増加
  • 病院を選んだ理由は、特に入院において「医師による紹介」が増加
  • 入院患者では今後の治療・療養として在宅で通院の希望が増加

特定機能病院、大・中・小の病院、療養病床のある病院に分類

厚労省による受療行動調査は、3年ごとに実施され、全国の医療施設を利用する患者について、受療の状況、受けた医療に対する満足度などについて調査し、今後の医療行政の基礎資料とすることを目的としている。令和2(2020)年受療行動調査の対象は、層化無作為抽出した全国の一般病院を利用する患者(外来・入院)で、調査の期日は令和2年10月20日~22日の3日間のうち医療施設ごとに指定した1日である。

同調査の対象となった病院は484施設で、それら施設を利用する患者10万5,648人(外来6万4,981人、入院4万667人)からの回答をまとめた。病院については、特定機能病院、大病院(特定機能病院と療養病床を有する病院を除いた一般病院で病床規模が500 床以上)、中病院(同100 床~499 床)、小病院(同20 床~99 床)、療養病床を有する病院(主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床を有する病院)に分類している。

調査項目は、①病院を選んだ理由、②ふだん医療機関にかかる時の情報の入手先、③予約の状況、診察等までの待ち時間、診察時間(外来)、④来院の目的(外来)、⑤最初の受診場所(外来)、⑥自覚症状(外来)、⑦入院までの期間、入院までに時間がかかった理由、⑧医師からの説明の有無、程度、説明に対する疑問や意見、⑨今後の治療・療養の希望(入院患者)、⑩退院の許可が出た場合の自宅療養の見通し、⑪満足度――などである。

「医師による紹介」が増加、定額負担の対象となる病院の範囲が拡大した影響か

まず、病院を選んだ理由(複数回答)は、「医師による紹介」が外来で38.7%、入院で55.5%と、それぞれ最も多い。また、前回の平成29(2017)年受療行動調査(以下、前回調査)の結果(確定数)と比較すると、その割合が外来で0.6ポイント、入院で3.9ポイント、それぞれ上昇している。近年、患者が紹介状なしで受診した場合の定額負担の対象となる病院の範囲が拡大していて、令和2年度診療報酬改定では、その対象が特定機能病院および地域医療支援病院(一般病床200床未満を除く)とされた。「医師による紹介」が増えているのは、その定額負担の影響もあると推測される。(下表参照)

外来-入院別にみた病院を選んだ理由(複数回答)
(単位:%)令和2年

総数 医師による紹介 交通の便がよい 専門性が高い医療を提供している 家族・友人・知人からのすすめ 医師や看護師が親切 建物がきれい・設備が整っている その他
外 来 100.0 38.7 27.9 27.0 17.5 15.2 7.7 14.5
入 院 100.0 55.5 20.7 26.5 20.2 21.5 10.3 16.1
  1. 注:「病院を選んだ理由」がある者の数値である。
  2. 出典:令和2(2020)年受療行動調査(概数)の概況

ふだん医療機関にかかる時の情報の入手先は「口コミ」が最多

ふだん医療機関にかかる時の情報の入手先(複数回答)は、外来、入院ともに「家族・知人・友人の口コミ」が最も多く、それぞれ71.1%、69.4%となっている。(下表参照)

注目されるのは、インターネットを情報の入手先としている患者が増えていることである。例えば外来では、「医療機関が発信するインターネットの情報」が23.5%(前回調査比2.3ポイント増)、「医療機関・行政機関以外が発信するインターネットの情報(SNS、電子掲示板、ブログの情報を含む)」が14.0%(同1.9ポイント増)。入院では、それぞれ18.3%(同3.8ポイント増)、11.6%(同2.9ポイント増)となっている。また、「行政機関が発信するインターネットの情報(医療機能情報提供制度など)は、それぞれ3.2%、3.4%で、前回調査と比べて大きな変化はない。

それらを合計すると、医療機関にかかる時の情報の入手先として、外来で4割以上、入院で3割以上がインターネットであり、この割合は増える傾向にある。その背景には、スマートフォン(スマホ)の普及があると推測される。

ふだん医療機関にかかる時の情報の入手先(複数回答)
(単位:%)令和2年

総数 情報を入手している 特に情報は入手していない 無回答
情 報 の 入 手 先 (複 数 回 答)
医療機関の相談窓口 医療機関が発信するインターネットの情報 医療機関の看板やパンフレットなどの広告 行政機関の相談窓口 行政機関が発信するインターネットの情報
(医療機能情報提供制度など)
行政機関が発行する広報誌やパンフレット 医療機関・行政機関以外が発信するインターネットの情報
(SNS、電子掲示板、ブログの情報を含む)
新聞・雑誌・本の記事やテレビ・ラジオの番組 家族・知人・友人の口コミ その他
外来 100.0 80.0
(100.0)
(15.6) (23.5) (5.7) (2.3) (3.2) (3.8) (14.0) (4.7) (71.1) (10.6) 17.2 2.8
入院 100.0 83.0
(100.0)
(26.2) (18.3) (6.9) (5.3) (3.4) (4.0) (11.6) (5.5) (69.4) (12.3) 14.7 2.3
  1. 出典:令和2(2020)年受療行動調査(概数)の概況

病院の外来患者で「予約」が増加傾向に

病院の外来患者が予約する割合は、上昇する傾向にある。「予約をした」が77.4%となり、前回調査より6ポイント上昇している。ただし、その割合は、病院の種類によって大きく異なる。例えば、特定機能病院や大病院ではそれが9割を超えているが、中病院では79.8%である。また、小病院では65.7%、療養病床を有する病院では65.3%となっているが、それぞれ前回調査と比べるとその割合が上昇している。

外来での診察までの待ち時間は「15分未満」が27.9%で最も多く、次いで「15分~30分未満」が25.8%となっている。また、それらを合わせた「30分未満」は、前回調査と比べると3.7ポイント増加しており、予約の割合の上昇に伴って、待ち時間の短縮傾向がみられている。

外来患者の診察時間は「5分~10分未満」が最も多く41.2%となっている。また、その割合は、病院の種類によって大きくは違わない。

外来患者の来院の目的を大別すると、「診察・治療・検査などを受ける」が88.7%、「健康診断(人間ドックを含む)・予防接種」が6.1%となっている(別途、無回答5.2%)。大多数である「診察・治療・検査などを受ける」とする患者だけでみた場合の具体的な目的は、「定期的な診察と薬の処方を受ける」が42.4%で最も多く、次いで「症状を診てもらう」が20.6%、「検査を受ける、または検査結果を聞く」が19.6%となっている。「リハビリテーション」の割合は病院全体としては6.4%だが、療養病床を有する病院では13.8%、小病院では9.9%とやや高くなっている。

最初は診療所・クリニック・医院を受診した外来患者が増加

病院の外来患者において、調査日に受診した病気や症状について最初に受診した場所は、「最初から今日来院した病院を受診」が53.7%で最も多く、次いで「最初は他の病院を受診」が多く26.6%。「最初は診療所・クリニック・医院を受診」は17.7%だが、前回調査と比べると2.3ポイント上昇しており、かかりつけ医からの紹介で病院を受診するケースが増える傾向にある、とみることができる。

外来患者が調査日に受診した病気を初めて医師に診てもらった時、自覚症状については、「あった」が66.8%、「なかった」が28.1%。自覚症状がなかったとする患者が受診した理由は、「健康診断(人間ドック)で指摘された」が45.0%、次に多いのは「他の医療機関で受診を勧められた」が24.2%。

退院後は在宅で通院の希望が15年でほぼ倍増に

病気や症状に対する診断や治療方針について、医師から「説明を受けた」とする者は、外来で96.8%(前回調査比1.7ポイント増)、入院で94.4%(同0.3ポイント減)となっている。その説明を受けた者において「説明は十分だった」は、外来で94.4%(同0.1ポイント増)、入院で92.9%(同0.4ポイント減)。また、その説明を受けた者において、疑問や意見を医師に「伝えられた」とするのは、外来で87.5%(同1.3ポイント減)、入院で82.0%(同1.3ポイント減)で、それぞれ3年前と比べると若干減少している。

入院患者における今後の治療・療養の希望については、「完治するまでこの病院に入院していたい」が45.1%(前回調査比3.0ポイント減)、次いで、在宅で通院を希望する「自宅から病院や診療所に通院しながら治療・療養したい」が31.2%(同2.4ポイント増)となっている。平成17(2005)年受療行動調査では在宅で通院を希望する者は16.5%だったが、15年でそれがほぼ倍増したことになる。

入院患者において退院の許可が出た場合の自宅療養の見通しは、「自宅で療養ができる」が58.0%(前回調査比2.5ポイント増)、「自宅で療養できない」が25.0%(同1.4ポイント増)。15年前の平成17(2005)年受療行動調査では「自宅で療養ができる」が41.6%だったが、それ以降、一貫して増加を続けている。また、それが在宅で通院を希望する者が増えていること(前述)の基盤ともなっている。

病院の外来に対する満足度は上昇傾向

全体としてこの病院に「満足している」と回答した者は、外来で64.5%(前回調査比5.2ポイント増)、入院で68.9%(同1.1ポイント増)で、9年前の平成23(2011)年受療行動調査以降、特に外来での満足度が高まっている。

項目別で満足度が比較的高いのは、外来では「医師以外の病院スタッフの対応」(「満足」の割合63.3%)、「医師との対話」(同61.0%)、「医師による診療・治療の内容」(同59.6%)、「診療時のプライバシー保護の対応」(同57.0%)など。挙げられた項目で満足度が最も低いのは「診察までの待ち時間」(同32.8%)だが、改善傾向にある。

また、入院で満足度が比較的高いのは「医師以外の病院スタッフの対応」(同72.0%)、「医師による診療・治療内容」(同71.5%)、「医師との対話」(同67.0%)など。挙げられた項目において満足度が最も低いのは「食事の内容」(同46.1%)である。

なお、厚労省が今回公表した受療行動調査の結果は「概数」で、通常、それから半年後に「確定数」が公表されている。