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「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」が中間とりまとめ
スイッチOTC化をするうえで満たすべき医薬品の基本的要件を示す 2021.04.02健康・医療

 厚生労働省(厚労省)は令和3年2月8日、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」(以下、検討会議)における中間とりまとめ(以下、「中間とりまとめ」)を公表するとともに、都道府県に通知した。これは、政府の規制改革推進会議の議論や規制改革実施計画で「保険外医薬品(スイッチOTC等)選択肢の拡大」が課題とされたことへの対応で、スイッチ OTC化における利害関係者(ステークホルダー)の役割、スイッチOTC化が可能な医薬品についての考え方などについてまとめている。

ポイント

  • スイッチOTC化におけるステークホルダー(医薬品のユーザー、薬剤師、医師、製造販売業者)の役割と関係性をまとめる
  • OTC医薬品を取り巻く環境の整備が必要―薬剤師は使用者に適切な情報提供ができるよう知識の習得を促進
  • 検討会議はスイッチOTC化の可否の決定までは行わない

個人からのスイッチOTC化の要望は不適とされるケースが多い

厚労省は平成28年4月、セルフメディケーションを推進するという政府の方針を踏まえて、検討会議を設置した。その主な目的は、医療用医薬品から要指導・一般用医薬品への転用(スイッチOTC化)について欧米諸国での承認状況、消費者・学会などからの要望を定期的に把握し、要指導・一般用医薬品としての適切性・必要性を検証すること。また、消費者など多様な主体からの意見が反映される仕組みを構築することである。

これまでに検討会議では、スイッチOTC化に向けて30種類の候補治療薬(39成分)について要望を受け付け、そのうちの19種類の候補治療薬についてスイッチOTC化の可否を議論してきた。その結果、11種類の候補治療薬(11成分)についてはスイッチOTC化が可とされ、8種類の候補治療薬(17成分)については不可とされている。その19種類の候補治療薬のうち9種類(16成分)が個人からの要望によるものだが、うち7種類はスイッチOTC化が不適とされ、そのうちの4種類は緊急避妊、アルツハイマー型認知症など、これまでにOTC医薬品として認められていない薬効であった。一方、個人以外(企業等)から要望のあった10種類(12成分)の候補治療薬のうち9種類はOTC化が可とされ、不適とされた1種類は胃酸分泌抑制薬であった。(下図参照)

それらの評価結果(案)については、パブリックコメントを実施し、国民から意見を聞くようにしてきた。また、多くの場合、評価結果(案)に対して賛成の意見が寄せられている。ただし、緊急避妊薬、胃酸分泌抑制薬のスイッチOTC化を不適とした評価結果(案)に対しては反対の意見が多く寄せられた。

スイッチOTC化の検討と可否

規制改革実施計画で検討会議の問題点が指摘される

そのような検討会議の一連の取り組みは、政府の規制改革推進会議から見ると問題が多いものだった。令和2年7月17日に閣議決定された規制改革実施計画において、医療・介護分野での規制改革の重点事項の一つとして「一般用医薬品(スイッチOTC)選択肢の拡大」が挙げられ、令和2年度において何らかの措置をするよう指示をした。その背景には、特に個人から要望のあったスイッチOTC化の多くが不適切とされ、セルフメディケーションも進んでいない、という状況がある。

また、規制改革推進会議の議論では、スイッチOTC化の可否を決めているのは事実上、検討会議であるとされ、法律に基づく薬事・食品衛生審議会以上の権限を持っていることが、問題視された。検討会議の構成は医師や医療関係者が中心で、消費者側の者がほとんどおらず、全会一致のルールを採用しているため、一部の利害関係者に拒否権を与えることになる、との指摘もあった。

それらを踏まえて、規制改革実施計画では、①スイッチOTC化の促進に向けた推進体制、②一般用医薬品への転用の促進、③一般用検査薬への転用の促進――という3つの事項が設けられた。また、それらのうち②については、検討会議の役割はスイッチOTC化の可否を決定することではなく、薬事・食品衛生審議会に意見として提示すること。また、構成員に消費者代表を追加するなど、バランスのとれた構成にすることなど、方向性を示した。

ちなみに、検討会議は16名で構成し、うち1名がマスコミ界を代表する者、1名が国民生活センターの理事で、形式上はこの2名が消費者側を代表する者となっている。

「中間とりまとめ」で規制改革実施計画による指摘に回答

「中間とりまとめ」の構成は下表のとおりで、5章からなる。スイッチOTC化におけるステークホルダーの関係性と役割を整理するとともに、スイッチOTC化が可能と考えられる医薬品の考え方などについてまとめていて、規制改革実施計画でのさまざまな指摘(前述)に全体として回答した形になっている。

「中間とりまとめ」の構成

  1. 1. 経緯・趣旨
  2. 2. これまでの検討実績およびスイッチOTC化に向けた課題・論点の整理
  3. (1)薬剤の特性
  4. (2)疾患の特性および適正使用
  5. 1)疾患の特性
  6. 2)適正使用を担保するための効能・効果、用法・用量の適切な設定
  7. 3)適正使用を担保するためのセルフチェックシート、情報提供資材等の要件
  8. (3)販売体制およびOTC医薬品を取り巻く環境
  9. 1)薬局・店舗販売業における販売体制
  10. 2)販売に関する薬事規制
  11. 3)OTC医薬品を取り巻く環境
  12. (4)その他
  13. 3. スイッチOTC化における各ステークホルダーの関係性および役割
  14. (1)スイッチOTC化における各ステークホルダーの関係性
  15. (2)各ステークホルダーのスイッチOTC化における各課題に対する役割
  16. (3)各ステークホルダーの連携
  17. (4)行政のスイッチOTC化における各課題に対する役割
  18. 4. スイッチ OTC化が可能と考えられる医薬品の考え方
  19. (1)これまでの議論を踏まえたスイッチOTC 化する上で満たすべき基本的要件
  20. (2)今後スイッチOTC化が考えられるもの
  21. 5. 今後の検討会議の進め方

ステークホルダーは使用者、薬剤師、医師、製造販売業者の4者

「中間とりまとめ」では、スイッチOTC化におけるステークホルダーとして、使用者(医薬品のユーザー)、薬剤師、医師、製造販売業者の4者を挙げたうえで、医療用医薬品、OTC医薬品での役割と関係性をまとめている。

まず、医療用医薬品における役割として、薬剤師には調剤責任、服薬指導責任があり、医師には処方責任がある。使用者は、使用方法を遵守する責任、症状等の正確な情報提供責任がある。また、製造販売業者には、製造販売業者としての責任がある。

それがOTC医薬品になると、薬剤師には適正販売責任、服薬指導責任、受診勧奨というように役割が増え、医師は専門家・かかりつけ医としての関与にとどまる。使用者においては、症状等の正確な情報提供責任のほかに、薬剤等に対する理解の向上、薬剤選択・使用方法を遵守する自己責任というように、役割が増える。製造販売業者の場合は、製造販売業者としての責任のほかに、適正販売を確保するための情報提供責任が出てくる。ここでは情報共有も重要で、「中間とりまとめ」では、使用者が安全かつ適正にOTC医薬品を服用するために、薬剤師や医師などとの情報共有の手段としてお薬手帳の活用は有用である、としている。

また、OTC医薬品の適正販売・適正使用の確保、環境の改善を進めていくためには、各ステークホルダーがそれぞれの役割を果たすだけでなく、各ステークホルダーが連携して取り組んでいくことが重要である、と指摘している。

基本的要件は人体に対する作用が著しくないものなど4項目

スイッチOTC化が可能な医薬品についての考え方が、これまで検討会議において必ずしも明確ではなかった。そのため、「中間とりまとめ」では、まず、スイッチOTC化をするうえで満たすべき医薬品の基本的要件について、次の4項目を挙げた。

  1. ①人体に対する作用が著しくないものであって、使用者の状態やその変化に応じて、医師による薬剤選択や用量調整等(他剤との併用も含む)を必要としない医薬品であること。
  2. ②以下の(a)(b)いずれかのような医薬品であること。
  3. (a)使用する際に使用者自身が症状から判断することが可能であり、使用者自身が適正に購入し短期間使用できる医薬品であること。
  4. (b)初発時は、使用者のみでは自己判断が難しい症状であるものの、一定期間内の診断情報、服薬指導等といった医師、薬剤師による一定の関与により、使用者が適正に購入し使用できる医薬品であること。
  5. ③原疾患以外の症状をマスクするリスク等を含め、医療機関への受診が遅れることによって生じるリスクについて、講じる対策により許容可能なリスクにできること。
  6. ④スイッチOTC化した際に懸念される公衆衛生上のリスク(医薬品の濫用等)について、講じる対策により許容可能なリスクにできること。

 「中間とりまとめ」では、その基本的要件の②の疾患に該当し、すでにOTC医薬品として承認されているものとして、アレルギー性鼻炎用点鼻薬、胃腸薬、水虫・たむし用薬、解熱鎮痛薬(以上、②の(a)相当)、過敏性腸症候群再発症状改善薬、膣カンジダ再発治療薬、口唇ヘルペス再発治療薬(以上、②の(b)相当)、などを例示している。

薬剤師がユーザーに適切な情報提供ができるよう知識習得を促進

「中間とりまとめ」では、すでに承認されているOTC医薬品の薬効(前述)を踏まえて、さらなる薬効群のスイッチOTC化を進めていくためには、OTC医薬品を取り巻く環境の整備が強く求められる、と指摘。具体的な環境整備のあり方も示している。

その環境整備の中心となるのは薬剤師で、まず、使用者に対して適切な情報提供ができるための知識の習得を促進する。薬剤師や登録販売者による適正販売が確保されるよう、セルフチェックシートなどを用いた確認を徹底し、記録も管理する。お薬手帳などを活用し、医療用医薬品とOTC医薬品の服薬履歴の情報を一元的・継続的に把握し、適正な服薬指導を行う。また、医師や薬剤師など各ステークホルダーが情報を共有することで適正使用・適正販売を促進するとともに、OTC医薬品の副作用報告の適正実施、医薬品副作用被害救済制度を周知する。

検討会議の開催要綱も改正へ

検討会議のあり方について、メンバーの構成なども含めて、規制改革実施計画ではさまざまな指摘がなされた。「中間とりまとめ」では、それに回答する形で、今後の検討会議の進め方についてまとめている

まず、検討会議では、要望のあった成分のスイッチOTC化を行ううえでの課題・論点などを抽出し、意見をとりまとめるが、スイッチOTC化の可否の決定までは行わない。また、多様な意見が反映されるように、要望する者に対して文書による説明を求める、ヒアリングなどの機会を設ける、としている。

なお、規制改革実施計画において「消費者代表を追加するなどバランスよく構成されるよう評価検討会議のメンバー構成を見直す」と指摘されたことについては、検討会議の開催要綱を改正することとし、すでに形式上は消費者代表が加わっていることから(前述)、産業界代表、販売関係者などを構成員として追加する方向で対応する。