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医薬品の総括製造販売責任者として「薬剤師以外の技術者」を置く場合について通知
代わりに「薬剤師以外の技術者」を置くのはあくまでも例外、原則は薬剤師 2021.04.02健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和3年2月24日、都道府県に対して、「医薬品又は体外診断用医薬品の総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置く場合の取扱い等について」の通知を発出するとともに、関連の事務連絡を行った。これは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の改正が令和3年8月から施行されることに伴うもの。この改正により、医薬品または体外診断用医薬品の総括製造販売責任者は、これまで原則として薬剤師が業務を担うとされていたが、薬剤師を設置することが著しく困難である場合には「薬剤師以外の技術者」を例外的に総括製造販売責任者とすることができるようになる。本通知および事務連絡は、その具体的な対応を説明したものである。

ポイント

  • 薬剤師を置くことが著しく困難である場合に「薬剤師以外の技術者」
  • 予期しない退社、育児・介護による休職などが事由に
  • 要件は、大学等で薬学または化学に関する専門の課程を修了した者ほか

製造販売業者・役員の責務の明確化、ガバナンスの強化が検討課題に

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、薬機法)の施行5年後の見直しとなる「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」が令和2年9月から順次、施行されている。その改正にあたっては、厚労省の厚生科学審議会・医薬品医療機器制度部会(以下、制度部会)において検討がなされ、平成30年12月に報告書がまとめられた。

制度部会で検討課題の1つとなったのが、製造販売業者・役員の責務の明確化、ガバナンスの強化である。そこでは、医薬品の製造販売業者が品質管理や製造販売後安全管理部門の技術責任者として選任する総括製造販売責任者と役員の関係、それぞれのあり方も問われることとなった。現行の薬機法第17条関係で、医薬品(体外診断薬含む、以下同)の製造販売業者が選任する総括製造販売責任者は薬剤師であることが規定されている(以下、薬剤師要件)。しかし、薬剤師要件が課せられているため、総括製造販売責任者として適切と判断する人材を選任することができない場合、違法状態となる。また、薬剤師であったとしても不適切な人材が総括製造販売責任者になったりすると、その責務を十分に果たせない恐れもある。

そのようなことを想定したうえで、厚労省では、医薬品の製造販売業者が選任する総括製造販売責任者について、薬剤師を原則としつつも、市販後安全管理および品質管理に係る責務を果たすうえでやむを得ない場合には、薬剤師以外の者を選任できるような例外規定を設けるべきではないか、と提案した。ただし、総括製造販売責任者が薬剤師でない場合であっても、責務の内容は薬剤師の場合と同様である。

その薬剤師要件について、制度部会の委員からも、やむを得ない場合、薬剤師以外の者を選任できるような例外規定も考えるべきではないのか、といった意見が出た。

厚生科学審議会・医薬品医療機器制度部会が「とりまとめ」

それらの意見を踏まえて、制度部会は平成30年12月25日に「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」を作成し、医薬品の製造販売業者が選任する総括製造販売責任者に求められる要件について、次のように整理した。

  1. ・現行制度を基本に、薬剤師であり、かつ一定の従事経験を有し、品質管理業務または安全確保業務に関する総合的な理解力および適正な判断力を有する者が任命されるよう、要件を明確化すること。
  2. ・総括製造販売責任者としての責務を果たすことが可能な職位を有する薬剤師が確保できない場合などに限り、薬剤師以外の者を選任できるような例外規定を設けること。
  3. ・その場合であっても、例外規定が長く続かないように、専門的見地から総括製造販売責任者を補佐する社員たる薬剤師の配置、薬剤師たる総括製造販売責任者の社内での継続的な育成などの体制を整備すること。

「薬剤師以外の技術者」を置くことができる期間は5年

「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」を踏まえて、総括製造販売責任者に関しては薬機法第17条関係が改正された。また、それに基づき、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」(以下、薬機法施行規則)も改正された。それらの条項が令和3年8月1日に施行されることから、厚労省は令和3年2月24日、都道府県に対して「医薬品又は体外診断用医薬品の総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置く場合の取扱い等について」の通知(以下、通知)を発出、「医薬品又は体外診断用医薬品の総括製造販売責任者として「薬剤師以外の技術者」を置く場合の取扱いに関する質疑応答集」(以下、Q&A)の事務連絡を行い、詳しい説明をした。

通知では、あくまでも例外規定としたうえで、医薬品の製造販売業者が薬剤師以外の技術者を総括製造販売責任者として選任する場合の要件などについて説明している。

まず、大前提は、総括製造販売責任者として薬剤師を置くことが著しく困難であると認められる場合であって、薬機法施行規則で規定する「薬剤師以外の技術者の要件」を満たす場合に限って、総括製造販売責任者に「薬剤師以外の技術者」を選任できる。その「薬剤師を置くことが著しく困難であると認められる場合」について、通知では、例えば、予期しない退社等の事由により、総括製造販売責任者として必要な能力および経験を有する薬剤師が不在となった場合が考えられる、としている。

それらを前提に、総括製造販売責任者に「薬剤師以外の技術者」を選任する要件として、次のように示している。

  1. (1) 薬剤師以外の技術者の要件以下のいずれかの要件を満たす者でなければならないこと。
  2. ①大学等で、薬学または化学に関する専門の課程を修了した者
  3. ②厚生労働大臣が①に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
  4. (2) 薬剤師以外の技術者を置くことができる期間技術者を置いた日から起算して5年とする。

「薬剤師以外の技術者」の場合は総括製造販売責任者補佐薬剤師を置く

併せて、通知では、「薬剤師以外の技術者」を置く場合の遵守事項として、総括製造販売責任者(薬剤師以外)を補佐する薬剤師(総括製造販売責任者補佐薬剤師)を置くこと、としている。

薬剤師以外の技術者を置くことができる期間は5年であり、その経過後には総括製造販売責任者として薬剤師を置くことができるよう、さまざまな措置をとっておく必要がある。例えば、総括製造販売責任者の候補者の一覧、その育成計画(キャリアパスの確立、総括製造販売責任者が参加する会議への同席、品質管理・製造販売後安全管理に関する研修)の作成と実施、といった措置である。その候補者がいない場合には、薬剤師の採用計画などが措置として考えられる。

海外の大学で薬学または化学に関する専門の課程を修了した者も想定

その薬剤師以外の技術者に関して、より詳しく説明しているのがQ&Aである(下表参照)。

「医薬品又は体外診断用医薬品の総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置く場合の取扱いに関する質疑応答集」抜粋

  1. Q3:「予期しない退社」以外で例外の適用が認められる事由は何か。
  2. A3:例えば、育児・介護による休職も事由になりうる。(後略)

  3. Q4:薬剤師以外の技術者の要件について、「大学等で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者と同等以上の知識経験を有すると認めた者」とは具体的にはどのような者か。
  4. A4:例えば、海外の大学で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者が考えられる。また、薬学又は化学以外に関する専門の課程を修了した者であっても、大学等の薬学又は化学以外に関する専門の課程の中で、薬学又は化学に関する単位の取得状況を総合的に検討した結果、「薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者」と同等以上の知識経験を有すると認められる場合もあるため、個別に判断することになる。

  5. Q5:総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置いた日から起算して5年の期間内に、当該総括製造販売責任者を変更する必要がある場合、他の薬剤師以外の技術者を選任することは可能か。総括製造販売責任者補佐薬剤師(以下「補佐薬剤師」という)についても変更することは可能か。
  6. A5:いずれも届出により変更可能である。(後略)

  7. Q6:総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置いた日から起算して5年の期間を経過した後は、例外の適用は認められないということか。
  8. A6:(前略)5年の期間を経過した後に例外を適用することは想定されない。

  9. Q7:補佐薬剤師は、総括製造販売責任者の業務を具体的にはどのように補佐するのか。
  10. A7:補佐薬剤師の業務としては、品質管理及び製造販売後安全管理業務等の総括的な管理体制において、本来、薬剤師である総括製造販売責任者がその知識に基づき行う業務を、薬剤師ではない総括製造販売責任者であっても実施できるよう、総括製造販売責任者と共に当該業務にあたり、専門的な知見から補佐することを想定している。
  1. 出典:厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課「医薬品又は体外診断用医薬品の総括製造販売責任者として薬剤師以外の技術者を置く場合の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)について」の事務連絡(令和3年2月24日)

例えば、薬剤師を置くことが著しく困難であると認められる場合について、通知では「予期しない退社等」としているが、Q&Aでは、それ以外に「例えば、育児・介護による休職も事由になりうる」と回答している。

また、「薬剤師以外の技術者」の要件の1つである、厚生労働大臣が「大学等で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者と同等以上の知識経験を有すると認めた者」については、「例えば、海外の大学で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者が考えられる」と、具体的に回答している。

なお、薬剤師以外の技術者を置く場合の手続きとしては、都道府県知事に対して変更届出書提出する。