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医療保険の保険者番号および被保険者等記号・番号等の告知要求に制限
本人確認に健康保険証を使う場合は要注意 2020.11.18健康・医療

令和3年3月からのオンライン資格確認の実施に向けて、法令の整備が進んでいる。同2年10月1日から、健康保険証等の保険者番号および被保険者等記号・番号等の告知を求めることについて制限が設けられた。本人確認のために保険証を見せてもらう場合は、注意を要する。また、それに対応して、個人情報保護委員会と厚生労働省(厚労省)による「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」も一部改正された。

ポイント

  • オンライン資格確認の導入に向けての準備が背景に
  • プライバシー保護の観点から告知要求制限が改正健康保険法で規定
  • 個人情報保護法の観点からも保険証の取扱いには注意を要する

令和3年3月からマイナンバーカードが健康保険証として使用可能に

令和元年の通常国会で成立した「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」(以下、改正健康保険法)の柱の一つが、オンライン資格確認の導入である。このオンライン資格確認について、厚労省では、マイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号等により、オンラインで資格情報の確認ができること、と説明している。

その完成した姿がマイナンバーカードを健康保険証として使うことで、この最大のメリットとして、資格喪失後に受診した患者に伴うレセプトの返戻と事務コストの解消が挙げられている。また、その応用として、高額療養費限度額適用認定証の発行業務の削減などのほか、特定健診結果や薬剤情報を患者あるいは医療機関・薬局が閲覧できる仕組みの構築、なども予定されている。

それを実現するための情報の基盤として、これまで世帯単位となっていた保険証を個人単位とする。その方法として、医療保険者は令和2年10月以降、順次、被保険者番号に枝番として2桁の番号を追加し、個人単位化していく(以下、個人単位被保番)。なお、後期高齢者医療制度の被保険者番号は現在も個人単位となっているため、変更はない。

支払基金・国保中央会にオンライン資格確認等システム

オンライン資格確認のシステムにおいて中心的な役割を果たすのが、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会(以下、支払基金・国保中央会)の医療保険者中間サーバーおよびオンライン資格確認等システムである。そのシステムに対して、健保組合など医療保険者等が、個人単位被保番、被保険者の資格情報(氏名、生年月日、性別、保険者名、資格取得・喪失日、負担割合等)やマイナンバーを登録する。支払基金・国保中央会側では、その登録された情報に基づき、個人単位被保番と資格情報を紐づけたうえで、一元的に管理する。

また、医療保険者等は、例えば加入者において資格喪失などがあれば、その資格情報を更新する。これにより、常に、正しい資格情報をオンラインで確認することができることになる。

 一方、患者側はまず初めに、政府が運営するオンラインサービス(自分専用サイト)のマイナポータルなどを介して、マイナンバーカードを健康保険証として使用するための登録をする必要がある。この登録で、マイナンバーカードのICチップにある利用者証明用電子証明書のシリアル番号を支払基金・国保中央会のオンライン資格確認等システムに送り、個人単位被保番および資格情報と紐づけを行う。

 このオンライン資格確認のシステム全体では、個人単位被保番と資格情報は機関別符号(情報保有機関ごとに異なって与えられる符号)を介してマイナンバーと1対1で対応している。しかし、マイナンバーそのものを使って情報のやりとりをしているわけではないので、万一、マイナンバーが漏えいしたとしても、個人単位被保番や健康・医療に関する情報に直接的にはつながらない。また、その逆も言えるわけである。

健康保険事業・関連事務では告知要求に制限なし

 唯一無二となる個人単位被保番が記載された保険証は、個人情報という意味ではマイナンバーカードに匹敵するものといえる。それを踏まえて、改正健康保険法により、健康保険法、船員保険法、国民健康保険法などで被保険者等記号・番号等について、プライバシー保護の観点から、健康保険事業の遂行等の目的以外で告知を求めることを禁止(告知要求制限)する条項が設けられた。具体的には、健康保険法では次のような内容である。

  1.  〇 厚生労働大臣、保険者、保険医療機関等、指定訪問看護事業者、その他の健康保険事業または当該事業に関連する事務の遂行のため被保険者等記号・番号等を利用する者として厚生労働省令で定める者(以下、厚生労働大臣等)は、当該事業または事務の遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者またはその者以外の者に係る被保険者等記号・番号等を告知することを求めてはならない。(改正健康保険法第194条の2第1項関係)
  2. 〇 厚生労働大臣等以外の者は、健康保険事業または当該事業に関連する事務の遂行のため被保険者等記号・番号等の利用が特に必要な場合として厚生労働省令で定める場合を除き、何人に対しても、その者またはその者以外の者に係る被保険者等記号・番号等を告知することを求めてはならない。(改正健康保険法第194条の2第2項関係)

つまり原則として「被保険者等記号・番号等を告知することを求めてはならない」が、健康保険事業または当該事業に関連する事務(以下、健康保険事業・関連事務)の遂行のために必要であれば、被保険者等記号・番号等を利用することができるとされている。その改正健康保険法第194条の2第1項関係で定める者、つまり被保険者等記号・番号等を利用することができると規定されているのは下表の者である。

健康保険法第 194 条の2第1項等に定める者について

健康保険法第 194 条の2第1項等に規定する者 省令
1 厚生労働大臣 健保則、船保則、国保則、高確則
2 財務大臣 健保則、船保則
3 地方厚生局長、地方厚生支局長 健保則、船保則、国保則、高確則
4 全国健康保険協会 健保則、船保則
5 健康保険組合 健保則
6 都道府県 国保則
7 市町村 国保則
8 国民健康保険組合 国保則
9 後期高齢者医療広域連合 高確則
11 船舶所有者 船保則
12 健康保険組合連合会 健保則
13 社会保険診療報酬支払基金 健保則、船保則、国保則、高確則
14 国民健康保険団体連合会 健保則、船保則、国保則、高確則
15 国民健康保険法第45条第6項に規定する厚生労働大臣が指定する法人 健保則、船保則、国保則、高確則
16 保険医療機関等 健保則、船保則、国保則、高確則
17 保険薬局等 健保則、船保則、国保則、高確則
18 健康保険法第 87 条第1項等(※)に規定する保 険医療機関等以外の病院、薬局その他の者 健保則、船保則、国保則、高確則
19 指定訪問看護事業者 健保則、船保則、国保則、高確則
20 都道府県知事 健保則、船保則、高確則
21 市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。) 健保則、船保則、高確則
22 日本年金機構 健保則、船保則
23 船員保険事務組合 船保則
24 船長又は船長の職務を行う者 (船舶所有者の代理人として船員保険法第225 条の事務代行を行う場合に限る。) 船保則
25 船員保険法附則第三条第一項に規定する承認法 人等 船保則
26 年金保険者 国保則、高確則
  1. (※) 船員保険法第 64 条第1項、国民健康保険法第 54 条第1項、高齢者の医療の確保に関する法律第 77 条第1項を含む。

健康保険事業・関連事務でなくても告知要求が制限されない場合もある

上記の表に掲載されている者、例えば保険医療機関や保険薬局において、健康保険事業・関連事務を遂行する場合は、告知要求が制限されるわけではなく、これまでどおりでよい。

 また、上記の表に掲載されている者以外であっても、健康保険事業・関連事務の遂行のため被保険者等記号・番号等の利用が特に必要な場合は、告知要求が制限されない。これについては、例えば、国立がん研究センターががん登録データベースの整備を行う場合、社会保険労務士が社会保険労務士法第2条第1項に規定する事務を行う場合、大学や研究機関が公衆衛生の向上・増進などに関する研究を行う場合、ほかが想定されている。

10月1日から改正された政省令が施行

改正健康保険法での個人単位被保番の告知要求制限の条項(前述)に対応した「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」(政令第299号)、「健康保険法施行規則等の一部を改正する省令」(厚生労働省令第161号)などが令和2年10月1日から施行された。

この時点では、2桁の枝番(個人単位被保番)の付いた保険証は被保険者に行きわたっていないが、令和3年4月以降、すべての医療保険者が新規発行する保険証は個人単位被保番の付いたものとなる。ただし、すでに発行されている保険証については、回収・再発行などはせず、オンライン資格確認が始まる令和3年3月以降も、そのまま使うことができる。

そのような将来を見越して、令和2年10月1日からは、従来の保険証の被保険者等記号・番号等であっても告知制限が適用される。また、そこに記載されている被保険者等記号・番号等は高齢受給者証、限度額適用認定証などにも記載されていることから、これらも告知要求制限の対象となる。

ただし、保険医療機関などが健康保険事業・関連事務を遂行する場合は、これまでどおりでよいわけで、特別の注意は必要ない。むしろ、注意が必要なのは、健康保険事業・関連事務の遂行とは関係なく、本人確認のために保険証を見せてもらうような場合である。実際、それが問題となるのは例えば貸金業など、保健・医療とは無関係な業界において、本人確認のために保険証を要求する場合であろう。この場合は、被保険者等記号・番号等にマスキングを施してもらったうえで確認するのが、原則となる。また、コピーをとる場合は、必ずマスキングをする。

個人情報保護法の面からも注意を

健康保険法などに基づく告知要求制限として、今回初めてプライバシー保護の観点から、保険証の扱いについて規定が設けられた。ただし、これまでも個人情報保護法に基づく規制は、行われてきた。例えば、健康保険法に基づく保険者番号および被保険者等記号・番号等は、特定の個人を識別できるものとされる「個人識別符号」に該当し、個人情報とみなされる。

そのような観点から、個人情報保護委員会と厚生労働省による「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(以下、ガイダンス)では、次のような規定をしている。「医療・介護関係事業者は、 受付で患者に保険証を提出してもらう場合や問診票の記入を求める場合など、本人から直接書面に記載された当該本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を院内掲示等により明示しなければならない」

また、令和2年10月1日から改正健康保険法に基づく告知要求制限が施行されたのに対応し、同月9日、ガイダンスの一部(引用する法律の条文の部分および用語の変更など)が改正された。

なお、今回、介護保険法においては告知要求制限に関する改正はなされていないが、個人情報保護法の観点からは、介護保険の被保険者証の扱いは健康保険証などと同様に注意を要する。