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新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プランを決定
3つのアクションを今後2年間で集中的に実行する 2020.08.16健康・医療

 厚労省は令和2年7月30日、厚生労働大臣出席のもと、第7回 データヘルス改革推進本部を開催し、新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえて、新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プランを決定した。今後2年間で集中的に実行するデータヘルス関係の事業として、①全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大、②電子処方箋の仕組みの構築、③自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大――を挙げ、工程表を示した。それぞれ、令和4年度中の運用開始を目指す、としている。

ポイント

  • 「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プラン」を今後2年間で実行
  • マイナンバーの基盤などを活用し、全国で医療情報を確認できる仕組みに
  • オンライン資格確認等システムを活用し、電子処方箋の仕組みを構築
  • 民間のPHRとも連携し、自身の保健医療情報を活用できる仕組みを拡大

令和3年に必要な法制上の対応などを行う

厚労省は平成29年1月、データヘルス改革推進本部を立ち上げ、データヘルス改革推進計画・工程表の取りまとめを行ってきた。同本部は令和元年9月、「今後のデータヘルス改革の進め方について」の文書と工程表をまとめ、令和7年度(2025年度)までの工程表を策定した。そこでは、2021年度以降に目指す未来として、①ゲノム医療・AI活用の推進、②自身のデータを日常生活改善等につなげるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の推進、③医療・介護現場の情報利活用の推進、④データベース(保健医療に関するビッグデータ等)の効果的な利活用の推進 ――を柱に、取り組みを進めるとしている。

このデータヘルス改革が始まって半年が経過した時点で、新型コロナウイルス感染症の流行が拡大した。その対策の一環として、あくまでも時限的・特例的な対応としてだが、令和2年4月10日からは、従前のオンライン診療が大幅に規制緩和された形での「電話診療・オンライン診療」が可能となった。また、社会的あるいは国民的な対応として、いわゆる3密の回避など「新たな日常」が求められ、医療の情報化・ネットワーク化への期待が高まっている。

そのような状況に対応することを念頭に、同本部は令和2年7月30日、「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プラン」として、①全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大、②電子処方箋の仕組みの構築、③自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大――の3つのアクション(ACTION)を今後2年間で集中的に実行することを、決定した。そこでは、 オンライン資格確認等システムやマイナンバー制度など、既存のインフラを最大限に活用する。また、令和3年に法制上必要とされる対応などを行い、令和4年度中に運用開始を目指す、としている。(下表参照)

新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プランの要点

  1. ACTION1:全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大
  2. 患者や全国の医療機関等で医療情報を確認できる仕組みについて、対象となる情報(薬剤情報に加えて、手術・移植や透析等の情報)を拡大し、令和4年夏を目途に運用開始

  3. ACTION2:電子処方箋の仕組みの構築
  4. 重複投薬の回避にも資する電子処方箋の仕組みについて、オンライン資格確認等システムを基盤とする運用に関する要件整理および関係者間の調整を実施した上で、整理結果に基づく必要な法制上の対応とともに、医療機関等のシステム改修を行い令和4年夏を目途に運用開始

  5. ACTION3:自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大
  6. PCやスマートフォン等を通じて国民・患者が自身の保健医療情報を閲覧・活用できる仕組みについて、健診・検診データの標準化に速やかに取り組むとともに、対象となる健診等を拡大するため、令和3年に必要な法制上の対応を行い、令和4年度早期から順次拡大し、運用
  1. 出典:厚生労働省 第7回データヘルス改革推進本部 資料

複数の医療機関にまたがった情報を集約できるように

ACTION 1は、全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大である。その基盤となるのがオンライン資格確認等システムで、それを機能させるために、健康保険証など被保険者番号を個人単位化し、保険者が持っている被保険者個々の特定健診情報、レセプト記載の薬剤情報などを管理し、取り出せるようにする。また、医療機関から患者に交付されている診療報酬明細書に記載されている医療機関名、診療報酬が算定されている手術・移植、透析といった診療行為の情報も、確認できるようにする。

併せて、オンライン資格確認等システムでは、マイナンバーカードを保険証の代わりに使えるようにする。

それらの情報について、一般国民あるいは患者本人が直接的に閲覧する場合の窓口となるのが、マイナポータルである。これは政府が運営するオンラインサービスで、国民それぞれのポータルサイトとして提供されている。また、医療機関や薬局において、患者本人の同意とマイナンバーカードの提出があれば閲覧ができるようにする。

工程表において、特定健診情報、レセプト記載の薬剤情報を確認できる仕組みは、それぞれ令和3年3月、同年10月から運用を始める、としている。また、手術、移植、透析、医療機関名などの情報について確認できる仕組みは、少し遅れて令和4年度中に運用を開始することになっている。

このACTION 1の大きなメリットとして、複数の医療機関にまたがった情報を集約できることが挙げられる。その結果として、重複投薬なども防ぐことができる。また、患者のかかりつけの医療機関が被災した場合、他の医療機関がその患者の情報を容易に得ることができ、そこでの医療もスムーズに行うことができる。また、「新しい日常」に関連することとしては、オンライン診療において活用することなども想定されている

処方箋の情報をリアルタイムで共有できるように

ACTION 2は、電子処方箋の仕組みの構築である。  厚労省では、平成28年3月に「電子処方せんの運用ガイドライン」、令和2年4月に「電子処方箋の運用ガイドライン 第2版」を策定している。技術的にみると、同第2版では、紙の「電子処方箋引換証」の発行を不要にして基本的にペーパーレスになったこと、主要な情報処理はクラウドにおいて行うようにしたことが、特徴である。しかし、電子処方箋を活用する規模、ネットワークの規模としては、地域レベル、いわゆる医療情報連携ネットワークの延長線上にあるようなものを想定している。

一方、ACTION 2としての電子処方箋の仕組みは、「電子処方箋の運用ガイドライン 第2版」が提示するシステムと情報の大きな流れについてはほとんど同じである。ただし、同第2版においてクラウドの機能として想定しているところが、ACTION 2においてはオンライン資格確認等システムに置き換えているのが大きな特徴で、これによって全国レベルでの対応が可能となっている。また、ここではオンライン資格確認等システムに対して医療機関が電子処方箋を登録し、薬局が処方情報・調剤情報を登録するというように、リアルタイムで情報を共有できるようになっている。この点は、前述のACTION 1でのレセプトに基づく薬剤情報とは大きく異なる。

工程表においては、電子処方箋の仕組みは令和4年夏を目途に運用を開始する、としている。

このACTION 2が機能するようになり、オンライン診療、オンライン服薬指導、さらには薬剤が患者宅まで配送されるようになれば、特に在宅の患者の利便性が大きく向上することになる。

事業主健診やがん検診などの情報もスマホで閲覧できるように

ACTION 3は、自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大である。具体的には、①乳幼児健診情報、②事業主健診情報、③がん検診、肝炎ウイルス検診、骨粗鬆症検診、歯周疾患検診の情報、④学校健康診断情報などを、スマートフォン(スマホ)やパソコンで閲覧、ダウンロードできるようにする。また、それらの情報を長期的に保存・管理するため民間のPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)事業者などの活用も予定されているが、この場合はオンライン資格確認等システムを使うのではなく、同事業者の情報システム/サーバー等と連携することを想定している。

工程表においては、上記②が令和3年3月から、③④が令和4年度において、それぞれ閲覧、ダウンロードできるようにする、としている。また、①については、すでに令和2年6月からマイナポータルで閲覧できるようになっている。

このACTION 3が機能するようになれば、国民が自身のさまざまな保健医療情報を経時的な形で閲覧・活用できるようになる。ただし、公的な保健医療情報を長期的に保存する法令上の根拠はないので、民間のPHRを活用することが課題となる。

なお、「新たな日常に対応したデータヘルスの集中改革プラン」(ACTION 1~3)には含まれていないが、併せて、電子カルテの情報などの標準化も進められることになっている。