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令和元年(2019)社会医療診療行為別統計の概況を公表
医科診療、院外処方、薬局調剤などの状況をまとめる 2020.07.18健康・医療

厚生労働省(厚労省)は令和2年6月24日、令和元年(2019)社会医療診療行為別統計の概況を公表した。同統計は、令和元年6月審査分における医科診療、院外処方、歯科診療、薬局調剤、薬剤の使用状況などについてまとめている。また、前年同期の平成30年6月審査分との比較もしているが、その間において診療報酬の改定は行われていないので、いわゆる自然増(減)の状況を把握できる。そのような観点も含めて、令和元年(2019)社会医療診療行為別統計のポイントを説明する。

ポイント

  • 診療報酬改定がない期間なので「自然増(減)」が把握できる
  • 入院・入院外で注射の点数が約11%増加
  • 院外処方率は76.6%で0.8ポイント増に

抗がん剤など薬価が比較的高い注射薬の使用増加が推測される

令和元年(2019)社会医療診療行為別統計は、全国の保険医療機関と保険薬局の令和元年6月審査分の診療報酬明細書と調剤報酬明細書のうち、国の「レセプト情報・特定健診等情報データベース」に蓄積されているものすべてを集計したものである。同統計は毎年、6月審査分についてまとめられている。消費税率引き上げに対応して令和元年10月に診療報酬の引き上げが行われているが、同年6月審査分についてはその前であり、前年(平成30年)同月と同じ条件での比較が可能である。ただし、6月における医療機関の稼働日数(診療実日数)をみると、令和元年は土曜が5回、日曜が5回、開業医が半日休診にすることも多い木曜が4回あるが、平成30年は土曜5回・日曜4回・木曜4回となっており、その両年で条件が完全に同じというわけではない。

まず、令和元年6月の医科の入院における1件当たり点数(レセプト1件=1患者当たり月間の点数)は54,226.2点で、前年同月比2.2%増。また、1日当たり点数は3,527.6 点で、前年同月比1.1%増となっている。

入院外(外来、在宅等)では、1件当たり点数は1,377.1点で、前年同月比1.3%増。1日当たり点数は914.6点で、前年同月比4.5%増となっている。

診療報酬改定がないにもかかわらず、入院、入院外ともに、1件当たり・1日当たり点数が1%以上増加しているのは、自然増とみることができるが、その大きな要因として診療行為としての注射の点数が増加していることが挙げられる。例えば、入院では注射の1件当たり点数が959.8点で、前年同月比11.4%増。入院外ではそれが158.2点で、前年同月比11.0%増となっている。その背景には、医療技術の進歩があり、例えば抗がん剤など、薬価が比較的高い注射薬が開発され、そのような薬剤を使うケースが増えている、と推測される。

入院では1日当たり点数の35%を「入院料等」が占める

入院、入院外それぞれの診療行為別にみた1日当たり点数の構成割合は下表のとおりである。入院では、構成割合が最も高いのは「入院料等」で35.4%。以下、DPC制度としての「診断群分類による包括評価等」(30.9%)、「手術」(17.6%)などとなっている。  入院外では、構成割合が最も高いのが「検査」で18.2%。以下、「投薬」(14.7%)、「初・再診」(14.5%)などとなっている。診療所など外来(入院外)を中心とした医療機関では初・再診料が大きな収入源となっているが、入院における「初・再診」の構成割合は0.1%程度にすぎない。

診療行為別にみた1日当たり点数の構成割合 (令和元年6月審査分)

入院 入院外(外来、在宅等)
点数 点数
入院 3,527.6 入院外 914.6
構成割合% 構成割合%
入院料等 35.4 初・再診 14.5
検査 1.2 医学管理等 8.4
投薬 1.0 在宅医療 7.1
注射 1.8 検査 18.2
リハビリテーション 5.5 画像診断 7.7
処置 1.8 投薬 14.7
手術 17.6 注射 11.5
麻酔 2.2 処置 10.0
診断群分類による包括評価等 30.9 手術 2.9
その他の行為 2.6 その他の行為 5.0
  1. 注1: 入院における「その他の行為」には、「初・再診」「医学管理等」
    「精神科専門療法」「画像診断」「放射線治療」ほか含む
  2. 注2: 入院外における「その他の行為」には、「リハビリテーション」「精神科専門療法」
    「麻酔」「放射線治療」「入院料等(短期滞在手術等基本料1)」ほか含む
  3. 出典:厚生労働省「令和元年(2019)社会医療診療行為別統計の概況」

腫瘍用薬などは後発医薬品への切り替えが難しい

使用薬剤の薬剤点数について、入院、院内処方、院外処方それぞれで薬効分類別の構成割合をみると、入院では「腫瘍用薬」が24.8%で最も多い。以下、「中枢神経系用薬」14.4%、「生物学的製剤」10.6%、「抗生物質製剤」8.8%などとなっている。(下表参照)

院外処方では「循環器官用薬」が15.6%で最も多く、「その他の代謝性医薬品」14.9%、「中枢神経系用薬」14.4%と続く。その次が「腫瘍用薬」の7.6%で、この種の薬剤になると院外処方は少なくなっている。(下表参照)

薬剤点数に占める後発医薬品の点数の割合をみると、その使用状況がわかる。入院で14.4%、院内処方で16.9%、院外処方で19.7%、全体では19.1%となっている。

また、後発医薬品の薬効分類別の構成割合をみると、入院では「抗生物質製剤」(22.6%)、院内処方では「循環器官用薬」(27.8%)、院外処方では「循環器官用薬」(28.9%)が最も多い。抗生物質製剤、循環器官用薬、消化器官用薬、中枢神経系用薬などは後発医薬品が比較的よく使われているが、腫瘍用薬などは後発医薬品への切り替えが難しい、という状況が示されている。

主な薬効分類別の薬剤点数の構成割合(%)

入院 院内処方(入院外) 院外処方(薬局調剤)
腫瘍用薬 24.8 腫瘍用薬 19.9 循環器官用薬 15.6
中枢神経系用薬 14.4 その他の代謝性医薬品 14.5 その他の代謝性医薬品 14.9
生物学的製剤 10.6 循環器官用薬 10.9 中枢神経系用薬 14.4
抗生物質製剤 8.8 中枢神経系用薬 7.8 腫瘍用薬 7.6
その他の代謝性医薬品 7.6 ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) 7.3 血液・体液用薬 7.5
血液・体液用薬 6.8 消化器官用薬 5.6 消化器官用薬 7.4
消化器官用薬 4.5 感覚器官用薬 5.1 ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) 4.3
滋養強壮薬 4.4 血液・体液用薬 4.4 感覚器官用薬 3.9
循環器官用薬 4.3 生物学的製剤 4.2 アレルギー用薬 3.8
化学療法剤 3.3 化学療法剤 3.7 化学療法剤 3.7

後発医薬品の主な薬効分類別の薬剤点数の構成割合(%)

入院 院内処方(入院外) 院外処方(薬局調剤)
抗生物質製剤 22.6 循環器官用薬 27.8 循環器官用薬 28.9
血液・体液用薬 16.6 消化器官用薬 11.9 消化器官用薬 12.0
中枢神経系用薬 14.1 中枢神経系用薬 7.6 中枢神経系用薬 10.6
消化器官用薬 9.5 その他の代謝性医薬品 6.8 血液・体液用薬 8.6
循環器官用薬 7.4 血液・体液用薬 6.6 その他の代謝性医薬品 8.2
腫瘍用薬 6.8 アレルギー用薬 6.1 アレルギー用薬 7.6
その他の代謝性医薬品 3.8 腫瘍用薬 5.6 外皮用薬 4.0
感覚器官用薬 3.1 ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) 5.5 腫瘍用薬 3.6
化学療法剤 3.0 感覚器官用薬 5.4 感覚器官用薬 3.2
滋養強壮薬 2.7 外皮用薬 3.7 呼吸器官用薬 2.5
  1. 出典:厚生労働省「令和元年(2019)社会医療診療行為別統計の概況」

薬学管理料は若干減、報酬引き上げの効果続かず

医科の入院外における院外処方率(「処方箋料の算定回数」÷「処方料の算定回数+処方箋料の算定回数」)は病院・診療所合計で76.6%(前年同月比0.8 ポイント増)。うち、病院が79.5%(同0.3ポイント増)、診療所が75.7%(同0.9ポイント増)となっている。また、ここでいう院外処方率は、いわゆる医薬分業率(一般的な計算式は「保険薬局での受け取り処方せん枚数」÷「外来処方件数」)、それと同じ概念の処方箋受取率などとは計算式が少し異なるので注意が必要だ。ただし、それぞれの値(率)にほとんど差はない。

その処方箋を受け取る側である保険薬局についてみると、調剤の1件当たり点数(調剤レセプト1件=1患者当たり点数)は1,075.0点で、前年同月比1.3%増。処方箋の受付1回当たり点数は889.8点で、前年同月比3.8%増となっている。同月中に1人の患者から複数回の処方箋を受けることもあるので、受付1回当たり点数と比べると、上記のように調剤の1件当たり点数は多くなる。

調剤行為別で受付1回当たり点数をみると、最も大きいのは「薬剤料」の656.2点(前年同月比4.1%増、構成割合73.7%)。次いで「調剤技術料」184.2点(同3.8%増、同20.7%)、「薬学管理料」47.7点(同0.4%減、同5.4%)などとなっている。薬剤料の点数が増加している背景として、薬価が比較的高い薬剤が使われるようになったことが推測されるが、これも医療の高度化による自然増とみることができる。

また、平成30年度診療報酬改定では、薬剤師・薬局による対人業務の評価として、薬学管理料の引き上げ、報酬の新設などが行われた。そのため、平成30年(6月)の受付1回当たり点数での薬学管理料は47.9点で、前年(平成29年)同月比で8.1%増加している。しかし、その増加が令和元年には続かず、微減となった。

なお、令和2年度診療報酬でも「薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた評価、薬局の対物業務から対人業務への構造的な転換を推進するための所要の評価の重点化と適正化、院内薬剤師業務の評価」として、薬学管理料の見直しなどが行われており、その影響あるいは効果については2021年に公表される令和2年(2020)社会医療診療行為別統計で明らかになる。