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医師少数区域等で勤務した医師を認定する制度が2020年度から施行
厚労省が2020年1月16日に省令と通知、細部が決定 2020.02.17健康・医療

医師偏在の解消を大きな目的として、2018年の通常国会で成立した「医療法及び医師法の一部を改正する法律」(改正医療法)に基づき、医師少数区域等における一定期間の勤務経験から得た地域医療の知見を有する医師を厚生労働大臣が評価・認定する制度(以下、認定制度)が、2020年4月から施行される。同制度の細部を規定する「医療法施行規則の一部を改正する省令」(令和2年厚生労働省令第4号)が2020年1月16日に公布された。また、同省令の説明のため、厚生労働省(厚労省)医政局は同日、「医療法及び医師法の一部を改正する法律の施行について」の通知(以下、通知)を発出。これにより、同制度の細部が決定した。

ポイント

  • 医師少数区域等における医師確保が大きな目的
  • 医師少数区域等にある医療機関で6カ月以上の診療が要件
  • 認定の対象となるのは2020年度以降の勤務

医師少数区域経験認定医師であることの広告も可能に

認定制度は、医師が相対的に少ない二次医療圏、すなわち医師少数区域等において医師を確保・増加させるため、そのような区域で勤務することについて社会的評価を高めることを主な目的としている。その認定の対象となるのは2020年度以降の勤務(後述)とされているが、臨床研修中の期間はそれに含めない。

認定制度は、改正医療法第5条の2に基づき、臨床研修等修了医師の申請により、医師少数区域等における一定期間の勤務経験から得た地域医療の知見を有する医師であることを厚生労働大臣が評価・認定するもの。併せて、改正医療法第6条の5第3項において、その認定を受けた医師(医師少数区域経験認定医師)であることを広告できる、としている。これは、医師少数区域等に勤務することのインセンティブとなる。

また、2019年12月25日に公布した「医療法施行令等の一部を改正する政令」(政令第209号)で、医師少数区域経験認定医師である旨を医籍の登録事項に追加する、と規定した。

インセンティブという意味でもう一つ重要なのは、地域医療支援病院のうち医師派遣・環境整備機能を有する病院の管理者は医師少数区域経験認定医師でなければならない、とされていることだ。ただし、地域における医療の提供に影響を与える場合等は、それ以外の者に管理させることができる。例えば、地域において医師少数区域経験認定医師がいないのであれば、現実的な対応も必要となる。また今後、地域医療支援病院の要件の見直しも行われるので、その対象が地域医療支援病院全体に拡大する可能性もある。

「医師少数地域」とは全国の二次医療圏の下位33.3%のこと

認定制度でいうところの医師少数区域等とは、医師の確保を特に図るべき区域を意味し、厚生労働省の医師需給分科会が2018~2019年に検討・作成した「医師少数区域」が基準となる。これは医師偏在指標により医師が相対的に少ないと判定された区域を意味し、具体的には、全国335(医師偏在指標作成時)の二次医療圏のうち上位33.3%を「医師多数区域」、下位33.3%を「医師少数区域」としている。ただし、改正医療法では、「医師少数区域」は最終的に都道府県知事が定める地域としており、医師偏在指標に基づくとは限らない。そのため、「医師少数区域」ではなく、「医師少数区域等」として「等」が付いている。

実際に行う必要のある業務を通知で示す

前述の令和2年厚生労働省令第4号と、それを踏まえて厚労省が発出した通知により、医師少数区域経験認定医師として認定される要件が明確になった。

まず、医師少数区域等に所在する医療機関で、6カ月以上の期間、診療に従事し、下表に示すように、幅広い診療と保健指導をはじめとした業務のすべてを行う必要がある。そのように業務の内容が幅広いのは、地域医療全般への知見を有することを評価するためである。

認定に必要な業務

  1. ア 個々の患者に対し、その生活状況を考慮し、幅広い病態について継続的な診療及び保健指導を行う業務
  2. ・地域の患者への継続的な診療
  3. ・診療時間外の患者の急変時の対応
  4. ・在宅療養を行っている患者に対する継続的な訪問診療
  5. ・在宅療養を行っている患者が急変した際の往診
  6. ・小児等に対する夜間診療の実施
  7. イ 他の病院等との連携及び患者が住み慣れた地域で日常生活を営むことができるよう支援するための保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する業務
  8. ・地域ケア会議、要保護児童対策地域協議会等への参加
  9. ・他の医療機関又は介護・福祉事業者が加わる退院カンファレンスへの参加等、患者の転院、転棟、退院先との調整
  10. ・介護認定審査会への参加
  11. ・地域の医療従事者に対する研修の実施(講師としての参加を含む)
  12. ウ 地域住民に対する健康診査、保健指導その他の地域保健に関する業務
  13. ・公共的な性格を有する定型的な健康診断及びその結果に基づく保健指導
  14. ・予防接種法に掲げられた疾病の予防を目的とした予防接種
  15. ・地域で行われる母親学級での講演や、地域で行われる生活習慣病等に関する院内外における講習会等、地域住民に対する保健医療に関する講習会の実施(講師としての参加を含む)
  1. 出典:厚労省医政局長通知(医政発0116第1号、令和2年1月16日)

国会で認定制度関連の附帯決議が

医師少数区域経験認定医師としての認定に必要な期間(6カ月以上)においては、原則として、同一の医師少数区域等にある医療機関で週32時間以上、勤務していなければならない。この場合は、勤務を行っていない日も認定に必要な期間に含めることができる。妊娠・出産・育児・傷病などにより勤務を中断した場合は、その中断前後の勤務期間を合算できる。

また、医師少数区域経験認定医師は臨床研修を終えた比較的若い医師が想定されているが、医師免許を取得して9年以上経過した後に医師少数区域等にある医療機関に勤務する場合は、複数の医師少数区域等での断続的な勤務の日数を合計して180日となれば認定に必要な勤務期間に達したものとして扱われる。ただし、実際に勤務を行っていない日については、勤務の日数としてカウントされない。

なお、改正医療法を成立させるに当たって、衆議院・厚生労働委員会、参議院・厚生労働委員会それぞれにおいて、認定制度に関して「医師少数区域等で勤務した医師に対する認定の創設に当たっては、認定を受けた医師や医師派遣の要請に応じて医師を派遣する病院に対する効果的な経済的インセンティブの付与について検討すること」という附帯決議がなされており、今後、さらに経済的インセンティブについての検討が行われることになりそうだ。