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2018年「国民健康・栄養調査」の結果を公表
世帯の所得により世帯員の生活習慣や食生活に差 2020.02.03健康・医療

厚生労働省(厚労省)は2019年1月14日、2018年「国民健康・栄養調査」の結果を公表した。これは同省が毎年調査しているものだが、2018年「国民健康・栄養調査」は同年11月に実施し、世帯の経済状況と生活習慣などの関連をみているのが特徴である。今回の調査では、所得によって生活習慣や食生活に差があることが明確に示されている。

ポイント

  • 経済状況と生活習慣の関係、加熱式たばこについて初めて調査
  • 喫煙者、健診未受診者の割合は200万円未満の世帯で有意に高い
  • 収縮期血圧の平均値は10年間で男女とも有意に減少

世帯の所得で四つの階層に分類、世帯員間を比較

2018年「国民健康・栄養調査」は、同年11月1日現在で1歳以上の者を対象に、同年同月中に調査を実施した。同調査は、毎年実施している基本項目、各年における特別のテーマに基づく重点項目で構成している。今回の調査では、所得等社会経済状況と生活習慣等の状況が、重点項目とされた。これは、いわゆる経済格差が生活習慣や食生活にどのように影響するかをみたもので、同調査においては初めての本格的な試みとなる。

同調査では、世帯の年間所得については「200万円未満」(構成比21.1%)、「200万円以上400万円未満」(同31.5%)、「400万円以上600万円未満」(同19.9%)、「600万円以上」(同27.4%)の四つの階層に分類している。ここでいう「世帯の年間所得」とは、過去1年間の世帯の収入(税込み)のことであり、所得税の確定申告などでいう「所得」とは概念が異なるので注意が必要である。また、「世帯の年間所得」は、世帯の構成員(20歳以上)の所得を合計したものであり、構成員個々の所得を意味するものではないが、集計において世帯の年齢階級と世帯員数の調整がなされており、それぞれの世帯員間の比較が可能となっている。

その所得と生活習慣等に関する調査結果のポイントをまとめると、下表のようになる。

世帯の所得と生活習慣等に関する状況(所得600万円以上の世帯の世帯員との比較)

性/
所得
200万
円未満
400万
円未満
600万
円未満
600万
円以上
食塩摂取量 男性 少ない 比較対象
野菜摂取量 男性 少ない 少ない 比較対象
果物摂取量100g未満の割合 女性 高い 比較対象
歩数 男性 少ない 比較対象
女性 少ない 少ない 少ない 比較対象
習慣的に喫煙している者の割合 男性 高い 高い 比較対象
女性 高い 比較対象
リスク高める量の飲酒をしている者の割合 男性 低い 低い 比較対象
睡眠による休養が十分にとれていない者の割合 女性 高い 比較対象
健診の未受診者の割合 男女 高い 高い 高い 比較対象
やせの者の割合 男性 高い 比較対象
歯の本数が20歯未満の者の割合 男性 高い 高い 高い 比較対象
女性 高い 高い 比較対象
栄養バランスのとれた食事をしている者の割合 ※ 男女 低い 比較対象
  1. 注:「少ない」「高い」「低い」は有意差が認められたもの。
  2. ※  主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度が「ほとんど毎日」と回答した者の割合。

栄養バランスのとれた食事ができない主な理由は「食費の余裕がない」

所得と生活習慣等に関する概要は、次のとおりである。

習慣的(「毎日吸う」、「時々吸う」)に喫煙している者(以下、喫煙者)の割合、健診未受診者の割合、歯の本数が20歯未満と回答した者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比べて、男女とも200万円未満の世帯員で有意に高くなっている。例えば、喫煙者の割合は、600万円以上の世帯では男性が27.3%、女性が6.5%だが、200万円未満の世帯では男性が34.3%、女性が13.7%と有意に高い。

今回の調査結果で注意が必要なのは、生活習慣としての食事の内容である。例えば、食塩摂取量は、世帯の所得が600万円以上の世帯員(男性11.2g、女性9.3g)と比べて、男性では200 万円未満の世帯員(同10.5g、同9.2g)で有意に少ない。それについては、200万円未満の世帯員(男性)は減塩と健康を意識した生活を送っているようにみえるが、必ずしもそうではなく、経済的な理由で食事量が少なくなっている結果として塩分摂取も少なくなっている、と推測される。

すなわち、世帯員のエネルギー摂取量は、世帯の所得が600万円以上の世帯員(男性2,187kcal、女性1,767kcal)と比べて、200万円未満の世帯員(同2,041kcal、同1,651kcal)は有意に少ない。野菜摂取量は、同600万円以上の世帯員(同296.6g、同278.5g)と比べて、男性では200万円未満の世帯員(男性253.9g)および200万円以上400万円未満の世帯員(同271.2g)で有意に少ない。また、果物摂取量が100g未満の者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員(男性67.9%、女性55.7%)と比べて、女性では200万円未満の世帯員(同64.4%、同64.5%)で有意に高い。

食生活に関しては、主食・主菜・副菜を組み合わせて食べている食事(以下、栄養バランスのとれた食事)の頻度で、所得格差が見られている。具体的には、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度が「ほとんど毎日」と回答した者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員(男性52.5%、女性57.5%)と比べて、男女ともに200万円未満の世帯員(同37.3%、同39.6%)で有意に低くなっている。また、栄養バランスのとれた食事ができない理由として、「食費の余裕がない」と回答した者の割合は、世帯の所得が600万円以上の世帯員(同7.6%、同5.3%)と比べて、男女ともに200万円未満の世帯員(同22.1%、同28.9%)、200万円以上400万円未満の世帯員(同13.7%、同18.8%)で、それぞれ有意に高くなっている。

加熱式たばこが一定程度、普及していることが明らかに

2018年「国民健康・栄養調査」では、加熱式たばこの喫煙状況が初めて把握されたのも特徴である。加熱式たばこについては、その主流煙に健康影響を与える有害物質が含まれていることは明らかだが、販売されて間もないこともあり、受動喫煙による将来の健康影響を予測することは困難である、とされている(厚労省ホームページ「受動喫煙対策」参照)。

今回の調査において、まず、現在習慣的に喫煙している者(毎日吸っている、または時々吸う日がある20歳以上の者)の割合(以下、喫煙率)は17.8%で、うち男性が29.0%、女性が8.1%となっている。この10年間でみると、男女ともに喫煙率は有意に低下している。

現在習慣的に喫煙している者が使用しているたばこ製品については、「紙巻きたばこのみ」が、男性で68.1%、女性で76.1%、「加熱式たばこのみ」が同22.1%、同14.8%、「紙巻きたばこ及び加熱式たばこ」が同8.5%、同8.8%となっている。このように、喫煙率が低下している状況において、加熱式たばこが一定程度、普及していることが明らかになった。

自分以外の人が吸っていたたばこの煙を吸う(受動喫煙)機会を有する者(20歳以上の男女計、喫煙者除く)の割合について場所別にみると、「飲食店」が36.9 %と最も高く、次いで「路上」(30.9%)、「遊技場」(30.3%)が高く、いずれも30%を超えている。  また、受動喫煙の機会について2003年からの推移をみると、「家庭」、「職場」、「学校」、「飲食店」、「遊技場」、「行政機関」、「医療機関」については、それぞれ有意に減少している。しかし、「路上」については、減少していない。

「糖尿病が強く疑われる者」の割合は10年間で有意な変化なし

 基本項目として、肥満およびやせの状況、糖尿病、血圧、血清コレステロールなどに関する状況が調査されている。

まず、肥満者(BMI≧25kg/m2、20歳以上)の割合は男性で32.2%、女性で21.9%となっていて、この10年間で男女とも有意な変化はみられない。

「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性で18.7%、女性で9.3%であり、この10年間で男女とも有意な変化はみられない。ただし、その割合を年齢階層別でみると、男性の60~69歳で24.8%、70歳以上で24.6%といったように比較的高くなっている。

収縮期血圧の平均値は男性で134.7mmHg、女性では127.9mmHg、この10年間で男女とも有意に減少(改善)している。また、収縮期血圧が140mmHg以上の者の割合は男性で36.2%、女性では26.0%、これも10年間で男女ともに有意に減少(改善)している。

血清総コレステロール値が240mg/dL以上の者の割合は男性で12.2%、女性では21.1%、この10年間で男性では有意な変化は認められないが、女性では有意な増加が認められる。

なお、食塩摂取量の平均値は10.1g(男性11.0g、女性9.3g)、この10年間で男女とも有意に減少しているが、2016~2017年でほぼ下げ止まった形になっていて、2018年には上昇傾向を示しており、血圧などへの影響も考慮すると、今後について楽観視はできない状況である。