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中医協が2019年度に実施した調査結果まとまる
オンライン診療、医師の負担軽減など「働き方改革」関連で調査 2019.12.02健康・医療

中央社会保険医療協議会(中医協)は2019年11月13日、診療報酬改定結果検証部会から、①かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その2)、②医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査(その2)、③かかりつけ薬剤師・薬局の評価を含む調剤報酬改定の影響及び実施状況調査――など、2019年度に実施した5項目の調査結果について報告を受けた。そこには、オンライン診療、「働き方改革」など、医療関係者の関心の高い調査結果が含まれている。以下、それらに関する調査結果を紹介する。

ポイント

  • 医療機関がオンライン診療を実施しない主な理由は機器・システムのコストなど
  • オンライン診療を受けたことがある患者の55%が「今後もできるだけ受けたい」
  • 勤務状況について1年前と比較して(「どちらかというと改善した」も含めて)改善したと回答した医師は2割弱、6割は変わらないと回答
  • 負担軽減には「医師の増員」、「医師事務作業補助者の外来への配置」などが有効

オンライン診療の患者の3割程度が自由診療

かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その2)でのオンライン診療に関する調査は、2019年7~9月に実施した。対象は、オンライン診療料を届け出ている全施設(1,281施設)、オンライン診療料を届け出ていない1,000施設(機能強化加算届出500施設、機能強化加算未届出500施設)。また、オンライン診療料届出施設においては患者(オンライン診療を受けている患者3名、受けていない患者2名)を対象に、オンライン診療に関する意識調査を行っている。

オンライン診療料届出施設は、回答のあった病院(37施設)の51.4%、診療所(679施設)の47.6%である。ただし、前述のように調査対象はオンライン診療料届出施設、未届出施設が一定の数になるように調整されており、わが国の病院・診療所全体の状況を反映しているわけではない。

オンライン診療料届出施設において実際にオンライン診療を実施しているのは、病院の24.3%、診療所の16.1%である。また、2019年6月末時点でオンライン診療を行っている1施設当たりでの患者数(平均値)は、病院では「保険診療」が4.9人、「保険診療以外」が2.1人、診療所では「保険診療」が2.8人、「保険診療以外」が0.9人となっている。このように、オンライン診療を行っている患者全体の3割程度が自由診療として実施されているが、厚労省が2018年3月に策定した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は自由診療にも適用される。

「治療上の必要性のため、オンライン診療の適応となりうると考えられるが、実施していない患者がいますか」との質問に対して「いる」と答えた施設は、病院(37施設)の29.7%、診療所(679施設)の28.3%である。その実施をしない理由(複数回答)は、病院では「患者の希望がないため」、「オンライン診療に用いる機器やシステムの導入・運用コストが高いため」がそれぞれ54.5%で最も多く、次いで「患者がオンライン診療に用いる機器を使えないため」、「対面診療の方がすぐれているため」がそれぞれ27.3%となっている。また、診療所においては「患者の希望がないため」が最も多く56.3%。以下、「対面診療の方がすぐれているため」(42.2%)、「患者がオンライン診療に用いる機器を使えないため」(33.9%)などとなっている。診療側の思惑、患者側の事情などで、実際にオンライン診療の対象になる患者は少ないのが実情である。

オンライン診療の受診の有無によって患者の評価が分かれる

オンライン診療に関する意識調査(患者調査)は、中医協がオンライン診療に関して初めて患者を対象に調査したものであり、その意味でも注目すべき結果となっている。調査対象はオンライン診療料届出施設の患者831名で、うち87名(10.7%)が、オンライン診療について「受けたことがある」(受診経験有り)と回答している。この「受診経験有り」の年齢階層は、50歳代が24.1%で最も多く、次いで、40歳代、60歳代がそれぞれ14.9%、30歳代が13.8%となっている。

オンライン診療受診経験の有無別で、今後の受診についての考え方を聞いたところ、「受診経験有り」の患者では「できるだけオンライン診療を受けたい」が55.2%で最も多かったのに対して、「受診経験無し」の患者では「できるだけ対面診療を受けたい」が52.2%で最も多い。このように、オンライン診療の受診の有無によって同診療に対する評価が分かれること、オンライン診療を実際に受ければ同診療に対する評価も高まることなどが、明らかになった(下表参照)。

オンライン診療に関する意識調査(患者調査)の結果
今後の受診に対しての考え方

全体
n=831
受診経験有り
n=87
受診経験無し
n=744
できるだけ対面診療を受けたい 47.4% 6.9% 52.2%
できるだけオンライン診療を受けたい 10.1% 55.2% 4.8%
対面診療かオンライン診療かは医師の判断に任せたい 24.9% 32.2% 24.1%
わからない 11.7% 0.0% 13.0%
その他 2.3% 5.7% 1.9%
無回答 3.6% 0.0% 4.0%
  1. 出典:中医協「かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その2)」

また受診経験のある患者が受診して感じたこと(設問に対して「そう思う」と回答)として多いのは、①対面診療と比べて待ち時間が減った(90.8%)、②対面診療と比べて受診する時間帯を自分の都合に合わせられた(87.4%)、③オンライン診療の手間や費用負担に見合うメリットがあると感じた(79.3%)、など。「対面診療と比べて十分な診療を受けられないと感じた(直接触って異常を見つけてもらうことができない等)」は14.9%で、比較的少なかった。

医師の負担軽減策として医師事務作業補助者の外来への配置など実施

医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査(その2)は、①施設調査(医師事務作業補助体制加算を算定している病院750施設、同算定していない病院750施設)、②医師調査(施設調査の対象施設に1年以上勤務する常勤医師、1施設あたり最大4名)、③看護師長調査、④薬剤部責任者調査に大きく分かれている。調査は2019年7~9月に実施し、施設票の回収率は37.7%となっている。

まず、施設調査において、すでに実施している医師の負担軽減策については「医師事務作業補助者の外来への配置」(51.0%)、「医師の増員」(50.3%)が、半数以上の病院において挙げられている。また、医師の負担軽減策として実施している取り組みのうち、特に医師の負担軽減効果がある取り組みを最大三つまで質問したところ、「医師の増員」が35.2%で最も多かった。以下、「医師事務作業補助者の外来への配置」(31.7%)、「医師事務作業補助者の病棟への配置」(15.0%)、「当直翌日の業務内容の軽減(当直翌日の休日を含む)」(14.6%)、「時間外・休日・深夜に特定の医師に負担が集中しないような体制の整備」(14.4%)と続いている。

このように、医師の負担軽減という観点から医師事務作業補助者の配置は有効と考えられるが、医師事務作業補助体制加算の届出をしない理由としては、「加算の要件に沿った医師事務作業補助者の配置のメリットが少ないため」(53.5%)、「施設基準を満たすことが難しいため」(52.6%)が比較的多かった。また、満たすことが難しい施設基準については、「年間の緊急入院患者数に関する基準(例:15対1の場合は年間800名以上であること等)」、「全身麻酔による手術件数に関する基準」が最も多く、それぞれ56.2%となっている。

「診察前の事前の面談による情報収集や補足的な説明」などは他職種の実施を希望

医師調査において、1年前と比較して総合的にみた勤務状況については「改善した」(5.6%)、「どちらかというと改善した」(14.2%)を合わせても2割弱であり、「変わらない」(58.2%)が過半数となっている。

各業務において医師と他職種との業務分担として、主に他職種が実施しているものとして多いのは「静脈採血」(89.4%)、「患者移動」(81.5%)、「静脈注射」(78.5%)、「留置針によるルート確保」(73.9%)、「尿道カテーテルの留置」(63.7%)などである。

一方、医師のみが実施している業務について、「他職種に実施してほしい」および「他職種に補助してほしい」とする割合が大きいのは、「診察前の事前の面談による情報収集や補足的な説明」が計63.3%で最も多かった。以下、「主治医意見書の記載」(計61.4%)、「患者の退院に係る調整業務」(計60.6%)、「慢性疾患患者への療養生活等の説明」(計57.0%)、「診察や検査等の予約オーダリングシステム入力や電子カルテ入力」(54.8%)などとなっている。

なお、2020年度診療報酬改定に向けて中医協では、今回の調査結果も踏まえて、医師事務作業補助体制加算の施設基準などについて見直しの方向で議論をしている。