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厚労省が第3回「医療等分野情報連携基盤検討会」を開催
PHR、安全管理のガイドライン改定、電子カルテの標準化などを報告 2019.11.05健康・医療

厚生労働省(厚労省)は2019年10月10日、約1年ぶりに医療等分野情報連携基盤検討会(第3回)を開き、同省が取り組もうとしている医療の情報化・IT化に向けての施策の概要について報告した。ITの進歩に対応し、また将来、経済産業省(経産省)と総務省それぞれのガイドラインと統一することを見据えて、2020年度を目途に現行の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を改定する、という。同検討会構成員の質問や意見は、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)、電子カルテの標準化に関するものが多かった。

ポイント

  • 2019年11月にも、PHRのあるべき姿(基本方針)などを提示
  • レセプトに基づく薬剤情報、特定健診情報を確認できる仕組みの構築へ
  • 電子カルテの標準化とはシステムではなく、データのやり取りができるように互換性を持たせること

PHRの安全性や正確性について意見が

医療等分野情報連携基盤検討会は、これからのネットワーク基盤やシステムの安全性確保のあり方などについて検討するため、2018年3月に設置された。同年7月に開催された第2回検討会では、医療等分野における識別子(通称「医療等ID」)として個人単位化された被保険者番号を用いる、という重要な判断をしている。今回の第3回検討会では、①「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」改定、②国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会、③保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みおよび標準的な医療情報システム、などについて事務局(厚労省医政局)から説明を受けるとともに、議論した。

②に挙げた「国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会」(以下、PHR推進検討会)は、2019年6月21日に閣議決定した成長戦略フォローアップを受けて、厚労省が9月11日に設置したもので、「PHRの更なる推進のため、健診・検診に係るデータの電子化などの事項について、来年夏までに一定の結論を得る」としている。PHR推進検討会では、PHRの目的を個人の健康増進や行動変容の促進等(民間事業者を介した活用も含む)としたうえで、PHRとして提供する情報、情報提供・閲覧のあり方、などを検討の対象として挙げている。

2019年11月頃に開催する第2回PHR推進検討会で「PHRの推進に関する基本方針」(仮称)をまとめ、PHRのあるべき姿などを提示することにしている。また、2020年度早期に第3回検討会を開き、中間整理として、PHRの推進に向けての今後の方策を取りまとめ、工程表も策定する。その間、医療等分野情報連携基盤検討会とも連携しながら、医療情報の取り扱いについて検討する。

第3回医療等分野情報連携基盤検討会では、PHRに関して、主として安全性や正確性に関する意見が出た。医師である構成員は、事務局に対して「民間の事業者に(PHRを)お任せして、何が良いのか、何が悪いのか、まとめていただきたい」と、要望した。情報関係を専門とする構成員は「問題は情報の質である」と指摘し、指や腕にデバイスを装着して生体情報を取得・蓄積していくものもPHRであるとしたうえで、「(米国等では)その情報が本人のものかということが、問題になっている。PHRの利用の範囲、考え方について、一度、整理をしていただきたい」と述べた。また、別の構成員からは「(PHRの分野に)民間事業者が入ることになっているが、データの入力は誰がするのか」という問題提起もあり、個人情報保護法上の問題、作業と人件費・コストのことなどを懸念しての指摘と思われる。

医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5版の改正準備

前述①に挙げた「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」は、個人情報保護法の施行などにも対応し、第1版が2005年3月に作成された。以後、IT分野の急速な進歩に対応し、また個人情報保護法の改正に合わせる形で、2017年5月に同ガイドライン第5版がリリースされている。それから2年以上が経過し、技術的な進歩があるほか、経産省、総務省それぞれによる関連のガイドラインとの統合も予定されている。そこで、同ガイドライン第5版を2020年度以降に改定するため、医療等分野情報連携基盤検討会に設置している「医療等分野ネットワーク安全管理ワーキンググループ」で、2019年度末までに改定素案を作成するとともに、経産省・総務省のガイドラインとの統合のあり方について検討する。

それに関して、国保の立場の構成員から「厚労省、経産省、総務省の3省でガイドラインを統一していただきたい」と、要望が出た。また、同ガイドライン第5版の改定において追記が必要な事項について、医療情報を専門とする構成員が、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)に関することなどを挙げた。

電子カルテの標準化で質疑

前述③に挙げた、保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みおよび標準的な医療情報システムについて、そこでいう「保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組み」とは、レセプトに基づく薬剤情報、特定健診情報を確認できる仕組みのことである。政府は、この仕組みを2021年10月以降に稼働させることを目指し、遅くとも2020年度末までに工程表を策定する。今後、具体的にどのような情報を確認できるようにするか、またPHRとの役割分担などが、主要な検討課題となる。薬剤情報に関して、構成員から「レセプトの情報に、服薬の情報はあるのか」と質問が出た。それに対して、事務局では「服薬の情報はない。必要であれば、どこから持ってくるか、検討したい」と答弁した。

また、「標準的な医療情報システム」については、厚労省が電子カルテの標準化指針を策定する。併せて、2019年度予算で創設した医療情報化支援基金を使って、標準化された電子カルテの導入を助成する。これらが施策の中心となる。(下表参照)

標準的な医療情報システムの検討について

標準的な医療情報システムについて、技術的側面(内閣官房の検討会)と、制度的側面 (厚生労働省の検討会)の2段階で検討する。

標準的医療情報システムに関する検討会(内閣官房健康・医療戦略室)

標準的な医療情報システムについては、省庁横断的に技術的・専門的議論を行う必要があることから、内閣官房健康・医療戦略室下の検討会「標準的医療情報システムに関する検討会」を開催。

医療等分野情報連携基盤検討会(厚生労働省)

上記検討会のとりまとめを踏まえ、医療現場等の関係者が参画する本検討会(医療等分野情報連携 基盤検討会)において、「医療情報化支援基金」の趣旨に照らした補助要件や、標準的電子カルテの普及方策等、具体的な施策へ反映させるための検討を行う予定。

  1. 出典:厚生労働省「保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組み及び標準的な医療情報システムについて」より引用

電子カルテの標準化について、構成員から「システム自体を置き換えることを考えているのか。コストを考えると、そこまでする必要はないのではないか」との質問が出た。それに対して、事務局は「(標準化するのは)システムではなく、機能、データのやり取りができるように互換性を持たせることである。どのような機能が求められるか、ご意見をいただきたい」と答弁した。また、別の構成員が「電子カルテの“日本版”を作ろうとしているのか。本気度を聞かせていただきたい」と質問。事務局が「電子カルテを一本化すること自体は、ハードルが高い。難しい、と考えている」と答えた。

2025年度までのスケジュールを提示

最後に、事務局が、①医療情報システムの安全管理ガイドライン、②電子カルテの標準化、③保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組み、④PHRの推進のための包括的な検討――について、2025年度までのスケジュールを提示した。それらのうち、①については2020年度を目途に改定を実施するが、それ以外は基本的に2025年度まで「推進」や「具体化」を続ける中で、部分的に稼働させていく。

なお、それらに関して、事務局が「電子カルテの標準化は、内閣官房での議論を踏まえて対応する。PHRについては『PHR推進検討会』で検討するが、こちらの医療等分野情報連携基盤検討会でも意見をいただきたい」と、説明した。