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厚生労働省が第21回保健医療情報標準化会議を開催
新たに3規格を厚生労働省標準規格と認めるよう提言 2019.10.02健康・医療

厚生労働省(厚労省)は2019年9月30日、第21回保健医療情報標準化会議を開催した。同会議は、医療分野の情報化の進展に伴って、医療機関内や医療機関間などでやりとりされるメッセージや書類を標準化するメリットについて検討するために年に1回程度開催されている。その検討の結果、保健医療情報分野の標準規格(厚生労働省標準規格)として認めるべき規格については厚生労働省に対して提言などを行う。第21回会議では、データ入力用書式取得・提出に関する仕様、HL7 CDAに基づく退院時サマリー規約、標準歯式コード仕様について、新たに厚生労働省標準規格として認めるよう提言した。

ポイント

  • 今回の会議では、3規格が厚生労働省標準規格に認定へ
  • データ入力用書式取得・提出に関する仕様(RFD) ― データベース作成を効率化
  • 退院時サマリー規約 ― 退院時サマリーに記述すべき項目について体系的に整理し、医療機関ごとに記載内容が異なる状況を解消
  • 標準歯式コード仕様 ― 電子的に情報交換できるようにして電子カルテ等で使用
  • 医療機関は「規格」実装によるメリットを十分考慮することが求められる

2019年9月30日時点では17規格が厚生労働省標準規格に

医療情報標準化推進協議会(Health Information and Communication Standards Board、以下「HELICS協議会」)は、同協議会に参加するIT関係団体などが申請した保健医療情報分野の標準規格(案)を審議し、採択している。保健医療情報標準化会議は、HELICS協議会で採択された標準規格(案)を検討し、厚労省に提言する。同省が認定したものが厚生労働省標準規格である。

厚労省は2010年3月31日、保健医療情報標準化会議の提言を踏まえて、厚生労働省標準規格として初めて8件の規格を認定し、都道府県などに通知した。その際に同省は、厚生労働省標準規格について「医療機関等に対し、その実装を何ら強制するものではないが、実装によるメリットを十分考慮することを求めるものである」と通知している。以後、2019年9月末までに17件の規格を厚生労働省標準規格として認定している(別表参照)。

実際、IT[ICT(情報通信技術)]の分野・業界は、いわゆるデファクトスタンダードとして、企業の力で大きなシェアをとった規格が自然に“標準”となることが多い。そのため、中央省庁が「標準規格である」と定めても、必ずしも状況は大きく動かない。

厚生労働省標準規格の認定状況 (2019年9月30日現在)

申請受付番号 提案規格名([ ]内は提出団体名)
HS001 医薬品HOTコードマスター
[(一財)医療情報システム開発センター]
HS005 ICD10対応標準病名マスター
[(一財)医療情報システム開発センター]
HS007 患者診療情報提供書及び電子診療データ提供書(患者への情報提供)
[日本HL7協会]
HS008 診療情報提供書(電子紹介状)
[日本HL7協会]
HS009 IHE統合プロファイル「可搬型医用画像」およびその運用指針
[(一社) 日本医療情報学会]
HS011 医療におけるデジタル画像と通信(DICOM)
[(一社) 日本画像医療システム工業会]
HS012 JAHIS臨床検査データ交換規約
[(一社)保健医療福祉情報システム工業会]
HS013 標準歯科病名マスター
[(一財)医療情報システム開発センター]
HS014 臨床検査マスター
[(一財)医療情報システム開発センター]
HS016 JAHIS放射線データ交換規約
[(一社)保健医療福祉情報システム工業会]
HS017 HIS,RIS,PACS,モダリティ間予約,会計,照射録情報連携指針(JJ1017指針)
[(公社) 日本放射線技術学会]
HS022 JAHIS処方データ交換規約
[(一社)保健医療福祉情報システム工業会]
HS024 看護実践用語標準マスター
[(一財)医療情報システム開発センター]
HS026 SS-MIX2ストレージ仕様書および構築ガイドライン
[(一社) 日本医療情報学会]
HS027 処方・注射オーダ標準用法規格
[(一社) 日本医療情報学会]
HS028 保健医療情報-医用波形フォーマット-パート1:符号化規則
[(一財)医療情報システム開発センター]
HS031 地域医療連携における情報連携基盤技術仕様
[(一社)日本IHE協会]
HS030 データ入力用書式取得・提出に関する仕様(RFD)
[日本IHE協会]
HS032 HL7 CDAに基づく退院時サマリー規約
[日本HL7協会]
HS033 標準歯式コード仕様
[(一財)医療情報システム開発センター]
  1. 注: HS030、HS032、HS033は第21回保健医療情報標準化会議で「認めるべき規格である」と、提言されたものだが、この時点では厚生労働省の正式な「認定」には至っていない
  2. 出典:第21回保健医療情報標準化会議の資料を一部改変

データベース作成を効率化させる仕様も厚生労働省標準規格に

第21回会議では、HELICS協議会において、データ入力用書式取得・提出に関する仕様(申請受付番号HS030)、HL7 CDAに基づく退院時サマリー規約(同 HS032)、標準歯式コード仕様(同HS033)が採択されたことを受けて、それらの規格について新たに厚生労働省標準規格として認めるべきか、検討した。

まず、データ入力用書式取得・提出に関する仕様(RFD)は、例えば全国的なデータベースが医療機関の電子カルテなどからデータを取得する際の書式・規約を定めたもので、国際的な標準規格に準拠している。それによりレスポンスが向上し、データベース作成も効率化される。同規格は、日本IHE協会のホームページからダウンロードできる。なお、同会議の構成員から、RFDはすでに浜松医科大学で実装されていて、自然に普及していくことが期待される、という報告も行われた。

HL7 CDAに基づく退院時サマリー規約は、退院時サマリーを異なる施設間で電子的に交換できるようにする規格である。わが国では医療機関によって退院時サマリーの記載内容が異なっているため、地域連携などに大きく役立てることができない。そこで、同規格は、退院時サマリーに記述すべき項目について体系的に整理し、必要最小限の情報を用いて退院後のケアを適切に行えるようにしている。同規格は、日本HL7協会のホームページからダウンロードできる。なお、同規格について、同会議の構成員から、医療情報交換のための標準規約であるHL7(Health Level Seven)に基づいているので電子版お薬手帳に取り込むことができる、という説明があった。

標準歯式コード仕様は、電子カルテ等で使用することを目的に、固有の歯式について標準化し、電子的に情報交換できるようにしたものである。同仕様は、医療情報システム開発センターのホームページからダウンロードできる。

臨床系学会による標準化の取り組みも議論するか検討へ

以上の3規格(仕様、規約)について、今回の保健医療情報標準化会議では、厚労省に対して「厚生労働省標準規格にすべきである」と提言した。併せて、「関係省庁、関係団体とも連携の上で、厚生労働省標準規格の一層の普及啓発を図るべきである」と指摘した。

それを受け、厚労省では後日、都道府県などに対して、新たに3規格を厚生労働省標準規格として認定した旨を通知する。

なお、厚生労働省標準規格として認められるにはHELICS協議会に参加するIT関係団体が同協議会に提案することが事実上の前提となっている。この前提に対して同会議の座長である大江和彦氏(東京大学大学院医学系研究科医療情報学分野教授)は「最近は(IT関係団体だけでなく)、臨床系の学会でも標準化をしていこうという動きが出てきている。例えば外科系の術式コードが作られ、普及が図られている。そのような規格についても、この保健医療情報標準化会議の議論に乗せられないか、検討していただきたい」と、厚労省に要望した。