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消費税率引き上げに対応した2019年度診療報酬改定が告示
DPC制度では基礎係数、機能評価係数Ⅱなどが改定 2019.09.17健康・医療

2019年10月からの消費税率引き上げに対応して診療報酬改定(以下、2019年度改定)を行うため、厚生労働省(以下、厚労省)は同年8月19日および同月30日に、「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」など計10件の告示を行うとともに、関連の通知を発出した。2019年度改定における診療報酬本体の内容については同年2月13日に中央社会保険医療協議会(中医協)が答申しているが(既報)、同年10月からの薬価や材料価格、DPC制度における係数などは、今回の告示で初めて明らかになった。

ポイント

  • 消費税率引き上げに関するQ&Aで、既に入院している患者に対しての差額室料やおむつ代の同意書の取扱いが明らかに
  • 選定療養の徴収額に変更がある場合は同意書を
  • DPC制度における各医療機関群の基礎係数を引き上げ、これが診療報酬引き上げの一要因に
  • 病院の中では、食事(病院食)は非課税、患者の自己選択による特別メニューの食事は非課税にも軽減税率にもならない

消費税負担の補填で診療報酬本体は+0.41%に

2019年度改定における改定率は2018年12月17日に政府が決定していて、診療報酬本体が+0.41%、実勢価格に基づいて薬価が▲0.51%(うち消費税対応分が+0.42%、実勢価改定等▲0.93%)、材料価格が+0.03%(うち消費税対応分が+0.06%、実勢価改定等▲0.02%)とされた。

その改定率に基づく診療報酬本体の改定の内容は、すでに2019年2月13日、中医協が答申をしている(既報)。今回の改定方法の特徴は、2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた時にさかのぼり、消費税率が5%から10%へと変化する状況を想定し、より適切な補填になるように診療報酬を見直したことである。その最も基本となる診療報酬は下表のとおりである。

2019年度改定 主な診療報酬の点数

項目 現行 改定後 うち消費税
対応分
【初診料】      
初診料 282 288 18
(同一日2科目) 141 144 9
(紹介のない場合) 209 214 14
(妥結率が低い場合) 209 214 14
(同一日2科目・紹介のない場合) 104 107 7
(同一日2科目・妥結率が低い場合) 104 107 7
【再診料】      
再診料 72 73 4
(同日) 72 73 4
(同一日2科目) 36 37 3
(妥結率が低い場合) 53 54 3
(同日・妥結率が低い場合) 53 54 3
(同一日2科目・妥結率が低い場合) 26 27 2
【外来診療料】      
外来診療料 73 74 4
(同日) 73 74 4
(同一日2科目) 36 37 3
(紹介のない場合) 54 55 3
(同日・紹介のない場合) 54 55 3
(同一日2科目・紹介のない場合) 26 27 2
(同一日2科目・妥結率が低い場合) 26 27 2
(妥結率が低い場合) 54 55 3
(同日・妥結率が低い場合) 54 55 3
【オンライン診療料】 70 71 4
  1. 注:「うち消費税対応分」は、消費税率5%から10%への引き上げに対応する点数を示している

2019年度改定に向けて計10件の告示

2019年度改定の内容として、厚労省は2019年8月19日に8件の告示(厚生労働省告示第85号~92号)、同月30日には追加として2件の告示(厚生労働省告示第97号、99号)を行った。

1万6,510品目の薬価を改定

DPC制度についての2019年度改定の基本方針は、2019年1月16日に開催された中医協の総会で決定されている。それは、消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年度改定と同様に、出来高の病院における各入院料と同じ上乗せ相当分をDPCの点数(診断群分類における包括点数)と医療機関別係数に含める、というものである。したがって、DPC対象病院における入院医療については、DPC制度を導入していない出来高の病院と同水準の消費税補填がなされる、とみることができる。ちなみに、DPC制度における包括評価部分の診療報酬は、『「診断群分類における包括点数(入院基本料含む)」×在院日数×医療機関別係数(基礎係数、機能評価係数Ⅰ、機能評価係数Ⅱ等)』というように算定する。その診療報酬(入院医療)にはさまざまな要素があるが、仮に『「診断群分類における包括点数(入院基本料含む)」×在院日数』の部分に変化がないとしたら、医療機関別係数の引き上げは診療報酬を増加させる要因となる。

DPC制度は、「厚生労働大臣が定める傷病名、手術、処置等及び定義副傷病名の一部を改正する件」(厚生労働省告示第91号)、「厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数、機能評価係数Ⅰ、機能評価係数Ⅱ及び激変緩和係数の一部を改正する件」(同92号)などの告示で示されている。

DPC制度では、医療機関が、大学病院本院群(旧DPC病院Ⅰ群、2019年度改定時点で82病院)、DPC特定病院群(同Ⅱ群、同155病院)、DPC標準病院群(同Ⅲ群、同1,487病院)に大きく分かれる。また、三つの病院群それぞれを評価するのが基礎係数、個別の病院を評価するのが、機能評価係数Ⅰ(病院での特定の加算の算定に基づいて医療提供体制・看護体制などを評価するもの)、機能評価係数Ⅱ(保険診療係数、地域医療係数、効率性係数、複雑性係数、カバー率係数、救急医療係数)である。また、改定年度のみ、激変緩和係数(診療報酬改定に伴う激変を緩和するもの)が設定される。

また、前述の第92号では、DPC制度における基礎係数、機能評価係数Ⅱの改定がなされている。基礎係数は、大学病院本院群が1.1302(2018年度改定比0.0009増)、DPC特定病院群が1.0681(同0.0033増)、DPC標準病院群が1.0374(同0.0060増)で、それぞれ診療報酬が引き上げられた形になっている。

「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部を改正する件」の告示(厚生労働省告示第87号)で、2019年度改正における薬価が明らかになった。その薬価基準は、2018年薬価調査に基づき、全面改定されている。第87号での収載医薬品等の告示数(品目数)は、内用薬1万201、注射薬3,874、外用薬2,407、歯科用薬剤28で、合計1万6,510となっている。

差額室料やオムツ代の変更には同意書を

2019年度改定に関する通知と併せて厚労省は8月19日、地方厚生局や都道府県などに対して「疑義解釈資料の送付について(その1)」(以下、Q&A)の事務連絡を行った。それには二つの問答(Q&A)しか記載されていないが、一つは下記のように、選定療養の消費税率引き上げへの対応についてのQ&Aであり、注目する必要がある。

(問1)

消費税率の引上げに伴い、既に入院している患者に対しての差額室料やおむつ代の同意書の取扱いについて、「疑義解釈資料の送付について(その2)」(2014年4月4日付け事務連絡)別添1の問54と同様か。

(答)

そのとおり。徴収額に変更がある場合は、改めて同意書を取り直す必要がある。なお、選定療養に係る届出等、各厚生局に届け出ている額について、変更がある場合は、改めて届出を行う必要がある(同事務連絡の別添1の問 55 参照。)

ちなみに、上記Q&Aでいうところの問54、問55は、2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた時に事務連絡として示されたもので、そこでは次のように記載されている。

(問54)

消費税率の引き上げに伴い、すでに入院している患者に対して、差額室料やおむつ代の同意書は、あらためて取り直す必要があるか。

(答)

徴収額に変更がある場合は、改めて同意書を取り直す必要がある。

(問55)

徴収する額がすべて変わることになるが、選定療養費分など各厚生局に届け出ている額については、改めて各厚生局への届出が必要となるか。

(答)

各厚生局に届け出ている額について変更がある場合は、改めて届出を行う必要がある。

選定療養としての差額室料(差額ベッド代)は多くの病院が設定しており、上記Q&Aを踏まえて対応する必要がある

患者の自己選択による特別メニューの食事は軽減税率の適用外

2019年10月からの消費税に関して、軽減税率制度が導入されることにも注意する必要がある。それについて国税庁消費税軽減税率制度対応室ではQ&A(個別事例編)を作成していて、「病院食は、軽減税率の適用対象となりますか」という問いに対して、次のような趣旨の回答をしている。

健康保険法等の規定に基づく入院時食事療養費に係る病院食の提供は非課税とされていることから、消費税は課されません。なお、患者の自己選択により、特別メニューの食事の提供を受けている場合に支払う料金については、非課税となりません。また、病室等で役務(病院側による場所の提供や調理などのサービス)を伴う飲食料品の提供を行うものですので、「飲食料品の譲渡」に該当せず、軽減税率の適用対象となりません。

なお、国税庁によるQ&A(上記)では、有料老人ホームにおける飲食料品の提供についても回答している。例えば有料老人ホームを経営しているような医療法人においては、軽減税率制度について十分に理解しておく必要がある、といえそうだ。